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最新!のどを鍛えて健康寿命を延ばす 主治医が見つかる診療所

紀伊國屋書店新宿本店などで販売、28万部のベストセラー「肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい」には「のどは年齢とともに衰え、誤えんを起こしやすくなる、むせるのは老化のサイン」と書かれている。誤えん性肺炎は社会問題となっている。

 ある方法でのどを鍛えると良いことが沢山あると専門医は語る。30年以上誤えん問題に取り組む西山耕一郎医師は「のどの筋肉を鍛えれば10歳長生きできる」という。西山医師は「液体はのどを通るスピードが早く誤えんしやすい、食事の最初にとろみでのどを慣らすとよい、おすすめはとろろ。“ながら食べ”は誤えんの危険が高くなる」とコメントした。

 スポーツクラブ メガロス吉祥寺店ではのどを鍛えるボイストレーニングが人気。指導するのは玉澤明人さん。参加者たちから飲み込みを良くしたいなどの要望があり、のどを鍛える方法を取り入れた。受講者はのべ3,000人。のどは若いうちから衰えはじめると専門医は指摘する。はぎの耳鼻咽喉科の萩野医師は「のどの衰えは30代から、原因は大きな声で話す機会が減ったことだ」とコメントした。

あなたののどは大丈夫?のどの力を簡単チェック
 のどの力チェック。ゲストが当てはまった項目などを話した。食事中にむせるようになったなど7項目中、2個以上でイエローカード、6個以上がレッドカード。

 西山医師は「のどは生命維持に欠かせない機能が集中しているが健康に気をつける意識が芽生えづらい」とコメントした。

 秋津医師は「のどは無意識に交通整理している」、上山医師は「誤えんは感覚が鈍っているため」とコメントした。誤えんを起こした瞬間の映像を公開。誤えんを繰り返すと誤えん性肺炎は引き起こす可能性が高まる。

 秋津医師は「肺に入った食べ物は通常なら白血球が分解する」、中山医師は「のどの筋肉は30代から衰える、鍛えておけば病気の予防などにつながる」とコメントした。歌が苦手でも出来るのどの体操がある。玉澤さんは都内の公民館でのどの体操を指導している。その体操は“あえいおう体操”“という。

 歌が苦手でものどを鍛えられる“あえいおう体操”は体を動かしながら様々な発声法で「あえいおう」と声を出しのどを鍛える体操。これは医師の監修のもと玉澤さんのボイストレーニングをアレンジしたもの。参加者は効果を実感している。監修した萩野医師によると高い声を出すことはのどを鍛える効果がある。あえいおう体操から2つを紹介。一つ目はアイン舌イン。舌を伸ばしながら「あえいおう」と発声する。2つめはへそリズム。へそに手を当てて短く発声。「あえいおう体操」を実践、一息で低い声から高い声に変え、また低い声に戻すUFOを出演者が行った。

 姫野医師は「コエンザイムQ10、ビタミンAを含む食べ物で唾液の分泌がよくなる」とコメントした。

のどに不安がある人を救う飲み込みの専門外来を体験
 神鋼記念病院にある嚥下トレーニング外来を椿鬼奴が受診。ここはのどの衰えを予防・改善し誤えんや誤えん性肺炎を防ぐ外来。まず浦長瀬医師が普段ののどの調子を問診、つづいて内視鏡を使ったチェック。検査の結果、飲み込む力は弱まっていなかった。むせる、咳き込む原因は胃酸などによる軽い炎症。浦長瀬医師がすすめる飲み込みのトレーニング方法とは?

 浦長瀬医師がすすめる飲み込みのトレーニング法は、少量の水を飲み込みのどに力が入った状態を10秒間キープ、のどぼとけが上がった状態ならのどの辺りの筋肉が硬くなる、その後息を吐いて終了。1日3回、飲み物を飲むついでに行う。このトレーニングは2〜3週間で効果が現れることもある。丁医師は誤えんを予防する半夏厚朴湯を紹介。南雲医師は「姿勢が悪いと食堂の辺りが狭くなる、誤えん予防は姿勢を正してアゴを引いて飲むこと」とコメントした。

 西山耳鼻咽喉科医院には1日約120人の患者が訪れる。院長の西山耕一郎医師はのどのスペシャリストで、書いたのどの本はベストセラーとなっている。西山医師は若いうちからのどを鍛えると誤えん性肺炎になりにくいと話す。そしてのど筋トレを伝授。おでこプッシュ・トレーニングは下を向き手のひらの付け根でおでこを押して5秒キープ、10セット行う。マウス・イー・トレーニングはイーと言いながら口を開く。小顔効果も期待できるという。

