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除菌後のGERDは心配無用

ピロリ除菌後の胃酸分泌亢進による胃食道逆流症(GERD)発症を危惧する声がある。しかし、除菌とGERD発症リスクに有意な関連は認められず、GERD患者の自覚症状が除菌で改善するとの報告もある。
ピロリ菌は胃酸を中和し、胃粘膜に炎症を引き起こして消化性潰瘍や癌を引き起こす。そのピロリ菌を除菌すると胃粘膜が修復し、それに伴い胃酸分泌が亢進する。その結果、胃食道逆流症(GERD)が発症しやすくなると一般に考えられている。実際、除菌薬(商品名ランサップ)の添付文書の副作用欄には「胃食道逆流」の記載がある。

 ピロリ除菌とGERDについては、1997年、ドイツの研究者が非GERD患者を対象に除菌群と非除菌群を前向きに調査し、除菌群のGERD発症リスクが高いと報告したことから注目を集めた。

欧米ではGERD増は否定
 しかしその後に行われた、ランダム化比較試験(RCT)では、GERD発症率に関して両群間に有意差は見られなかったとする報告が多い。2010年1月に発表されたメタ解析でも、除菌後に新たなGERDを発症するリスクは、オッズ比1.17(95%信頼区間 0.94-1.45)となり、有意差がないことが確認された

健康まつりと歯の健康キャンペーン

内容 手洗い・脳年齢・内臓脂肪症候群チェック、腰痛防止運動、クイズ、肝炎検査、禁煙・歯科等の相談コーナー他
 日時 6月4日(土)
 場所 大雪アリーナ(神楽4の7)
 他  健診結果やお薬手帳があれば持参
 詳細 健康推進課 ℡25-6315

震災の現場から 口内ケアで感染症予防

避難所暮らしで気をつけなければならないのは、水や歯磨き粉不足から十分な歯磨きができず、口の中で細菌が繁殖してインフルエンザや肺炎、胃腸炎といった感染症を引き起こすことだ。
 高齢者にとって怖いのが「誤嚥性肺炎」だ。細菌の多い唾液や食べ物などが誤って気管に入って起こる。町立山田南小学校の避難所では震災から7日目、歯磨きを十分せず、誤嚥性肺炎をおこして病院に運び込まれた高齢者の男性がいた。
 入れ歯の手入れにも注意が必要だ。就寝前には入れ歯を必ず外し、歯ブラシを細かく動かして磨く。入れ歯に熱湯を注ぐ人もいるが、変形して装着できなくなる恐れがあるのでやめる。誤嚥防止のために、口の周りの筋肉を鍛える方法もある。「あ」「い」「う」と大きく口を開けて1日10回以上声を出したり、舌を前や左右に最低10秒突き出したりする。
                  読売新聞 2011.3.30

訪問歯科診療の今後の新しい姿 戸原 玄

訪問歯科診療にかかわっている方であればよく感じると思いますが、患者さんやご家族、主治医の先生方からの要望は、実のところ”歯を治してほしい”というものではなく”食べられるようにしてほしい”というものが多いのです。
 「噛めない、飲み込めない」という状態は、もちろん歯だけの問題ではありません。歯科治療と並行して摂食・嚥下機能を専門的にみていくことが、今後の訪問歯科治療のあるべき姿であると考えます。
 VE(嚥下内視鏡検査)による精査を行ったうえで、安全に食べられる食形態・量・姿勢を評価しています。ご家族へ指導を行う際には、このようにできるだけ具体的で明確に伝えられる指導が大切なのです。摂食・嚥下障害のある患者さんに適切かつ具体的な指導を、自信をもって行うためには、患者さんに精査を受けてもらえる環境を確保することが大切です。

こども歯みがき教室

 内容 講話、個別歯磨き指導
 日時 5月30日(月) 午前10時から、午後1時から
 場所 健康相談室(第二庁舎3階)
 対象 3歳以下の乳幼児と保護者
 定員 各回6組
 申込 健康推進課 ℡25-6315

口腔ケアをするとき、患者さんの姿勢に目を向けよう!

看護師のYさんは、脳梗塞の後遺症で認知に障害がある70代女性の患者さん
を担当しています。その方は車椅子に座って自分でご飯を食べ、歯磨きもできま
す。ただ、いつも食事や歯磨きの最後になるとゴホゴホとむせてしまうことが気
になっていました。

 そこでいつも患者さんの口元や手の動きばかり見ていたのを、少し引いて患者
さんの全体を見るようにしたのです。すると、あることに気づきました。

「あっ! 姿勢がだんだん左の方に傾いている……」

 左半身に麻痺のある患者さんは、動きが鈍くなる左側へと姿勢が少しずつ崩れ
ていたのです。患者さんの姿勢をきちんと直してあげたところ、むせることがほ
とんどなくなりました。

 これまでは寝たきりの患者さんのほうが手も目もかけなければならないため、
気をつけて見ていたというYさん。今回の出来事をきっかけに、自分の意志で体
を動かせる患者さんにも同じように注意を払わなければいけないことを、再確認
できたといいます。

 Yさんのように、半介助が必要な患者さんの“姿勢”を一度見直してみるとよ
いかもしれません。

被災開業医に休業補償を

自民党の厚生労働部会(田村憲久部会長)は、4月27日、東日本大震
災の復旧を支援する2011年度 第1回補正予算案について、厚生
労働省からヒアリングを行った。その中で石井みどり参院議員は、
原発事故で避難を強いられている(福島県双葉町と同樽葉町の)歯
科診療所から寄せられた声を紹介した。"労働者向けの支援は(補
正予算案に)あるが、雇用主には何の支援もない。これでは医院の
経営はできない。いつ戻れるか分からず、見通しもない。こうい
う人に対して国はどういう支援をしてくれるのか、という声が寄
せられている。」と述べた。田村部会長も「問題意識を持たねば
ならない。全ての事業主に共通する問題で、経済産業省ともよく
相談してほしい。」と求めた。

乳酸菌飲料がノロ感染による発熱を軽減- 高齢者施設での効果に期待、順大グループ

高齢者が乳酸菌飲料を日常的に飲んでいると、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の発熱症状が軽減されるとの研究結果を、順天堂大大学院医学研究科プロバイオティクス研究講座を中心とする研究グループがまとめた。研究グループでは、「抵抗力の弱い高齢者が集団で生活する施設などで、乳酸菌などの摂取がノロウイルスなどに対する感染防御の有効な手段になり得ると期待される」としている。

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