記事一覧

令和9年度厚生労働省予算概算要求についての日本歯科医師会の見解②

2) 歯科保健医療提供体制の構築と強化
従来の「歯科医療提供体制構築推進・支援事業」及び「地域拠点病院・地域拠点歯科診療所施設整備事業」の事業内容・予算規模等が拡充されるとともに、歯科医師偏在対策、障害児・者への歯科医療提供支援や病院歯科体制強化支援などの新たな事業が要求されている。具体的には、地域歯科医療支援センター(仮称)における歯科医師少数地域への歯科医師派遣等の取組に対する支援や、これまでのへき地や歯科医師等が減少している地域等における歯科医療提供体制の構築支援として、地域拠点歯科診療所や地域歯科医療拠点センターの設置・改修等の事業の拡充が図られている。
また、日歯が主張してきた歯科医師偏在対策では、歯科医師少数地域における持続可能な歯科医療提供体制の構築に向け、歯科診療所の承継・開業支援や歯科医療機関等の運営支援など、偏在是正を総合的に実施するモデル事業が示されている。同対策として、文部科学省と厚生労働省の連携のもと、道県と大学が協働して地域医療人材を確保する「地域枠」の拡充なども、文部科学省で新たに予算化されている。これらは歯科医師等が減少している地域を含む各地域における歯科医療提供体制の課題を解決するための重要な予算であり、多くの地域に存在する課題の解決を図り、地域特性に応じた体制構築に向けて財源が確保されることを期待したい。今回、歯科医療提供体制に関する予算が多岐にわたり計上されていることは、次期医療計画において、歯科医療に関する事項の充実を見据えたものと考えられる。

令和9年度厚生労働省予算概算要求についての日本歯科医師会の見解①

1) 歯科健診等関連事業
新たに「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)職域支援パイロット事業」、「健康増進事業(歯周病検診対象拡大)」及び「歯周病検診(簡易歯科健診)支援事業」が要求されている。主な事業内容は、歯科健診の実施率が低い職域で簡易検査ツールを活用した簡易な口腔スクリーニングによる歯科健診を支援する事業や、簡易歯科健診を含む更なる歯科健診の普及・実施状況の検証を行う事業である。また、「骨太の方針2026」に示された「国民皆歯科健診の具体化」に基づき、健康増進法における歯周病検診の対象年齢を現行の10歳刻みから5歳刻みに拡大するほか、未受診の住民等に対して簡易歯科健診等を実施する自治体を支援し、生涯を通じて年1回以上歯科健診を受診できる環境整備を目指す内容となっている。「骨太の方針2026」や「U.E.N.O Plan~攻めの予防医療厚生労働省関係施策~」に掲げられた「歯周病検診の対象拡大」と「年1回以上の歯科健診を受診できる環境整備」の推進は、歯科健診の普及促進に大きく寄与すると期待され、いわゆる国民皆歯科健診の実現に向けての大きな一歩である。

ほぼ全ての歯科医療機関、2030年までに電子カルテを導入へ…医科と歯科の情報共有をスムーズに

厚生労働省は、歯科医療機関での電子カルテの導入を推進する方針を決めた。2030年までにほぼ全ての歯科医療機関での導入を目指す。歯科同士や、医科と歯科の医療機関間で情報共有をスムーズに進められるようにする狙いがある。

 厚労省によると、電子カルテを導入している歯科診療所は今年夏時点で、12%にとどまる。厚労省は来年度、導入費について半額を上限に補助する方針だ。電子カルテは他施設と情報連携できるなどの条件を満たす製品を対象にする。

 電子カルテの普及に合わせて、厚労省は歯科医療機関が持つ患者情報を他の機関と共有できるようにする。今後、診療情報提供書(紹介状)の送受信を可能にする。検査値や治療内容を提供できるようにする検討も進める。

 医科と歯科の連携では、口周辺のがんの手術前に患者が、細菌を減らす目的で歯科で口腔ケアを受けるといった対応が進む。電子化による情報共有で、効率的に診療を進められると期待される。

記事検索

令和9年度厚生労働省予算概算要求についての日本歯科医師会の見解

令和8年8月31日に公表された令和9年度の厚生労働省全体での予算概算要求額は約36兆5,803億円であり、対前年度比104.4%であった。そのうち、歯科保健医療関連の概算要求総額が令和7年度補正予算及び令和8年度予算の対前年度比141.0%(約1.4倍)となる132億1,800万円と大幅に増額要求された。日本歯科医師会(日歯)は、歯科保健医療に対する政府の期待と重視する姿勢の表れとして積極的な要求が行われたものと受け止めている。
特に、今回、これまでの日歯の提言を踏まえ「骨太の方針2026」に掲げられた「いわゆる国民皆歯科健診の具体化(歯周病検診の対象拡大や就労世代の歯科健診の更なる充実)」及び「歯科専門職の偏在対策等の歯科医療提供体制の構築」に関連する「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)職域支援パイロット事業」や「歯科医療提供体制構築推進・支援事業」などが大きく拡充された点を高く評価する。

