令和6年歯科疾患実態調査の結果(概要)が厚生労働省から6月26日に発出された。
今回の調査は14,000名余りが対象の拡大調査としての実施であった。また、本調査結果は、令和6〜17年までの健康日本21(第3次)や歯科口腔保健の推進に関する基本的事項(第2次)の最終目標に向けてのベースライン値として設定されており、極めて大きな意味を持つ。今後、令和10年の中間評価、令和14年の最終評価が予定されている。
今回の調査結果ではより正確性を期することから各都道府県の人口規模が反映されるように調整された全国補正値が採用されており、従来から実施してきた歯科疾患実態調査結果との単純比較はできないために注意が必要である。例えば、8020達成者率は令和4年の51.6%から令和6年は61.5%と大きく数字が伸びているが、統計学的な手法が加わっていることを忘れてはならない。ところが、マスコミ報道等では数字だけが独り歩きしている感は否めない。
決してこの2年間に日本の歯科口腔保健の大きな改善がみられたわけではなく、言わば、似て非なるものとの解釈での数字と認識してもらいたいと考えている。