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会館センター部講演会

日時:平成24年9月29日(土)午後2時30分~
 場所:十歯会館講堂
 演題:「高齢者診療におけるかかりつけ歯科医の在り方と手技」~診療所を核にした訪問診療とリハビリテーション~
 演者:日本大学歯学部 摂食機能療法学講座 教授 植田 耕一郎先生
 高齢者への接し方や訪問診療を始める前の考え方を説明。また、脳卒中でリハビリを行ない、身体の障害はある程度回復して健康でも、口の中は寝たきりのままだと述べられ、歯科医の役割を再認識。講演の中では実際に車イスを用意して半身不随の患者に対する身体移動のアドバイスをするより実践的なもの。

地域医療部講演会

日時:平成24年9月8日(土)午後3時~
 場所:十歯会館講堂
 演題:「高齢化社会の歯科医療の新たな役割とは」
 演者:日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長 菊谷 武先生 
 日本人のおもな死因について触れ、脳卒中の後遺症として摂食嚥下障害を起こし、誤嚥性肺炎などで死亡する例が増加と説明。さらに窒息はのどで起こるが、その要因の8割は口腔にありもっと口に関与することができれば、こうした窒息や肺炎は防げるという。年をとれば手足の動きが悪くなるように、加齢とともに舌や唇もやせ衰えていく。ただし、筋肉は鍛えることができ、舌の筋力を鍛えるなど口腔に働きかけることで、寝たきりの防止につながる。

食べ物が美味しくない

味覚の加齢による変化についてお話します。味覚障害の原因は、特発性(原因が不明)、薬剤性、感冒後、亜鉛欠乏症、全身疾患(糖尿病、腎不全、肝障害、消化器疾患、消化管術後など)、鉄欠乏性などです。特に65歳以下の方の味覚障害の原因で最も多いのは特発性で、心因性、感冒後と続きますが、65歳以上の方では薬剤性が最多で、心因性、特発性と続きます。味覚の受容器が日々生まれ変わるためには、亜鉛が必要です。亜鉛欠乏は、コンビニ弁当だけ等の偏食による摂取量の低下と、利尿剤、降圧剤、糖尿病薬、肝疾患治療薬などによりたくさんの亜鉛が消費される場合に起こります。またいびきや舌・口内炎、唾液分泌低下などによる口内乾燥も、味覚障害を助長します。耳鼻咽喉を詳細に診察して、原因を検索しますが、特定できない場合もあります。亜鉛欠乏が疑われる時には亜鉛を投与し経過をみます。心因性の場合は、亜鉛よりも抗不安薬が奏功します。
 予防はバランスの良い食事を取る事ですが、特に日頃から亜鉛を多く含んだ食材(日本茶、牡蠣、レバー、かずのこ、ココア、ナッツ、みりん干し、煮干し、赤味噌、カニ、モズク酢など)の摂取をお勧めします。多くの科を受診している方は、必須薬以外の整理が必要です。咀嚼機能の低下や唾液の分泌低下が味覚の低下につながるので、義歯の調整・管理や口腔内の清掃保持が必要です。趣味や友人、家族との交流を充実させ、日々楽しい食事を取るよう心がけましょう。
           耳鼻咽喉科・アレルギー科・頭頸部外科
                  (医)くまいクリニック

子どもの生活習慣と食の改善を保護者のためのセミナー

18歳未満の子どもがいる保護者を対象にした生活習慣・食生活改善のセミナー「頭が良くなるここだけの話」が12月2日(日)午前10時から正午まで、旭川市市民活動交流センターCoCoDe(宮前通東)で開かれます。講師の「i進伝心プロジェクト」代表の岩岡勝人さんは昨今問題視されている、子どもの学力と体力の低下や、いじめ、不登校問題などが少しでも解決につながればと今回のセミナーを企画しました。

[歯科政策] 歯科報酬引上げ、共産党は賛成、維新の会は反対、ほか慎重姿勢

全国保険医団体連合会の「保険で良い歯科医療を」全国連絡会は11月24日に、衆議院選挙に向けた歯科医療政策に関するアンケート結果を公表した。

  このアンケートは、12月16日に行われる衆議院総選挙に向け、歯科医療政策について、民主党、自由民主党、国民の生活が第一、日本共産党、社会民主党、日本維新の会の6党に対し、11月15~21日に実施したアンケート調査をまとめたもの。

