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どうして大人になると歯は生え変わらないの?

乳歯がすべて生えそろうのは2~3歳ですが、あごはまだまだ成長します。成長すると歯とあごの大きさが合わなくなり、1世代目の小さい乳歯は2世代目の大きい永久歯に置き換えられていきます。しかし人間は永久歯が生えそろう時点であごの成長が止まるため、さらに大きい歯に置き換える必要がありません。そのためそれ以降の生えかわりがありません。
 人間を含め、哺乳類のほとんどは歯の生え変わりが1度。その一方で、魚の歯は抜けなければ何度も生えてくるし、ネズミやウサギなどは一生延び続ける歯をもっている。こうした違いは、進化の段階で生活環境に適応した結果ともいわれています。
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自閉症、脳内の神経の働きと関係-浜松医科大

浜松医科大精神神経医学講座の森則夫教授らを中心とする研究グループは1月5日、厚生労働省内で記者会見を開き、自閉症の人の脳内では「セロトニン神経」が正常に働いていないとする研究結果を発表した。同日に米専門誌「Archives of General Psychiatry」に掲載された。辻井正次・中京大現代社会学部教授は会見で、「(脳内に)障害部位があることが明らかになったのは、今後、発達障害者の支援を実現していく意味ではとても大事な研究になる」などと述べた。
 発表によると、薬物療法を受けたことのない自閉症の人20人と健常者20人の脳を頭部専用PET(陽電子放射断層撮影)スキャナーで撮影。分析したところ、自閉症の人の脳全体では、「セロトニン神経」の働きを調整するたんぱく質「セロトニン・トランスポーター」の密度が健常者と比べて低下しており、「セロトニン神経」が正常に働いていないことが分かったとしている。自閉症の人の脳内での障害が画像研究で明らかになったのははじめてだという。
 また、脳部位の「帯状回」でセロトニン神経の働きが弱まると「相手の気持ちが分からない」との症状が、「視床」での働きが弱くなると同じ行動などを繰り返す「こだわり」の症状が強まるなど、症状の重症度と相関が見られたという。

 森教授は会見で、自閉症に関連する遺伝子は複数あるとしたものの、「遺伝子がどのようにセロトニン・トランスポーターの異常につながっていくかはブラックボックスだ」と述べた。また、「遺伝子の関与があることは明らか。環境もまた遺伝子に作用する」と述べる一方、精神的な障害には誰でもなる可能性があるとして 「(自閉症は)『遺伝病』では決してない」と強調した。
 また辻井教授は、2005年4月の発達障害者支援法の施行以来、発達障害は公的に認められたが、脳機能の障害は「何が障害なのか」を説明できない状況が続いたと指摘。「障害がありながらもきちんと可視化できず、いろんな意味での不利益を生じさせていた」と述べた。その上で、「障害部位が確かにあるということが(研究で)明らかになったことは、今後、発達障害者の支援を実現していく意味ではとても大事な研究になる」とした。

15歳未満、より早い経過で死亡―新型インフル

新型インフルエンザを発症した患者が死亡したケースの中で、15歳未満の小児では発症から死亡までの平均日数が5.4日と、ほかの年代より早い臨床経過で死亡していることが、厚生労働省が更新した新型インフルエンザの発生動向に関する「医療従事者向け疫学情報」で分かった。小児の死亡例のうち14.3%が医療機関を受診する前に自宅で心肺停止や死亡した状態で発見されており、厚労省は自宅での経過観察に関して注意を呼び掛けている。

 医療従事者向け疫学情報は昨年12月25日の公表。11月20日の初回公表後に新たに得られた情報を取りまとめて更新した。死亡例については、12月6日までに自治体から報告を受けた死亡100例を分析した。年代別の内訳は、15歳未満が28例、15歳以上65歳未満が40例、65歳以上が32例。

 それによると、発症から死亡までの平均日数は全体で7.2日だった。前回公表の疫学情報で明らかにした11月7日報告分までの死亡50例の平均5.6日より1.6日長くなったが、厚労省は依然として「発症後に短期間で入院し、早期に亡くなっているという臨床経過が分かる」との見解を示している。
 年代別では、15歳未満が5.4日、15歳以上65歳未満が7.7日、65歳以上が8.3日で、15歳未満と65歳以上の間には約1.5倍の差があった。また、15歳未満の死亡例のうち、60.7%に当たる17例が、医療機関を受診して抗ウイルス薬などの投与を受けて帰宅した後、重症化して入院していた。14.3%に当たる4例では、医療機関を受診する前に自宅で心肺停止や死亡の状態で発見されており、厚労省は「自宅での経過観察の重要性、保護者への情報提供の必要が示唆された」との見方を示している。
 小児の自宅療養について、厚労省では日本小児科学会と共同でパンフレットを作成し、▽異常な言動▽嘔吐や下痢▽唇が紫色(チアノーゼ)―などの症状があった場合には、再度医療機関を受診するよう注意を呼び掛けている。

