5月29日に認知症とお口のトラブルと題して市民公開講座が開催されます。添付ファイルをご観覧ください。
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アレルギーとは、本来、体の外から入ってきた細菌やウイルスを防ぐための免疫反応が、花粉や食べ物などに対しても過剰におこることです。その原因物質が金属の場合、これを金属アレルギーといい、近年増加傾向にあります。ピアスやネックレスなどの装飾品だけでなく、歯科で詰め物やかぶせ物に使う金属が原因となることもあります。金属が汗にぬれたり、唾液にさらされたりしてイオンとなって溶け出し、身体の過剰反応が起こって症状が出るのです。
症状は、金属が触れる部分が赤くなったり、かゆくなったり、手のひらや足の裏に水ぶくれができたりします。体調がどうもすぐれないとか、アトピー性皮膚炎など、全身にさまざまな症状をきたすこともあります。
治療の方法はまず原因となる金属を突き止めることです。これは専門の歯科または皮膚科で検査します。できれば歯科用金属も含めた詳しい検査をしてもらうことが望ましいです。
原因金属が特定され、お口の中にその金属があると判明すれば、すべて取り除くことになります。金属を含まないセラミックやレジンと呼ばれる樹脂製の材料で治します。前歯と小臼歯は保険でもセラミック素材以外の白い冠が可能でしたが、大臼歯はこれまで金属冠しか保険で認められていませんでした。しかし、この4月の保険のルール改定で医科における金属アレルギーの診断と、その紹介状があれば、保険でもセラミック素材以外の白い冠をかぶせることが認められました。金属アレルギーの方には朗報です。
また、金属アレルギーを予防したいという場合には、やはり可能な限り金属に触れる機会を減らすのがベストなので、お口の中の治療はできるだけ金属を使わない方がいいでしょう。かかりつけの主治医の先生とよく相談されることをおすすめします。
県障害児(者)・高齢者歯科口腔保健センター(和歌山市手平2)で1年以上、障害などのため一般の歯科医院での治療が困難な患者に対し、鎮静薬を点滴して実施する治療ができなくなっていることが県などへの取材で分かった。容態の急変に備え設置していた全身麻酔器の故障などが原因。県は新たな全身麻酔器を購入したが、治療の再開時期は未定という。【成田有佳】
センターは県歯科医師会が県の補助を受けて開設し、2006年度から指定管理者として運営している。診療は週2回で、昨年度の患者は延べ1774人。
中止されているのは機械音に敏感に反応したり、治療中に動いたりする患者のために月1回、専門の歯科麻酔科医が静脈内鎮静法を使って実施していた治療。学会のガイドラインで呼吸停止などに対応できるよう関連する機器などの常備が必要とされ、県は県歯科医師会に全身麻酔器を無償貸与していたが、14年9月に故障した。
県歯科医師会はこの時初めて、全身麻酔器の保守サービス期間が切れていたことに気付いた。製造元の後継業者に修理を依頼したが、既に部品がなく修理できないことが判明。昨年になり、大阪府内から来ていた歯科麻酔科医が全身麻酔器がなくては続けられないとして治療を取りやめ、一部の患者は大阪の施設に通院しなくてはならなくなった。
県歯科医師会は昨年3月、県庁を訪れて事態を報告。県が昨年12月、全身麻酔器を購入して再び無償貸与したことで、新たに治療に来てくれる歯科麻酔科医らの医療チームが見つかれば治療が可能となった。県歯科医師会は「数カ月以内に再開したい」としているが、まだ具体的な日程は決まっていない。
故障から新たな全身麻酔器の購入まで1年以上経過している点について、県歯科医師会は故障直後に県に口頭で報告したと釈明。一方、県医務課は「重要な内容であればメモにするはずだが残っていない」として、昨年3月までは報告を受けていないとの認識だ。
県医務課の担当者は「県歯科医師会との間で意思疎通ができていなかった。今後は、機器の耐用年数などのリスト化を図る必要がある」としている。
兵庫県に住む准看護師の女性(49)は、県南部の総合病院の内科で働いている。薬剤の取り扱いには普通以上に気を使っている。代表的な局所麻酔薬にアレルギーがあり、一部の抗生剤などほかの薬剤にもアレルギーの疑いがあるからだ。
初めてアレルギーの症状が出たのは30年前。19歳だった。出身地の福井県で産婦人科医院の准看護師になって、2年ほど過ぎた頃。憧れの職業につき、日々、奮闘していた。
虫歯の治療で勤務先近くの歯科医院に行った。診療台に横たわり、口の中に注射器で麻酔を打たれると、異変が起きた。血の気が失せ、顔面そうはくになり、息が苦しくなった。横になっていられず、「いすを起こしてください」と頼んだ。
歯科医が言った。「これは、麻酔薬のアレルギーじゃないか」
