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睡眠時無呼吸症候群も 中高年男性、いびきに注意

「グーグー」と室内に響き渡る大きないびき。一緒に寝る家族は迷惑しているが、本人は自覚が無いことも多い。気持ちよく寝ているから大丈夫だと思っても、睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」などの疾患かもしれない。症状が悪化する前に対策を練るべきだ。
 いびきは狭くなった気道の部分が呼吸によって振動することから起こる。眠ると筋肉の動きが弱まって舌などの軟らかい部分が垂れ下がる。あおむけで寝ると重力の影響を受け、さらに気道が狭くなりがち。そこに無理やり空気を通そうとすることで音がでる。
           日本経済新聞 2011.10.15

口を取り巻く筋 バランスが良いことって?

 歯列には外側から口唇や頬からの力が、内側から舌の力がかかっています。この力のバランスが釣り合っているところに歯が落ち着くと言われています。正常咬合の人には筋のバランスが良い人が多いようです。
 一方、いつも口をポカンと開けていたり、口で呼吸をしたりしている場合、外側からは力がほとんど加わっていないことになり、前歯は外側に出てきやすい状況にあります。普段、上下の前歯の間から舌がはみ出していたり、舌が力なく下の歯列にあったりする状態(低位舌)では、前歯がうまく合わず、ものをかみにくくなることもあります。
 また、こうした舌を出す癖や指しゃぶりなどが長期間続いていると、歯槽骨(歯を支えている骨)が変形してしまいます。このような好ましくない癖のことを”口腔習癖”と呼んでいます。歯並びやかみ合わせとも密接な関係があり、咀嚼嚥下(そしゃくえんげ)、発音などにも影響し、場合によっては顎の成長に影響することがあります。
 習癖があると必ず不正咬合につながるというわけではありませんが、習癖の様相、力の強さ、頻度、期間などによりさまざまな形として現れてきます。
           福島民報 2011.10.3

舌の異常 貧血・亜鉛不足・・・体の状態映す

一方、見た目に変化はなくても生活の質に大きく影響するのが味覚の異常だ。甘み、塩味、酸味、苦み、うまみを正常に感知できない状態を味覚障害と呼ぶ。見た目や味覚に異常はないが、舌がピリピリと痛む人は、「舌痛症」かもしれない。

あなたの舌は大丈夫?
 ①舌苔が厚く付着している
 ②唾液の分泌量が少なく、口内が乾燥している
 ③偏食が多く、食事のバランスが悪い
 ④がんなど治療中の病気がある
 ⑤肝臓、腎臓などに異常がある
 ⑥舌が赤く、つるつるしている
 ⑦舌の一部が腫れて、潰瘍や出血がある
 ⑧見た目に異常はないが、舌がピリピリと痛む

 ①②は、味覚の働きを妨げることがあります。③~⑤は、亜鉛の摂取が少なかったり体外へ多く排出されたりするために、味を感知する細胞の代謝が遅れ、味覚障害が起きやすくなります。
 ⑥は鉄欠乏性貧血や悪性貧血、⑦は舌がんの疑いがあります。⑧は舌痛症の可能性が高いでしょう。
           朝日新聞 2011.10.3

歯磨き「3・3・3」? 下 1ヶ所20秒目安に

1日1回の歯磨きタイムは最低10分は確保してほしい。歯磨きの最大の目的は、細菌の繁殖源となる食べ物のかすや、細菌やその代謝物の塊「歯垢(プラーク)」を取り去ることにある。また、ブラッシングすることで歯の間にある歯肉がマッサージされて血行が良くなり、炎症なども起きにくくなる。
 理想の歯磨きは必ずしも「3・3・3」に当てはまらないようだが、基本的にはやはり朝昼晩、3回磨きます。朝昼は時間がなければ電動歯ブラシも使ってざっくりと、夜は時間をかけてじっくりと。メリハリを付けながらも、こまめにケアするのがベストなのは間違いない。
           北國新聞 2011.10.2

歯磨き「3・3・3」? 上 回数より時間かけて

虫歯や歯周病を防ぐ歯磨きは、よく「3・3・3」で行うのが良いといわれる。1日3回、食後3分以内に、3分以上磨く意味だが、実際のところ、歯磨きはどんな目安を設けて行うべきなのだろうか。
 まずは歯磨きの回数について。歯周病予防の観点からは、回数よりも1日1回、時間をかけてしっかり磨くことに重きをおくべきだ。
 歯周病の原因「歯垢(プラーク)」は、口に残った食べ物のかすを餌に繁殖した細菌の塊。これを放置すると硬い「歯石」になり、歯ブラシで落とすのが難しくなる。プラークが歯石の前段階へ変化するのにかかる時間は24時間前後。毎日磨かなければならないわけはこれだ。
           北國新聞 2011.10.1

遺伝性血管性浮腫という病気をご存知ですか?

