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下村文科大臣が歯学部定員削減検討に言及

第44回日本口腔インプラント学会の学術大会が9月12日(金)~14日(日)、
東京国際フォーラムにて開催された。その中の「2020夢ビジョン」と
題された特別講演のなかで下村博文文科大臣が講演を行い、歯学教育
の問題点をいくつか挙げたなかで「今後の需給バランスを見据えてい
く上で歯科大学・歯学部が優れた入学者を確保するためにも、国家試
験合格率の低い歯科大学・歯学部の入学定員数を見直さざるをえない」
とし、今後、対応策に取り組んでいくとの見解を示した。また、これ
に先立ち9月初めには日歯役員OBなどで構成される私的勉強会「歯科
医師過剰問題を考える会」が、政府、文科省、厚労省、歯科大学等に
歯学部入学定員の20%削減、質の高い学生教育などを求める決議文を
提出している。今後の動向が注目される。

うがいは水だけでも、しっかり予防効果がある

うがいをする際は、いきなりのどで「ガラガラガラ」としてしまいがちだが、実はこれはNG。まずは「ブクブクブク」と口の中をすすいでから吐き出し、あらためて「ガラガラガラ」とうがいをするのが正しいやり方だという。

「最初に『ブクブクうがい』をしないと、うがい時に口の中に存在している菌やウイルスをのどに届けてしまうことにもなりかねません。また、食べかすなどをすすぐ意味でも、まずは『ブクブクうがい』をしましょう」。

うがい薬を使う人もいるだろうが、予防の観点からすると必須ではないという。

「医薬品のうがい薬はあくまで治療目的のものなので、日常で毎日使うには強すぎる面があるかもしれません。予防効果で考えれば、水だけでもかまいません」。ただし、風邪などの流行が懸念されている場合などはうがい液の使用を推奨するという。状況に応じて使用するようにしたい。

今まで「こんなに丁寧にうがい・手洗いをしたことがなかった! 」という人は、今日から早速実践してみてはどうだろうか。また、お子さんがいる場合はお子さんと一緒にトライしてみるのもいいだろう。

認知症の人狙う悪質商法、過去最多

商品を勝手に送り付け、その代金を支払わせるといった悪質な商法に悩まされる認知症の高齢者が増えている。国民生活センターによると昨年度、認知症などの高齢者が消費者トラブルに巻き込まれたとする相談は、過去最多の1万件余りに達した。中には1人で2億円を支払ってしまった高齢者もいたという。国民生活センターでは、認知症の高齢者は被害やトラブルに遭っているという認識自体が低いため、問題が潜在化しやすいと指摘。被害やトラブルの発生を見極めるためのチェックリストを公表し、認知症の人の家族やそのケアに当たる介護従事者らに注意を呼び掛けている。

兵庫・養父市職員ら考案、会議前体操:1分半、健康作り気軽に 歌と号令バージョン2種類

 養父市職員らが、会議の前などで気軽に健康づくりに取り組めるようにと、東京都健康長寿医療センター研究所の協力を得て「会議前体操」を考案した。

 この体操は椅子に座った状態で足・肩・首・肩こう骨・体側・背筋を動かす運動を行う約1分半の体操。歌バージョンと号令バージョンの2種類がある。歌バージョンは、お笑いコンビCOWCOW(カウカウ)のネタ使用の承諾を得た「あたりまえ体操」のメロディーに合わせて行う。

 会議前体操によって▽身体の筋が伸び気持ちが良く眠気が覚める▽声を出して身体を動かすため頭も身体も柔軟になる効果がある、などとしている。

 市健康課は「会議前だけでなく、いろいろな所で気軽に体を動かしてもらって健康づくりに役立ててほしい」と話している。
毎日新聞社 2014年9月19日(金) 配信

トクホ「体によい」根拠を公表

消費者庁が食品の表示に関する新しい制度を始めるため準備中です。食品に含まれる成分がどう体によいかという「機能性」を示すもので、特定保健用食品(トクホ)など既存の2制度に続く第3の機能性表示になります。制度をよりよくするために、消費者庁は案(表示基準案)を公表して26日まで国民から意見を募っています。既に開いた説明会では食品業界を含め多くの質問が出ました。ポイントや課題をQ&Aでまとめました。

 ◇食品の機能性表示Q&A

 Q 新しい機能性表示は、どんな根拠があれば認められますか。

 A 原則として消費者に販売される製品を人に食べてもらう臨床試験をやったか、体によいと表示したい「機能成分」の有効性などを示す複数の質の高い研究文献があれば、販売事業者は自己責任で表示できます。ただし、根拠となる情報を公表する必要があります。また薬ではないので病気を治すことを目的としていないことや、国の評価を受けたものではない、との表示も必要になります。