オンライン診療施設に指針 人口減地域、郵便局で採血 国、衛生確保し適切医療

 厚生労働省は、4月施行の改正医療法で創設したオンライン診療の専用施設に関し、医師が遠隔で看護師に指示して採血などをする際のガイドライン策定を進める。施設は人口減が進む過疎地の郵便局や公民館で設置が進むと想定され、対面診療の場でなくても衛生環境や検査精度を確保する狙い。住民への適切な医療提供を目指す。

 改正法で定めたのは「オンライン診療受診施設」。清潔、安全で患者のプライバシーを確保できることを要件に、医療従事者以外でも設置できる。離れた医療機関の医師が、パソコンなどの通信機器を通じて診療。患者側には看護師が同席して診療を補助する場合もあり、医師の指示に基づき採血やエコー検査などが可能だ。

 ただ、専用施設は医療環境が診療所ほど整っていないこともある。厚労省によると、ガイドラインには注射針などの医療廃棄物の処理や、医療機器の扱いといった事項をまとめる。安全管理は診療する医療機関が担う。専用施設の設置者を通じるなどして、機器が適切に管理されていることを定期的に確認し、その内容を文書に記録することが求められる。

 オンライン診療は、以前は関係法令の解釈で運用されてきた。昨年12月成立、今年4月施行の改正医療法で正式に法制化され、実施医療機関に届け出を義務付けた。診療の指針は既にあるが、新たに創設した専用施設に関するガイドラインも整備することになった。法令違反に対しては、自治体が立ち入り検査や是正命令をする。

インフル流行入り「例年より早い」注意喚起、日医

日本医師会の笹本洋一常任理事は9月9日の定例記者会見で、今シーズンのインフルエンザが例年より早く流行入りしたとして、注意を呼び掛けた。

 厚生労働省の感染症発生動向調査によると、8月17~23日の定点医療機関当たり報告数は1.11となり、流行開始の目安となる1.00を上回った。8月30日までの1週間では1.76に上昇している。笹本氏は、1999年の感染症法施行以降、2009年に次いで2番目に早い流行入りと説明した。

 また、今シーズンのインフルエンザワクチンは9月から供給が始まり、9月第5週までに、今シーズンの供給予定量の6割を超える約3147万回分が供給される見込み。

2030年末に電子カルテ普及率100% 「医療情報化推進方針(案)」を提示

厚生労働省は8月 27 日に社会保障審議会
医療部会を開催し、2025年12月の医療法
等改正で策定が定められた「医療情報化推進
方針」の概要を、以下の5項目にまとめた。
①医療情報化推進の意義及び基本的な方向に関
する事項
②医療情報化推進に関し、国並びにDX審査支
払機構及び国保連合会その他関係者が取り組
むべき事項
③DX審査支払機構における中期計画
厚労省は、本方針の対象期間を今年
10 月1日から2030年3月31日までの3年半と
設定。2030 年末までに電子カルテ普及率を
約100%とする目標を掲げた。
④医療法の基本方針及び介護保険法の基本指針
との整合性確保
⑤その他医療情報化推進に関し必要な事項
厚労省は、本方針の対象期間を今年
10 月1日から2030年3月31日までの3年半と
設定。2030 年末までに電子カルテ普及率を
約100%とする目標を掲げた。

2025年度概算医療費は49.2兆円 前年比2.6%増 5年連続で過去最高

厚生労働省は8月 28 日に、医療保険・公
費負担医療分の医療費を集計した「令和7年
度 医療費の動向」を公表した。
集計結果によると、医療費は 49.2 兆円と
なり、2021 年度から5年連続で過去最高を
更新。医療費の対前年伸び率は 2.6%となり、
2021 年度から減少傾向にあったが、4年ぶ
りに増加に転じた。
医療機関を受診した延患者数に相当する受
診延日数の伸び率は、前年度から 0.7%減少
したものの、1日当たり医療費は 3.3%増加
していることから、受診機会は減っているが、
医療の高度化などにより1回の受診における
単価が上がっている状況がうかがえる。
なお、今回公表した医療費は労災・全額自
費等の費用を含まない“概算医療費”であり、
医療機関で傷病の治療に要した費用全体の推
計値である国民医療費の約 98%に相当する。

過去ログ