記事一覧

歯に当て手は動かさない

歯科医で「歯周病の予備軍です」と言われ、歯磨き指導を受けました。でも、こまめに磨くのはめんどう。電動歯ブラシがブームだと聞き、最先端の技術を試すことにしました。動くだけでなく、手磨きで推奨されている①歯に余計な圧力をかけない②細かく動かす③横磨き、といった方法を再現するよう設計している。メーカーによっては、音波の速さで振動しつつ、丸形のブラシが左右交互に回転するタイプもある。「正しい使い方」では2分間、磨いてみた。指先でさわると、歯の表面は滑らかに。でも、手を動かさないせいか、どうも物足りない感じがする。歯肉や唇にくすぐったさも残る。
            朝日新聞 2011.9.17

口腔ケアとは 清潔で潤った状態を保つ

高齢者のための介護施設や高齢の患者が増えつつある病院などでは「肺炎」の発生率が問題となり、その予防や改善の方法を考えなければならなくなってきました。肺炎の中でも、特に「誤嚥性肺炎」や「嚥下性肺炎」と呼ばれるものは、患者の口の中が汚れていたり、免疫力や体力が落ちてくると起こりやすくなります。口の中が汚れていると、食事時にむせたときなどに汚れた唾液が少しずつ気管に流れ込み、肺炎が起こりやすくなると考えられています。簡単に言ってしまえば、「口腔ケアとは、口の中をきれいにして潤った状態に保ち、本来の口の役割をきちんと果たせるようにすること」です。
            福島民友 2011.9.9

スポーツ飲料 乳歯溶かす?

ビタミンなど栄養分や塩分を手軽に補えるスポーツ飲料。水分補給にと夏休み中に子どもたちもよく飲んだのではないだろうか。しかし、ほとんどのスポーツ飲料は酸性が強く、ふじわら歯科医院(広島市安佐南区)の藤原夏樹院長は「飲み過ぎると軟らかい乳歯を溶かし、虫歯になる危険がある」と警鐘を鳴らす。酸蝕症を防ぐ対策としては、水分補給はお茶や水を基本とする、間食後に虫歯菌を減らす効果のあるキシリトールの入ったガムをかむ、フッ素入り歯磨きを使う、ごはんの直後におやつにするなどだらだら飲食をしないなどがある。藤原院長は「生えている途中の歯はまだ軟らかく、酸蝕歯や虫歯になりやすい。子どもは甘いものが好きなので、ついスポーツ飲料を口に運んでしまうが、虫歯のリスクを納得できるように説明するのも親の役目」と語り、「熱があるなど特別に水分補給が必要な時以外は、スポーツ飲料の飲み過ぎは控えてほしい」と呼び掛けている。
            中国新聞 2011.8.31

歯周病 心疾患・糖尿病を悪化

口の中で歯茎の腫れや骨の分解を引き起こした化合物は、血液に乗って全身を巡って、糖尿病や動脈硬化など生活習慣病の進行に関わる。世界各国の疫学調査によると、重症な歯周病によって狭心症や心筋梗塞といった心疾患のリスクは2倍、がん発症リスクも2倍になる。出産を促す作用の化合物もあり、妊娠している女性では早産で低体重児を産むリスクが5倍高くなるとの報告もある。
            日本経済新聞 2011.9.2

お酒と薬 漬け込んで成分抽出

適度な飲酒は健康に良いと考える人が多いですね。お酒の効用として、緊張をとること、血液循環をよくすることなどが思いつきます。お酒に薬草の有効成分が溶け出すのは、ずばりアルコールのおかげです。これは化学でアルコール抽出と呼ばれる方法です。薬草の有効成分は水に溶けにくい性質を持つものが多く、水に浸しただけでは抽出できません。でも、アルコールには溶けるので、お酒に漬けると有効成分が抽出できるのです。実は、香りのデイ分もアルコール抽出しやすいのです。日本で言えば、梅酒、果実酒など、まむし酒というものもありますね。西洋ではリキュールです。カクテルの材料になるリキュールは、薬効を狙って、ハーブをお酒に漬け込んで作られたものが多いのです。
            2011.10.26 北海道新聞

無実だったチクロ 虫歯にならない甘味料

実は昔、虫歯にならない、安くておいしい代替甘味料があったのです。「チクロ」です。カロリーもほぼゼロ、砂糖に近い味で砂糖よりコスト的に安いため、日本では1960年代に清涼飲料や粉ジュース、菓子類や缶詰などに使われていました。しかし、その後アメリカで発がん性の疑いが報告されたことから。69年度に使用禁止となりました。食品業界はひどく混乱し、生産された缶詰や飲料が大量に廃棄処分され、倒産した中小の食品会社も少なくありませんでした。ところが、85年にアメリカ食品医薬品局のがん評価委員会が、最終的にチクロには発がん性はないとの結論を出したのです。
            2011.10.26 北海道新聞

侮れません RSウイルス感染症

毎年冬に流行するRSウイルス感染症。乳幼児を中心に風邪のような症状が表れるが、細気管支炎などを起こして重症化するケースもある。特に乳幼児は兄姉から感染する例が多く、予防に努めることと、症状が出たら速やかに医療機関を受診することが大切だ。RSウイルスには、2歳までにほぼ100%の人が感染し、その後も感染を繰り返す。大人や年長児は鼻風邪程度で済むことが多いが、初めて感染した乳幼児の3分の1が細気管支炎や気管支炎、肺炎を起こし、1~3%は重症化して入院が必要になるといわれる。RSウイルス感染症は激しい下痢や脱水などを起こすロタウイルス感染症と並び、小児科では最も注意すべき疾患。
            2011.10.26 北海道新聞

フッ素 虫歯予防に科学的根拠

 わが子の虫歯予防のため、定期的に歯科医院でフッ素を塗布してもらうお母さんが増えているようです。世界保健機関(WHO)が「科学的根拠が証明されている虫歯予防法」としてフッ素の利用を推奨し、アメリカをはじめとする多くの先進国は、国の政策として虫歯予防のために積極的に導入しています。残念ながら、日本では欧米先進国に比べ、利用が遅れていました。フッ素(フッ化物)は、キシリトールより強力に歯の再石灰化(修復作用)を促進し、フッ素自体も歯の結晶成分の一部に取り込まれ、虫歯になりにくい丈夫な歯を作ります。その効果は成人となっても持続します。また、フッ素が虫歯菌の活動を抑えることも知られています。フッ素により、100%の虫歯予防効果が保証されるわけではありませんが、何もしない場合と比べれば効果は歴然としています。今では市販の歯磨き剤の90%以上がフッ素入りなので、そうした歯磨き剤で歯を磨いた上、幼児期や学童期にフッ素溶液を歯に塗布、あるいはフッ素溶液による洗口(うがい)を行えばさらに効果的です。同時に、甘いものを食べすぎない、定期的に歯科を受診してチェックを受けることも大切です。
            北海道新聞 2011.10.19

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