 Q 新たに機能性が表示できる食品はどのような名称ですか。

 A 既にある制度では、例えば「おなかの調子を整える」などと表示できるのが「特定保健用食品」、カルシウムなど栄養成分の機能を表示できるのが「栄養機能食品」です。消費者庁は新制度を「機能性表示食品」とする案を示していますが、現在、名称を募集中です。ただし「保健」「栄養」という言葉は使えないそうです。

 ●販売時期は未定

 Q いつから始まりますか。

 A 始める時期は、「今年度中(来年3月まで)に実施」と昨年6月に閣議決定していますが、いつから販売できるかは現時点では未定です。新制度に沿った機能性を表示して販売する場合は、科学的な根拠などをまとめた必要事項を販売日の60日前までに消費者庁に届け出る必要があります。

 Q 新しい機能性表示の範囲に関して、「栄養素の過剰摂取につながる食品を除く」とありますが、その栄養素とは何ですか?

 A 対象外となる栄養素のことで、脂質、飽和脂肪酸、糖類(単糖類と二糖類で糖アルコールは除く)、コレステロール、ナトリウムの五つです。例えば、塩分の多い漬物のような食品はたとえ機能成分があっても、塩分の過剰摂取につながる恐れがあるため認められないという意味です。ただし、塩分や脂質などがどれだけ含まれていれば、認められないかは線引きが難しく、今後の検討課題です。

 ●生鮮品も対象に

 Q ミカンや魚など生鮮品も対象になりますが、個人の農家や農協のような団体でも表示して販売できますか。

 A 個人でも団体でも、科学的なデータを整えて届け出れば、表示して販売できます。

 Q 生鮮品の場合、同じ種類の魚、作物でも個体差があって、機能成分の量にバラツキがあると思いますが、どの程度のバラツキなら許されるのですか。

 A 機能成分にバラツキが出てくる要因はいろいろあります。農林水産省など関係省庁と協議して分かりやすい目安を示すそうです。

 Q 機能性表示の根拠となる科学論文は販売業者のホームページで読めますか。

 A 消費者庁に届けられた資料は、消費者は同庁のホームページなどで見られるようになります。ただ、事業者のホームページに詳しい論文を載せるかどうかなどは決まっておらず、今後の検討課題です。

 Q 健康によい油として知られるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)は表示の対象になりますか。

 A なります。魚に含まれる成分だけに関心が高いようです。

 Q すでにトクホで表示でき、脂肪の吸収を抑えるなどの特徴のある「難消化性デキストリン」(食物繊維の一種)は表示できますか。

 A 説明会では「表示できる」との答えでしたが、トクホには表示対象外の栄養成分(カルシウムやビタミンKなど)もあり、トクホで認めてきた成分のうち、どれを表示対象とするかに消費者庁も苦慮していて、今後の検討課題のようです。

 Q 販売後に機能性表示の根拠がなかったと分かった場合、その商品の広告を載せた新聞や雑誌なども責任を問われるでしょうか。

 A 食品表示基準はあくまでラベルの基準に関する規定です。広告に根拠のない誇大表示があれば従来通り、景品表示法と健康増進法に基づいて判断されます。消費者庁は今後、誇大表示への監視体制を強化していくそうです。

 Q 表示に科学的根拠が乏しいと分かった場合、適格消費者団体(消費者の利益を守るために活動し、首相が認めた11の消費者団体)は販売の差し止め請求をできますか?

 A 差し止め請求の対象にはなりません。しかし、表示が適切でないと感じた消費者からの申し出が多くなれば、消費者庁が必要な調査、措置をとることができます。【小島正美】

 ◇消費者庁が意見募集

 消費者庁は近くまとめるガイドライン(指針)で詳しい基準を示すが、その基準を作るため26日(郵送は同日必着)まで、意見を募集している。表示基準案の内容は同庁のホームページ「パブリックコメント」内の「食品の新たな機能性表示制度に係る食品表示基準(案)についての意見募集」で公表している。

 郵送での送り先は〒100-6178東京都千代田区永田町2の11の1山王パークタワー5階、消費者庁食品表示企画課。ファクス(03・3507・9292)でも提出できる。

 ◇新たな機能性表示制度

 対象はサプリメントを含む加工食品と農林水産物。科学的根拠があれば、食品成分の機能性が表示できる。特定保健用食品、栄養機能食品に次いで三つ目の表示制度となる。政府の規制改革会議が昨年6月、日本再興戦略のひとつとして、食品の機能性を認める方策を決め、それに沿って検討されてきた。

