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出産回数が多い女性ほど残存歯数が少ない!?さらなる妊婦への歯科健診の啓蒙を。

出産回数が多い女性は将来、残存永久歯が少なくなりやすいことが、東京医科歯科大の植野正之准教授と国立がん研究センターの共同研究でわかった。植野准教授はこの原因について「妊娠や出産のプロセスに伴い、ホルモンや口の中の細菌のバランスが変化し、免疫力が低下することで、う蝕になりやすかったり、歯周組織の破壊が起こりやすくなったりする。妊娠ごとにそれが繰り返されることで歯の喪失に至るリスクが高まると考えられる」としている。

 「ゆっくり噛んで食べる」の根拠を立証。咀嚼を基盤にした減量手段の開発に期待。

調査したのは東京工業大学大学院社会理工学研究科の林直亨教授らの研究グループ。被験者10名に300キロカロリーのブロック状の食品を与え、急いで食べる試行と、ゆっくり食べる試行とを実施した。前者では平均103秒、咀嚼回数が137回、後者では497秒、702回の結果、また、安静時から摂食、摂食後90分までの酸素摂取量を計測し、食後誘発性体熱産生量を算出。腹腔動脈と上腸間膜動脈の血流量を計測した。その結果、食後90分のエネルギー消費量は、急いで食べた場合は体重1kg当たり平均7カロリーだったのに対し、ゆっくり食べた場合は180カロリーと有意に高い値を示した。この研究結果により、ゆっくり食べることが食後のエネルギー消費量の増加につながることが科学的に確かめられた。林教授曰く「咀嚼を基本とした減量手段の開発に役立つのではないか」としている。

歯科医による「しわ取り」が急増。歯科の領域について賛否両論。

一般的に美容外科医らの医師が手がける、ヒアルロン酸注射による顔のしわ取り。近年、歯科診療の一環として、しわ取りを診療メニューに加える歯科医院が増えている。歯科医向けの美容治療セミナーが毎月開催され、希望者も増えているという。まず問題なのは、歯科医が美容領域であるしわ取りを行うことが違法ではないかということ。厚生労働省が1996年に専門家会議で出した通達では、歯科の診療対象に口唇が含まれている。口唇とは口の周り全体を指すため、ほうれい線のしわ取りも診療の対象になるというのが、ヒアルロン酸注射を行っている歯科医院の解釈だ。医科と歯科との境界線の問題や歯科医師の技術的問題、さらには既得権益の争いもあり、歯科医のしわ取りには賛否両論、様々な意見が出てきている。

高齢者への肺炎球菌ワクチン

日本人の死亡原因の第3位は肺炎です。しかも肺炎による死亡は高齢化が進むにつれて増加傾向にあります。高齢になると、むせやすく、咳(せき)をする力が弱まるので、気管にばい菌が入り易くなります。その結果、肺炎が増えるのです。

 肺炎はさまざまな病原体で生じますが、中でも肺炎球菌が全体の約3割を占め、原因菌としては最多です。この肺炎球菌による肺炎を予防しようと、今年10月から全国で高齢者の方を対象に肺炎球菌ワクチンの定期接種が開始されました。過去に国内で行われた調査では、このワクチンは肺炎の発生を明らかに減少させることが確認されています。今回の定期接種によって、多くの人が接種すれば、肺炎による死亡者の減少が期待できます。

 ただ、良いことばかりではありません。第一に、ワクチンにつきものの副反応が軽微なものを含めると全体の数%に生じます。ただ、その頻度は、皆さんが毎年打たれているインフルエンザワクチンと同じ程度と考えられます。第二に、肺炎球菌以外の病原体には効果がありません。ワクチンを打ったから肺炎にならないというわけではありません。

 肺炎球菌ワクチンは、一回の接種で免疫が5年程度持続します。季節性インフルエンザワクチンのように毎年接種するわけではないので気をつけてください。

 肺炎球菌ワクチンの定期接種の対象はその年度に65歳の誕生日を迎える方となります。ただし、今後5年間は経過措置期間と定められており、65歳以上の高齢者を65・70・75歳……と5歳刻みで接種対象とし、今年度から2018年度にかけて、すべての高齢者を定期接種の対象とする制度となっております。対象となる年度においてのみ助成の対象になります。なお、60歳以上65歳未満の心臓、腎臓、呼吸器に高度障害がある方なども対象となります。逆に、過去に肺炎球菌ワクチンを接種されている方は対象外です。

