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歯科医が訪問 口腔ケア 誤嚥性肺炎予防効果も

口の中を清潔に保ったり、のみ込む力を鍛えたりする「口腔ケア・嚥下リハビリ」が、高齢者の肺炎予防などに効果があると注目されている。歯科医の間で、口腔ケアや嚥下を重視した訪問診療を広げる動きも強まり、11月には全国組織が発足した。
 しかし、口腔ケアや嚥下リハビリを重視する歯科医はまだまだ少なく、患者も必要性をあまり知らない。こうした現状を変えるため、大石さんら訪問診療に力を入れる開業医と、大学や病院の歯科医の有志が今年11月、「全国在宅歯科医療・口腔ケア連絡会」を発足させた。
 連絡会では今後、専門的に訪問診療を手がける医師のデータベースを作成するほか、各地域に活動拠点も設置。往診を行う医科のネットワーク「全国在宅療養支援診療所連絡会」などの他業種との連携も模索する考えだ。
 在宅医療に詳しい辻哲夫東京大学教授(高齢者政策)は「口から食べることにより体力がつき、生活の質も上がることから、歯科が医科と連携することが重要。歯科が在宅高齢者へのケアを重視するようになったことは、時代のニーズにこたえた取り組みだ」と評価している。
                読売新聞 2009.12.8