食べ物によるじんましんなどアレルギー性の病気とは、幼い頃から無縁だった。家族の間でも、アレルギー体質だという話を聞いたことはなかった。「本当にアレルギーだろうか」とにわかには信じられなかった。
歯の治療は中止になった。勤務先から同僚の看護師に迎えに来てもらい、勤務先に戻った。近くの内科病院から駆けつけた医師の診察を受けた。この内科医も「アナフィラキシーではないか」。アナフィラキシーは全身に強いアレルギー症状が出る状態。点滴をしてもらい、そのまま勤務先に1日入院した。
アレルギーは体を守る免疫の過剰反応だ。原因物質それぞれに個別に働く抗体という免疫の担い手があり、アレルギーの引き金になる。薬も原因物質になる。ただ、抗体があれば必ずアレルギーになるわけではなく、なぜなるのかははっきりしない。
当時の女性の勤務先では、出産の際に局所麻酔薬を使っていた。女性は正式に雇われる2年前から見習いをし、採用後は麻酔薬を瓶から注射器に移す作業もしていた。少量でも長年その物質に接しているとアレルギーになることがある。女性の場合もそのケースということもありうるが、もともとアレルギーがあった可能性も否定できなかった。
虫歯や歯周病など色々悩みの多い口の中。口の中の粘膜を守るために存在する細菌は700種類以上だが、虫歯の原因になるミュータンス菌やお口を守るミティス菌などがいる。たくさんの細菌がいる口の中は、口内フローラとも呼ばれる。歯周病は糖尿病などのリスクになるが、最新の研究で虫歯と脳出血に関係がある事が分かった。今回は口内フローラケアを取り上げる。
思っているより怖い!口の中の異変
何故口内フローラが乱れると様々な病気に繋がるのか、日本大学の落合邦康さんに聞いた。細菌が原因となるケースでは、虫歯でできた穴などから細菌が侵入して病気を引き起こす。一方、歯周病などで歯茎が腫れるとサイトカインという物質が発生、血管に流れ込み、全身に回ると心臓病などのリスクを高めてしまう。しかし免疫力が十分であればさほど心配はないが、加齢により免疫力は落ちるので、40歳以降は注意が必要。
虫歯で脳に出血?
虫歯の原因となるミュータンス菌が微小脳出血に関与しているとの研究結果を、大阪・吹田の国立循環器病研究センターなどのチームが発表した。研究チームが注目したのはcnm遺伝子を持つミュータンス菌。通常血管から出血するとコラーゲンなどが結合して血を止めるが、cnm遺伝子を持つミュータンス菌が血管内に入っているとコラーゲンと結合し、血小板の働きを妨げてしまう。研究チームの猪原匡史氏によると、口腔ケアが脳卒中予防に繋がるかもしれない。
鶴見大学の花田信弘氏が登場。虫歯がある場合は大体の人がミュータンス菌をもっているが、cnm遺伝子を持つ人はその内の1割ほどとなる。ただ細菌が血中に流れると、細菌性肺炎や糖尿病など他の病気のリスクを高める。
あなたの口の中 どうなっていますか?
横浜のよこはま とりがおか歯科で、2人の女性が口内フローラの状況を調査。1人はデンタルフロスなどで入念にお手入れしている女性。1人はケアが苦手な女性。今回は細菌の遺伝子情報を読み取り種類を特定するメタゲノム解析を実施した。調査結果。歯磨きが好きな女性からの歯周病からは158の細菌が見つかり、複数の歯周病菌もあった。しかし唾液の中からは歯周病に関係する菌が3割ほどみつかった。一方、歯磨きが苦手な女性からの歯周ポケットからは173の細菌がみつかり、唾液では全体の4割を占めていた。やはり歯はちゃんと磨かないとダメな模様。
日本人の成人の殆どは歯周病菌をもっていると言われるが、花田信弘氏によると舌の磨きが少ないなどの理由があるという。歯茎の炎症や口臭を引き起こすジンジバリスなど、口内の細菌がどのような活動をしているかを劇場仕立てで紹介した。唾液の働きもあって口の中の平和は守られているが、ある事をキッカケにその平和が乱されてしまう。
口の中の環境を劇場仕立てで紹介した。糖が歯に残る事で口内の環境を整えるミティスがちゃんと働かず、ジンジバリスがやりたい放題となり歯垢となる。ジンジバリスはバイオフィルムを作り、唾液の働きを阻害。その結果、歯周病となってしまう。今回お芝居を披露してくれたのは劇団スーパー・エキセントリック・シアターのみなさんだった。歯周病にならないためには、糖がバリアを作る前に歯磨きをする事が大事になる。磨く時間は限定せず、磨ける時に磨いた方が良い。
口内フローラを良くするポイント
ポイントその1、寝る前の歯磨きは念入りに。1箇所あたり10秒を目安に細かくブラッシング。ポイントその2、歯周ポケットを磨く。歯ブラシを歯周ポケットに斜め45度に当て、掻き出すように磨くとよい。ポイントその3、過度な睡眠不足は禁物。自律神経が乱れると唾液の分泌が悪くなるため注意。ポイントその4、口呼吸はNG。口内が乾く原因となる。ポイントその5、ビタミンDとビタミンAをとる。ビタミンDは青魚、ビタミンAはレバーに多く含まれる。最終ポイントその6、食事はよく噛む。
