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全自動で磨く歯ブラシ開発 障害・介助者支援にも期待

早稲田大発のベンチャー企業「Genics(ジェニックス)」が、口にくわえるだけで自動的に歯を磨ける「ロボット歯ブラシ」を開発した。短時間で気軽に歯を磨くだけでなく、子どもの歯磨き習慣定着や、1人での歯磨きが難しい障害者や介助者らの負担軽減などにも期待する。春にも一般販売を始める。

 口内の衛生環境を保つことは、歯周病などの感染症予防にもつながる。同社の栄田源(さかえだ・げん)社長は「幅広い世代に使ってもらい、健康維持に役立ててほしい」と話す。

 縦6センチ、横10センチ、奥行き5・5センチの本体に、複数のブラシを備えたU字形の装置を付けて使う。口にくわえて起動すると、ブラシが円を描くように振動しながら移動し、上下の歯の表裏や歯間を磨いていく仕組みだ。

 ブラシの動きは本体の二つのモーターで制御。ブラシの角度や制御システムを工夫し、最短1分で手磨きと同程度まで歯垢(しこう)を除去できるという。将来はスマホアプリの操作で特定の歯を重点的に磨いたり、磨く強さを変えたりできる機能の追加も目指している。

 先端を付け替えると頬や舌の筋肉のマッサージもできる。高齢者の誤嚥(ごえん)予防や、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者の口を開けやすくしたり唾液量を増やしたりして、口内を清潔に保つことが期待できるという。

 栄田さんは「歯は自分の手で磨くものというこれまでの考え方に革命を起こしたい」と意気込む。価格は3万6520円からを予定。

中医協 ―ブリッジや小児義歯の事前承認の除外を提案―

 11月28日に中医協総会で行われた令和8年度診療報酬改定に向けた議論において、事前に地方厚生局が保険適用の有無を判断する必要のある歯科診療のうち、通知などで定める判断基準が明確にされているブリッジや小児義歯については、事前承認の対象から除外する案が示された。

 日本歯科医師会常務理事の大杉和司 委員は、「ブリッジや小児義歯に係る事前承認を除外するという提案には、医療機関の請求に係る負担軽減や請求手続きの迅速化の観点から賛成する。また、施設基準届出や8月1日報告など毎年地方厚生局長への報告様式についても簡素化につながる方向で引き続き検討をお願いしたいと発言した。
【歯科通信】

子どもたちに近視進行抑制治療を

日本眼科医会の柿田哲彦 副会長は、子どもの近視悪化を防ぐため、近視進行抑制治療を広く受けられる体制整備を求めた。

 現在、近視進行を抑える治療として「低濃度アトロピン点眼液」や「近視管理用眼鏡」などがあるが、いずれも自費扱い。治療中は通常の保険診療も保険外となるため、子どもへの医療費助成が受けられない状況が続いている。柿田副会長は、保険外併用療養の対象に位置づけ、負担軽減を図るべきと指摘した。

 また、日本眼科学会の五藤智子 氏は、軽度・中等度の視覚障害児を補装具購入助成制度の対象に加えることを求めている。
 子どもの視力保護と将来の健康を守るため、制度面での支援強化が急がれる。
【メディファクス】

歯科はプラス0.31%  令和8年度診療報酬改定

政府は令和7年12月24日、令和8年度診療報酬の改定率を発表した。本体改定率はプラス3.09%で物価高騰や賃上げなど厳しい状況にある医療機関の支援を踏まえた内容となっている。改定率3%超えは30年ぶりのこと。このうち賃上げ分や物価高騰対応などを除く各科への改定分はプラス0.25%で、歯科はプラス0.31%となった。
医科は0.28%、調剤は0.08%のプラス改定だった。薬価等改定率は▲0.87%(薬価▲0.86%、材料価格▲0.01%)となった。
医科と歯科と調剤の改定財源の配分は前回改定と同様に、「1:1.1:0.3」。
診療報酬と材料価格は令和8年6月、薬価は令和8年4月施行となる。