 さらに西山医師は診察に吹き戻しを使用し呼吸機能を鍛える。吹き戻しトレーニングは10秒間キープ×10セット、肺活量が多い人にはペットボトルをしぼませたり膨らませたりする体操が効果的。1日の診療を終えた西山医師はカラオケでのどの筋肉を鍛える。カラオケでのどを鍛えるには選曲にポイントがある。その曲は安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」。他にクリスタルキング「大都会」などもオススメ。東貴博がクリスタルキング「大都会」を口ずさんだ。さらに西山医師オススメ曲を紹介。椿鬼奴が宇多田ヒカルの「Automatic」を披露。西山医師おすすめおでこプッシュ・トレーニングなどを実践した。中山医師は「歯のケアが大切」、上山医師は「肥満は大敵だ」とコメントした。

歯周病で関節リウマチ悪化 新潟大、仕組みの一端解明

口の中にいる歯周病菌が、胃などを経由して腸に届き、腸内細菌のバランスに影響を与え、関節リウマチを悪化させるメカニズムの一端を、新潟大や理化学研究所のチームがマウスを用いた実験で突き止め、31日付の英科学誌電子版に発表した。

 新潟大の山崎和久(やまざき・かずひさ)教授(歯周病学)によると、人でも同様の仕組みが働いている可能性がある。「口内の細菌を調べることで、全身の健康がチェックできる手法の開発につなげたい」と話した。

 関節リウマチは、指や膝などの関節の骨に痛みや変形が生じる病気。症状の悪化に歯周病が関係していることは明らかになっているが、詳細な仕組みは分かっていない。

 チームは、2種類の歯周病菌を口の中に投与したマウスにそれぞれ関節リウマチを発症させ、菌を投与せずリウマチを発症させたマウスと比較。その結果、一方の菌を投与したマウスだけ、手足の指の炎症が悪化していることを確認した。

 ふんを調べると、この菌を与えたマウスでは、腸内細菌のバランスに変化があった。腸の組織では、炎症を引き起こす特殊なタンパク質の量が増えていた。

 山崎教授は「腸内環境の変化でこのタンパク質が増え、関節まで届いてリウマチを悪化させるのだろう」と推測した。

脳梗塞、歯の細胞から薬開発へ― 後日投与でも後遺症抑制 ―

製薬会社JCRファーマと帝人は7月18日(火)、他人の歯から取り出した細胞を使った急性期脳梗塞の治療薬を共同で開発すると発表した。
従来の治療法は発症から数時間以内に始めなければならないが、この薬の開発が成功すれば一定時間血流が滞っても静脈内に入った歯髄幹細胞が炎症を抑える役目を果たすことで後遺症を防ぐ。すでに脳梗塞状態のマウスを使った実験では想定した結果が出たという。両社は2018年度中に治験を開始する計画だ。

歯科用金銀パラ合金、告示価格引き上げへ

中医協総会が7月12日(水)厚労省内で開催され、歯科用貴金属価格の随時改定について協議し、2品目の告示価格を今年10月から改定することを了承した。

 今回の改定では、「歯科鋳造用金銀パラジウム合金(金12%以上JIS適合品)」を1,279円から1,414円に、「歯科非鋳造金用銀パラジウム合金 板状(金12%以上JIS適合品)」を1,186円から1,350円に、それぞれ告示価格を改める。

新たな選定療養への追加意見― 厚労省が意見募集結果を報告 ―

中医協総会が7月5日(水)、厚労省内で開催され、厚労省は「選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集」の結果を報告した。

 新たな選定療養の追加に係る提案は歯科19件(医科27件、その他10件)で、「齲蝕・歯周病の発症リスク判定のための検査の導入」「医科歯科連携した禁煙指導と継続支援」「ハイブリッドレジンによる歯冠修復、補綴物の提供」など。既存の選定療養の類型の見直しに係る提案は26件で「歯科金合金等の削除」「ノンクラスプデンチャーの追加」などがあった。今後必要に応じて中医協で議論される。

歯周病は隠れた糖尿病のサイン

歯科医から2型糖尿病の疑いがあると言われたら驚くかもしれない。しかし、歯周病は隠れた糖尿病の徴候である可能性が、新しい研究で示された。

 この研究によると、重度な歯周病をもつ人の5人に1人は2型糖尿病をもち、しかも患者はそのことに気づいていなかった。この知見は、歯科クリニックが糖尿病前症や2型糖尿病のスクリーニングに適している可能性を示唆している。

 「口腔内の健康状態が悪化すること、なかでも歯周病の存在は糖尿病などの疾患の徴候になりうる。糖尿病前症や2型糖尿病を早期に発見し治療することは、その後の合併症予防において重要な課題だ」と、研究著者であるオランダAcademic Center Dentistry Amsterdam(ACTA)歯周病学のWijnand Teeuw氏は述べている。

 世界中で増加が著しい糖尿病患者は、2010年には世界で2億8500万人と推定され、2030年には5億5200万人に達するとみられている。しかし、糖尿病患者の3人に1人は自分が糖尿病であることに気づいていないとされる。

