記事一覧

スポーツ基本法に「歯学」が追加 日歯も検討委立ち上げ

スポーツ基本法が6月24日に公布され、「スポーツに関する科学的
研究の推進等」の第16条に「歯学」の文字が追加された。
翌25日に開かれた日歯スポーツ歯科医学会学術大会で、日本スポー
ツ・健康づくり歯学協議会の杉山義祥会長が挨拶で明らかにした。
日本歯科医師会はそれに対応し、歯科基本スポーツ歯科検討委員会
(仮称)を設置した。委員会では、基本法に関わる様々な施策や
予算付けの動向等を注視しつつ、日本体育協会等の関係団体、文科
省等の関係行政との連携を図るための対策を検討していく。 
                

ALS 新薬、治験へ 動物で生存期間1.6倍 東北大病院

全身の筋肉が徐々に動かなくなる「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の進行を遅らせる新薬の臨床試験(治験)が、東北大病院(仙台市)で今月中にも始まる見通しとなった。動物実験で発症後の生存期間が1・6倍に延びることが確認されており、治験で安全性や有効性を確認できれば、ALS治療の選択肢が広がると期待される。

 ALSは運動ニューロン(神経細胞)が次々と死滅し、脳からの指令を筋肉に伝えられなくなる。呼吸のための筋肉も動かせなくなるが、知覚は正常に保たれるため、「最も過酷な神経難病」と言われる。推定患者数は国内に約8500人、世界で35万人。発症すると3~5年で80%以上が死亡する。

 東北大の青木正志教授(神経内科学)らのチームは、親から子に遺伝する型のALSで、発症に関わる遺伝子を発見。この遺伝子を操作し、ALSを発症させたラットを作った。ラットに、細胞を増殖させる働きのあるHGF(肝細胞増殖因子)というたんぱく質を投与すると、発症から死亡までの期間が平均で17日から27・5日に延びた。HGFが運動ニューロンの死滅を防ぎ、進行を遅らせたとみられる。
2011年7月11日 提供:毎日新聞社

乳幼児の歯を守ろう

どうしても子どもが歯磨きを嫌がる時は両足の間に子どもを寝かせ、肩の部分を足で押さえる。「腕だけを押さえると胴体が動いて危ないし磨きにくいですよ」と田中さん。必死になる余りお母さんが怖い顔になってしまっては子どもは余計に怖がるので、話しかけたり歌を歌ってあげるとよい。
 歯磨きと合わせて心がけたいこととして田中さんは▽正しい食生活 ▽フッ素の活用 ▽定期的な歯科健診の習慣ーの三つを挙げる。さらにキシリトールを日常生活に取り入れることで虫歯になりぬくい歯をつくることができるという。
                  京都新聞 2011.5.30

電動歯ブラシの使い過ぎて傷も

歯垢がすっきり取れると、近年愛用者が増えている電動歯ブラシ。電動ハブラシで歯を傷付けているケースは年に数例ある。大事なことは毛先の先端が歯に当たっているかどうかで、歯磨き粉は必要ない。どうしても使う場合は研磨剤の入っていないものを選んでと話す。
                  産経新聞 2011.5.31

歯医者さんは怖くない 虫歯激減、予防に通う

文部科学省の2010年度の調査によると、小学校で未処置の虫歯のある子どもの割合は約30%。20年前の53%に比べて大きく減少している。一度も虫歯になったことがない子どもは約4割で、20年前の4倍だ。
 背景には、フッ素塗布などの虫歯予防処置が一般的になってきたことがある。石津家の兄弟のように、個人的に歯科医院に通うだけでなく市町村の保健センターなどでフッ素を塗布してもらえるところが増えている。
                  日本経済新聞 2011.5.28

歯科医が訪問診療 医師会と協定、在宅高齢者・障害者に 長野・小諸市

小諸市は7月から、歯科医への通院が困難な高齢者や障害者を対象にした「在宅高齢者等訪問歯科診療推進事業」を始めた。市によると、自治体が歯科医師会と協定を結んで訪問治療を実施するのは珍しいという。

 市は今年度、180万円を予算化。購入した移動可能なポータブル治療機器を購入。北佐久歯科医師会小諸歯科医会に貸与する。同医会は訪問診療支援センターを設置し、約20人の歯科医が協力する。

