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診療報酬改定 0.004%増、実質据え置き 介護報酬は1.2%

藤村修官房長官、安住淳財務相、小宮山洋子厚生労働相は21日夜、首相官邸で来年度の診療報酬改定について協議し、手術料などの「本体」はプラス1・379%、「薬価」はマイナス1・375%とし、全体では小数点以下3ケタの部分で0・004%増というギリギリのプラス改定とすることで合意した。介護報酬は、介護職員の待遇改善費を見込んで1・2%アップ。前回(09年度)の3・0%増に続き2回連続のプラスとなった。

 診療報酬は1点10円で、医師らの収入となる。10年ぶりに全体で増額改定となった前回10年度(全体0・19%増、本体1・55%増、薬価1・36%減)に続くプラスとはいえ、小数点以下3ケタでの調整は極めて異例。約40兆円の12年度見込み医療費を約16億円伸ばすだけで、事実上の据え置きと言える。プラス改定を求めた厚労省、民主党の顔を立てつつ、増額を嫌う財務省側にも配慮した政治決着となった。

 一方、介護報酬を1・2%増としたのは、介護職員の賃金を月額1万5000円上積みしている交付金を今年度末で廃止するためだ。12年度以降、代わりの財源(国費ベースで約500億円)は介護保険財政で賄う。

 診療報酬を巡り、財務省は2・3%(国費ベースで2300億円)程度の引き下げを求めた。しかし、これに民主党側は猛反発し、一部議員がマイナス改定なら消費増税に反対すると示唆したこともあり、前原誠司政調会長は20日、政府側にプラス改定を要求していた。【

口腔機能維持管理加算 歯科衛生士による口腔ケアを評価へ

社会保障審議会・介護給付費分科会が11月10日(木)、都内のグランドアーク半蔵門で開催され、口腔機能維持管理加算について、歯科衛生士が介護保険施設への入所者に対して週1回以上、口腔ケアを実施した場合も評価する方向で検討していく方向となった。
           日歯広報 2011.11.25

山梨・歯科救急拠点 都留市立病院の敷地に 富士・東部地域、13年度開設予定

第4回富士・東部地域歯科救急拠点整備検討委員会(佐藤弥会長)が19日、県富士吉田合同庁舎で開かれ、富士・東部地域の「歯科救急拠点」の建設候補地を、都留市立病院(同市つる5)敷地内に決めた。最大330平方メートルで、現在は駐車場として使われている。同病院は中央道都留インターチェンジから0・4キロの地点。

 選定理由として、(1)インターに近く交通アクセスがよい(2)病院敷地内で道案内がしやすく、分かりやすい(3)富士・東部地域の中心部にあり、患者や出勤する歯科医にとっても利便性が高い――などが挙げられた。

 歯科医の委員からは、「救急対応として病院を控えていること」などが挙げられた。利用者代表の委員からは「住民の利便性や場所の説明をするための場所として適当」などの意見が出され、異論なく決まった。

 候補地としてこのほか、大月市大月2の大月公共職業安定所が挙がった。

 同委員会によると、年間受診数は320人程度を想定。心身障害(児)が歯科診療を受ける際に「摂食・えん下相談機能」も受診できるよう整備する方針。13年度当初の開設を予定している。
毎日新聞社 12月20日(火)

歯周病と糖尿病

 昔から歯科医の間では、糖尿病の人は歯周病になりやすく、また悪化しやすいことが知れられていました。高血糖の状態が続くことで体の免疫機能が低下し、歯周病菌が増殖しやすくなるためと考えられています。ところが近年、歯周病が糖尿病の症状を悪化させるという逆の関係を示唆する研究報告が相次いだことから、歯周病と糖尿病は互いに悪い影響を及ぼし合っていると考えられるようになりました。
 中でも歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)から血液中に移行した歯周病菌が毒素をまき散らすことで、脂肪組織や肝臓から、サイトカインの一種であるTNF-αの分泌が活発になることが明らかになっています。サイトカインとは特定の細胞に情報を伝達するタンパク質のことです。歯周病なんて歯科に行けば治ると考えている方が少なくないのですが、現在の歯周病治療では進行を抑えることしかできません。
 初期の歯肉炎の段階なら適切なブラッシングや歯石の除去などで歯肉は元の状態に戻りますが、重度の歯周病になってしまうと歯周組織の回復はほとんど期待できないのです。
           北海道新聞 2011.11.30