口内フローラを良くするポイントをまとめたVTRを受けてのスタジオトーク。花田はVTRの見せ方が雑で、歯と歯の間に毛先をきちんと入れ、細かくブラッシングをすると本来ほとんど横には動かないのだがVTRでは動いてしまっていて、みなさんにはそれを心がけて欲しいと補足した。また歯磨きのポイントとして、歯ブラシをえんぴつを握る時と同じくらいの力で持つ、デンタルフロスを歯周ポケットまで入れるなどが紹介された。ポリフェノール、抗菌物質を含んでいるものは歯周病や虫歯の防止に繋がると語られた。
口内フローラについて。花田信弘さんはドライマウスと虫歯の関係について述べた。生活習慣病が虫歯を引き起こす可能性もあるという。総入れ歯でも潰瘍面から歯周病が入る可能性もある。洗口液は善玉菌も殺してしまうのではないかという質問には善玉菌が先に倒れることもあるので、磨いてからやるようにと述べた。殺菌は物理的除去のあとでやることである。
「なる前に防ぐ」歯周病菌を除菌
鶴見大学 歯学部附属病院 歯科医師 宮之原真由さんがマウスピースで除菌する3DS除菌を紹介した。マウスピースに抗菌剤を塗り1回につき5分装着する。
生活習慣病のリスク因子は栄養・運動・休養・タバコ・アルコール・歯の健康である。歯周病&虫歯を防ぐには、歯の表面と舌の中央部をケアすることが一番重要である。
浜松医科大(浜松市東区)健康社会医学講座の中村美詠子准教授らはこのほど、歯の本数が19本以下の高齢者は20本以上ある人に比べ、体重減少や痩せた状態になりやすいとの報告書をまとめた。
体重減少や痩せた状態は死亡や要介護状態に陥る危険性が高まることで知られている。ただ、歯が19本以下でも毎日、野菜や果物を摂取している女性は痩せるリスクは高まらないとも結論付けた。中村准教授は「要介護状態にならないため、適切な口腔(こうくう)ケアや十分な栄養の摂取が大切」としている。
中村准教授は、共同研究グループの「日本老年学的評価研究」の2010年調査データを活用し、自立的に生活している全国31市町村の65歳以上男女9万6794人を調べた。残存歯数が20本以上と19本以下とで、体重減少や痩せた状態の有無を比較し、「肉・魚」、「野菜・果物」の食事習慣との関連性を検討した。この関連性を網羅的に調べた研究は初めてという。
調査の結果、残存歯19本以下の高齢者が全体の約3分の2に上った。直近の半年間に「2、3キロの体重減少があった」とする高齢者は「19本以下」が多く、リスクは「20本以上」より1・2倍高かった。
体重減少の無かった約7万9千人のうち、体格指数(BMI)18・5未満の痩せた人を調べた結果、残存歯19本以下の男性が痩せた状態であるリスクは約1・5倍だった。女性は19本以下でも痩せのリスクはなかったが、19本以下で「果物・野菜を毎日摂取していない」と回答した女性に絞った場合、痩せているリスクが1・2倍に上ったという。
中村准教授は「歯が少ない方でもしっかり食事をとっていれば痩せるリスクは抑えられる。食材の切り方や調理法の工夫が大切」と栄養摂取への心掛けの重要性を指摘した。
日時:平成28年5月24日 (火)
18:30~20:30
場所:旭川市市民活動交流センター
CoCoDe 大ホール
テーマ『ありがとう』
定期検診や治療不可欠
歯が19本以下の高齢者は、20本以上の人に比べ、体重減少した人が約25%多いことが、東海学園大や愛知学院大などの共同研究で分かった。高齢者の大規模な歯の喪失状況と体重などの関連を調べた調査は初めてといい、研究グループは「高齢者がやせることは、死亡や要介護の危険性を高めるため、定期的な歯科検診や歯の治療などが必要だ」などと訴えている。
研究グループによると、全国の65歳以上の男女約10万人の歯の残存数や食品の取り方、体重などとの関連について2010年に調べた。その結果、通常28本ある歯のうち、男女とも19本以下の人は約3分の2に上り、さらに、調査時から6カ月間で体重が2~3キロ減った人は、20本以上の人に比べ、19本以下の人は男性で25%、女性は24%多かった。歯を失ったことで、十分に食事が取れていないためだという。
研究グループは「高齢期にやせることのないように、適切な口腔(こうくう)ケアを行い、歯を失わないようにしてほしい。また、既に残存歯が少ない場合は、調理法などを工夫するなどして、必要な栄養を取れるよう心がけることが大切だ」などと指摘している。
研究グループはさらに追跡調査を行い、歯の喪失が体重の減少や要介護に及ぼす影響を調べていくとしている。