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旭川の児童65人がノロ感染-過去最多ペース

北海道旭川市保健所は10日、市内の小学生65人がノロウイルスによるとみられる感染性胃腸炎に集団感染したと発表した。1人が入院しているが、全員が軽症で回復に向かっているという。

 発表では、11月27日-今月6日に市内の小学校1校で児童たちが嘔吐(おうと)や下痢などの症状を訴え、検査を受けた15人のうち10人からノロウイルスが確認された。

 旭川市内でのノロウイルスによるとみられる集団感染は、11月以降8件目で、患者数は計193人となった。過去最多のペースで増えている。
読売新聞 12月10日(月)

食べ物が美味しくない

味覚の加齢による変化についてお話します。味覚障害の原因は、特発性(原因が不明)、薬剤性、感冒後、亜鉛欠乏症、全身疾患(糖尿病、腎不全、肝障害、消化器疾患、消化管術後など)、鉄欠乏性などです。特に65歳以下の方の味覚障害の原因で最も多いのは特発性で、心因性、感冒後と続きますが、65歳以上の方では薬剤性が最多で、心因性、特発性と続きます。味覚の受容器が日々生まれ変わるためには、亜鉛が必要です。亜鉛欠乏は、コンビニ弁当だけ等の偏食による摂取量の低下と、利尿剤、降圧剤、糖尿病薬、肝疾患治療薬などによりたくさんの亜鉛が消費される場合に起こります。またいびきや舌・口内炎、唾液分泌低下などによる口内乾燥も、味覚障害を助長します。耳鼻咽喉を詳細に診察して、原因を検索しますが、特定できない場合もあります。亜鉛欠乏が疑われる時には亜鉛を投与し経過をみます。心因性の場合は、亜鉛よりも抗不安薬が奏功します。
 予防はバランスの良い食事を取る事ですが、特に日頃から亜鉛を多く含んだ食材(日本茶、牡蠣、レバー、かずのこ、ココア、ナッツ、みりん干し、煮干し、赤味噌、カニ、モズク酢など)の摂取をお勧めします。多くの科を受診している方は、必須薬以外の整理が必要です。咀嚼機能の低下や唾液の分泌低下が味覚の低下につながるので、義歯の調整・管理や口腔内の清掃保持が必要です。趣味や友人、家族との交流を充実させ、日々楽しい食事を取るよう心がけましょう。
            耳鼻咽喉科・アレルギー科・頭頸部外科
                  (医)くまいクリニック

子どもの生活習慣と食の改善を保護者のためのセミナー

 18歳未満の子どもがいる保護者を対象にした生活習慣・食生活改善のセミナー「頭が良くなるここだけの話」が12月2日(日)午前10時から正午まで、旭川市市民活動交流センターCoCoDe(宮前通東)で開かれます。講師の「i進伝心プロジェクト」代表の岩岡勝人さんは昨今問題視されている、子どもの学力と体力の低下や、いじめ、不登校問題などが少しでも解決につながればと今回のセミナーを企画しました。

歯と骨は再生するのでしょうか 旭川医科大学歯科口腔外科学講座准教授 竹川 政範

歯の再生について
  最近の研究では、細胞を顎の骨に移植することで、完全な歯の構造をもった機能する歯が生えてくるようになりました。方法ですが、胎児ラットの歯の基になる細胞を取り出して増やした後に、細胞を特殊な技術を使用して顎の骨に移植すると移植した場所から歯が萌出してきます。つまり、歯の種を植えると歯が生えてくるわけです。細胞をどこから採取するのか、歯の形などの点でまだまだ問題はありますが、歯の再生も現実味を帯びてきました。

 骨の再生について
  私たちが注目しているのは、傷ついた組織の修復などに使われる体性幹細胞を利用した骨の再生医療です。これは、骨髄、筋肉、皮膚、脂肪組織などから見つかっており、骨、軟骨、筋肉などの組織になることがわかっている細胞です。この細胞の利点は、使用する本人の細胞を再生医療に使用するので、免疫反応の問題や倫理的な問題が起こりにくいことです。
                         北海道経済 12月号 №528

肺炎は老人の友:平成23年の死因統計で肺炎が脳血管疾患を上回り第3位へ -超高齢社会日本の現状-

平成24年6月5日に厚生労働省から公表された、「平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況」の内容の一部を以下に引用します。
死因 ①死因順位
  平成23年の死亡数・死亡率(人口10万対)を死因順位別にみると、第1位は悪性新生物で35万7,185人、283.1、第2位は心疾患19万4,761人、154.4、第3位は肺炎12万4,652人、98.8、第4位は脳血管疾患で、12万3,784人、98.1となっている。
  肺炎は昭和50年に不慮の事故にかわって第4位となり、上昇と低下を繰り返しながら上昇傾向を示してきたが、平成23年は脳血管疾患にかわり第3位となり、平成23年の全死亡者に占める割合は9.9%となっている。以上が、「平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況」の一部ですが、過去のこれまでの死因統計の推移から将来の死因順位の動向を予測すると、今後は3大死因という用語よりは、肺炎を含めた4大死因という言葉のほうが適切となるでしょう。またご存知のように、高齢になるにつれ肺炎で亡くなる人が増加します。「肺炎は老人の友」と言われる所以です。

