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財務省、受診時定額自己負担や 診療所の「報酬の適正化」を提言

財務省は、11 月5日の財政制度等審議会財政制度分科会で「受診時定額自己負担」の導入や「診療所の報酬の適正化」を提言した。「受診時定額自己負担」とは、外来受診時に一定額の負担を患者に求めたうえで、かかりつけ医療機関以外を受診した場合にはさらに追加負担を徴収するというもの。導入されれば患者の自己負担額は大きく増えることが予想される。 「診療所の報酬の適正化」については、診療所の利益率や利益剰余金が「依然として高水準にある」としていることから、診療所が受け取る診療報酬の引き下げを指すものであることは明白だ。

在支診・在支病の施設基準見直しか 連絡・往診体制の要件厳格化へ

厚生労働省は11月12日の中央社会保険医療協議会総会で、24 時間往診体制を確保するため連絡窓口をサービス会社に委託している医療機関に対し、誰が連絡応需や往診を行うか患者への事前説明が十分ではない懸念があると指摘。連絡体制および往診体制の要件見直しを検討すべきだとした。2026 年度の次期診療報酬改定で、在宅療養支援診療所(在支診)および在宅療養支援病院(在支病)の施設基準が変更になる可能性がありそうだ。

保険料や窓口負担に金融所得を反映 法定調書を活用して応能負担を徹底

厚生労働省は11月13日の社会保障審議会医療保険部会で、金融所得(株や債券などの譲渡、配当、利子所得)を社会保険における保険料や窓口負担に反映し、後期高齢者にも応能負担を徹底する方針を示した。 金融所得の勘案には、税制における法定調書を活用する案を提示。それを実現させる場合は、法定調書のオンライン提出義務化や法定調書へのマイナンバーの付番・正確性確保、システムの整備などが必要になるとして、コストとスケジュールの検討を早急に進めるべきだとしている。

令和6年度概算医療費で歯科は3兆4,033億円。70歳以上75歳未満が全階級で唯一のマイナス。

令和6年度概算医療費が厚生労働省から公表され、歯科は3兆4033億円で、前年より1108億円増加した。5歳ごとの年齢階級別では、95歳以上100歳未満がプラス14.1%で最も伸びた一方、70歳以上75歳未満がマイナス3.8%と、全階級で唯一の減少となっている。

歯科衛生士の常勤0人が約4割、非常勤は6割超え。

厚生労働省の報告で、全国の歯科診療所において、常勤、非常勤に関わらず歯科衛生士の従事者数が0人となる施設が最も多いことが分かった。
 常勤の歯科衛生士がいない歯科診療所の割合は全国平均で39.2%。最もその割合が大きかったのは東京都で49.0%、割合が小さかったのは鳥取県の17.2%だった。

オンライン診療で患者と二次医療圏の 「所在地が同一」は24.6%にとどまる

厚生労働省は 11 月7日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、オンライン診療の算定状況について、患者と医療機関の所在地が二次医療圏で同一だったのは 24.6%、都道府県が同一だったのは 48.9%だったことを明らかにした。 同省は、公表資料において、7月の中医協総会で出た「オンライン診療の適切な推進の観点では、協力医療機関との連携や、対面診療への切り替えが必要に応じて十分になされているか検証することが必要である」との意見を太赤字で示しており、患者とオンライン診療を実施する医療機関の所在地が大きく離れていることを問題視していることは明白だ。 支払側、診療側ともに反対意見が出なかったことから、何らかの形で次期診療報酬改定において評価の見直しが行われる可能性が高まった。

歯科訪問診療に係る2回目の議論を実施

中医協総会が11月14日、都内で開催され、令和8年度診療報酬改定に向け「在宅(その4)」として歯科訪問診療に係る2回目の議論が行われた。歯科訪問診療については、8月27日に開催された第615回総会において「在宅歯科医療を取り巻く状況」や「歯科訪問診療の実施状況等」に係る課題が提示されていた。
総会では、厚生労働省から資料説明が行われた後、日本歯科医師会常務理事の大杉和司委員が論点に沿って発言した。
●在宅歯科医療推進加算の見直し
1つ目の論点「在宅歯科医療推進加算の見直し」については、本加算は在宅への移行を推進する視点から、主に歯科訪問診療1を多く行っている歯科診療所を評価するものであるが、在宅療養支援歯科診療所と内容が類似するため、施設基準の簡素化につながる趣旨であれば賛成するとした上で、かかりつけ歯科医による歯科訪問診療を推進する観点で、特に居宅等への歯科訪問診療を取り組みやすくするための評価や運用の見直しを求めた。
●少数患者への訪問診療に対する施設基準の設定
2つ目の論点「患家や同一建物に居住する少数の患者に対する歯科訪問診療の実績や歯科訪問診療の実施責任者を配置する等を要件とする施設基準の設定」では、同一建物居住者に対する多数の歯科訪問診療を適正にするための対応であることを前提に、現場では患家の少数患者に歯科訪問診療を実施する歯科診療所も存在するため、こうした歯科診療所への配慮を求めた。
●在宅療養支援歯科病院の施設基準の見直し
3つ目の論点「在宅療養支援歯科病院の届出医療機関の増加に向けた施設基準の見直し」については、歯科診療所の後方支援機能や研修・教育機能の評価に賛同するとともに、臨床研修施設における研修歯科医の受け入れ状況や当該施設における歯科訪問診療の研修・教育体制を施設基準に加味することの必要性を訴えた。
●訪問歯科衛生指導の評価見直し
4つ目の論点「訪問歯科衛生指導の評価の見直し」については、本指導が施設等における要介護者の誤嚥性肺炎等の予防に重要な役割を果たしていることを強調した上で、資料に示されたとおり、単一建物診療患者が1人の場合の指導回数が最も少ない点を踏まえた評価を求めた。また、特別な関係に当たる建物への訪問歯科衛生指導については実態に即した対応を求めた。
●在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料の見直し
最後の論点「在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料の見直し」については、本指導料による評価の対象を指導とし、歯科医師の指示を受けた歯科衛生士によるものを対象に追加することや、ミールラウンドや食事指導および嚥下訓練などにオンラインを活用していく方向性に賛同した。

果汁100%フルーツジュースの適度な摂取が2型糖尿病リスクを軽減。

東京科学大学大学院医歯学総合研究科の研究チームが、国内13の大学や病院が参加する大規模調査「J-MICC研究」に登録された13,769人分のデータを用いて、フルーツジュースを飲む頻度と2型糖尿病との関連を調査・分析。
 その結果、2型糖尿病の遺伝リスクが高い集団において、果汁100%のフルーツジュースを週1回以上飲む人は、糖尿病の発症リスクが最大46%低くなることが分かった。

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