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国民のための歯科医療提供体制

令和3年2月に厚生労働省に設置された「歯科医療提供体制等に関する検討会」では、各自治体において歯科医療提供体制の構築に係る施策を評価、分析、実行できる観点等の議論を重ね、昨年、中間整理が行われた。
今般これを踏まえて、歯科医師の必要数、適正な配置等について、より具体的に議論すべく、「歯科医師の適切な配置等に関するワーキンググループ」が設置され、今年7月1日に第1回会議が開催された。メンバーは小坂健先生を座長とした大学関係者等で構成されている。
日歯では、昨年、「歯科医師の需給・偏在に関するタスクチーム」を立ち上げ、人口構造、疾病構造の変化、在宅歯科医療の需要の増加などから、地方における歯科医師不足(歯科医師偏在)、国家試験のあり方、歯科・口腔外科標榜病院の状況等について議論するとともに、郡市区歯科医師会を対象とした「地域の歯科医療提供体制および今後の働き方に関する調査」を実施し、▽無・準無歯科医地区以外でも歯科医師が不足している地区が既に存在していること▽将来の継承については後継者はいるが継承は不明、継承の予定が無いこと―を併せると約9割であること等を確認している。
WGではこの調査を踏まえて、偏在対策として地域の実情に関し、精緻なデータに基づいた検討、もしくはモデル地区を設定してのヒアリングの他、地域枠、国家試験、継承問題、巡回診療など複数の視点から検討する必要がある旨発言した。誰一人取り残さない歯科医療提供体制の構築がなされるよう努めたい。

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