剛力彩芽、スギちゃん受賞 ベストスマイル2012

写真家の浅井慎平氏を審査委員長に迎えたスマイルフォトコンテストでは、昨年の2260点の倍に近い応募総数4264点の中から「とびきりの笑顔写真」を表彰。グランプリとして富樫淳さん(山形県)の「晴れ女」を表彰した他、優秀7作品を表彰した。なお、総評で浅井審査委員長は「笑うことの一つは【人の心が窓のように開いた時】、言葉を変えれば【風が吹いてきた時】ではないかと思っている。今回の入賞者はその中でも沢山の風を私達に送り、とびきりの笑顔を届けてくれた」と評した。

はじめての在宅介護 ③簡単な体操

つるつる路面で転ばないようにするには、体の柔軟性を保ち、足腰や足指の筋力を高めておくことが有効です。関節や筋肉が柔らかいと路上で滑りそうな時にバランスが取りやすくなります。また、筋力を高めておくと、転ばないよう踏ん張りが利きます。柔軟性をつけるためには、腰の周りや股関節、足首周辺の筋肉や関節を柔らかくするようにします。一例として、足首の運動を紹介します。いすに座ったまま足首をゆっくり内側や外側にグルグルと回します。爪先をゆっくり上下させる運動も手軽に行えます。
                 北海道新聞 2012.11.15

現場から考える胃ろう(4)- 口から食べてもらう努力をしているか

早期の治療・ケア・リハで食べられる

 小山氏は、急性期病院が、食べられない人をつくり出してきたと言う。
 リハビリ病院で働いていた時、急性期病院が廃用症候群をつくり出していると思った。転院のサマリには、患者の栄養についての情報は記載されていても、「食べること」についての情報はなかった。「いろいろ試したが、仕方なく胃ろうを着けた」といった報告もほとんどなかったという。
 口から食べられる機能を残すには、急性期病院での早期リハビリが欠かせないと思い、2006年に現在の東名厚木病院に移り、実績が認められ、摂食嚥下療法部の立ち上げとなった。
 同院では、脳卒中や誤嚥性肺炎の患者が入院すれば、すぐに同部に連絡が入る。それから、摂食嚥下リハビリを始めることになるが、軽度であれば、入院初日から食べることをスタートする。
 同部では、医師、看護師、リハビリスタッフ、歯科医、歯科衛生士、栄養士らによる多職種チームが、嚥下機能が低下した患者に対し、「治療」「ケア」「リハビリ」を同時に進めている。
 看護師と言語聴覚士(ST)が、早期スクリーニングと経口摂取を開始するほか、看護師と歯科衛生士による口腔ケアや、リハスタッフによる呼吸リハビリや早期離床とポジショニング(食べる姿勢)の確保も重要になる。食べやすい姿勢を保つために、専用のテーブルやリクライニングの車いすを用意することもある。患者の目線やスプーンの形状などにも気を配る。
 同療法部は、介入している患者(常時30~40人程度)の状況を毎朝チェックし、ミーティングを行う。医師、病棟看護師、リハビリ科との調整も重要だ。
 小山氏は、口から安全に食べ続けてよりスピーディに生活の場に戻るためには、多職種が協働しながら成果を出す必要がある。そのためのチームマネジメントが欠かせないという。
 小山氏は、早期に食べるための評価を行い、安全なものから少しずつ食べていけば、経口摂取ができるようになる人は何人もいると強調する。
 2007年度から10年度にかけて同院で摂食機能療法を行った患者(1707人)のうち、退院時に経口できたのは、肺炎で82.5%、脳卒中では91.8%に上る(死亡者を除く)ことがそれを裏付けている。
 しかし、治療、ケア、リハを同時に進めなければ、絶食となり、さらに寝たきりになり、気付いたときにはもう、口から食べられなくなっているという。

 小山氏は、患者が地域に戻っても、経口摂取に取り組める人が非常に少ないことが大きな問題と考えている。「胃ろうを造ったら食べさせなくなるのが、今の医療と介護。逆に胃ろうを造らなければ、何とか食べさせようと工夫するはず」
 小山氏は、口から食べる尊厳を守り、患者の願いを実現できる人材を育てていくことが、何よりも重要と考えている。

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