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「世界一受けたい授業」 ~噛み合わせの重要性~

各界の最強講師じんが個性的な授業を展開するアカデミックバラエティ番組STV-TV(日本テレビ系列)の人気番組「世界一受けたい授業」で、歯科の分野から「咬合」について、録画撮りが終わり12月3日(土)に放送が決まったとの情報がありました。番組のテーマは「噛み合わせの重要性」で、番組出演のタレントの口腔内、顎関節、全身への影響審査、噛み合わせ、姿勢の変化、身体能力の変化として全身に与える影響を実験します。よく噛める入れ歯の噛み合わせや口腔周囲筋のリハビリなどが予定されています。番組で授業を担当するのは、日本歯科大学新潟生命歯学部歯科補綴学第1講座教授の小出馨先生です。歯科について視聴者が一般的に考えている「削って詰める」「きれいな歯を入れる」だけでなく、全身の健康に大きく影響を与える領域であることの説明と、歯科の重要性を視聴者にも理解してもらう内容となっているようです。今後は歯科の治療範囲拡大を予測させるものと期待したいものです。この番組を見た患者さんから大きな反響も予想されますので、是非とも12月3日(土)午後7時56分からの「世界一受けたい授業」をお見逃しのないようご案内いたします。

油断できない口腔がん

口の中にできるがんを口腔(こうくう)がんと呼びます。日本人に多い胃がんや肺がんに比べると、かかる人が少ないので目立ちませんが、高齢化に伴いがん患者が増える中、口腔がん患者も毎年増えています。

 口腔がんは、歯を除く口腔のすべての組織に見られます。口腔がんの中では、舌がんが最も多く、歯肉、頬粘膜、口底、口蓋(こうがい)、口唇そして歯を支える顎骨(がっこつ)にもできます。大小の唾液腺からも唾液腺腫瘍が発現し、がんも混じっています。また、胃がんや肺がんなどが口腔内に転移する場合もあり、油断できません。

 狭い口の中では各組織の粘膜は連続していますので、がんが進むと隣の組織に広がります。歯肉にできたがんは頬や口底へ、さらに舌にも広がり、歯肉に覆われている顎骨の中へも入っていきます。また、口腔がんは、初めてできた部位の大きさにかかわらず、頸部(けいぶ)のリンパ節や肺などに転移することがあります。

 進行したがんは治療範囲も大きくなり、食べる、飲み込む、話すなどの口腔機能が著しく損なわれます。さらに、顔貌も変わり、精神的負担が加わります。

 皆さんは洗顔時に鏡に映る自分の顔を、歯磨きの時には口を見るでしょう。しかし、口の奥まではのぞかないものです。口腔がんは直視でき、指で触ることができるのに、残念ながら早期に発見されないことが多いのです。

 口の中にがんができることを知らないと、がんの初期は痛みがないため気付くのが遅れます。歯肉がんで変化に気づいても歯周病と思い、粘膜が腫れて義歯で傷がついても義歯のせいにしてしまいます。舌がんでは、舌が腫れて話しづらくなり、食べにくくなってから異常に気付きます。

 口腔ほど毎日の生活でいろいろな刺激を受ける場所はありませんが、傷ついても治りやすく、たくましい組織です。だからこそ良いときも、ちょっと悪いときも口の中をのぞき、色の変化や腫れなどが見られたら放置しないでください。2センチ以下の早期口腔がんは、がんが治った場合は、治療開始から5年後の生存率が90%以上です。早期発見、早期治療が重要です。

毎日新聞社 11月28日(月) 配信

アルツハイマー病原因タンパク質 かみ合わせ悪いと増殖

岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森田学教授(予防歯科学)と江国大輔助教(同)らの研究グループは、歯のかみ合わせに異常があると、アルツハイマー病の原因といわれるタンパク質「アミロイドβ」が脳の海馬で増殖することを、ラットによる実験で突き止めた。認知症の一種であるアルツハイマー病の予防や治療につながる成果として注目される。米神経科学誌の9月号に掲載された。国内におけるアルツハイマー病の推計患者数は約100万人。高齢社会により、今後も患者数が増えると予測されている。かみ合わせが悪いと、ヒトでも認知症が悪化する可能性が高い。脳神経分野の医師らと連携し、治療や悪化予防に成果を役立てたい。
           山陽新聞 2011.9.16

歯磨きの基本

歯を失う主な原因はむし歯と歯周病。とくに歯周病は、痛みなどの自覚症状がほとんどないだけに、気づいた時は、すでに歯を保てない状態ということも少なくありません。歯周病の予防に欠かせない歯みがきの基本を、旭川保健所の渡邊さんに教えてもらいました。
・歯磨きは、力を入れすぎず、小刻みに動かす
・歯ブラシはブラシの部分が小さめの方が、細かいところまで磨きやすい
・歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間、歯の裏側、奥歯の噛み合う面などが磨き残しやすい
(歯周病ケア普及歯科健診)
 旭川市保健所は、満30、40、50、60,70歳の市民を対象に行っています。料金は、500円健診は市内の医療機関で実施しています。問い合わせは旭川市保健所健康推進課健康推進係(℡0166‐26‐1111 内2951)
            ライナーネットワーク 11月8日

