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非金属の歯科クラウン、半額以下に

スリーエム ヘルスケアは、従来の治療費の半分以下で白いかぶせ物(クラウン)治療を行える奥歯用の歯科材料を発売した。セラミックと樹脂による金属フリーのハイブリッド材料で、銀歯など金属品以外を選択すると保険適用外のため高額な治療費が必要となる現状から患者の選択肢を増やすことができる。即日での迅速治療を可能とすることでコストの大幅な引き下げを実現した。

 スリーエム ヘルスケアが発売するのは、「3M ESPE ダイレクトクラウン」(大臼歯)。メタクリレートと無機質フィラーからなるもので、奥歯の治療時に審美性のある白いクラウンを装着する際に使う。

 保険適用内でかぶせ物治療をする場合、金属製のものしか使用できない。白い審美性の高いクラウンを選択すると、保険適用外の自由診療となり、7万~15万円もの高額な治療費を強いられる。

 新製品は、結晶性レジン技術を駆使してクラウンが柔らかい状態でも形状を保持することを実現。これにより歯形を取ることなく歯科医が自分でクラウンの形状を調整できるようにした。即日で治療できることから、技工費、人件費、時間の短縮につながり、保険適用外の審美性材料としては大幅な治療費低減を実現する。歯科医は新たな導入コストを必要としない。

 また2種類のナノ粒子構造を採用。摩耗しても表面に凹凸ができにくく、食べ物や飲み物による着色がしにくい。金属フリーであることから、乱高下しやすいレアメタル材料の価格変動の影響を受けにくく、金属アレルギーの心配も不要となる。

口臭 歯周病か舌汚れ疑って

口臭が気になる人は少なくない。対策用のサプリや歯磨きグッズが多数出回っているが、そもそも、どうして口臭が漂ってしまうのだろう? 東京医科歯科大学の付属病院で「息さわやか外来」を担当する川口陽子教授に、原因や予防法を聞いた。

 ●生理的なものも

 「世の中に無臭の人は存在しません。どんな人にも『生理的口臭』があります」と川口教授は説明する。「誰でも、朝の起きたてが一番口臭が強く、食事をしたり歯を磨いたりすると下がる。空腹になるとまた上がる。ゼロになることはありません」

 他人が不快に思うレベル以下なら、これらは問題にならない。ニンニクを食べた時や、アルコール、たばこによる口臭も、一時的なものなので、治療対象にはならない。

 受診が必要なのは、何らかの病気が原因で起きる口臭だ。

 口臭は、口の中にいる細菌が、はがれ落ちた粘膜上皮や血液成分、細菌の死骸などのたんぱく質を分解し、においの原因物質である揮発性硫黄化合物が発生することで起きる。鼻やのどの病気、糖尿病などが関連している場合もあるが、90%以上は口の中の汚れや病気が原因だ。口臭が気になったら、まず口の中を疑うこと。川口教授は「歯科で口内の病気や汚れを取り除いてほしい」と勧める。

 ●細菌がうみを分解

 口内に関連する口臭の3大原因は(1)歯周病(2)舌の汚れ(3)唾液分泌の減少――だ。

 最も多いのは歯周病。歯周病になると、歯肉の組織が破壊され、出血したりうみが出たりする。この血液やうみを細菌が分解し、揮発性硫黄化合物を発生させる。揮発性硫黄化合物は歯周病を悪化させる場合もあるので、早めの治療が必要だ。

 「歯周病の予防には歯磨きが大切。フロスなどを使い、歯と歯の間をきれいに保ちましょう。初期の場合は、ブラッシングが治療の一つにもなります」と川口教授。定期的に歯科で診察を受け、歯石を取ったり、磨き方のチェックを受けたりすることも大事だ。

 ●朝食前に舌苔取る

 舌の汚れとは、舌の上についた白や淡黄色の「舌苔(ぜったい)」のこと。死んだ細菌やはがれた粘膜などからできており、これが舌の奥の方につくと、口臭の原因となることが多い。舌苔がついたら、水でぬらした軟らかめの歯ブラシか舌ブラシで磨いて取り除く。

