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歯科診療所数の減少傾向続く。昨年ピーク時比で17都府県が減。

厚生労働省の医療施設動態調査によると、平成23年11月末現在の歯科診療所数は全国で6万8514施設で、対前月の減少数は15と3ヶ月連続の減少傾向が続いている。都道府県別では神奈川の8、北海道、長野、広島の3など、13の道県で31施設増えたものの、東京の11、京都の10など、20都府県で46施設減った。ピーク時の昨年8月に比べると、東京は28、京都は13、青森は7施設の減少となり、増加数を加味しても全体として33施設の減となっている。経営難から廃業する歯科医院が増えているからではないかという歯科医師の声も聞こえてくる。

あるべき医療の実現に向けた第一歩。診療報酬改定・歯科1.70%アップ。

平成24年度診療報酬改定の改定率は。薬価・材料引き下げ分を含めた医療費全体を0.004%引き上げることで合意した。診療報酬本体はプラス1.379%(約5500億円)で、内訳は医科1.55%、歯科1.70%、調剤0.46%それぞれ引き上げ。改定比率は「医科1:歯科1・1」と、歯科の改定率は2回連続で医科を上回った。介護報酬改定は1.2%の引き上げで、内訳は在宅1.0%、施設0.2%それぞれプラス。
歯の保存に資する技術の評価(一部)
 歯周病に関する技術の評価の見直し

 在宅歯科医療の評価(一部)
 歯科訪問診療料の評価の引き上げ

 歯科衛生士の歯科訪問診療の補助に関する評価

体で気になるニオイは「口臭」が圧倒的多数に

グラクソ・スミスクラインは、20歳以上の男女600人(20代~70代以上までの6世代)を対象に、日常生活でのニオイに関する予防・対策について調査を行ったところ、気になる体のニオイとしては「口臭」が圧倒的多数を占めた。調査は今年1月20~23日にかけて、インターネットで実施した。
 最も気になるニオイとしては、自分の体に関しては「口臭」(43.2%)がトップ、他人の体に関しても「口臭」(42.3%)がトップと、いずれも体の気になるニオイとしては「口臭」が圧倒的に多い結果となった。
 自分の体のニオイに関しての予防・対策を「常にしている」「ときどきしている」という積極的な層に着目すると、60~70代の高齢者層は、20~30代の若者層に比べて、体のニオイ全般への予防・対策への意識は低かったが、口臭に限った予防・対策では、高齢者層も若者層並みに行っていた。
                薬時日報 2012.2.15

美容と健康に有用な”酸” 日頃からの齲蝕歯対策も

多くの女性が関心を持つ美容や健康、エイジングケアは”食事・食材”と密接に関係している。特に飲食物に含まれる”酸”は、体のサビを取り除き、若さを保つ抗酸力も高いため、女性にとっては欠かせない栄養素ともいえる。一方で、酸を摂取したまま放置しておくと、歯のエナメル質がダメージを受け、変色・変形してしまう「酸蝕歯」の発症リスクも指摘されている。
 グラクソ・スミスクラインでは「食から始める”美容”と”健康”」と題したセミナーを先頃開催し、食と歯科の専門家から、酸の摂取をめぐるポイントが示された。
                薬事日報 2012.1.16

肺炎は死につながらない病気?

ファイザー株式会社が、全国の30歳以上の男女9400人を対象に行った肺炎に関する意識調査で、約7割が「肺炎は治る病気」という認識を持っていることが明らかになった。具体的には、「抗生物質で治療すれば治る病気」と考えている人が58.8%(5528人)を占め、「安静にしていれば治る病気」と回答した人も10.0%(938人)いた。

歯周病がカンジダ菌で進行 高齢者は十分な口腔管理を

口腔内常在菌である真菌(カビ)の一種、カンジダ菌が歯周病菌の
歯肉への侵入を進行させるという実験結果を、奥羽大歯学部口腔病
態解析制御学講座の玉井利代子准教授が発表している。この研究の
論文は微生物学免疫学に関する国際的な学術雑誌「マイクロバイア
ルパソジェネシス」に掲載された。カンジダ菌は中高年になると検
出される割合が増え、50代では約半数の人から検出されるという。
玉井准教授は中高年がカンジダ菌の保有率や歯周病になる割合が高
いこと等を踏まえ「カンジダ菌が口腔内で発生した場合は、歯周病
の原因菌である歯周病菌の働きが高まる」という仮説を立て、2年
前より実験をスタートした。シャーレで人の歯肉の細胞を培養し、
カンジダ菌と触れた細胞と触れていない細胞の歯周病菌を取り込む
割合を比較した結果、触れた細胞は触れていない細胞の3倍、歯周
病菌を取り込みやすいことを確認し、歯周病がカンジダ菌で進行す
ることを突き止めた。歯周病菌は歯周病だけでなく、動脈硬化等の
原因の一つとも言われ、口腔内を清潔に保つことはこれらの予防に
も繋がるといえる。歯磨きやうがい、義歯の手入れ等により歯周病
や動脈硬化、心筋梗塞等のリスクを減らせるという、口腔内環境改
善の重要性を再認識する結果である。

