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令和7年度スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)日本代表選抜大会

令和7年度スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)日本代表選抜大会が8月5日、歯科医師会館で開催され、東北大学歯学部6年生のリュウ ドウシンさんが研究テーマ「歯周病原細菌Filifactor alocisはマクロファージのパイロトーシスと血管バリア破綻を誘導する」で優勝した。
ドウシンさんは、来年3月に米国カリフォルニア州サンディエゴ市で開催されるAADOCR/SCADA大会に招待され、日本代表として発表するとともに、世界各国のSCRP代表学生、歯学研究者等と交流する。
準優勝は鶴見大学歯学部5年生の塩野目佳美さんで、研究テーマは「クオラムセンシングシグナル分子の抑制を介した、Lactobacillus由来の環状ジペプチドのPorphylomonas gingivalisに対する抗菌作用機序」だった。
第3位は大阪歯科大学3年生の足立梨夏さんで、研究テーマは「タンパク質含有マイクロ粒子による口腔がん細胞株へのタンパク質の直接送達」であった。

食事の一口量~肥満に影響する可能性

 タカラベルモントは大阪大学大学院歯学研究科 再生歯科補綴学講座の高岡亮太 助教、山本梨絵 先生、西村正宏 教授、ツインデンタルクリニックと「肥満と咀嚼関連パラメータの関係性」について共同研究を行なった。肥満につながるとされる「速食い」は具体的な定義や客観的な指標が確立されていなかったが、単に咀嚼回数が少なく食べる時間が短いことではなく、一口が大きいことにより、咀嚼回数と咀嚼時間が減少し肥満に影響する可能性を確認した。

 総咀嚼回数、総咀嚼時間、総口数(何口で食べたか)の3項目に関して、BMI、内臓脂肪(VF)レベルとの弱い正の相関が認められた。総口数については、BMI25以上の肥満群と25未満の標準群の2群間において、および、VFレベル9.6以上のVF過剰群と9.6未満のVF標準群の2群間において、有意な関連が認められた。この結果より、総口数が最も肥満や内臓脂肪レベルに関与する可能性が示された。つまり、一口の大きさが大きいことが、肥満に影響を与える速食いであるという。


 今後の展望として、一口当たりの量をコントロールし、一口の大きさを小さくするような食事指導を開発することで、肥満予防や改善につながることが期待される。                                                 
【歯科通信】


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チクングニア熱が中国で拡大
― 世界保健機関(WHO)が世界的流行を警戒
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 WHOは23日、中国南部で蚊が媒介するチクングニア熱の感染が急速に拡大しており、世界のほかの地域にも広がるおそれがあると明らかにした。広東省仙山市ではこれまで2,659人の感染を確認、患者はいずれも軽症であるが、市内53の病院では計3,600床以上を感染者のために用意している。

 WHOはすでに119か国に拡大、インド洋の島しょ国から世界中に広まり、50万人が感染した2004年、05年と同様の現象が今年はじめからみられるとして、警戒を呼びかけている。
【メディファクス】


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フォトニクスの応用で歯科治療の精度向上を目指して
― 北大研究グループ クラファン開始
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 北海道大学歯科保存学教室の友清 淳 教授を中心とするグループは、光科学技術「フォトニクス」を活用し、う蝕や歯周病を早期に“見える化”する新しい歯科保存技術の開発に向け、クラウドファンディングを開始した。

 開発が進められている「フォトニクスを基盤としたう蝕治療(PBCD)」は、細菌の可視化により病変部を正確に同定・除去する技術。フォトニクスはすでに、車載センターや光ファイバー通信、がん手術における蛍光ガイド技術など、医療・工業分野で幅広く活用されている。
 歯科領域へ応用することで、う蝕原因菌が集積しやすい部位を特定し、歯ブラシ指導や定期健診での重点観察に役立てるほか、治療時には赤く蛍光する病変部を可視化することで、必要最小限の切削で確実に細菌を除去できる可能性があるという。


 クラウドファンディングの目標金額は450万円で、受付期間は9月11日(木)までである。
【歯科通信】

新型コロナ感染者、10週連続で増加 1医療機関あたり今年最多に

全国の定点医療機関で18~24日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者数は計3万3275人で、1医療機関あたり8・73人だったと厚生労働省が29日、発表した。10週連続で増え、今年最多となった。昨年の同時期は8・80人だった。

