社会保障審議会の医療保険部会は8月28日、2026年度に行われる診療報酬改定の基本方針を巡る議論を始め、医療機関の危機的状況を共通認識にして議論するよう日本医師会の委員が呼び掛けた。健康保険組合連合会の委員は、それへの一定の理解を示したが、診療報酬で対応すべきものと補助金や税制を活用すべきものとを切り分けて議論すべきだと主張した。診療報酬改定の基本方針は、中央社会保険医療協議会で点数設定の検討を行う前提となるもので、社保審の医療保険部会と医療部会で並行して議論する。
社会保障審議会の医療保険部会は8月28日、2026年度に行われる診療報酬改定の基本方針を巡る議論を始め、医療機関の危機的状況を共通認識にして議論するよう日本医師会の委員が呼び掛けた。健康保険組合連合会の委員は、それへの一定の理解を示したが、診療報酬で対応すべきものと補助金や税制を活用すべきものとを切り分けて議論すべきだと主張した。診療報酬改定の基本方針は、中央社会保険医療協議会で点数設定の検討を行う前提となるもので、社保審の医療保険部会と医療部会で並行して議論する。
月23日(土)午前11時より札幌パークホテルにおいて、本会主催による道民公開講座を開催した。定員500名に対して1,200名の応募があり抽選としたが、開場前から多くの参加者で大盛況となった。
元NHK、現在フリーアナウンサーとして活躍中の宮本隆治 氏による「老いはのどからやってくる」をテーマとしたトークショー、続いて日本歯科医師会・高橋英登 会長との対談へ展開された。
宮本氏は「喉」を鍛える独自の発声法「ハシカベ体操」を実演するなど、発声を知り得るからこそできるモノマネと話術で場内を笑いの渦に巻き込み、緊張しない方法や初対面者との距離を縮める策など様々な分野について語った。
対談では高橋会長のモットー「おいしく食べて、天寿を全うする」を目指すには、誤嚥性肺炎や「喉・声」トラブルの予防をあげ、全身の健康に関わる「口腔ケア」が最重要であるとして両者の意見が共有された。参加者からは納得のうなずきとともに歓声が沸いていた。
北海道大学歯科保存学教室の友清 淳 教授を中心とするグループは、光科学技術「フォトニクス」を活用し、う蝕や歯周病を早期に“見える化”する新しい歯科保存技術の開発に向け、クラウドファンディングを開始した。
開発が進められている「フォトニクスを基盤としたう蝕治療(PBCD)」は、細菌の可視化により病変部を正確に同定・除去する技術。フォトニクスはすでに、車載センターや光ファイバー通信、がん手術における蛍光ガイド技術など、医療・工業分野で幅広く活用されている。
歯科領域へ応用することで、う蝕原因菌が集積しやすい部位を特定し、歯ブラシ指導や定期健診での重点観察に役立てるほか、治療時には赤く蛍光する病変部を可視化することで、必要最小限の切削で確実に細菌を除去できる可能性があるという。
クラウドファンディングの目標金額は450万円で、受付期間は9月11日(木)までである。
【歯科通信】
WHOは23日、中国南部で蚊が媒介するチクングニア熱の感染が急速に拡大しており、世界のほかの地域にも広がるおそれがあると明らかにした。広東省仙山市ではこれまで2,659人の感染を確認、患者はいずれも軽症であるが、市内53の病院では計3,600床以上を感染者のために用意している。
WHOはすでに119か国に拡大、インド洋の島しょ国から世界中に広まり、50万人が感染した2004年、05年と同様の現象が今年はじめからみられるとして、警戒を呼びかけている。
【メディファクス】
厚生労働省は、8月21日の「入院・外来医療等の調査・評価分科会」で、2024 年度・2025 年度のベースアップ評価料届出医療機関の賃上げ率が 3.40%だったことを明らかにした。2024 年度にベースアップ評価料を新設したときの目標は4.5%(2024年度2.5%、2025 年度2.0%)だったため、1ポイント以上届かなかった計算となる。 2 年連続で春闘での賃上げ率が 5%を超えている中、医療界が乗り遅れている状況が浮き彫りとなった形だ。
令和7年度スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)日本代表選抜大会が8月5日、歯科医師会館で開催され、東北大学歯学部6年生のリュウ ドウシンさんが研究テーマ「歯周病原細菌Filifactor alocisはマクロファージのパイロトーシスと血管バリア破綻を誘導する」で優勝した。
ドウシンさんは、来年3月に米国カリフォルニア州サンディエゴ市で開催されるAADOCR/SCADA大会に招待され、日本代表として発表するとともに、世界各国のSCRP代表学生、歯学研究者等と交流する。
