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「テニス肘」は通常治療なしで治癒する

「テニス肘」は理学療法やステロイド注射を受けなくとも大多数が回復することが、ノルウェー、オスロ大学のMorten Olaussen氏らの研究で示された。研究論文は「BMC Musculoskeletal Disorders」5月20日号に掲載。

 テニス肘では、前腕の腱損傷による握力低下や疼痛などの症状がみられる。テニスやゴルフ、大工仕事などの反復動作が原因で生じることが多い。

 Olaussen氏らは、最近テニス肘の痛みを生じたノルウェーの患者177人を、ナプロキセンなどの薬以外は治療を行わない群、炎症軽減のためのコルチコステロイド注射2回と理学療法12セッションを行う群、またはプラセボ注射2回と理学療法12セッションを行う群のいずれかに無作為に割り付けた。

 6カ月間の治療を行い、1年間追跡し、157人が研究を完了した。無治療群と比較して、理学療法とプラセボ注射またはステロイド注射を行った群における改善に差はみられなかった。治療内容にかかわらず、対象者の4分の3では肘の疼痛が1年目に消失したが、4分の1には1年後も症状があった。
HealthDay News 2015年10月1日

嚥下食コンテストで優秀賞 長岡市の企業 県産食材、おいしく成形

加齢や病気で、ものをのみ込む嚥下(えんげ)機能が低下した人に提供される嚥下食のメニューコンテストで、県内の病院や福祉施設向けに給食事業を展開する「マイステルジャパン」(長岡市)の「魚沼産コシヒカリ米粉のパングラタン」が優秀賞に輝いた。2度目の挑戦で念願の入賞を果たした同社は「食べる人に満足してもらえるよう、より高いレベルの嚥下食を開発していきたい」としている。

<長岡市の企業が開発 米粉のパングラタン>

 全国から約100点の応募があった。東京で今月行われた決勝審査会には6点が残り、グランプリ、準グランプリ各1点、優秀賞4点が決まった。

 このパングラタンは、ブロッコリーやサケなどの食材をそれぞれミキサーで砕き、元の形と同じように成形して盛り付けた。魚沼産米の米粉や見附市の牛乳、村上産の塩引き鮭など県産材料にこだわった。

 ぱさぱさして固いため成形が難しいとされるフランスパンを使ったことや、パンとグラタンの組み合わせで栄養価が高いことが評価された。中でもフランスパンは表面と中身を別々に分けてミキサーにかけて成形した。混ぜる牛乳の量は試行錯誤を繰り返した。

 マイステルは昨年に続いての挑戦だった。今春発足した研究開発チームのリーダー、岩村明子さん(50)は「リベンジで成果が出てうれしい」と喜ぶ。決勝審査会で調理した徳橋雄樹さん(30)は「もっと知識を得ようという刺激になった」と語る。

 嚥下食のニーズは近年高まっている。マイステルは2年ほど前から研究開発を進めており、今月からは長岡市内の病院へ嚥下食メニューの提供を始めた。

 マイステルは入賞メニューと同様に、一つ一つの材料を成形する嚥下食を提供している。成形しない一般的なタイプより価格が高くなるというが、関谷裕一社長(61)は「さらに研究開発を重ね、リーズナブルな価格で食べられるメニューを提供したい」と意気込んだ。
2015年10月14日 (水)配信新潟日報

高齢肺炎の裁量的ICU入院で死亡減

 肺炎で入院した64歳超のメディケア受給者111万2394人を対象に、集中治療室(ICU)入院と死亡率との関連を後ろ向きコホート研究で検討。患者の30%がICU入室だった。居住地から病院までの距離でICU入室を決めた(裁量的)患者では、ICU入院が調整後の30日死亡率の有意な低下と関連していた(ICU入院群14.8%対一般病棟入院群20.5%、P=0.02;絶対的減少-5.7%[95% CI, -10.6% - -0.9%])。

【原文を読む】
Journal of the American Medical Association

三重)入れ歯の日、入れ歯512個供養 四天王寺

「入れ歯の日」の8日、使い終わった入れ歯に感謝する供養祭が、津市栄町1丁目の四天王寺であった。512個の入れ歯が集まり、参加者約40人が見守る中、読経があげられた。

 供養祭は、入れ歯が捨てられないという声を受け、県保険医協会が16年前に始めた。参加者は本堂に供えられた入れ歯の前で焼香した。その後、入れ歯の一部は境内の供養塔に収められた。残りは金属部分を業者に回収してもらい、児童福祉施設などへの寄付金とする予定。

 津市幸町の自営業米田あき子さん(75)は、昨年末亡くなった夫の入れ歯を持参し、供養した。夫が半身不随になった後の19年間の思い出が詰まっているという。「残った入れ歯が気がかりだった。天国の夫もこれで安心したのでは」とほっとした様子だった。

機能向上、ケア道内でも教室

 道内の自治体でも口の健康への取り組みが行われている。十勝管内鹿追町は、地域の老人会で口腔機能向上教室を実施。歯科衛生士と保健師が出向き、参加者のかむ力を判定するほか、歌を歌って口の周りの筋力アップを促したり、歯磨きだけではない口内の掃除の仕方を指導している。「食べる、かむ、飲み込むことにかかわる口の衛生は、体全体に影響する。介護予防、予防医療の面からも継続していきたい。と同町。道地域保健課は「昔に比べて歯が残っている高齢者は多いが、歯があっても口の機能が良くないと会話や食事ができない。各自治体が介護予防などとともに口腔ケアにも力を入れてきている」としている。
                 北海道新聞 2015.9.29