ヒヤリ・ハットの背景・要因分析し注意喚起促す

日本医療機能評価機構は薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業のうち、特に共有すべき事例を公表した。今回公表した事例はいずれも内服薬調剤などに関するものとなっている。

 事例1では、「フェノバール散10%1g、90日分で秤量すべきところ、0.5g、90日分で秤量した」というもの。背景・要因としては「処方せんを発行した病院が当日より処方せんの書き方を変更した。1回分と1日分は括弧書きで両方の併用表記になった。1回分を1日分と勘違いしてしまった」ことをあげている。

 同事例のポイントとして機構は、「処方せんの記載方法が変更されたときはより一層の注意が必要。初めて1回量と1日量が併記された処方せんに対応するときは、慎重に読まなければヒヤリ・ハットが増加する可能性がある」と指摘しており、変更点があった際の調剤には注意を怠らないことを呼びかけている。

 事例2では「ベプリコール錠100㎎の処方に対して、併用薬のイトリゾールカプセル50を患者から確認した。その後、ベプリコール錠100㎎の添付文書を確認し、問題なしと判断して投薬した。患者が帰ったあと、イトリゾールカプセル50の添付文書を確認したところ、併用禁忌の記載があったため、医師に連絡、患者から感謝の電話があった」というもの。

 機構は「一方の薬剤の添付文書のみに当該薬への併用禁忌記載があった例。両剤ともに併用薬に十分留意する必要性のある薬剤ではあるが、必要があれば企業においても添付文書の記載内容等を検討してもらう必要がある」とし、薬局が添付文書の落とし穴を発見した例であるとしている。

 事例3では「オキシコンチン錠5㎎3錠/分3毎食後で処方されたが、食後・食前の指示がなく、時間で服用する際は通常の用法とは違う入力方法を行い、あとで薬袋の修正をかける方法をとっていた。事務員の入力ミス、薬剤師の確認不足で薬袋の表記方法が1回3錠になっており、患者が服用してしまうこととなった」という内容。

 その背景としては「事務員がマニュアルどおりに入力していないことと、薬剤師も薬袋表記を確認できていなかった」ことをあげている。機構は「処方せんは1日3回の決められた時間による内容だったが、対応するコードが無いため独自入力で対応し、後で手直しする方法を採用していたと思われる。マニュアルがあってもそれに従わないと大きな問題につながるケース」とし、事務員と薬剤師による薬袋、薬剤情報提供文書の表記にチェックが重要であるとしている。

 なお、薬局ヒヤリ・ハット事例収集事業への参加薬局数は6314軒となっており、増加傾向にある。

“なぜ”を知ったら患者さんの口腔ケアが快適に!

“ベッドを起こすと安全に口腔ケアができる”と書かれているのを見つけ、Fさ
んはさっそく実行しました。ところが和也さんは、相変わらずゴホゴホと苦しそ
う……。Fさんは申し訳ない気持ちになり、「どうしたらいいのだろう」と考え
込んでしまいました。

 その数日後、Fさんは先輩看護師が和也さんの口腔ケアをしている様子を見て
驚きます。
「和也さんがむせていない!」
 Fさんはすぐに先輩に声をかけ、どうすればむせずに口腔ケアができるのかを
尋ねました。

「患者さんの顔が少し下を向くようにすると、唾液を誤嚥しにくくなるの」
 先輩の回答に、Fさんはドキッとしました。“ベッドを起こす”という形だけ
を実践していたことに気づいたからです。

 翌日からベッドを起こし、さらに和也さんに少し下を向いてもらってから口腔
ケアを開始。するとむせることなく終了できたのです! 和也さんは「ありがと
う」とにっこり笑いました。

 今までは、方法の導入だけに集中しがちだったFさん。これを機に、なぜその
方法が患者さんに有効なのかを考えるようになったといいます。

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