 ポイントは1日1回、朝食前に行うこと。舌の粘膜は柔らかく、1日に何度もゴシゴシこすると、表面を傷つけてしまうので注意しよう。また、舌の汚れを落とせば、舌の表面にある「味蕾(みらい)」に食べ物の味が伝わりやすくなり味覚が敏感になる。舌はできるだけ前に出して磨き、舌全体がピンク色のきれいな状態になったかを鏡で確認すると良い。

 口臭は唾液の分泌量とも関係する。唾液の量が多いと、口の中の汚れが洗い流され、口臭は減るが、唾液が少ないと、口の中の汚れがたまって口臭が強まるという。唾液の分泌量は加齢とともに減るほか、緊張やストレスでも分泌が悪くなるので注意が必要だ。

 唾液の出が悪く、口が渇く時に役立つ「舌体操」を川口教授に教えてもらった。

 頬の片方を膨らませ、その内側に舌先をあてて上下に動かす運動を、左右とも行う。次に唇、頬の裏側と歯茎の間に舌を入れ、歯茎をなぞるように大きく回す。これを数回繰り返すと、唾液の分泌が促されるという。

 ●専門外来で測定

 ガムやサプリメント、洗口剤など、口臭予防をうたう製品が多数市販されている。だが、こうした製品で抑えられるのは生理的口臭。病気が原因の口臭は、根本的な原因を除去しない限り改善しない。

『認知症とロコモ(ロコモティブシンドロームへのアプローチ』

 日時  平成26年2月27日(木)18:45~
 場所  ロワジールホテル旭川 4F BIZルーム
 演題1 19:00~19:20
     『摂食・嚥下障害とその原因』 やぶしたフラワー歯科医院 院長 薮下吉典先生

 演題2 19:20~19:40 座長 だいいち薬局 くすりのだいいち 近藤美保先生
     『連携で良くなる!認知症とロコモの患者と家族』
                    株式会社中央薬局 堀籠淳之先生

 演題3 19:40~20:20 座長 高桑整形外科永山クリニック 院長 高桑昌幸先生
     『認知症予防の可能性とロコモ』
                    旭川赤十字病院 副院長 吉田一人先生

介護報酬0.63%引上を答え申 消費税8%での補填

 社会保障審議会の介護給付費分科会が1月15日(水)、都内の全国都市会館で開催され、本年4月1日に予定されている消費税率8%引き上げに伴い、介護サービス施設・事業所に実質的な負担が生じないようにするための補填を行うべく、介護報酬を0.63%引き上げる改定案を了承し、、同日付で社会保障審議会を通じ、田村の憲久厚労大臣に答申した。歯科に関しては、「居宅療養管理指導費」のみ変更。歯科医師が同一建物居住者以外の利用に対して行う場合は3単位増の503単位に、同一建物居住者に対して行う場合は2単位増の452単位に改定した。また、歯科衛生士が行う場合については、同一建物居住者以外の利用に対して行う場合は2単位増の352単位に、同一建物居住者に対して行う場合も同じく2単位増の302単位に、それぞれ改定した。
                         日歯広報 2月5日

第15回 ケアカフェあさひかわ

日時  平成26年3月20日(木) 18:30~20:30
 場所  旭川市市民活動交流センター CocoDeホール
 テーマ 『在宅ケア』(テーマは月替わりです)
 対象者 ケアに携わる方~医療、介護、福祉(保育、教育・法律・行政など)
 参加費 無料

CAD・CAMシステム他 歯科13技術が保険導入へ

中医協総会が1月22日(水)、都内のグランドアーク半蔵門で開催され、歯科関係では、新規に保険収載を行う技術として「クラウンループ保隙装置」など11件の技術が「優先度が高い」とされるとともに、既存の先進医療から保険導入する技術として「X線CT画像診断に基づく手術用顕微鏡を用いた歯根端切除手術」「歯科用CAD・CAMシステムを用いたハイブリッドレジンによる歯冠補綴」の2技術が「優先的に保険導入が適切」と評価され、平成26年度診療報酬改定で保険導入される見通しとなった。
                         日歯広報 2月5日

在宅医療、実績重視の方針打ち出す

2014年度診療報酬改定の重点課題の一つが、在宅医療の充実。過去数回の改定でも在宅医療は手厚く評価され、2012年度改定では、機能強化型の在宅療養支援診療所や在宅療養支援病院が新設された。今改定では、機能強化型と機能強化型以外の両方において、「実績評価」の考え方を取り入れたのが特徴と言える。1月29日の中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・学習院大学法学部教授)で提示された(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。

