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旭川医大病院、最先端ハイブリッド手術室 国立大で初の導入

 ◇血管撮影装置で3D画像

 旭川医大病院は今月から、最新型ロボット式X線血管撮影装置を備えた最先端のハイブリッド手術室の運用を始めた。国立大学病院では初めての導入で、手術中に撮影した三次元(3D)画像を見ながら、血管内を経由した治療と外科手術を連携させて進められるのが特長。10月から稼働予定の救命救急センターでも活躍が期待され、吉田晃敏学長は「立体的で高精細な画像の利用が可能となり、より高度な医療を地域へ提供できる」と話す。【横田信行】

 ◇緊急時、検査と手術並行に 多様な角度から全身撮影

 同大学は約3億円かけ、ドイツ・シーメンス社製の撮影装置を導入し、手術室を改修した。従来は事前に撮影したCT画像を利用していたが、この撮影装置では、さまざまな角度からほぼ全身を撮影でき、患部の立体的画像を映し出せることから、視野が広がり、末しょう血管まで鮮明に分かるようになった。

 緊急時には検査と手術を並行してできることから、治療の精度も向上。大動脈瘤(りゅう)に対する、ステントといわれるバネ状の金属を取り付けた新型の人工血管を血管から挿入する治療法や、脳腫瘍(しゅよう)などを中心にさまざまな分野の手術への利用が期待されている。

 平田哲・手術部長は「患者の負担が軽減できるうえ、詳細な画像を見ながら手術が行えるので医師も安心できる」と話す。
2010年9月4日 提供:毎日新聞社

嚥下機能訓練と口腔ケアで誤嚥を防ぐ

全身状態が徐々に悪化してしまう在宅高齢者の場合、誤嚥性肺炎の根本的な原因を取り除くのは難しい。それでも、肺炎の頻度が減らせるとして最近注目を集めているのが歯科の介入だ。

 誤嚥性肺炎の原因となる誤嚥には、(1)嘔吐して吐物を誤嚥、(2)食事中の誤嚥、(3)就寝中に唾液と一緒に口腔内細菌を誤嚥―の3つのパターンがある。これらをなるべく防ぐことが重要だ。

 日大歯学部摂食機能療法学准教授の戸原玄氏は、医師やケアマネジャーなどから依頼があった患者の家に訪問し、(1)(2)に対しては摂食嚥下機能の評価や嚥下リハビリ、(3)に対しては口腔ケアを行っている。

 戸原氏は、初診時に経鼻細径内視鏡を使ったビデオ嚥下内視鏡検査(VE)で患者の嚥下機能評価を行っている。この検査は、直径3mm程度の細経内視鏡を鼻から咽頭部まで挿入し、咽頭部を観察しながら食事をしてもらうというもの。飲食物を飲み込む瞬間や直後の残留具合を確認することで、患者が安全に食べられる食事の内容や、リハビリの必要性を正確に把握できる。

 むせこみや食べこぼしなどの見た目の判断だけでは、誤嚥の有無や嚥下機能は評価できない。VEで観察すると、本来は食形態(きざみ、とろみなど)の調整が必要なのにそのまま普通の食事を食べていたり、逆に訓練すれば経口摂取が可能なのに経管栄養だけで摂取していたりと、食事摂取の方法が嚥下機能と合っていない患者がとても多いことが分かるという。「嚥下機能に見合った食形態(とろみ、きざみなど)や食べ方を指導することで誤嚥は減らせる」と戸原氏は話している。

矯正歯科 口コミに潜む誤解

口の中に器具を装着するなどして歯並びや噛み合わせを正す矯正歯科治療は、歯の見た目の美しさだけでなく、虫歯や成人後の歯周病を抑えることにつながる。ただ、実態は「永久歯が生えそろってからでよい」「歯を抜かない歯科医にかかりたい」といった誤解も少なくないと専門家はいう。そのうえで、「治療しやすい時期をなるべく逃さず、適切な歯科医院でじっくり取り組んでほしい」とアピールする。
                    産経新聞 2010.7.27