1時間のジョギングでHFリスク半減 【米国心臓協会】

米国心臓協会(AHA)は9月2日、中等度の運動が心不全(HF)リスクを46%減少させることを示した研究を紹介した。Circulation誌に掲載。

 この研究は、研究開始時に心不全を持たない被験者(20-90歳)3万9805人を対象に、生活様式、身体活動、喫煙や飲酒、薬剤使用などに関するアンケートを実施。身体活動は余暇時間と総時間(仕事上の身体活動を含む)に分けて記載し、余暇の身体活動は軽度(軽いウォーキングなど)、中等度(ジョギング、水泳など)、高度(競技スポーツなど)の3種に分類し、心不全発症リスクへの関連性を追跡した。

 その結果、余暇の身体活動が最も高い群(中等度の運動を1日1時間、または激しい運動を1日30分)では、心不全発症リスクが46%減少することが分かった。運動の効果に男女差はなく、心不全を発症しやすいのは高齢、男性、低学歴、体格指数やウエスト・ヒップ比の高い群、成人病疾患(心発作、糖尿病、高血圧、高脂血症)の既往がある群だった。

 研究者は、「中等度の運動でも効果は得られる。歩行や階段昇降、自転車の使用を簡単、安全に行える環境を整えるだけでも違いは大きい」と述べている。

【関連リンク】
An hour of moderate exercise a day may decrease heart failure risk

人工甘味料で代謝異常 腸内細菌のバランス崩す

菓子や清涼飲料に広く使われているサッカリンなどの人工甘味料には、代謝に関わる腸内細菌のバランスを崩して血糖値が下がりにくい状態にする作用があるとする研究結果を、イスラエルの研究チームが英科学誌ネイチャー電子版に17日発表した。

 虫歯予防やカロリー摂取量を抑えるのに役立つ一方で、糖尿病や肥満といった生活習慣病のリスクが高まる可能性を指摘。別の人工甘味料のスクラロースやアスパルテームにも同じ作用があることをマウスの実験で示した。チームの研究者は「大量に使われている人工甘味料の影響について再評価する必要がある」と警告している。

 チームはイスラエルの約380人を対象とした調査で、人工甘味料を多く摂取する人は摂取しない人に比べ、体重や腹囲の増加に加え、血糖値や糖尿病に関係する血液指標の上昇がみられるのを確認。少人数のグループやマウス実験で詳しく調べると、摂取量が多いと消化や代謝に関わるさまざまな腸内細菌のバランスが変化し、血糖値が下がりにくい糖尿病と似た状態になることが分かった。

 人工甘味料は砂糖の数百倍の甘味があり、ダイエット飲料や朝食用シリアル、砂糖を使わない菓子などに広く使われている。健康影響をめぐっては、血糖値に影響しないとの疫学研究がある一方、体重増加や糖尿病リスクを指摘する報告もあり、専門家の間で議論が分かれている。

65歳以上、3296万人 過去最高、総人口の26% 「敬老の日」総務省推計

「敬老の日」を前に総務省が14日発表した人口推計によると、2014年の65歳以上の高齢者は前年に比べ111万人増の3296万人だった。総人口に占める割合は0・9ポイント増の25・9%で、ほぼ4人に1人の計算。人数、割合とも過去最高を更新した。

 第1次ベビーブームの最終世代である1949年生まれの人が65歳に達したのが要因。75歳以上は12・5%の1590万人で、8人に1人の割合となった。

 国立社会保障・人口問題研究所は、今後も高齢者は増加し2035年には65歳以上が3人に1人、75歳以上が5人に1人の割合となると予測しており、社会保障の充実や就業先の確保など対応が求められる。

 推計は10年の国勢調査を基に、その後の出生や死亡数を今月15日時点で反映させた。65歳以上の男性は1421万人で男性人口の23・0%、女性は1875万人で女性人口の28・7%を占めた。

 年齢層別では、70歳以上は総人口の18・7%の2383万人、80歳以上は7・6%の964万人だった。

 一方、労働力調査によると、13年に仕事に就いていた65歳以上の人は636万人、15歳以上の全就業者に占める割合は10・1%で、いずれも過去最高だった。

 このうち203万人はアルバイトや嘱託などの非正規雇用で「自分の都合のよい時間に働きたい」との理由が多かった。

 65歳以上の就業率は20・1%で、主要8カ国で最も高い水準だった。

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