 同市内の在宅の重度要介護高齢者は370人。市は歯科医院に出掛けられない体の不自由な患者に、診療の機会を与えられないかどうか検討してきた。

 市は6月27日、北佐久歯科医師会と事業の協定に調印。歯科医師会の木村宗雄会長は「月に歯科医1人が往診すれば、何とかなるのではないか。様子を見ながら発展させていきたい」と話した。
2011年7月8日 提供:毎日新聞社

唾液の抗菌物質 化膿や炎症 力合わせ防ぐ

だれでも、けがをしたときに反射的に傷口をなめた経験があるでしょう。「口の中の細菌が傷口に入り、かえって汚いのでは」と思われるかもしれません。しかし、毎日きちんと歯磨きなどのお口の手入れをしているなら、傷口をなめてもほとんど心配いりません。
 口の中の菌は口の外の環境では生きていけないものがほとんどで、たとえ傷口に入っても免疫の力で排除されてしまうからです。傷口をなめるのは、自然の理にかなった行動のようです。犬や猫などの動物もけがをしたら、ひたすらなめていますね。
 唾液の中には、出血を止める物質に加え、リゾチーム、免疫グロブリン、ラクトフェリン、ヒスタチン、ペルオキシダーゼなどの抗菌物質が含まれています。これらは協力して口の中の微生物の活動を抑えたり、殺菌する働きをしています。中でもリゾチームは、ペニシリンの発見で有名な細菌学者フレミングが見いだした物質で、唾液以外にも卵の卵白部分や動物の分泌液、例えば涙液、鼻汁、膣の分泌液、乳汁などに含まれて居ます。
 鳥類にとって大切な卵や、私たち人間にとって重要な組織(口、目、膣)、それに赤ん坊を、微生物の感染から守るための天然の殺菌物質です。殺菌作用に加え、局所の炎症を抑える作用も知られており、現在では化学的に合成されて風邪薬などに使われています。
 口の中の傷がめったに化膿せず、皮膚のけがに比べて早く治るのは、こうした唾液中の抗菌物質の働きによるものですが、もうひとつ唾液中のFGF(上皮成長因子)という成分が関係しています。これについては次回にお話ししましょう。(北大病院歯科診療センター講師)
                  H23.6.29 北海道新聞

ためになるお口の話 ぬるぬるの正体ムチン

「うがいをすればするほど口の渇きがひどくなるんです」口の渇きに悩む多くの人が、そんな経験をしているようです。渇きを癒そうと水で何度もうがいをしたら、渇きが余計にひどくなる-。これはうがいのしすぎで唾液中の大事な物質まで洗い流してしまうからです。
 その物質は「ムチン」と呼ばれる、ぬるぬるした粘液成分で、トロロイモやナメコ、納豆にも含まれています。また、動物の分泌する粘液には、ほぼ全てムチンが含まれており、口をはじめとして消化管、鼻腔、膣、目の表面の粘膜はムチンの膜に覆われています。ムチンには、粘膜に対する保水・保湿作用と潤滑・保護作用があります。
 例えば、目は、ムチンを含む涙液により、まばたきや眼球をぐるぐる動かしても痛むことはありません。口の中では、唾液のムチンが舌や頬などの粘膜の働きを滑らかにし、食べ物の摂取や発声発音などを助け、粘膜が傷つかないよう保護してくれるのです。また、ムチンの膜は保水性が高く、その下の粘膜の水分蒸発を防いでくれます。さらに、食品中の有害化学物質や農薬、毒素、ウイルスが口の中や消化管の粘膜表面に触れるのを防げる、天然の防御層となっています。
 唾液が気持ち悪がられ、嫌われる元凶は、ぬるぬるして糸を引くムチンですが、その姿とは裏腹に本当に大切な働きをしているのです。
 頻繁にうがいや歯磨きをするとムチンの補充が追いつかなくなり、かえって口の乾燥感が強くなるのは間違いありません。口の中が乾いてベタベタするからといって、何度もうがいをしたりせず、定期的に水分を取るようにしましょう。
      2011年(平成23年)6月22日(水曜日) 北海道新聞

過去ログ