厚生労働省は9月 19 日、2024 年度の「医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査」の結果を公表。全国すべての病院を対象とした調査で、約9割の病院が「外国人受入れ体制整備方針」や「外国人対応マニュアル」を整備していないことがわかった。 2024 年の訪日外国人数は過去最高を記録し、今年はさらに上回るペースで推移しているが、医療においては受入れ体制の整備が不十分な実情が浮き彫りとなった。 ■医療コーディネーターの配置はわずか2.6% 調査によれば、2024 年9月の1カ月間で外国人患者受入れ実績があった病院は全体の52.7%。外国人患者数は 10 人以下が44.9%、50 人以下が 75.6%だったが、500人以上受入れている病院も48病院あった(全体の0.2%)。 外国人患者に対する体制整備状況については前述のとおりで、受け入れ体制の「現状把握および課題抽出」すらしていない病院が約8 割、拠点的な医療機関でも6割以上が実施していなかった。 そういった状況であるため、外国人患者受入れ医療コーディネーターを配置している病院も少なく、わずか151病院(2.6%)だった。拠点的な医療機関でも、724病院のうち配置しているのは108病院(14.9%)にとどまった。配置している病院でも、専任者はわずか18病院だった。 一方、多言語化への対応は比較的進んでいる。全国330の2次医療圏のうち、50.0%は医療通訳者を配置。71.5%は電話通訳が利用可能な病院があり、「外国人患者の受入れに資するタブレット端末・スマートフォン端末等」を導入している病院がある2次医療圏は93.9%だった。 ■16.3%の病院が未収金を経験 外国人患者に対する自由診療の診療価格は、9 割以上の病院が診療報酬点数票を活用した倍数計算(1点=10円)で対応している。 ただし、そのうち14.3%は1点あたり10円を超える診療価格を設定。