  質問項目は、(1)窓口負担の軽減(2)診療報酬の引上げ(3)保険給付外診療―などの7項目。

  このうち(1)の「窓口負担の軽減」について見てみよう。この質問は、「経済的理由で受診を控える人が歯科では多い」という背景に基づいている。共産党は、負担軽減に「賛成」とし、「子どもは無料、現役世代は2割、高齢者は1割へと引下げる」ことを提案している。

  一方、日本維新の会は、一部の市町村で先進的に実施されている中学生までの窓口ゼロ負担には「賛成」しているものの、大幅な負担軽減や高齢者の窓口ゼロ負担には「反対」姿勢だ。

幹細胞培養液で歯周病治療 名大、イヌで実験

さまざまな組織や臓器の細胞になりうる幹細胞の培養液を使ってイヌの歯周病を再生治療することに、名古屋大大学院医学系研究科の上田実(うえだ・みのる)教授(頭頸部(とうけいぶ)・感覚器外科学)の研究チームが29日までに成功、人間への臨床研究を開始した。12月9日に米学術誌(電子版)に発表する。

 幹細胞の培養液には細胞の増殖や分化などに関わるタンパク質が何種類も含まれており、幹細胞と同じ程度の組織再生能力がある。幹細胞そのものを移植すると、がん細胞化する恐れがあるため、培養液を使うことでこれを回避し、治療に要する費用も抑えることができるという。上田教授は「タンパク質を使った特効薬で歯周病の根治につながる」と話している。

 研究チームは、これまでに培養液の中から歯周病の再生治療に有効な4種類のタンパク質を発見。今回、人の骨髄に由来する幹細胞を使い、培養液をコラーゲンでできたスポンジに染み込ませ、歯周組織に約5ミリの穴を開けて歯周病の状態にしたイヌに移植した。

 4週間後、何もしなかった場合、歯周組織にある骨の再生は約2ミリ弱にとどまったのに対し、移植した場合は3ミリ以上再生し、再生面積は何もしない場合の2倍以上になった。歯の表面のセメント質も培養液で再生した。

ノロウイルス猛威 昨年の2倍以上に

県は28日、ノロウイルスによるとみられる感染性胃腸炎の患者が12-18日の1週間で1029人に上り、昨年同期の倍以上になったと発表した。今月に入り、県内の保育園など4施設で計73人がノロウイルスに感染しており、県は「食事の前やトイレの後などには必ず手洗いを」と呼びかけている。

 県疾病対策課などによると、感染症胃腸炎の患者は全国的に急増しており、過去10年間で2番目の水準という。県内では過去7年間で3番目の水準で、毎年11月-翌年2月にかけて患者が増えることから、今後も増加する可能性が高いとみられる。同課は予防対策として、入念な手洗いのほか、下痢や嘔吐(おうと)の症状がある人は食品を直接取り扱わないこと、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱して食べることなどを挙げている。

(静岡)読売新聞 11月29日(木)

「効果の科学的根拠示す」 特定健診・保健指導/矢島健康局長

厚労省の矢島鉄也健康局長は9月26日(水)、専門紙記者クラブの共同取材で、医療保険者に実施が義務付けられている特定健診・保健指導の効果を科学的に証明する「戦略的研究」を局内で進めていることを明らかにした。特定健診の実施率は43.3%(22年度)、特定保健指導の実施率は18.0%(同、終了者の割合は13.7%)と低迷しており、実施率の底上げが課題となっている。矢島局長は「健診・保健指導を実施したグループと実施していないグループを比較すると、患者は健診・保健指導を受けていたグループの方が少なく、入院も少ない」と研究の一端を紹介。そのうえで「科学的根拠、つまり(特定健診などが)うまくいくということがみえてくれば、受診率は上がっていくと思う」と述べた。
                       「国保情報(国保中央会発行)№1070より転載」
 

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