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苦痛減らす口腔ケア

がん患者と口腔ケア。何の関係もなさそうに見えるが、実は密接だ。抗がん剤治療を受けると、約4割の人に口腔粘膜炎(口内炎)などの合併症が起き、このうち反芻が重症化する。抗がん剤が、がん細胞だけでなく正常細胞も攻撃してしまうためだ。
 合併症による激しい痛みや体力の低下などで、がん治療の中断を余儀なくされることもある。こうした現状を改善しようと東北労災病院は2007年、がん口腔ケアをいち早く導入。心身の苦痛を和らげる緩和ケアの一環として、がんと診断された時点で院内の各診療科から歯科につなぐ仕組みを作った。
             河北新報 2009.3.15

歯と口の健康を大切に

食べ物を幅広く豊かに食べるためには、まず歯と口の健康が必要であることを忘れていませんか?食べ物の知識を得て、バランスよる食べることの大切さを理解していても、食べられなくては意味がないことを歯科医師は、日々痛感しているのです。
 「食育」の担い手として歯科を利用してください。歯科で行われる治療や食事の指導が、そのまま「食育」につながるのです。
             福島民友 2009.3.13

ラクトフェリンが歯周病原因物質を抑制

森永乳業は、乳由来タンパク質ラクトフェリンが歯周病の原因物質バイオフィルムの形成を抑制・除去する機能を持っていることを新潟大との共同研究で確認した。
 ラクトフェリン1000分の8㎎という低濃度でもバイオフィルム形成を抑えることがわかり、濃度を濃くするとより効果が向上した。また、同濃度で同フィルムの量も減らした。
 また、ラクトフェリンとシプロヘキサンシン(抗生物質)と併用すると、同フィルムを取り除く効果が増強されたという。
                 化学工業日報 2009.3.23

妊婦健診の公費負担拡充 厚労省

厚労省雇用均等、児童家庭局は、全国児童福祉主管課長会議で、妊婦健診の公費負担対象を14回程度まで拡充する案に関連し、里帰り出産等でも自己負担なしで、健診が受けられる体制を整備するよう求めた。
 市町村は14回分の受診券を妊婦に支給し、特殊な自己負担を除き、妊婦は受診券の提示のみで健診が受けられるようになる。支払業務を受託した国保連は、請求先・支払先の振り分け、記載内容のチェックなどの業務を担うことになる。
              北海道歯科医師会通信 2009.4

いつのまにかできて消える口腔内の血疱

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熊本市民病院皮膚科部長の木藤正人氏の元に、繰り返し生じる口腔内の血疱を心配した患者が訪れた。患者は、2日前に熱いコロッケを食べた後、痛みとともに、軟口蓋に何か舌に触れるものができたことに気付いた(写真)。

 鏡で、黒い水疱様病変を確認。自発痛はなかったが、舌や食べ物が触れるとわずかに痛んだ。患者によると、以前にも同様のエピソードが1~2回あったが、いずれも1~2日で血胞は破れ、1週間程度で治癒したという。血液検査や血液凝固能にも異常はない。木藤氏は、angina bullosa haemorrhagicaと診断した。

 angina bullosa haemorrhagicaは、血液異常や全身疾患とは無関係に、突然口腔内に出血性水疱(血疱)が生じる病態だ。木藤氏は、「決してまれではなく、国内では、1990年代から歯科・口腔外科領域で報告されてきたが、医科の領域ではあまり認識されていないようだ」と話す。見た目が悪性黒色腫と似ているため、知識のある患者はびっくりして、悪性腫瘍を疑いやすい。

 通常のいわゆる「口内炎」と異なり、好発部位は軟口蓋で、黒い血疱になるのが特徴だ。多くは、接触痛や違和感を伴い、発症して1~2日以内には血疱がつぶれる。その後、赤色斑点の混在を特徴とした痛みを伴うびらんを形成し、1~2週間で瘢痕を残さず治癒する。「基本的には経過観察で問題ないが、まれに、血疱が拡大して気道閉塞を起こしたとの報告もあるので、注意が必要だ」と木藤氏は話す。