 詳細をお知りになりたい方やご不明の点がある方は、皆さんの住んでおられる市町村役場にお問い合わせください。

「食べたい」をかなえる 炎症性腸疾患に愛情レシピ 「医療新世紀」

クローン病と潰瘍性大腸炎は、いずれも腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍が生じる原因不明の難病で、ひとくくりに「炎症性腸疾患」と呼ばれることもある。10~20代の若年者の発症が多く、患者は繰り返し現れる下痢や腹痛、血便、発熱などの症状に悩まされる。

 体調のコントロールに欠かせないのが食事の管理。脂肪や食物繊維、香辛料などの刺激物を避けながら、高いカロリーの摂取が求められるが、食材選びは面倒で、できた料理も味気ないものになりがちだった。

 そんな患者の「おいしく食べたい」という願いをかなえるレシピ本が出版された。「クローン病・潰瘍性大腸炎の安心ごはん」(女子栄養大学出版部、1620円)だ。

 著者は料理研究家で栄養士の田中可奈子(たなか・かなこ)さん。田中さんの息子は大学に在学中の2009年、突然クローン病と診断された。当初は「私の作った食事が悪かったのか」と自分を責めたり「何を食べさせたらよいのか」と悩んだりする日々が続いたという。

 しかし「家族みんなで楽しく食卓を囲みたい」という一心で、田中さんは工夫を重ねた。調理に油は使わず電子レンジを活用する。繊維を断ち切る包丁の入れ方をする。牛乳の代わりに豆乳を使う―。本書には、こうして生まれた約90種の料理について、材料や作り方が紹介されている。カレーやパスタ、丼物からデザートまで、患者だけでなく、家族全員がおいしく食べられるレシピだ。

 医師による病気の解説や患者の体験談、管理栄養士によるアドバイスなども掲載。写真やイラストも豊富で、理解しやすい内容となっている。

ロキソニン、土壇場で第1類に据え置き

ロキソニン、土壇場で第1類に据え置き 薬食審・安易なリスク区分引下げへの懸念強く

 薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会は一般用医薬品のリスク区分について議論し、ロキソプロフェンナトリウム水和物を第1類とすることを決定した。事前に開催された薬食審・安全対策調査会で同成分は指定第2類に移行することを固めていたが、今部会では出席した多くの委員がリスク区分を引き下げることへの懸念を表明し、安全性への配慮から急きょ第1類のままで据え置くことを了承した。

 同部会ではロキソプロフェンナトリウム水和物(販売名・ロキソニンS)について議論。厚労省は事前に開いた安全対策調査会において「一般用医薬品としてイブプロフェン・アスピリン等と比較して特記すべき点は認められず、厳格な取扱いとすべき理由はない」との結論から、指定第2類へと移行することを認めていたが、この日の部会では厚労省に寄せられたパブリックコメントのほとんどが第1類とすべき要望であることや、そもそもリスクのある薬を意図的に引き下げる理由はないといった意見が続出。日本医師会常任理事の今村定臣委員は「指定第2類に移行するということは、販路がこれまで以上に拡大すること。妊娠後期の女性へのリスクを考慮すると、第1類のままが妥当」と指摘したほか、日本薬剤師会副会長の生出泉太郎委員も「これからのスイッチOTCへの流れを考慮すると、安易にリスク区分を引き下げることはどうなのか。その試金石になるのではないか」と語り、引き続き第1類として販売することを要望した。

 部会長と厚労省は添付文書への記載と妊婦へのリスクを啓発することで懸念は払拭できるとの安全対策調査会の意見を提示したものの、多くの部会員は「特定の対象にリスクがわかっている成分を引き下げる理由には当たらない」などの考えから、部会として第1類で据え置くことが妥当との結論に至った。

動脈硬化に関わる脂質代謝異常と歯周病菌との関連を人間でも立証

歯周病が動脈硬化に関連することが指摘されてきているが、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野の工藤値英子助教と高柴正悟教授らの研究で、歯周病患者は動脈硬化に関わる悪玉コレステロールの値が高いことがわかった。今回の研究で、人間においても歯周病菌の感染が脂質代謝異常の原因となることが示された。歯周病が影響を与える疾患として、動脈硬化のほか、心血管障害や糖尿病などが報告されているが、この検査方法を用いることで、歯周病との関連、疾患の原因究明につながると期待されている。

20~60代の7割以上が銀歯を保有。「3万円未満なら白い歯に変えたい」が半数。

先進国の中で驚くほど銀歯を持つ人が多いと言われる日本。『スリーエムヘルスケア』が、全国の20~60代の一般男女2万人に対し、銀歯に関するオンライン調査を実施したところ、銀歯の保有率は全体で71.2%、最も保有率が高かった世代は40代で、79.7%。10年以上銀歯を保有している人は全体で41.6%だった。

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