高齢者の虚弱 口周りに注意

 ちょっとした滑舌の悪さや食べこぼし、飲み物にむせるといった口周りのトラブルは、高齢者の体が弱っていく最も早いサイン。日本歯科医師会は、そうした不調をまとめて「オーラル・フレイル(口腔機能の低下)」と呼んで、早い段階での対処を、虚弱を予防するための国民運動にしようと提唱している。65歳以上の高齢者1900人余りで口腔や全身の健康状態、食生活、生活の質など224項目を3年にわたって調査。すると「歯の本数」や「食べこぼし、むせ」「かむ力」「食事の量」など多くの項目が、全身の筋肉量や筋力の低下、運動機能の低下などと強く関連していた。どうやって不調に気づき、対応をしたらいいのか。東京都健康長寿医療センター専門副部長で歯科医の平野浩彦さんは「硬い食べ物が食べにくい」「液体でむせる」「口が渇く」の三つの兆候を挙げ、「体の筋肉と同じ。食べる力も意識して使わないと衰える」と自助努力の必要性を指摘。食欲の低下を経て、栄養状態の悪化を生む。
 自分がしっかり食べ物をかめているのか、簡単に分かる方法がある。口の動きを測る簡単なテストもある。「パパパパ・・・」「タタタタ・・・」「カカカカ・・・」。パ、タ、カの3音を短時間でどれだけ細かく発音できるか。医学的にも確立した試験で、唇や舌の機能を示す。特に「カ」は舌の根元を使うため、飲み込む力と密接な関係があるという。
                     北海道新聞 2015.9.29

歯と口の健康アラカルト 一日に歯磨き何回しますか?

みなさんは1日に何回歯を磨くでしょう? 2回、3回? 1日24時間のうちの大切な時間を使っているのですから、効果のあるものにしたいと誰もが思うはずです。

 では歯磨きをする理由はなんでしょうか?細かくあげるとたくさんありますが、大きく二つあげられます。一つは虫歯を予防するため、二つ目は歯周病の予防と治療です。

 虫歯の原因は、歯の表面に付着している歯垢(しこう)(プラーク)にたくさん棲(す)みついている細菌が、糖分を分解してできる酸です。したがって、歯磨きをすることにより虫歯の原因となる細菌の塊である歯垢を取り除き、虫歯になる危険性をより少なくできると考えられます。

 歯周病の原因も歯垢中の細菌が主なものです。その細菌が産生する毒素などが骨(歯槽骨)を破壊し、ついには歯を失ってしまいます。歯磨きにより、口の中の細菌の数を減らし環境を改善することが、歯周病を予防あるいは治療するうえで最も大切です。

 さて、では1日に何回歯を磨けばよいのでしょうか? 先にお話したように、口の中の細菌の数を減らすことと、糖分などに細菌が接する時間を短くすることが重要なので、可能であれば食事の後あまり長時間放置せずに歯を磨くことができればよいのではないでしょうか。つまり、歯磨きの回数は食事の回数プラスαが理想的になります。このプラスαに必ず加えていただきたいのが、就寝前の歯磨きです。就寝中に口の中の細菌は最も増殖しやすいため、就寝前に細菌を減らすために歯磨きをすることは、もっとも大切な歯磨きとなります。少し疲れていても、ちょっと気分の悪い時でも、そのまま寝てしまわずにきっちり歯磨きしてから寝てください。

 歯磨きのポイントを、今回は回数(タイミング)に絞ってお話ししましたが、歯磨きを「している」のと「できている」のとでは全く話は違います。是非、自分にあった効果的なブラッシングが「できる」ようにかかりつけの歯科医院で指導を受けてみてください。(府歯科医師会学術部)

【兵庫】「やぶ医者大賞」の2氏が講演 養父市で11月

兵庫県養父市がへき地医療に奮闘する医師を表彰する「第2回やぶ医者大賞」に選ばれた女性2人による「へき地医療を考えるシンポジウム」が11月28日午後1時半から、養父市大屋町山路のおおやホールで開かれる。

 講師は香川県綾川町、国民健康保険綾上診療所長の十枝(とえだ)めぐみさん(50)と島根県西ノ島町、国民健康保険浦郷診療所長の白石裕子さん(47)。

 十枝さんは地域の保健師や栄養士らと密に連携し、地域全体で高齢者を支える「地域包括ケアシステム」の取り組みを進める。小児の肥満予防のための活動にも力を入れる。

 白石さんが勤務する隠岐諸島の西ノ島町は西ノ島1島からなり、町内すべての保育園医と小中学校医を引き受ける。島などで3医院を兼務し、乳児検診や母子保健事業、発達障害の子どもたちのサポートに取り組む。

 当日はシンポジウムに先立って表彰式があり、2人にそれぞれ奨励金50万円が贈られる。2人は順に講演した後、審査員を務めた県内外の医師らとのパネル討議に臨む。入場無料。同市保険医療課TEL079・662・3165

(竹本拓也)

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