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HIV感染、無断で通知 看護師が病院提訴

エイズウイルス(HIV)の感染検査をした大学病院が$陽性との
検査結果を看護師である患者の勤務先に無断で伝え、退職を余儀
なくされたとして、福岡県内の20代の看護師が両病院を経営する
2法人に計約1100万円の損害賠償を求めて提訴した。訴状によると、
看護師は福岡県内の総合病院に勤務していた昨年6月、目に異常を
感じて複数の病院を受診。8月に同県内の大学病院でのHIV検査
で陽性反応が出て、担当医師から「患者への感染リスクは小さく、
上司に報告する必要もない」と言われた。ところが、原告側が両
病院に情報開示を求めた資料によると、大学病院の別の医師が看
護師に無断で、勤務先の病院の医師にメールで検査結果を知らせ
ていた。看護師はその後、上司から「患者に感染させるリスクが
あるので休んでほしい。90日以上休職すると退職扱いになるがや
むを得ない」と告げられ、休職した後、11月末に退職した。
厚生労働省は、HIVに感染した医療関係者らに不利益な処遇を
してはならないとの通知を出しており、原告側は「診療情報が患
者の同意なく伝えられたのは医師の守秘義務に違反する。休職の
強要についても働く権利を侵害するものだ」としている。

保湿剤の使い方ひとつで口腔ケアが変わる!

「最初に保湿剤を口腔内全体に塗り、湿潤させましょう。これにより、粘膜に付
着した汚れや乾いた痰・舌苔なども取り除きやすくなります」
 こう書かれているのを読んで、Nさんはハッとしました。“保湿剤はケアの後
に塗るもの”と思い込んでいたからです。

 次の日、Nさんはさっそくガイドブックの手順どおりに栄子さんの口腔ケアを
スタート。そして粘膜ブラシで拭うと、痰がツルンと簡単に取れたのです。「今
までの苦労がウソみたい!」とNさんは目を丸くしました。
 最後にいつも通り保湿剤を塗布し、ケアが完了。ふと時計を見ると、いつもよ
り大幅に時間が短縮されていることに気づきました。この日以来、Nさんは毎日
この方法で口腔ケアをしています。

「保湿剤で汚れをふやかすなんて、目からウロコ。栄子さんも気持ちよさそうで、
ウトウトすることもあるんです。以前では考えられないですね」
 使うケア用品は同じでも、使い方ひとつで負担が減らせることを知ったNさん。
これからは積極的に情報を集め、よりよいケアを目指したいと考えています。

北海道・「がん対策推進条例」原案まとまる  アスベストや放射線の影響を指摘する条例は全国初

道は、4月施行を目指している「がん対策推進条例」の原案をまと
め、来年度に改定する「道がん対策推進計画」に具体的な経済支援
策を盛り込むことを検討しており、患者団体は踏み込んだ支援策を
求めている。道内では1977年以降、がんが死因のトップを占め、
2010年は死亡数の32.2%となる1万7828人ががんで亡くなっている。
2008年3月には道がん対策推進計画が策定され、がん検診受診率を
50%以上にすることなどを目標に掲げたものの、検診受診率は全国
平均よりも低く、胃や肺、腸等各がんの検診受診率は18.7~30.0%
に留まっている。この為、道は「計画だけでは不十分」と判断し、
条例の策定作業を進めてきた。道がん対策推進条例原案は「がん対
策を総合的に推進し、道民が心身ともに健康で心豊かな生活を送る
ことができる社会の実現に寄与すること」を目的に掲げ、道や保健
医療福祉関係者の責務のほか、教育関係者の責務も指摘。児童・生
徒ががんへの理解を深める為の教育推進を謳っている。また、前文
では「がんの要因にはアスベスト(石綿)などの化学物質との接触
や、放射線の被ばく等様々なものがある」と明記。道によると、ア
スベストや放射線の影響を指摘する条例は全国初だという。さらに、
他府県にはない「難治性がん対策の推進」や「後遺症対策の推進」
も盛り込んだ。

2012年度診療報酬改定のポイント

介護報酬との同時改定となった今回の診療報酬改定では、医療と介護の連携の推進も重点課題の一つとなった。新たな要件を満たす在宅療養支援診療所(在支診)や在宅療養支援病院(在支病)の機能を評価し、緊急時の往診や、在宅での看取りを含めた終末期ケアを充実させるほか、医療ニーズの高い在宅患者の増加を踏まえ、訪問看護の訪問回数や対象患者に関する要件を緩和するなど、入院患者が円滑に在宅療養に移行できるよう、医療機関と訪問看護ステーションとの連携も促進する。

