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知ってほしい リウマチ・膠原病  炎症性物質出て「火事」拡大

「関節リウマチは関節の火事」と申してきました。「ではなぜ、火事が起きるのか?」という疑問がわいてくると思いますが、原因は「免疫の異常」にあることが分かっています。自己免疫病とも呼ばれます。免疫異常の結果、サイトカインと呼ばれる「ガソリンのような物質」がたくさん出てくるようになり、関節の火事はどんどん広がります。この火事のもとになるサイトカインは「炎症性サイトカイン」呼ばれていて、「TNF-α」や「IL-6」などの種類が知られています。炎症性サイトカインがたくさん出てくると、滑膜細胞が増えて関節は赤く腫れ上がります。軟膏を溶かす酵素を出す働きもあります。さらに骨を壊す破骨細胞も活性化します。ですから関節リウマチの治療は、免疫異常を治したり、悪玉サイトカインの活動を止めてやったりすればよいことになります。
 それを可能にしたのが生物学的製剤なのです。最新のバイオテクノロジーの技術を駆使して人間や哺乳類が生み出すタンパク質を利用して作られた医薬品で、省略してバイオと呼びます。
                    北海道新聞 2012.9.26