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歯と口の健康アラカルト 一日に歯磨き何回しますか?

みなさんは1日に何回歯を磨くでしょう? 2回、3回? 1日24時間のうちの大切な時間を使っているのですから、効果のあるものにしたいと誰もが思うはずです。

 では歯磨きをする理由はなんでしょうか?細かくあげるとたくさんありますが、大きく二つあげられます。一つは虫歯を予防するため、二つ目は歯周病の予防と治療です。

 虫歯の原因は、歯の表面に付着している歯垢(しこう)(プラーク)にたくさん棲(す)みついている細菌が、糖分を分解してできる酸です。したがって、歯磨きをすることにより虫歯の原因となる細菌の塊である歯垢を取り除き、虫歯になる危険性をより少なくできると考えられます。

 歯周病の原因も歯垢中の細菌が主なものです。その細菌が産生する毒素などが骨(歯槽骨)を破壊し、ついには歯を失ってしまいます。歯磨きにより、口の中の細菌の数を減らし環境を改善することが、歯周病を予防あるいは治療するうえで最も大切です。

 さて、では1日に何回歯を磨けばよいのでしょうか? 先にお話したように、口の中の細菌の数を減らすことと、糖分などに細菌が接する時間を短くすることが重要なので、可能であれば食事の後あまり長時間放置せずに歯を磨くことができればよいのではないでしょうか。つまり、歯磨きの回数は食事の回数プラスαが理想的になります。このプラスαに必ず加えていただきたいのが、就寝前の歯磨きです。就寝中に口の中の細菌は最も増殖しやすいため、就寝前に細菌を減らすために歯磨きをすることは、もっとも大切な歯磨きとなります。少し疲れていても、ちょっと気分の悪い時でも、そのまま寝てしまわずにきっちり歯磨きしてから寝てください。

 歯磨きのポイントを、今回は回数(タイミング)に絞ってお話ししましたが、歯磨きを「している」のと「できている」のとでは全く話は違います。是非、自分にあった効果的なブラッシングが「できる」ようにかかりつけの歯科医院で指導を受けてみてください。(府歯科医師会学術部)