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歯周病になると腸内細菌叢が乱れて全身に悪影響のおそれ!

[研究のポイント]
☆歯周病以外に全身的な疾患のない患者と歯周病を含む全身的な疾患のない健康な対象者の唾液、ならびにふん便中の細菌叢を網羅的に解析した

☆歯周病患者では唾液中の細菌叢だけでなく腸内細菌叢にも乱れが生じていることを明らかにした

☆歯周病を治療することで唾液中の細菌叢だけでなく、腸内細菌叢も変化することを明らかにした

☆ヒトにおいても腸内細菌叢が病的口腔細菌叢の影響を受けることを示すとともに、歯周病治療・予防により健全な口腔細菌叢を回復し、それを維持することが全身の健康にとっても重要であることを明確に示唆している

https://doi.org/10.1080/20002297.2025.2499284
【山田宏のデンタルマガジン】


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歯科健診未受診で死亡リスクが上昇
 ― 大阪公立大ら
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 歯科健診を受けていない75歳以上の後期高齢者は、受けている高齢者に比べて死亡リスクが1.5倍であることが、大阪公立大学などの研究で明らかになった。同大学大学院看護学研究科の大槻奈緒子 講師らのグループは、平成29年10月から31年3月までの間、大阪府後期高齢者医療保険に加入していた75歳以上の94万6,709人を対象に、歯科健診と歯科受診の有無と死亡の関連を3年間の死亡率で解析・検討した。[1]どちらもあり[2]健診のみ、受診なし[3]健診なし、受診あり[4]どちらもなし―の4グループに分けて年齢や基礎疾患などの因子が一致する対象者ごとに分析。

 その結果、どちらも受けなかった[4]のグループは、健診を受けただけの[2]のグループに比べ、死亡リスクが男性で1.45倍、女性で1.52倍となった。理由について大槻講師は「定期的に歯のメンテナンスに行く高齢者は健康意識が高く、死亡リスクを下げるような行動をとりやすいのではないか」としている。研究結果は5月、老化に関する国際学術誌のオンライン速報版に掲載された。
【歯科通信】


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日歯 第2次高橋執行部が発足
 ― 定時代議員会後の理事会で役職など決定
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 日本歯科医師会の高橋英登 会長の第2次執行部が13日に発足した。副会長には北海道の藤田一雄 氏、大阪府の瀬古口精良 氏、愛知県の内堀典保 氏、専務理事に伊藤智加 氏が就任。任期は令和9年6月の定時代議員会終了まで。

 12日の第205回定時代議員会で理事23人、外部理事1人、監事2人、外部監事1人の選任が承認され、13日の代議員会終了後に第1回理事会を開催して役職などを決定した。

 理事会後の会見で高橋会長は、「執行体制を取らせていただいてから2年間、厳しい現状に翻弄されながら、会務を執行させていただいてきた。計画どおりの面もあったが、道半ばの部分もたくさんある」と発言。「2期目を認めていただいたので、新執行部を持って、さらなる荒波に立ち向かっていこうと決意を新たにしたところ」と意気込みを語った。
【歯科通信】


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日歯 「健診拡充に向け働きかける」
 ― 骨太方針の閣議決定受け見解
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 日本歯科医師会は18日、「経済財政運営と改革の基本方針2025」の閣議決定を受けての見解を発表した。国民皆歯科健診の具体的取り組みについては、「引き続き、妊産婦、大学生、労働者、成人期、高齢期等における歯科健診の制度化及び更なる拡充を強く働きかける」としている。

 見解では、歯科と関連が深いものとして「防災・減災・国土強靭化の推進」「全世代型社会保障の構築」「公教育の再生・研究活動の推進」の記載内容、歯科も含まれるものとして、「個別業種における賃上げに向けた取り組み」「『経済・財政新生計画』に基づく今後の取り組方針」「物価上昇に合わせた公的制度の点検・見直し」の内容を紹介。
【歯科通信】