口の機能回復 空気漏らさず発音改善

東京都世田谷区の女子大生Aさん(19)は以前、話すことが嫌で仕方がなかった。鼻にかかった声で、たとえば「バビブベボ」と言おうとしても、どうしても「マミムメモ」になってしまう。発音を直したいと、高校2年の3月、昭和大学歯科病院(東京都大田区)の口腔リハビリテーション科を受診した。
 バ行の音は、口に封じ込めた空気を破裂させて出す。口は鼻の奥に通じているため、空気を閉じ込める時、上あごの奥の軟らかい部分「軟口蓋」がせり上がり、鼻への通路を塞ぐ。ところがAさんの場合、軟口蓋がよく動かず、息が鼻の方に漏れてしまう。これが、「バ」が「マ」になる原因だった。
 別の病院での詳しい検査の結果、首の骨の先天的な変形によって神経が圧迫され、軟口蓋がよく上がらないことが分かった。そこで同科が作ったのが「スピーチエイド」と呼ばれる発音補助装置。上あごにはめるプレートと、やや小さな栓が、針金でつながっている。栓の大きさや位置を調整して、栓の方を口の奥に入れることで、口と歯名の通り道を塞ぐことができる。
           読売新聞 2011.8.25

口の機能回復 「顎義歯」定期的に調整を

○さんは2009年6月、がん研有明病院(東京都江東区)の頭頸科で口腔がんの手術を受けた。きっかけは、奥歯がぐらつくような違和感だった。近所の歯科医院を受診すると、大学病院での検査を勧められた。結果は、進行がん。右上奥の歯肉のがんが、鼻から耳や目の近くに及んでいた。
 「口にがんができるなんで、想像もしなかった」手術では、患部を大きく切除した。空洞になった部分には、腹部の皮膚や脂肪を、はがき2枚分ほどの大きさにはがして移植した。しかし、上あごが欠けたままでは、飲食や発音に支障がでる。院内の歯科で応急の義歯を作ってもらった後、がん研有明病院頭頸科と連携している昭和大歯科病院口腔リハビリテーション科(東京都大田区)を紹介された。
 同科は、歯科医と言語聴覚士が協力して、食べる機能や言葉のリハビリを行う診療科。顎義歯は新しい技術ではないが、同科では発音やのみ込みの機能を細かく評価し、顎義歯の調整に生かしている。こうした診療科は国内では数少ない。
 ○さんは顎義歯を作ってもらい、同時に開口訓練や口のマッサージなど、自宅で行うリバビリの指導も受けた。現在は普通に食べられるし、辛い、がんの再発もない。ただ、リハビリを休むと、すぐ口が開きづらくなる。定期的な通院は欠かせない。
           読売新聞 2011.8.24

舌切除 装置付け食事

東京都港区の女性(69)は2005年12月、都内の病院で舌がんの手術を受けた。舌のほとんどを切除し、舌の根元だけが残る。舌がないと、食べ物を口の中でまとめられず、うまくかみ砕けない。口の奥に食べ物を押し込み、のみ込むこともできない。このため、女性は退院時には、腹部に穴を開けて、チューブで胃に栄養剤を送る「胃ろう」が設けられた。
 その後、昭和大歯科病院(同大田区)の口腔リハビリテーション科に通った。当初、口では一切食べられなかった。おなかの胃ろうの弁を見られるのが嫌で温泉にも行けない。弁の定期交換も痛い。「胃ろうを外すこと」が目標になった。同科教授の高橋浩二さんらは、上あごと下あごの内壁を厚くするプラスチック製のプレートを作った。これを歯にかけて装着すると、短い舌でも上あごに触れやすく、食べ物に圧力をかけやすい。女性は、この装置を使って流動食を飲み込む訓練を始めた。
 食べ物が誤って気管に入り、誤嚥性肺炎になったこともあるが、次第に流動食なら口で十分食べられるようになり、09年10月、3年半ぶりに胃ろうを外せた。「本当にうれしかった。今は東京近辺のあちこちの温泉を楽しんでいます」言葉の発音に障害は残るが、言語聴覚士の指導や孫とのおしゃべりのおかげで、今では電話に出られるまでになった。
           読売新聞 2011.8.23

グリコ、歯守るフッ素ガム

江崎グリコは歯から溶け出したカルシウムを歯に戻す再石灰化を促し、虫歯の発生を抑制するフッ素を開発した。緑茶から抽出した成分を使って食品に応用しやすくし、さらにポリフェノールを取り除くことでカルシウムの歯への吸着を妨げる反応を抑えた。特許を持つ水溶性カルシウムと組み合わせたガムを歯科医院での販売用に商品化する。
           日経産業新聞 2011.10.13

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