準優勝は鶴見大学歯学部5年生の塩野目佳美さんで、研究テーマは「クオラムセンシングシグナル分子の抑制を介した、Lactobacillus由来の環状ジペプチドのPorphylomonas gingivalisに対する抗菌作用機序」だった。
第3位は大阪歯科大学3年生の足立梨夏さんで、研究テーマは「タンパク質含有マイクロ粒子による口腔がん細胞株へのタンパク質の直接送達」であった。
タカラベルモントは大阪大学大学院歯学研究科 再生歯科補綴学講座の高岡亮太 助教、山本梨絵 先生、西村正宏 教授、ツインデンタルクリニックと「肥満と咀嚼関連パラメータの関係性」について共同研究を行なった。肥満につながるとされる「速食い」は具体的な定義や客観的な指標が確立されていなかったが、単に咀嚼回数が少なく食べる時間が短いことではなく、一口が大きいことにより、咀嚼回数と咀嚼時間が減少し肥満に影響する可能性を確認した。
総咀嚼回数、総咀嚼時間、総口数(何口で食べたか)の3項目に関して、BMI、内臓脂肪(VF)レベルとの弱い正の相関が認められた。総口数については、BMI25以上の肥満群と25未満の標準群の2群間において、および、VFレベル9.6以上のVF過剰群と9.6未満のVF標準群の2群間において、有意な関連が認められた。この結果より、総口数が最も肥満や内臓脂肪レベルに関与する可能性が示された。つまり、一口の大きさが大きいことが、肥満に影響を与える速食いであるという。
今後の展望として、一口当たりの量をコントロールし、一口の大きさを小さくするような食事指導を開発することで、肥満予防や改善につながることが期待される。
【歯科通信】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
チクングニア熱が中国で拡大
― 世界保健機関(WHO)が世界的流行を警戒
───────────────────────
WHOは23日、中国南部で蚊が媒介するチクングニア熱の感染が急速に拡大しており、世界のほかの地域にも広がるおそれがあると明らかにした。広東省仙山市ではこれまで2,659人の感染を確認、患者はいずれも軽症であるが、市内53の病院では計3,600床以上を感染者のために用意している。
WHOはすでに119か国に拡大、インド洋の島しょ国から世界中に広まり、50万人が感染した2004年、05年と同様の現象が今年はじめからみられるとして、警戒を呼びかけている。
【メディファクス】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
フォトニクスの応用で歯科治療の精度向上を目指して
― 北大研究グループ クラファン開始
───────────────────────
北海道大学歯科保存学教室の友清 淳 教授を中心とするグループは、光科学技術「フォトニクス」を活用し、う蝕や歯周病を早期に“見える化”する新しい歯科保存技術の開発に向け、クラウドファンディングを開始した。
開発が進められている「フォトニクスを基盤としたう蝕治療(PBCD)」は、細菌の可視化により病変部を正確に同定・除去する技術。フォトニクスはすでに、車載センターや光ファイバー通信、がん手術における蛍光ガイド技術など、医療・工業分野で幅広く活用されている。
歯科領域へ応用することで、う蝕原因菌が集積しやすい部位を特定し、歯ブラシ指導や定期健診での重点観察に役立てるほか、治療時には赤く蛍光する病変部を可視化することで、必要最小限の切削で確実に細菌を除去できる可能性があるという。
クラウドファンディングの目標金額は450万円で、受付期間は9月11日(木)までである。
【歯科通信】
全国の定点医療機関で18~24日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者数は計3万3275人で、1医療機関あたり8・73人だったと厚生労働省が29日、発表した。10週連続で増え、今年最多となった。昨年の同時期は8・80人だった。
都道府県別では、宮崎が最も多く21・04人。次いで鹿児島16・81人、長崎14・78人、佐賀14・04人、徳島13・32人と続く。東京は4・76人、愛知は12・55人、大阪は5・90人、福岡は9・11人だった。
今夏は昨年流行の中心となったオミクロン株の「JN.1」系統から派生した「NB.1.8.1」という変異株が流行しているとみられる。「ニンバス」という俗称があり、強いのどの痛みを訴える患者が多いと言われているが、ほかの変異株に比べ、重症化につながることを示す報告はないとされる。