旭川医科大学歯科口腔外科学講座 教授 松田光悦
 遺伝性血管性浮腫(HAE:Hereditaryangioedema)というのは歯科や口腔外科の病気ではありませんが、歯科治療や口腔外科治療が引き金になり発見されることがあります。
 これは、死に至ることがある怖い疾患ですが、まだ一般的には知られていません。歯科や口腔外科での抜歯など外科的治療後、数時間から1日くらいで顔全体のむくんだような腫れ(浮腫)が出たり、舌やのども腫れて息苦しくなったりした経験をお持ちの方はいませんか?
 歯科治療だけでなく、強いストレスや足をぶつけるなどの外傷でも出現します。思春期のころから出現し、放置しても2~3日で消失します。遺伝性のため類似した症状を示す近親者が存在することが多い疾患ですが、単独に出現することもあります。放置しても3~4日で消失し、普段の状態に戻ってしまうため
 病院へも行かずそのままになっている場合、あるいは歯を抜いたせいとか麻酔のせいと勝手に考えていることが多いのではないかと思われます。しかし喉の腫れ(咽頭浮腫)が生じたにもかかわらず適切に治療がされない場合の致死率は30%と言われています。
 重症にならずに過ごしているうちは良いけれども、知らないでいると突然重症になり、死に至ることもある疾患です。決して歯科治療のせいではありません。それは、この疾患の特別な原因によるもので、浮腫が生じる発作が起きた時通常のショックに対する治療では効果がないからです。
           北海道経済 12月号 №516

生活困窮者支援の戦略策定 特例解消12年度から厚労省 基礎年金50%は消費税 「社会保障と税」

社会保障と税の一体改革で厚生労働省がまとめた社会保障制度改革案が4日、明らかになった。見直しが求められている生活保護制度では、生活困窮者対策と生活保護制度の見直しを総合的に行う「生活支援戦略」(仮称)を来年秋をめどに策定することを盛り込んだ。5日に開かれる厚労省の社会保障改革推進本部で正式決定する。

 年金制度では、本来より2・5%高い公的年金支給の「特例水準」を解消する措置を「来年度分から実施する」として、関連法案を2012年の通常国会に提出すると明記した。

 これまで「埋蔵金」などで確保されてきた基礎年金の国庫50%負担は、一体改革で税率が引き上げられる消費税の増収分で財源を確保するとした。

 医療が高額となるがん患者などの負担を軽減する「高額療養費制度」の拡充や後期高齢者医療制度の見直しなどは、12年の通常国会に向け、関係者と協議し、引き続き検討するとした。

 介護職員の給与水準の維持を目的とした、健康保険組合を持つ主に大企業の従業員の介護保険料引き上げについても、12年の通常国会法案提出に向け、引き続き検討するとしている。

 生活保護制度をめぐっては、受給者が205万人を超え過去最多となり、就労支援と連携した対策が求められていた。厚労省案では、生活困窮者の支援実施のために国の中期プランを策定し、生活自立支援サービスの体系化や民間非営利団体(NPO)の育成、多様な就労機会の創出などにも取り組むとしている。
共同通信社 12月5日(月) 配信

おいしい食事の大切さ=當瀬規嗣 真健康論

毎日の食事をきちんと取ることは、健康で暮らしていくための必要最低限の条件です。食事をきちんと取るためには、食事がおいしくなければなりません。おいしい食事とは、もちろん味が良いことです。

 味を識別するしくみを味覚といい、食物の成分に反応して、それが「食べるべきもの」であるか、「食べるのは避けるべきもの」なのかを判別します。舌の表面やのどの奥には、食べ物の成分に反応して味を識別する味蕾(みらい)と呼ばれる器官が並んでいます。これによって識別される味は甘み、塩味、うまみ、酸味、苦みの5種類と考えられます。

 このうち、甘みは3大栄養素である糖分、アミノ酸、脂肪から感じ取られる感覚です。また、うまみは主にアミノ酸から感じ取られるものです。塩味はこれまた体に必要なナトリウム(いわゆる塩分)やカリウムなどの電解質から感じ取られる感覚です。この三つの味は、体に必要なものを判別するためのものなのです。ですから人はこの三つの味を好みます。

 一方、酸味は食べ物が酸性となって感じます。酸っぱいものは、腐敗を意味するので、本来は警告の味です。苦みはお焦げや薬草などの味で、本来は「毒物」を示唆する味でした。なので、人は酸味と苦みを避ける傾向があります。

 論より証拠、赤ちゃんに酸っぱいものや苦いものを与えると、顔をしかめ拒絶します。ところが、大人になると酸味や苦みに慣れてきて、むしろそれを好むようになります。苦いコーヒーを飲んで「うまい」とつぶやくのです。

 甘い食べ物だからといって必ずしもおいしいとは限らないことは十分ご承知でしょう。これらのことは、味覚が五つの味の組み合わせだけで形作られるものではなく、その人の経験や感情などが強く影響するということを示しています。

 つまり「おいしさ」は、五つの味の判定を総合して、さらに記憶や経験、その時の体調などが影響した結果、感じ取られるものなのです。おいしさを感じられると、栄養素が来たと体が判定して消化吸収も盛んになります。単に三度の食事をするだけでなく、食事をおいしく食べられるということが、健康の基本です。
毎日新聞社 12月4日(日)

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