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高橋会長「脱金パラ」戦略でハイブリッドの新機軸を強調  定例記者会見

日歯は4月23日(木)、定例記者会見を歯科医師会館で開いた。
挨拶で高橋英登会長は、昨今の緊迫する中東情勢や、物価高騰が歯科医院経営を直撃している現状を報告。特に長年の課題であった「金銀パラジウム合金(金パラ)」問題への対応策や、供給不安が続く歯科用麻酔薬への危機管理について日歯の方針を示した。

コロナ後の歯科を取り巻く状況

新型コロナウイルスは社会に大きな苦しみをもたらした一方で、「働き方」と「暮らし」を再定義する契機ともなった。ハイブリッドワークの普及により時間や場所の制約が緩和され、生活様式は大きく変化した。
歯科医療においては、まず感染対策の水準が向上し、換気設備や口腔外バキュームの整備によって安全性が高まり、患者の不安軽減につながった。さらに、健康意識の高まりにより、口腔健康管理が全身の健康に関与するという認識が広がり、定期検診やメンテナンスの重要性が見直されている。
また、オンライン予約やキャッシュレス決済などのデジタル化が進展し、利便性と業務効率が向上した。遠隔診療の導入(「情報通信機器を用いた歯科診療」や「歯科遠隔連携診療料」)も進んでいるが、治療中心という特性から、さらなる議論が必要である。
加えて、口腔健康管理が全身疾患や感染症予防に寄与するとの認識のもと、医科との連携や在宅医療への関与も進み、デジタル技術の進歩とともに歯科の役割は拡大している。コロナ後の歯科医療は、今後さらに安全性・予防性・効率性・社会的役割の各面において、質的進化を遂げていくであろう。

外傷性咬合―歯周病併発で骨吸収を増悪―

外傷性咬合は単独では骨吸収を起こさないが、歯周炎に加わると骨吸収を増悪させることを分子レベルで解明。東京科学大学医歯学総合研究科歯周病学分野の土谷洋輔 助教と岩田隆紀 教授、同口腔生命医科科学分野の大杉勇人 助教と片桐さやか 教授、東京慈恵会医科大学らの研究によるもの。歯周治療における咬合調整の意義の科学的な裏付けにつながる可能性がある。

 研究チームによると、歯周病は、歯ぎしりなどによる外傷力との関係が示唆されており、近年は「過大な咬合力(外傷性咬合力)は歯周病の直接的な原因にはならないが、歯周病の悪化には寄与する」との説が支持されているという。しかし、根拠は古い動物実験による知見が中心で、詳細なメカニズムは明らかになっていなかった。

 研究では、マウスを「歯周炎群」「外傷性咬合群」「対照群」「歯周炎+外傷性咬合群」モデルに分類して、経過を観察した。

 その結果、歯周炎+外傷性咬合群では、歯周炎群と比べてより重度の骨吸収が認められた。一方で、外傷性咬合群では、骨吸収は認められなかった。歯周炎群と歯周炎+外傷性咬合群の骨組織の評価をしたところ、TNF-αなど炎症にかかわる遺伝子群の発現上昇が認められ、破骨細胞分化を抑制的に調節する遺伝子群は発現が低下していた。

 研究成果は、『Journal of Clinical Periodontology』に掲載された。
【歯科通信】

物資安定供給「必ず実行を」首相、厚労相らに指示

高市早苗 首相は4月10日、政府が開いた「中東情勢に関する関係閣僚会議」で、上野賢一郎 厚生労働相に対し、医療物資などの安定供給を「必ず実行する」よう指示した。経済産業相と共に「川上の化学メーカーから川下の医療機関まで海外を含む医療関係サプライチェーン全体を把握」することも求めたと、上野厚労相が閣議後会見で、明らかにした。

 上野厚労相は、同日午後に医療関係団体との意見交換会を開く予定であることにも言及。「総理の指示を踏まえ、引き続き医療関係団体と連携しながら、医療物資の供給の偏りや目詰まりを解消し、安定供給を確保していきたい」と話した。
【メディファクス】

口唇口蓋裂に悩むベトナムの人々を救いたい 日本人医師らが無償手術続けて34年

34年目の貢献 ベトナム診療隊 上唇や口の中の天井にあたる口蓋(こうがい)に裂け目がある状態で生まれてくる「口唇(こうしん)口蓋裂」の患者を支援するNPO法人・日本口唇口蓋裂協会(名古屋市千種区)が、ベトナムで無償手術のボランティアを始めて34年目になる。今年は3月21~29日に、全国の歯科医師や看護師ら58人を派遣した。診療隊に同行し、現地の患者や医療を支える活動と、志を継承する次世代の姿を追った。

 ベトナム最大の都市ホーチミンから、南に約90キロ離れたのどかな農村部のビンロン省。渋滞する街を抜けてメコン川にかかる橋を渡り、車を走らせること約3時間。診療隊が拠点とするグエンディンチュー病院(約1400床)に到着した。