国民のための歯科医療を確保すべく難問に取組む  定例記者会見

日歯は令和7年12月18日、定例記者会見を歯科医師会館で開いた。
挨拶で高橋英登会長は、令和8年度診療報酬改定が佳境に入るなか、自民党本部で同日に開催された「社会保障を守る会」緊急集会へ参加したことを報告。医療を守る、社会保障を守ることを柱とする新政権が、国の財政状況が厳しいなかで医療にどれだけ目を向けてもらえるかが勝負所であると話した。
また、医療関係団体は公定価格で医療を提供するため、デフレからの脱却で状況が変わるも、歯科は材料費の占める割合が高く、治療すれば赤字だが、耐え忍んでいる現状を危惧しているとした。その上で差益を求めるためではないが、差損は容認できないため、緊急改定や材料を使用しない診療報酬改定、期中改定等さまざまな方向から検討する必要があるとの考えを示した。
さらに、診療報酬を凌駕する物価高騰、人件費上昇のため、可処分所得が良い方向に向かわず、病院と違って基礎体力がない個人立の歯科診療所は経営状態に余裕がないことから、主張すべき部分を主張し、会員の歯科診療所の安定した経営存続のため診療報酬改定に臨んでいると述べた。
最後に、災害に強い歯科医師会を目指すべく、今後起こる可能性のある災害への準備や、国の予算への対応、各都道府県歯と行政の連携など山積する課題の解決に努め、国民のための歯科医療を確保することに一層取り組むと結んだ。
伊藤智加専務理事は、令和7年11月18日に大分市佐賀関で発生した大規模火災について、大分県歯の要請を受け、歯科商工協会との協定に基づき支援物資を提供していることを報告した。

歯の健康状態が死亡率の予測のカギに!! ~高齢者19万人の歯科健診データから判明

大阪公立大学大学院看護学研究科の大槻奈緒子 講師と、大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター保健管理部門の山本陵平 教授らの共同研究グループは、75歳以上の高齢者190,282人を対象に、歯科健診時の歯数および歯の状態と全死亡との関連を解析した。

 その結果、健全歯および処置歯が多いほど死亡率が低下する一方で、むし歯などの未処置歯は死亡率を上昇させることが明らかになった。さらに、健全歯+処置歯のみを歯数として数える方法が、健全歯のみ、あるいは健全歯+処置歯+未処置歯を数える方法と比較して、全死亡率の予測精度において最も優れていることが示された。2025年11月24日BMC Oral Healthに掲載。

【山田 宏のデンタルマガジン】

インフルエンザ

厚生労働省の発表によると、今年は例年より1か月早くインフルエンザが大流行しているそうです。感染拡大の要因として、海外観光客の増加により、インフルエンザウイルスA型「H3N2」の変異株「サブクレードK」が国内に持ち込まれたことが挙げられます。さらに、夏の猛暑でエアコン使用が増え、喉の乾燥や免疫低下を招いたことも影響しているようです。
 こうした中、弘前大学・京都大学・大正製薬の共同研究チームは、ビッグデータ分析により、「インフルエンザにかかりやすい5タイプ」を発見し、2025年8月に国際科学誌『Scientific Reports』で発表しました。この研究では、弘前大学が青森県弘前市で実施する大規模健康調査「岩木健康増進プロジェクト健診(IHPP)」のデータを活用し、20歳以上の住民約1000人を対象に、血液検査や生活習慣など3000項目以上の健康データをAIで解析し、季節性インフルエンザにかかりやすい5つのパターンを抽出しました。

①血糖値が高めの方:血糖値が高い状態が続くと免疫細胞の働きが鈍り、ウイルスへの抵抗力が低下します。
②肺炎の既往がある方:感染症への抵抗力が弱いと考えられます。
③多忙・睡眠不足の方:睡眠時間が短いと罹患頻度が高まります。
④栄養不良の方:食事のバランスが偏り、野菜不足になると抵抗力が低下します。
⑤アレルギーのある方:慢性的な炎症や鼻づまりが呼吸器のバリア機能を弱め、感染のきっかけになります。

 特に「肺炎にかかったことがあり、血糖値が高めで、睡眠の質が良くない」など、複数の特徴を持つ人は、インフルエンザ発症リスクが約3.6倍に跳ね上がるとの結果も示されています。
 今後は、ワクチン接種やうがい・マスクなどの一般的な予防策に加え、個人の体質や生活習慣に合わせたオーダーメイド型の感染症対策が期待されます。さらに、この解析手法は、将来的にインフルエンザ以外の感染症や生活習慣病対策への応用も見込まれています。
参考:
大正製薬(弘前大学・京都大学・大正製薬の共同研究チーム) | 健康ビッグデータ解析で「インフルエンザに罹りやすい人」5タイプの特徴的な傾向を確認
https://www.taisho.co.jp/company/newsletter/2025/20251120008125/

マイナカード保有が1億枚超え 交付10年、保険証利用は伸びず

林 芳正 総務大臣は5日の記者会見で、交付開始から来年1月で10年になるマイナンバーカードの保有枚数が1億枚を超えたと発表した。ポイント還元策や、健康保険証の廃止と保険証機能を持たせた「マイナ保険証」への一本化で普及が進んだ。ただ、マイナ保険証の利用率は伸び悩んでいる。

 政府は多分野で利用拡大を図り、今月2日からマイナ保険証を基本とする仕組みに本格移行した。10月末時点で保有者の約88%が登録しているが、利用率は37.1%にとどまっている。

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