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変わる歯磨きの常識

毎日何気なく磨いている歯。タイミングや道具の使い方など、その磨き方で本当に歯を大事にできているのだろうか。実は最近の研究で判明してきた新しい注意点もある。これからも長い間、自分の歯と向き合うために、専門医に歯磨きの再新の常識を聞いた。
 歯を磨く一番の目的は、虫歯や歯周病の原因菌の住みかになる歯垢を取り除くこと。歯の表面につく黄色いねっとりしたものだが、今のところ歯ブラシなどで物理的にこすり落とすしかない。口の中の食べカスが歯垢になるまで48~72時間かかる。毎食後に歯を磨けなくてもまだ間に合う。寝ている間は唾液が減って口の中の菌が増えやすくなるので、寝る前の口の中をきれいにするのが効率的だ。
 磨き方は、歯ブラシの軟らかい毛先をうまく使って歯垢を取るスクラッピング法やバス法などが最近主流だ。ただ、何時間がんばっても歯ブラシで落とせる歯垢はせいぜい60%。限界もある。それが歯と歯茎の狭いすき間まで届くデンタルフロスを使うと86%まで上がる。海外ほど浸透していないフロスだが、日々の手入れに取り入れれば効果はずいぶん高まる。時にはプロの助けを借りて日々の手入れが行き届いているか確認することも必要だ。
 歯石取りを兼ねるなど、せめて半年に一度は歯科医院で状態を見てもらってと専門家は口をそろえる。
             日本経済新聞 2012.2.11

顎関節症は生活習慣から

 一生のあいだに日本人の2人に1人が経験するともいわれる顎関節症。「あごが痛い」「口が大きく開けられない」といった症状に思い当たる人もいるかもしれない。以前は歯のかみ合わせが原因と考えられていたが、最近では生活習慣が発症の原因という考え方が主流になってきた。顎関節症になりやすい生活習慣を見直すことで、症状を緩和したり、予防したりできるという。

顎関節症になりやすい生活習慣に注意
 ■上の歯と下の歯が摂食している
 ■歯を食いしばる、歯ぎしりをする
 ■ほおづえをつく
 ■寝転がって本やテレビを見る
 ■パソコン作業などで、長時間同じ姿勢を続ける
 ■下あごを突き出すような姿勢
 ■電車や車の中で長時間居眠りする
 ■うつぶせで眠る
 ■枕が高い
             日本経済新聞 2012.2.4

(茨城)歯科医再開、地元が応援

「いよいよ再スタートだね」。今月15日の夜、石岡市東石岡の「みのる鮨(すし)」で主人の木崎稔さん(48)は、カウンターで好物の焼き魚をつまむ岡崎芳子さん(79)と喜びを分かち合った。

 岡崎さんは、市中心部で大正初期から3代続く岡崎歯科診療所の院長。昨年の大震災で診療所がほぼ全壊し、いったん廃業に追い込まれたが、建て替えが終わり、4月から診療を再開する。「これはね、命の次に大事なものなのよ」。歯科医師の免状を筒から取り出し、いとおしそうに見つめた。

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 岡崎さんは浦和市(現さいたま市)出身。大学歯学部の同級生だった義和さんに嫁いで以来、半世紀にわたり診療所での治療にとどまらず、近くの小学校の検診や患者宅への訪問診療にも通った。義和さんは15年前に亡くなったが、長女で歯科医の仁平由美さん(47)らと診療所を守ってきた。

 虫歯の治療で泣きべそをかいていた子供たちはすでに成人し、我が子を連れてくるようになった。「患者さんと道ですれ違った時、名前を度忘れしていても、口の中の様子はすぐに頭に浮かんでくる」と笑う。

 木崎さん一家とは家族ぐるみの付き合い。幼い頃から木崎さんの虫歯を治療し、結婚式の仲人も喜んで引き受けた。木崎さんの母親が亡くなった時は、真っ先に駆け付け慰めた。木崎さんの長男亮太さん(20)が小学3年の時、自転車で転んで折った前歯の差し歯は岡崎さんのプレゼント。プロゴルファーを目指す亮太さんに「プロになって、いい歯を入れる時はお金をもらうから」と励ます姿は実のおばあちゃんのようだ。

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 大震災が起きた時は診療所で患者とおしゃべりをしていた。大きな揺れが収まり外に出るとコンクリートの壁が崩れ、道路を塞いでいた。鉄骨がむき出しになった診療所を目の当たりにし、途方に暮れた。大学病院で外科医を務める長男任晴さん(49)から「東京で一緒に暮らそう」と勧められ、「私の代で診療所を潰せない」と断ったが、老い先を考えると迷いもあった。

 そんな時、再起に向けて背中を押してくれたのは地元の人たち。道端で顔なじみに会えば「入れ歯を調整してもらい、うまくかめるようになったのに、やめられたら困るよ」と頼まれた。同い年の患者たちからは「お互いに85歳まで頑張りましょうよ」と励まされた。

 木崎さんも2日と空けず自宅で茶飲み話に付き合ってくれたり、診療所の建て替えのため住宅展示場を車で一緒に回ってくれたりした。「石岡に恩返しをしたい。目がちゃんと見えるうちは、100歳になっても続けたいな」。真新しくなった診療所を前に希望を膨らませた。

読売新聞 3月30日(金) 配信

医師会の在宅医療バックアップ機能、ますます重要  日医総研

日本医師会総合政策研究機構は3月27日に、日医総研ワーキングペーパーとして「病院の在宅医療機能および退院支援に関する実態調査」を発表した。

  社会保障・税一体改革や24年度診療報酬改定では、病院の機能分化(真に入院医療が必要な患者への特化)や、退院患者の受け皿整備が打ち出され、具体的な対応として在宅医療や退院調整の推進が掲げられている。そうした中、日医総研では、2011年11月-12月に、全国の200床未満の中小病院(在宅療養支援病院が18.9%、それ以外が81.1%)が実施している在宅医療(訪問診療・往診)と退院支援の実態について調査を行った。