■死亡した65歳以上の96.9%に基礎疾患
 主治医の報告に基づく直接死因は、15歳未満では脳症・脳炎(21.4%)、肺炎(17.9%)、多臓器不全(14.3%)の順に多かった。一方、15歳以上65歳未満、65歳以上ではいずれも肺炎が40%超を占めていた。
 15歳以上65歳未満ではこのほか、多臓器不全(22.5%)、心不全(10%)が主な死因だった。65歳以上でも多臓器不全が12.5%を占めたが、基礎疾患の増悪が21.9%いた。
 死亡例の中で基礎疾患を有する人の割合は年齢層が高くなるにつれて高くなり、65歳以上では32例のうち31例(96.9%)が基礎疾患がある人だった。31例の内訳(重複あり)は、慢性呼吸器疾患13例、糖尿病12例、慢性心疾患7例の順に多かった。

 このほか、「医療従事者向け疫学情報」の詳しいデータは厚労省のホームページ
更新:2010/01/06 15:36   キャリアブレイン

要介護認定の一次判定、「軽度化是正された」が8割

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昨年10月からスタートした改訂版テキストによる要介護認定の一次判定について、要介護認定審査会委員の8割が、「軽度化傾向が是正されている」と考えていることが、専門家の調査で分かった。ただ、「多少、軽度化は是正されたが、2006年基準と比べると軽度化される」と考えている人も6割強いた。
 調査は、「要介護認定の見直しに係る検証・検討会」の委員でもある結城康博・淑徳大准教授らが、昨年11月末から12月中旬にかけて実施。東京都、千葉県、京都府、大分県の市区町村の協力で、要介護認定審査会の委員に対して行った。回答は310人から得られた。

 昨年10月の改訂後の新基準による一次判定の印象を尋ねたところ、最も多かったのは「多少、軽度化は是正されたが、06年基準と比べると軽度化される」で63.9%。「軽度化傾向は是正された(06年基準にほぼ戻った)」の16.1%と合わせると、「是正されている」と考えている委員が80.0%を占めた。一方、「06年基準と比べると重度化傾向にある」は1.3%だった=グラフ=。
 また、二次判定での「非該当」の出現率が、改訂前と比較してどうなったかを尋ねたところ、「少なくなった」が29.7%、「変わらない」28.4%、「多くなった」20.0%と回答は割れた。

 結城准教授はこの結果から、「(昨年10月の改訂で)一次判定に関して軽度化傾向は是正されていると推測できる」と指摘。ただ、要介護認定の結果は、最終的には二次判定で決定されるため、実際の状況については「今後の公式データを見ないと何とも言えない」としている。

■当面の見直し「不要」が4割
 また調査では、要介護認定への当面の対応の在り方についても尋ねた。最も多かったのは「もう少し研修強化や追加通知等の対処は必要だが、当面の大幅改正は不要」の37.1%で、以下は「やはり問題が多いので早急に抜本的改正(判断基準やシステム改修など)が必要」(25.5%)、「当面問題は解決されたので、次回(12年頃見込み)の改正で大幅に見直せばよい」(22.3%)、「わからない」(12.3%)、「その他」(2.9%)と続いた。

歯が抜けて あなた頼むも あもあみだ

 「痩蛙(やせがえる) 負けるな一茶 是(ここ)に有(あり)」。江戸時代後期に活躍した俳人、小林一茶の有名な句。やさしさとユーモアに満ちた句を生涯2万句も詠んだ一茶は、50歳を前にすべての歯を失ってしまったと言われています。「歯ぎしみの 拍子ともなり きりぎりす」。これは、歯がまだ顕在だった頃の句に違いありません。そして月日が過ぎ、最後の一本の歯が抜けてしまうと、「歯が抜けて あなた頼むも あもなみだ」という句に自らの気持ちを託しました。歯をすべて失ってようやく、噛むことの大切さを悟ったのか、あとは阿弥陀仏の慈悲にすがるしかないと、一茶も心細くなったのでしょうか。