 都道府県別では、宮崎が最も多く21・04人。次いで鹿児島16・81人、長崎14・78人、佐賀14・04人、徳島13・32人と続く。東京は4・76人、愛知は12・55人、大阪は5・90人、福岡は9・11人だった。

 今夏は昨年流行の中心となったオミクロン株の「JN.1」系統から派生した「NB.1.8.1」という変異株が流行しているとみられる。「ニンバス」という俗称があり、強いのどの痛みを訴える患者が多いと言われているが、ほかの変異株に比べ、重症化につながることを示す報告はないとされる。

明治安田×日本歯科医師会 ~「口腔健康管理に関する協働取組み」の展開について~

明治安田生命保険相互会社(東京都千代田区、執行役社長 永島 英器、以下「明治安田」)と公益社団法人日本歯科医師会(東京都千代田区、会長 高橋 英登、以下「日本歯科医師会」)は、「口腔健康管理に関する協働取組み」を展開し、2024年10月より、人々の歯と口の健康を支えるための活動に取り組んでおります。

 このたび、これまで取り組んできた、歯と口に関するセミナー等に加え、こども向け職業体験イベントである「こどもシゴト博®(注)」において、都道府県歯科医師会、郡市区歯科医師会と連携した取組みを開始いたします。

 具体的には、各地域の歯科医師会が、「こどもシゴト博®」に出展し、未就学児や小学校低学年向けにワークショップを実施し、歯と口の健康について学ぶ場を提供してまいります。

 本取組みを通じて、明治安田と日本歯科医師会は、歯と口の健康を起点とした地域のみなさまの健康増進に貢献してまいります。

災害対策本部を設置

令和7年8月6日(水)からの低気圧と前線による大雨災害を受けて、日歯は8月11日(月)午前10時に災害対策本部(本部長:高橋英登会長)を設置、第1回災害対策本部を8月21日(木)に開催し、会員被害状況や支援物資等の対応を協議した。

国立大42病院で285億円の 赤字、24年度決算

国立大学病院長会議は9日、2024年度の国立大病院全体での経常収支が285億円の赤字だったとする決算概要の速報値を発表した。25年5月に公表したキャッシュベースでの収支は213億円のマイナスだったが、最終的に赤字幅が72億円拡大した。 経常収支で赤字となったのは、42病院全体の7割に当たる29病院。キャッシュベースでは、25病院(59.5%)がマイナス収支だったが、さらに4病院が赤字を計上した。医療機器の更新を一時的に停止するなどの節減努力により、キャッシュベースでの赤字を回避したものの、減価償却などの費用も含む経常収支では赤字に陥ったケースもあった。 42 病院全体の収益は、前年度から547億円増え、1兆6,203億円。一方、費用は772億円増の1兆6,489億円となり、差し引き285億円の赤字となった。コロナ禍以降、増収減益傾向が顕著となり、04年に法人化して以来初の赤字となった23年度から赤字額が4.75倍に膨らんだ。

高齢者世帯の割合が31.4%と過去最高 「児童のいる世帯」は全体の16.6%

厚生労働省は7月4日に「2024(令和 6)年 国民生活基礎調査」の結果を公表。2024年6月6日現在の「高齢者世帯」(65 歳以上の者のみで構成するか、またはそれに 18歳未満の未婚の者が加わった世帯)は1,720万7,000世帯で、前年比64万7,000世帯増(前年は 1,656 万世帯)だった。これは全世帯の31.4%(前年は30.4%)で、世帯数、割合とも過去最高となった。逆に「児童のいる世帯」は907万4,000世帯(前年は983万5,000世帯)で全世帯の16.6%(前年は18.1%)と過去最少を記録している。

診療所の6.3%は「禁煙にしていない」 うち25%は特定屋外喫煙場所を設置せず

厚生労働省は7月7日、「令和5年度『喫煙環境に関する実態調査』の調査結果(概要)」を公表。一般診療所および歯科診療所の 6.3%が「禁煙にしていない」ことが明らかになった。そのうち 25.0%は、受動喫煙防止のために必要な措置が講じられた特定屋外喫煙場所を設置していない。 なお、病院で「敷地内全面禁煙」にしている施設の割合は100.0%だった。

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