歯つらつ健口セミナー・相談

内容 講話「息さわやか(口臭予防)アドバイス」、
歯や口についての個別健康相談
 日時 12月5日(月) 午後1時30分から
 場所 問診指導室(第二庁舎3階)
 申込 健康推進課 ℡25-6315

歯石除去で心血管イベントのリスクが低下

口腔の衛生状態と心血管疾患のリスクには関連があることが知られており、歯磨きの励行は心血管イベントのリスクを低下させることが最近報告されている。

 そこでChen氏らは、予防歯科処置として行われる歯石除去と心血管疾患リスクの関連について、台湾の国民健康保険データベースから抽出した1995~2007年の住民コホートのデータを利用して、後ろ向きに解析した。

 解析対象は、過去に歯石除去を少なくとも1回受けたことのある5万1108人(歯石除去群)と、歯石除去を受けたことがない5万1512人(非除去群)。両群ともに心筋梗塞および脳卒中の既往がなく、歯石除去群と非除去群で年齢、性別、合併疾患を適合させて登録した。

 平均7年間の追跡期間中、急性心筋梗塞(AMI)は歯石除去群で226例(0.44%)、非除去群で281例(0.55%)発生した。非除去群を対照とした歯石除去群におけるAMI発症のハザード比(HR、性・年齢・高血圧・糖尿病・脂質異常症・慢性腎臓病の有無で調整後)は0.79(95%信頼区間[CI]:0.66-0.94、P<0.05)で、歯石除去は独立したリスク低下因子と考えられた。またKaplan-Meier法によるAMI回避率も、歯石除去群の方が有意に良好だった(Log Rank P=0.027)。

 脳卒中の発生は、歯石除去群1168例(2.27%)に対して非除去群1312例(2.57%)。歯石除去群の多変量調整後HRは0.87(95%CI:0.80-0.94、P<0.05)で、AMIと同様に独立したリスク低下因子となった。Kanlan-Meier法による脳卒中回避率も、歯石除去群の方が有意に良好だった(Log Rank P=0.004)。
(日経メディカル別冊編集)

医療費 70-74歳、1割負担の特例継続 民主提言素案

毎日新聞社 11月23日(水) 配信 医療費:70~74歳、1割負担の特例継続 民主提言素案

 民主党厚生労働部門会議の医療・介護作業チーム(WT)は22日、70~74歳の医療費の自己負担割合について、本来の2割から1割に引き下げている特例措置を当面続けることなどを求めた提言の素案をまとめた。また、外来患者の窓口負担に100円を上乗せして徴収する「受診時定額負担」に関しては「否定的な意見が圧倒的に多かった」とした。

 70~74歳の医療費の自己負担割合は、制度上08年度から2割となった。だが、高齢者の反発を恐れた自公政権は一度も実施することなく1割のまま凍結し、民主党政権も踏襲してきた。

 同日、WTは当面の2割負担導入に否定的な考えを示したが、特例措置は現役世代の負担増を招いており、厚労省は13年度から本来の2割に戻したい考え。WTの素案も将来の引き上げに関しては「見直しも検討する」としている。

生活保護にメス、「医療機関への指導強化を」

行政刷新会議ワーキングループの「提言型政策仕分け」の最終日の11月23日、生活保護がテーマになり、医療扶助費の適正化のために、生活保護の指定医療機関に対する指導強化のほか、後発医薬品の利用促進や利用の義務付け、償還払いを前提とした一部自己負担導入などを検討すべきだと指摘。さらに、「医療機関のモラルハザードが大きいことから、その実態把握の仕組みを構築し、不適切な医療を行っている医療機関は、生活保護の指定を外すなど厳格な対応を行うべき」とされ、医療機関に対し厳しい提言がなされた(資料は、行政刷新会議のホームページに掲載)。

 生活保護費は2011年度当初予算で3兆4235億円、うち約半分を医療扶助費が占める。医療扶助の場合、患者の自己負担はゼロであり、財務省は、「全額税負担で自己負担が一切ないため、患者と医療機関の双方にモラルハザードが生じやすいことを踏まえ、後発医薬品の促進など生活保護医療の適正化を強化すべき」と問題提起した。


仙谷由人・政調会長代行は、生活保護の指定医療機関はモラルハザードを起こしている現状を問題視。

 特に現行の仕組みを問題視した一人が、仙谷由人・政調会長代行。「知り合いの良心的な病院経営者によると、医療機関の経営では未払いの問題が大きい。しかし、生活保護に限っては国が全額支払うので、経営上はこれほどいいものはない、とのことだった」と説明。その上で、「モラルハザードを起こしているのは、患者よりも医療機関、というのが直観」とし、電子レセプトなどを活用し、生活保護の指定医療機関に対する調査等を充実すべきだとした。

 慶應義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏も、「いまだに過剰受給、不正受給の問題が時々出ている。これらを減らすことができれば、税金をより有効に活用できる」と指摘、医療扶助の適正化を求めた。

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