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食事指導で医療費抑制 日本歯大が往診で研究

日本歯科大(東京都千代田区)は東京都小金井市に17日オープンする「口腔(こうくう)リハビリテーション多摩クリニック」を拠点に、歯科医師が往診で高齢者に食べ方を指導し栄養状態を改善することで、医療費の抑制効果があることを実証する研究を始める。

 多摩クリニックの歯科医師2人のチーム2組が常時、小金井市周辺の老人ホームや個人宅などを往診する。かむことや、のみ込むことが難しい要介護の高齢者の症状を診断。患者に応じたリハビリのほか、食事方法の改善や栄養指導などを行って、高齢者に健康を取り戻してもらうのが狙い。

 院長の菊谷武(きくたに・たけし)教授によると、口や舌の機能が衰えても、普通の硬さの食事を3、4時間かけて食べようとする高齢者が多い。この場合、食べられずに栄養不足で体重を減らす人もおり、無理に食べて窒息事故も起きている。症状に応じて、やわらかい食事に変えるなど、患者に合った方法で栄養を取ることを勧める。

 高齢者が食べられるようになれば、免疫力が高まり、病気になりにくくなる。菊谷教授は「この取り組みが医療費抑制に効果があることを実証し、栄養指導などを保険点数として認めてもらえれば、歯科医師が働く場も増える」と話している。

 オープンする多摩クリニックは、鉄筋コンクリート3階建て。診察室、検査室のほか、介護食の作り方を教える調理室、高齢者向け食品の専門ショップなどがある。スタッフは歯科医師、看護師、歯科衛生士、言語聴覚士、管理栄養士など計26人。

知ってほしい リウマチ・膠原病  炎症性物質出て「火事」拡大

「関節リウマチは関節の火事」と申してきました。「ではなぜ、火事が起きるのか?」という疑問がわいてくると思いますが、原因は「免疫の異常」にあることが分かっています。自己免疫病とも呼ばれます。免疫異常の結果、サイトカインと呼ばれる「ガソリンのような物質」がたくさん出てくるようになり、関節の火事はどんどん広がります。この火事のもとになるサイトカインは「炎症性サイトカイン」呼ばれていて、「TNF-α」や「IL-6」などの種類が知られています。炎症性サイトカインがたくさん出てくると、滑膜細胞が増えて関節は赤く腫れ上がります。軟膏を溶かす酵素を出す働きもあります。さらに骨を壊す破骨細胞も活性化します。ですから関節リウマチの治療は、免疫異常を治したり、悪玉サイトカインの活動を止めてやったりすればよいことになります。
 それを可能にしたのが生物学的製剤なのです。最新のバイオテクノロジーの技術を駆使して人間や哺乳類が生み出すタンパク質を利用して作られた医薬品で、省略してバイオと呼びます。
                    北海道新聞 2012.9.26

70-74歳の窓口負担、2割に戻すべき- 財政審・分科会

財政制度等審議会(財政審、財務相の諮問機関)の財政制度分科会(会長=吉川洋・東大大学院教授)は15日、来年度の予算編成に向け、医療・介護などの社会保障分野について議論した。焦点の一つとなっている、70-74歳の医療費の窓口負担に関しては、特例措置で1割に据え置かれている現状を見直し、法律上の2割負担に戻す必要があるとの認識でおおむね一致した。同分科会では、12月初旬までに報告書をまとめる方針。

 この日の分科会では、2月に閣議決定された社会保障・税一体改革大綱を踏まえ、医療分野の財政の効率化を図るため、70-74歳の患者負担のほか、被用者保険の高齢者支援金に対する総報酬割の拡大や、国民健康保険組合への国庫補助の見直しなどが論点として挙がった。

デンタル・ラボに政府系会社が出資

政府系投資会社の東京中小企業投資育成(東京)は19日、歯科技工業の札幌デンタル・ラボラトリー(札幌)に出資したことを明らかにした。出資額は2千万円で、8月末に第三者割当増資を引き受けた。札幌デンタル・ラボラトリーは歯科医向けに入れ歯製作などを手がけており、従業員110人、年商10億円と道内トップ級の規模。最先端機器を積極的に導入するなど、生産性向上に力を入れている。東京中小企業投資育成は安定株主として株式を長期保育し、中小企業の成長を支援している。道内の出資はこれで45社となった。
                   北海道新聞 2012.9.20

はじめての在宅介護 今月のテーマは介護保険制度②

介護保険サービス区分認定で「自立」や「要支援」と認定されると、地域包括支援センターの職員が自宅を訪れます。一方、「要介護」と認定されれば、利用を希望する「居宅介護支援事業所」の職員が契約を前提に訪れることになります。事業所が定める「運営規定」の概要や、在宅サービスに直接関わる介護支援専門員らの勤務体制、プライバシー情報の管理体制、予期せぬけがをはじめとする「事故発生時」の対応、苦情への対処などをしっかり確認してから契約します。事業所と契約後、事業所がケアプランを作成し案を提示します。介護保険サービスの内容や、その時間数、追加で必要となる費用を確認し、気になることがあれば納得がいくまでお話ししてください。
                   北海道新聞 2012.9.20

誤嚥しにくいコップ

高齢者は脱水しやすく水分補給はとても大切です。ただ、誤嚥に気をつけなければいけません。誤嚥とは、食道を通って胃の中に入るはずの飲食物が、誤って気管に入ってしまうことです。誤嚥性肺炎を引き起こすこともあり、危険です。誤嚥を防ぐには、料理や飲み物に手を加えて摂取しやすくなる、姿勢を変える、唾液の分泌を良くするなどの方法があります。今回は、誤嚥を防ぐために開発されたマグカップを紹介します。横から見るとペリカンのくちばしのような変わった形で、足が付いています。普通のコップでお茶やジュースを飲むと、液体を口に流し込むのにあごを上げるので、誤嚥が起こりやすくなります。このマグカップは独自の形状をしているので、あごを上げずに飲むことができます。 
 ▽お問い合せ先 日本福祉用具供給協会道支部事務局 ℡011-663-0732。受付は平日の午前9時~午後5時。
                    北海道新聞 2012.9.27

はじめての在宅介護

サービス利用開始後は、書類や連絡先の管理をしっかり行う必要があります。サービスによって複数の事業所を利用することもありますが、各事業所の計画書などの書類を、事業所ごとに古い順にファイルへつづり、担当者の名刺をわかりやすいように貼っておくと便利です。また、被保険者証も大切に保管して下さい。サービス計画の作成時などに必要ですが、介護認定を受けた後は、有効期間や介護保険制度で規定されたサービス上限である「区分支給限度額」なども記載されています。
                    北海道新聞 2012.9.27

東日本大震災の特例措置 3月末まで延長

中医協総会が9月19日(水)、厚労省内で開催され、東日本大震災に伴う診療報酬等の特例措置を平成25年3月末日まで延長することを承認した。原則として、特例措置を現に利用している保険医療機関が対象。特例措置は9月末日までとされていた。平成25年4月以降の延長措置については、利用状況等を踏まえて改めて検討する。
                   日歯広報 9月25日

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