  結果の中から、特筆すべき点をあげると、(1)在宅患者の緊急一時的入院の受入は、在支病では73.9%が実施していたが、それ以外では31.1%にとどまる(p17参照)(2)入院患者に対し、介護サービスの必要性等を総合的に評価を行っている(総合評価加算を算定している)のは、在支病で21.7%、それ以外で10.8%(p27参照)(3)訪問診療の実施は、在支病では88.7%、それ以外では36.4%(p43参照)(4)夜間や時間外の往診は、在支病で55.7%、それ以外で9.8%が実施(p45参照)(5)患者宅での看取りは、在支病の55.7%、それ以外の14.6%が実施(p47参照)(6)ケアマネとの連携については、在支病の24.3%、それ以外(退院調整部門あり)の23.4%に対して、それ以外(退院調整部門なし)では5.5%に止まる(p71-p72参照)―などとなっており、在支病ではより積極的に在宅医療や介護との連携を実施している状況が再認識できる。

  日医総研では、(a)中小病院の在宅医療では、自己完結型でなく、かかりつけ医等との連携重視型が期待される(b)緊急時入院やレスパイト(介護者等の疲弊を防ぐための入院)の受入は不十分なので、政策的な検討が必要(c)医師会には、在宅医療関係者のネットワーク拠点、バックアップする存在としての役割がますます重要となっている―とコメントしている。

【リゾチーム塩酸塩】歯科領域での効能の削除申請の承認について

リゾチーム塩酸塩製剤各社は、平成24年1月20日付で歯科領域での
効能の削除申請が承認されたと発表しました。
この承認により、リゾチーム塩酸塩製剤は、歯科領域の適応では
使用できなくなりましたので、ご注意ください。

ホタルイカに脂肪肝の改善効果

「富山湾の神秘」とも呼ばれるホタルイカに脂肪肝を改善する効果があることを、富山短大食物栄養学科の竹内弘幸准教授(47)らの研究グループが動物実験で初めて実証した。


 イカにはコレステロール値を下げる作用のあるタウリンが多く含まれていることが、これまでにわかっている。竹内准教授らは、富山県特産のホタルイカにも同様の作用があるとみて昨年4月に研究を始めた。

 実験では、ラット21匹を7匹ずつ3グループに分け、それぞれに、通常の餌、ホタルイカの凍結乾燥粉末を5%混ぜた餌、スルメイカの同様の粉末を5%混ぜた餌を2週間与え続けた後、血液と肝臓を調べた。

 その結果、ホタルイカを与えたグループは通常の餌を与えた場合に比べ、肝臓の中性脂肪量が平均で3割減少した。一方、スルメイカの場合は1割減にとどまった。血中コレステロール濃度も、スルメイカでは1割減だったが、ホタルイカでは2割減ったという。

 ホタルイカを与えたラットの肝臓の遺伝子を解析したところ、脂肪合成に関係する遺伝子の働きが抑えられていることもわかった。竹内准教授は「有効成分の特定や、人間が食べても効果があるのかどうかは、これからの研究課題。有効成分が見つかれば、脂肪肝の治療につながるかもしれない」と話している。

 研究成果は5月18-20日に東北大学で開かれる日本栄養・食糧学会で発表される。
読売新聞 3月29日(木) 配信

合格率0.1%増の71.1%   第105回歯科医師国家試験

3月19日に厚労省から発表された第105回歯科医師国家試験結果では、
出願者3,825人に対し、受験者数3,326人、合格者2,364人で、合格率
71.1%であった。前年に比べ合格者は36人減ったが合格率は0.1%
増加し、過去10年間で5番目に高い合格率で、合格者数では過去2番
目に低い結果となった。合格者の新卒、既卒別では新卒が国立89.8
%、公立80.7%、私立78.4%、全体81.4%、既卒は国立51.5%、公
立28.6%、私立47.3%、全体47.5%であった。男女別では、男性が
受験者2,056人、合格者1,404人、合格率68.3%、女性は受験者1,270人、
合格者960人、合格率75.6%となった。

合格基準として一般問題(必修問題を含む)を1問1点、臨床実地問
題を1問3点とし、次の(1)~(5)の全てを満たした者が合格した。
(1)領域A(総論・各論I)82点以上/124点(2)領域B(各論II・各
論III)130点以上/176点(3)領域C(各論IV・各論V)128点以上/
200点(4)必修問題56点以上/70点(5)禁忌肢問題選択数2問以下

薬学会も6年制薬剤師に期待

 昨年は東日本大震災の影響で中止を余儀なくされ、実質2年振りの開催となる日本薬学会第132年会のテーマは「創薬フロンティアが拓く未来医療」となった。組織委員長を務める松田彰氏は、「薬学研究が創薬の最前線で今まで以上に活躍し、これからの医療に積極的に貢献することを目指すことを特徴として打ち出したい」と意欲的だ。その目標に向けて大きく期待されるのが6年制薬剤師で、西島正弘会頭も「初の卒業生は6年制のパイオニアとして活躍してくれるはず」と力を込める。その一方で「6年制教育は医療人としての薬剤師育成に力を入れているため、大学の研究環境は悪化している側面もある」との懸念も示す。その懸念からか今回の学会では、「6年制教育プログラムの第三者評価」と「実務実習モデル・コアカリキュラムの検証」の2つのシンポジウムが組み込まれた。本紙も開催地となる札幌まで出向き、これらのシンポジウムに耳を傾けることとする。

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