「歯の銀行」韓国に拡大

広島大発ベンチャー企業のスリーブラケッツ(広島市南区)は、矯正治療で抜いた歯を冷凍保存し必要に応じて本人に移植する「歯の銀行」の技術を、韓国の慶北大学校に提供する。海外への技術提供は台湾の大学に続き2校目。広島発の技術による事業をアジアで拡大する。
                  中国新聞 2010.7.23

インプラントで困ったら5 治療の成否 持病が左右

インプラントの治療の成否にかかわる病気は、糖尿病などのほかに、ステロイド剤を治療に使う関節リウマチや気管支ぜんそく、潰瘍性大腸炎、さらに肝機能が低下する肝硬変など数多い。
 持病があっても、病状が悪化しないように管理していれば、多くの場合、インプラント治療は可能だ。ところが同大の事前検査で血糖値の異常が見つかった人の85%は、検査を受けるまで血糖値が高いことを知らなかった。インプラントの治療を受けようと思ったら、かかりつけの医師に相談し、自らの健康状態を見直しておくのが賢明だ。検査データを歯科医に持って行くことも有益だろう。
                     読売新聞 2010.7.27

インプラントで困ったら4 人工歯根で入れ歯支える

入れ歯の苦労を聞いた大阪大歯学部付属病院・咀嚼補綴科教授の前田芳信さんは、インプラントを使った「オーバーデンチャー」と呼ばれる着脱式の入れ歯を提案した。歯茎に1~6本の人工歯根を埋め込み、接続器具を付けて、入れ歯を着脱できるようにする。接続は、磁石式やホック式などがある。前田さんは「インプラントは多い方が安定するが、それだけ高額になるので、少ない本数から始め、必要に応じて増やしていくこともできる」と話す。
                     読売新聞 2010.7.26

インプラントで困ったら3 高齢者のケア課題に

よくかめるインプラントは、高齢者の健康維持に役立つ。ただ、手足が不自由になったり、認知症になったりした時、日頃の管理が欠かせないインプラントをどうすればいいのか。
 歯磨きなどインプラントの自己管理ができなくなったら、家族が代わりに手入れするのが第一だが、難しい場合は、義歯を外し、歯茎の肉を閉じてインプラントを埋めておく方法もある。しかし、感染が大きく広がっている時は、インプラントを取り除く手術が必要になる。
 骨と一体化する今のインプラントの歴史は国内で30年に満たない。加齢に伴う問題が広がるのはこれからだ。そこで、高齢者がいる施設への歯科医や歯科衛生士の訪問や、インプラントの手入れ法を家族に指導する取り組みも始まっている。
                     読売新聞 2010.7.23
(院長談)
 在宅訪問歯科診療を伺っている患者さんが寝たきり状態で奥歯のインプラントの清掃ができずに痛みを訴えております。インプラントを入れるのでしたら一生その患者さんを看取ることを考えていただきたいです。

インプラントで困ったら2 歯科で清掃 周囲炎防ぐ

下奥歯2本のインプラント。かみ合わせの調整を繰り返し受けたが、何かが挟まったような違和感が気になって、力を入れてかめなかった。やがて、周りの歯茎にしまりがなくなり、指で押すとブヨブヨと沈み、出血し始めた。歯と歯茎の間に住み着いた細菌が広がり、歯茎が腫れ、歯を支える骨が溶けていく歯周病。インプラントでも同じことが起こる。インプラント歯周炎と呼ばれ、悪化するとインプラントがぐらつき、取り除かなくてはならなくなる。
 手術には積極的だが、インプラントの清掃や管理にはあまり熱心ではない歯科医院もあるので、手術後のケアについても説明をよく聞いておきたい。
                     読売新聞 2010.7.22

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