 原因疾患は特にないが、通常、誘因はある。多くは、食事中や食後すぐ、口腔内に疼痛や灼熱感を覚え、その後、軟口蓋や頬粘膜、舌に血疱が出現する。「実際に我々が遭遇したケースでも、熱いものや硬いもの、ざらざらしたものを急いで食べた後の発症例が目立った。食事時の物理的刺激や温熱の刺激で起こることが多いようだ」と木藤氏。また、吸入ステロイド薬を使用している患者が多いとの報告もある。背景には、第1回で紹介したAchenbach(アヘンバッハ)症候群と同様、血管の脆弱性があると考えられており、中年以降の発症が多い。

母ザルがしつけ:子供の前だと大げさに歯磨き行動

タイに生息し、人の髪の毛を使って歯に詰まった食べ物のかすを取り除く歯磨く行動をする野生のカニクイザルの中に、子ザルがみていると特に大げさに歯磨き行動を行う母ザルがいることを、京都大霊長類研究所の正高信男教授の研究チームが突き止めた。子供に関心を向けさせて、歯磨きを教えるしるけとも考えられるといい、こうした行動が人間以外で確認されたのは初めて。
 正高教授は、人間以外の動物は、教育しないというのが常識だが、今回の実験で、教えることの芽生えがサルにもみられたと考えることができる。
                  産経新聞 2009.3.11

歯周病菌でも心疾患に

歯周病菌が心臓病まで引き起こす」。米国の研究では、歯周病がある人はない人に比べ、、心筋梗塞や狭心症など虚血性心疾患を発症する率が、1.2~1.5倍となる。
                  読売新聞 2009、3.14 

正しい感染症予防で快適な休暇を―GW前に厚労省が注意喚起

安全で快適な海外旅行も実は危険と隣り合わせ。感染症はあらゆる場所で影を潜めている。ゴールデンウィークを間近に控え、厚生労働省はこのほど、海外で注意すべき感染症やその予防対策について、あらためてホームページで注意喚起を行った。基本的な予防対策としては、▽動物との接触▽食べ物や飲料水▽虫刺され―に注意が必要となるという。

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 ホームページでは、海外で特に注意すべき感染症として、▽狂犬病など動物との接触によって感染するもの▽コレラなど食べ物や水を介するもの▽マラリアなど蚊など節足動物を介するもの―を挙げ、それぞれについて感染予防の方法を紹介している。

 動物との接触による感染症では、感染源となる動物に極力近寄らないことが重要だという。このうち、狂犬病については、感染動物(特に犬)に咬まれることにより唾液からウイルス感染し、発症するとほぼ100%の確率で死に至るといわれている。世界のほとんどの地域で発生する可能性があり、昨年11月にはインドネシアのバリ島で、狂犬病の犬に咬まれたとされる原住民数名の死亡が確認されている。万が一かまれた場合は速やかに診療機関を受診し、消毒、ワクチンの接種を受ける。
 食べ物や水を介する感染症では、生水や氷、サラダ、生鮮魚介類など、十分に熱処理がされていないものの飲食に注意することが予防につながるという。また節足動物を介する感染症では、屋内外を問わず、肌の露出を避け、虫よけローションを使用するなど、やぶ蚊類に刺されないように注意することが大切だとしている。

 厚労省では、海外旅行を計画している人は、旅行プランに合わせ、渡航先での感染症の発生状況に関する情報を入手し、適切な感染予防に心がけるように呼び掛けている。感染症の発生状況や感染症に関する情報は、検疫所や外務省のホームページで閲覧できるほか、各空港や港の検疫所でもリーフレットやポスターによる情報提供を行っている。また、検疫所では健康相談も行っており、帰国時に発熱や下痢など、体調に不安がある場合は、担当係員まで相談してほしい、としている。
更新:2009/04/20 23:09   キャリアブレイン

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