おいしく食べて、健康な人生を

~辰巳 郎流こだわりライフ~
 演技以外にも、食べることや話すことも私の仕事ですから、歯の手入れには気をつけています。小学校では歯みがき体操を楽しんでいましたし、今でも3分以上は磨いていますね。ちょっとでも何かが挟まったり食べかすがあったりすると気持ちが悪いので、フロスもよく使います。常に歯に敏感であることが大切。いつもと違うにおいや違和感があるときなどは、すぐに歯医者さんに診てもらいます。歯医者さんに行くのは、この年になっても緊張しますが、治療が終わった後の快感は何ともいえませんね。
 先日、少し時間ができたので、歯石をとるクリーニングをお願いしました。きちんと日々の手入れをしていたおかげか、ずいぶん久しぶりなのに歯石があったのは一ケ所だけでした。ただ時折、酔っ払ってしまって、歯を磨かずにそのまま寝てしまうことがあります。気をつけなければ、と思っています。
 子供のときの教育って大事ですね。担任の先生に「30回噛んで食べなさい」と指導されたことを今も実践しています。硬いものをしっかり噛むことが、健康につながっているのでしょう。
この8月で49歳になりました。50歳を人生の折り返し地点として、これからも自然体でものをよく噛んで、前向きに仕事に取り組んでいこうと思っています。
辰巳 朗(たつみ たくろう)さん
大阪市出身。京都大学文学部卒業。在学中は関西で一番人気の『劇団そとばこまち』を主宰。卒業と同時にNHK朝の連続テレビ小説『ロマンス』で全国区デビュー。以来、知性・品格・遊び心と三拍子揃った俳優として幅広く活躍。食通・ワイン通としても知られる。
現在、自身が企画した『辰巳琢郎のワイン番組 TatsumiWinery』(BSフジ・毎週土曜22:00~/日曜14:00~)、『ワンにゃフルライフ』(テレビ東京系列・毎週金曜11:35~)にレギュラー出演中。9月には舞台『郵便配達夫の恋』に出演予定

歯周病予防で体を健やかに

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歯周病は、歯と歯ぐきの境目にできる溝(歯周ポケット)に、歯周病菌が増殖する病気です。
 歯周病菌は歯垢(プラーク)や歯石となって、歯周ポケットにこびり付きます、そして、歯周病菌はいろいろな毒素を出して、歯周組織(歯を支える歯槽骨や歯ぐき)を破壊します。歯ぐきが腫れたり、出血したりして歯ぐきが下がり、歯槽骨が溶けることで、歯が抜けてしまうこともあります。最近の調査では、むし歯よりも歯周病で歯を失う人が多いこともわかっています。
 いまや歯周病は、成人の約8割がかかっている国民病ですが、痛みがほとんど出ないことが特徴です。そのため自分で気づかないうちに進行してしまうので、注意が必要です。
 また、最近では全身の健康との深いかかわりも注目されています。とりわけ血管との関連は重要で、人は血管とともに老いると言われています。その血管に歯周病が悪影響を与えることがわかってきました。歯周病菌が出すある種の酵素は、血管に入ると血液を固めやすくしてしまうのです。その結果、血栓ができやすくなり、脳梗塞や心臓病を招く恐れがあります。このことからも、歯周病予防の早期的取り組みがいかに重要かがわかります。
 いまやお口の中の健康は、血管の健康、ひいては全身の健康にもつながるのです。

お口の健康にはお歯黒!

 日本には「黒の化粧文化」ともいえる時代がありました。その代表的な例が、歯を黒く染めるお歯黒。お歯黒は、平安時代に女性が成人した印としてはじまったとされています。明治のころまで約一千年もの間つづき、女性だけでなく男性もお歯黒をした時代がありました。このお歯黒は歯の健康にとっては大変よかったようです。というのも、お歯黒をつける前に歯の汚れを取る必要があり、そのことが自然とむし歯予防になっていました。また、お歯黒の成分であるタンニンは歯質タンパクを収れんさせて腐敗を防止します。事実、昭和51年当時、お歯黒を日常的にしていた最後の人といわれた96歳になる秋田県のご婦人にはむし歯がほとんどなく、50歳代の歯齢であったと伝えられています。
参考文献:アーネスト・サトウ著「-外交官の見た明治維新」

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