 「私にとって第二の故郷。いつも『帰ってきた』という気持ちがする」と協会常務理事の夏目長門さん(69)=愛知学院大歯学部教授=は話す。協会の海外支援は、ミャンマーやモンゴル、ラオスなど約10カ国で支援活動を展開しており、その中でもベトナムは訪問回数が最多だ。

 日本では、口唇口蓋裂は幼少期から適切な治療を20年近く続ければ、日常生活を問題なく過ごせるようになる。だが、途上国では経済的な事情で大人になるまで放置され、結婚や就職に悩む人も少なくない。

 協会は、1993年からベトナムでの支援を始めた。口唇口蓋裂治療の専門医が少なく、他国からの技術支援を必要としていた当時の現地の住民らが、国外で無償手術を実施する協会の活動を知り、要請したのがきっかけだった。

 手術を担当する口腔(こうくう)外科医は国内外で3千~4千件以上の手術をこなし、国内トップクラスの実績と高い技術を誇る。多くの患者とその家族は、無償で受けられる診療隊の年1回の訪問を心待ちにする。

 気温30度を超えた3月22日午後。診療隊は病棟の長い廊下に机やいす、扇風機を並べ、簡易の「診察室」をつくった。待合室には、手術を希望する約50組の親子連れらが集まっていた。

 「傷痕が残らないようにして」「見た目を良くしたい」。初診では、患者やその親が次々に要望を伝えた。夏目さんが口内の状態や体調などを一人ずつ確認し、手術の可否を判断した。

 翌日午前7時、日本から機材を持ち込んで準備した三つの手術室で、全国の口腔外科医や看護師らによる手術が始まった。日本の若手医師や学生らが技術を学ぼうと見守る中、執刀医が全身麻酔で横になった少年(5)の上唇の周りに線を描く。慎重にメスを入れ、筋肉や組織を丁寧に縫い合わせた。

 約3時間後、手術を終えて目を覚ました少年はベッドで運ばれ、回復室で待っていた母親の元へ。小児科医の馬場礼三さん(69)=中部大教授=が「もう大丈夫だよ」とほほ笑む。すぐに次の患者が運ばれ、初日は夜まで計8件の手術が続いた。

 (大野沙羅が担当します)

歯が少ない飲酒・喫煙者―口腔咽頭がんの死亡リスク上昇

歯が少ない人で飲酒や喫煙の経験者は、口や喉にできるがんの死亡リスクが、どちらもやらない人と比べて5倍近く高くなるとの研究結果を、東京科学大学などのチームがまとめた。歯数に関係なく、飲酒と喫煙の経験があるだけでリスクは3倍近くに増大していた。

 チームは、大規模疫学研究「日本老年学的評価研究」の調査に参加した65歳以上の自立高齢者3万9,882人(平均73.7歳、男性46.8%)を対象に、2010年時点で飲酒、喫煙、歯の数を調べ、その後12年間追跡した。

 その結果、3万9,882人のうち、12年間で83人(0.2%)が口腔咽頭がんで死亡した。解析すると、飲酒や喫煙の経験者は、そうでない人に比べて口腔咽頭がんの死亡リスクが2.87倍に上昇していた。さらに歯数が0~19本と少ない2万5,092人に限って解析すると、飲酒と喫煙の経験者はリスクがより高く、そうでない人に比べて4.77倍も高くなっていた。

 研究結果は科学誌『Oral Oncology』(3月16日)に掲載された。   
【歯科通信】

歯科の違反1,159件―令和7年度ネットパトロール

医療機関などのホームページが医療広告規制などに違反していないかを監視する「令和7年度ネットパトロール」で違反の合計は5,225件となり、そのうち歯科は1,159件(うち能動監視 127件)だった。3月26日、第7回医療機能情報提供制度・医療広告等に関する分科会で報告があった。

 歯科は、美容医療と並んで違反件数が多い分野であり、特に自由診療(審美歯科・矯正・ホワイトニングなど)に関連する広告での違反が目立つ傾向にある。

 歯科の違反の内訳では、「広告が可能とされていない事項の広告」が373件で最多。次いで「誇大広告」273件、「治療等の前、または後の写真等」161件、「比較優良広告」144件、「その他」115件、「治療等の内容、または効果に関する体験談」59件、「虚偽広告」34件となっている。
【歯科通信】

2,610の医療機関から供給不安の相談 6割弱が手袋関連 消毒液は解決済み

厚生労働省と経済産業省は4月 16 日に第
3回「中東情勢の影響を受ける医薬品、医療
機器、医療物資等の確保対策本部」を開催。
4月 13 日時点で厚労省に対し医療機関
2,601事業者から供給不安に関する相談が寄
せられ、そのうち約 1,500 事業者からの相
談が同種の手袋の供給に関する内容だったこ
とを明らかにした。
「解決済みの事案」は 10 件となり、新た
に医療機関で用いる消毒液(イソプロパ
ノール)、人工透析用の血液浄化器(ダイア
ライザー)と注射針、献血バッグ、採血管を
まとめる袋の供給不安を「早急に解決済み」
だと報告した。

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