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口腔乾燥症の患者さんは“舌苔を取る”ことが必須

主任看護師のAさんは、ICUにいる男性患者さん(70代)の口臭が気にな
っていました。意識障害で開口状態のため、口腔内が乾燥し舌苔がついていたの
です。
 そこでAさんは、“舌苔を取る”ことに重点を置いて口腔ケアに取り組みまし
た。ところが後日、患者さんのお口の中を見てハッとします。

「また舌苔がこびりついている!? 入室されたとき、しっかりきれいにしたは
ずなのになんで……」

 すぐに、他の看護師が舌苔のケアを行なっていないことに気づいたAさん。ミ
ーティング時、看護師全員に「舌苔を必ず取るよう徹底してください」と呼びか
けました。

 4日後、患者さんの口臭は明らかに改善されていました。その変化には、お見
舞いに来た奥さまも気づきます。
「あれ? お父さんのお口のニオイしないね」
 不思議そうに、でも嬉しそうにご主人の顔をのぞき込む奥さま。その様子を見
て、Aさんは思ったそうです。

「口腔乾燥症の患者さんのケアでは、“舌苔を取る”ことが必須。今後も、その
ことを看護師全員で共有し、毎日継続して行なわなければ!」
 Aさんの表情は、患者さんへの思いと口腔ケアへの情熱に満ちていました。

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