 一方で、在宅の「不適切事例」の適正化も進める。集合住宅にいる患者に対し、効率的に在宅医療を行う例が見られるため、「同一建物における、同一日の複数訪問時」の点数を新たに設けるなどの措置を講じる。

 新点数としては、在宅患者の緊急受け入れなどを担う、「在宅療養後方支援病院」が評価されるほか、24時間対応などを要件とする機能強化型の訪問看護ステーションも新設。

 在宅における褥瘡対策推進に向け、訪問看護ステーションの訪問看護管理療養費の算定要件に褥瘡対策の看護計画の作成・実施・評価が加わるほか、在宅患者訪問褥瘡管理料が新設される。

 実績要件は約2倍の見通し

 機能強化型の在支診、在支病をめぐっては、高い診療報酬を算定していても実績に乏しいケースがある一方、「在宅医療を担当する常勤医3人以上」の要件を満たせず、機能強化型になれない在支診、在支病でも、機能強化型を超える実績を上げているケースがある(『緊急往診や看取りの実績追加検討、「強化型」』を参照)。今改定は、これらの矛盾を解消するのが目的。

 機能強化型の在支診、在支病はいずれも、(1)過去1年間の緊急往診(単独型は現行は5件以上)、(2)過去1年間の在宅看取り(同2件以上)――の実績要件が、それぞれ約2倍に引き上げられる見通し。

 さらに、機能強化型以外の在支診、在支病についても、機能強化型の同等の実績がある場合には、緊急往診と在宅看取りの実績を「在宅療養実績加算」の形で評価する。

 京都府の取り組み、「在宅療養後方支援病院」

 「在宅療養後方支援病院」の新設は、連携型在支診、在支病以外にも、緊急時などの受け入れ体制を強化するのが目的。京都府の「在宅療養あんしん病院登録システム」をベースにした評価と言える。

 「在宅療養後方支援病院」の点数は、緊急時に入院を希望する病院として、あらかじめ当該病院に届け出ている患者が対象。現在は連携型在支診、在支病で算定できる「在宅患者緊急入院診療加算」のほか、在宅医療を担当する医師と共同で訪問診療などを行った場合に「在宅患者共同診療料」が新設される。

歯と口から健康な生活 群馬県が歯科口腔保健計画

群馬県は、歯と口の健康づくりの方向性を示す「県歯科口腔(こうくう)保健推進計画」の原案をまとめた。障害者(児)や要介護者ら対応が難しい人の実態調査を進め、適切な歯科検診や医療につなげるほか、生活習慣の乱れで口腔機能が低下しやすい成人への対策も強化する。期間は新年度から2018年度までの5年間。全国で対策が進む中、本年度から「県歯科口腔保健の推進に関する条例」も施行されており、県は計画で効果的に施策を講じたい考えだ。

 障害者は姿勢の維持やコミュニケーションが難しく、治療を拒む場合があるほか、介護が必要な高齢者は通院が困難であるなど、両者をめぐる歯科医療は課題が多い。

 県はまず、利用施設での歯科検診や保健指導の実施状況などを把握する。その上で、歯科医師会や担当部署と連携し、医療が必要な人がどの程度いるかを調べて提供体制を検討する。

 障害者については、施設の職員らに対し、口腔機能の向上のための研修を実施したり、受け入れる医療機関の名簿を作成して情報提供したりする。

 成人は学校で定期的に検診を受ける子どもと異なり、仕事による多忙や意識の低下から管理が不十分になる。今後は受診の必要性や歯間ブラシの使い方を啓発。40代で進行した歯周炎がある人を現状の40%から35%にし、かかりつけ医を持つ人も85%に増やす。

 環境整備にも力を入れる。介護や看護の職員を対象に、ボランティアの「歯科保健サポーター」の養成研修を実施。働く現場での対応や、同僚への知識の普及に生かしてもらう。

 計画の進み具合を評価する組織として、保育や介護、医療、衛生など多分野の専門家で計画推進会議を立ち上げ、課題や必要な施策を洗い出す方針だ。

 県保健予防課は「歯と口の健康を保つことは、質の高い生活を送り、健康寿命を延ばすことにつながる」と説明している。

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