 米国糖尿病協会(ADA)によると、糖尿病を治療せずに放置すると、視力障害や深刻な腎臓病、心臓障害、感染症などさまざまな合併症を引き起こす。同氏は、歯周病は歯茎に炎症を起こし、歯を支える骨をむしばむ感染症で、糖尿病の合併症と考えられることも多いと指摘している。

日本人ますます長生き 女87・14歳、男80・98歳 平均寿命、世界2位

2016年の日本人の平均寿命は女性が87・14歳、男性が80・98歳となり、いずれも過去最高を更新したことが27日、厚生労働省が公表した簡易生命表で分かった。男性が世界4位から順位を上げ、女性とともに香港に次ぐ2位となった。15年と比べると、女性は0・15歳、男性は0・23歳のプラスとなり、5年連続の延びとなった。

 厚労省は「医療技術の進歩に加え、健康志向の高まりにより生活環境の改善が進んだことや、対策が進んだことで自殺者が減ったことも影響している」としている。

 主な国・地域の平均寿命によると、女性は1位が香港(87・34歳)、3位以下はスペイン(85・42歳)、フランス(85・4歳)。男性も1位が香港(81・32歳)で、3位以下はキプロス(80・9歳)、ともに80・7歳のアイスランドとスイスが続いた。

 厚労省の試算によると、16年に生まれた日本人のうち75歳まで生きる人の割合は女性が87・8%で、男性が75・1%。90歳まで長生きする割合は女性が49・9%、男性が25・6%だった。

 また、16年生まれの人が、日本人の死因で多いがんや心疾患、脳血管疾患で死亡する確率は女性46・5%、男性51・2%。これらの病気による死亡がゼロになったと仮定すると、平均寿命は女性で5・74歳、男性で6・95歳延びるとした。

 日本人の平均寿命は、女性が1984年に80歳を超え、85年から10年まで26年連続で世界一だった。男性は71年に70歳を突破し、13年に初めて80歳を超えた。

 厚労省は平均寿命とは別に健康な日常生活が送れる期間を示す「健康寿命」も算出しており、13年は女性が74・21歳、男性が71・19歳だった。

 ※平均寿命

 各年齢の人が平均してあと何年生きられるかの期待値を示す「平均余命」のうち、0歳児の平均余命のこと。厚生労働省は毎年、平均余命を「簡易生命表」として公表。推計人口や人口動態統計のデータを基に、その年の各年齢での死亡率が今後も変化しないと仮定して算出している。厚労省は、国勢調査による確定人口を基にした「完全生命表」も5年ごとに公表しており、今春示された2015年の平均寿命は、簡易生命表よりわずかに低くなり女性86・99歳、男性80・75歳で確定した。

歯周病有病率、歯科知識の情報源で差

岡山大学は7月28日、歯科医院で歯科に関する知識を得ることが良い歯科保健行動を促すこと、さらに歯周病の有病率にも影響を与える可能性があると発表した。一方で、学校やテレビで歯科に関する知識を得ても、必ずしも良い結果にはつながらないこともわかったという。

 この研究は、同大大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学分野の森田学教授と、岡山大学保健管理センターの岩崎良章教授らの共同研究グループによるもの。研究成果は米オンラインジャーナル「PLoS One」にて公開されている。

 歯周病は、歯間ブラシやデンタルフロスを使うこと、定期的に歯科健診に行くことで予防できることが報告されている。これまで歯科に関する知識があることは、より良い歯科保健行動につながるとの報告があったが、その知識の情報源によっても歯科保健行動に差があるのかについての研究はなかったという。

 今回、研究グループは、2,220人を対象とした調査において、歯科医院で歯科に関する知識を得ている者とそうでない者を比較。その結果、前者は後者に比べ、1.49倍デンタルフロスを使用する傾向にあること、また、2.92倍定期的に歯科受診をしている傾向にあることがわかったという。デンタルフロスを使用している者や定期的に歯科受診をしている者では、歯周病ある者の割合が少なかったことから、歯科保健行動だけでなく、歯周病の有病率にも影響を及ぼしている可能性が考えられるとしている。

 一方で、学校もしくはテレビから歯科に関する知識を得ている人は、そうでない人よりもそれぞれ0.69倍、0.71倍定期的に歯科受診をしている傾向にあった。これは、定期的な歯科受診をしない傾向にあるということ意味している。全回答のうち30~40%の学生が学校もしくはテレビから知識を得ていると回答しており、これらの情報源は良い保健行動を促すには効果的ではない可能性があるという。

 今日では、さまざまな媒体から情報を得ることができるが、その情報源によって歯科保健行動に差がでること、そして歯周病の有病率にも影響を与える可能性が今回の研究から見えてきた。今後、情報の質を向上させることで、歯周病の予防に貢献できるかもしれない、と研究グループは述べている。

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