食べる幸せ いつまでも

野原先生は、大阪大歯学部付属病院で嚥下のリハビリを専門にしている。7年ほど前、知り合いの歯科医に「在宅診療を手伝って」と頼まれ、訪問診療を始めて驚いた。食べる力はあるのに、胃ろうで栄養をとっている人がたくさんいたからだ。患者の家族や訪問看護師は、誤嚥が怖くて胃ろうに頼っていた。当初は野原も、口から食べさせた担当患者がむせたり、肺炎を起こしたりするたびに落ち込んだ。だが、次第に「何でも食べられるようにしなければ」という思い込みから解き放たれていった。
 しかし嚥下の専門家はあまりにも少ない。大学で学ぶ機会はほとんどないからだ。医学と歯学の境界領域は、取り残されたままだった。そこで嚥下の訓練や誤嚥のリスク対応などを身につけた「嚥下トレーナー」を育成しようと、野原は小谷らと共にNPO法人を作った。歯科医、歯科衛生士らを対象にした研究会は、募集開始から1時間足らずで満員になる。これまでに数百人が修了した。野原は、認知症患者の家族が語った言葉が忘れられない。「話かけても返事はないけど、私の料理を食べてくれる」。食べることは、家族との大切なコミュニケーションの手段でもあるのだ。
             朝日新聞 2011.11.30
 

平成24年度診療報酬改定概要決まる

平成24年度診療報酬改定で中医協は10日に4月からの新たな診療報
酬点数を小宮山厚生労働大臣に答申した。その中で歯科は、算定
頻度が高い根管貼薬処置(1歯一回につき)の単根管、スケーリン
グ(3分の1顎につき)、う蝕歯即時充填形成(充形)がそれぞれ
6点、2点、6点引き上げられ、26点、60点、126点となった。歯科訪
問診療料1は20点引き上げ850点とし、歯科衛生士が歯科訪問診療へ
の補助時に算定できる「歯科訪問診療補助加算」を新設し、同一建
物居住者以外(一人)は110点、同一建物居住者(2人以上)は45点
とした。
日本歯科医師会が要望していた初・再診料への点数配分は行われな
かったが、歯の保存に資する技術や歯の修復治療関連技術、在宅歯
科診療に重点的に点数を配分。点数の包括化や引き下げたものがほ
とんどないのが特徴。

北海道・2シーズンぶり、全道でインフルエンザ警報レベル 患者、前週の2倍超

北海道感染症情報センターは10日、全道のインフルエンザ患者報告数が警報レベル(定点医療機関当たり30人)に達したと発表した。全道での警報は新型インフルエンザが流行した09年10月以来、2シーズンぶり。

 同センターによると、1月30日~2月5日に道内の定点医療機関から報告された患者数は定点当たり平均42・15人で、前週(20・94人)の2倍超と大幅に増加。全国(42・62人)とほぼ同じ規模の深刻な流行となっている。

 地域別では、30保健所管内中18管内で警報レベル、9管内で注意報レベル(定点当たり10人)を超えた。また、29管内で報告数が前週より増加した。

 定点あたりの患者数が最も多いのは岩見沢の100・25人で前週の約3倍。50人に達した地域は、57・96人に達した札幌市など計8保健所に上った。

 また厚生労働省によると、同じ1月30日~2月5日の間に道内の小中高校、保育所、幼稚園でインフルエンザとみられる症状を訴えた園児、児童、生徒は6526人で、前週の約2・7倍に上った。6日以降も流行は拡大し続けており、道はマスク着用などの感染予防を呼びかけている。

歯のエナメル質の元、iPS細胞使い作製成功

東北大学は10日、マウスのiPS細胞(新型万能細胞)を使って歯のエナメル質の元になる細胞を作り出すことに、同大大学院歯学研究科の福本敏教授らのグループが世界で初めて成功したと発表した。

 研究成果は、米国科学雑誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」電子版で紹介されている。

 福本教授らは、歯の元になるラットの歯原性上皮細胞とマウス由来のiPS細胞を混ぜて培養。iPS細胞をエナメル質を構成しているたんぱく質の一つ、アメロブラスチンを含む細胞に分化することができた。この細胞をエナメル質に変化させることができれば、歯の再生につながる可能性があるという。

 福本教授はすでにiPS細胞から歯の象牙質の元になる細胞を作り出すことに成功しており、「全身のどの細胞からも、歯を作り出せる可能性が高まった」としている。
読売新聞 2月11日(土) 配信

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