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あごの関節痛 ストレス原因 筋肉ほぐして

食事中に口が開かなくなることがありませんか。無理に開けると、バキッという音がして、あごの関節が痛い。何かに集中し、気づくと、あごがだるいということも。あごの関節は、下あごの上端の下顎頭などの骨、あごを動かす筋肉の咀嚼筋、関節を取り巻く関節包や骨をつなぎとめる靭帯、下顎頭を覆うような円板など軟組織といくつもの部分でできている。口を開けたときの関節の雑音や痛み、口が開きにくいといった症状が現れる慢性の病気が顎関節症だ。顎関節症になりやすいのは、食いしばりや歯ぎしりなどの癖がある人だ。筋肉を緊張させ、関節に過度の負担をかけるためで、仕事や家庭、人間関係のストレスやその他の精神的な緊張が影響しやすい。①左右いずれか片方ばかりでかむ②うつぶせに寝る③ほお杖をつく④あごの下に電話や受話器を挟むなどもよくない可能性があるという。
              朝日新聞 2011.7.11

歯周病と骨粗しょう症には関連が!エストロゲンが減ってからは骨量を維持する工夫を

さらに、エストロゲンは骨にも関係していて、エストロゲンが減ることで、骨量が減ることもわかっています。また、年齢を重ねるほど、カルシウムの吸収率が下がるため、骨がさらに弱くなります。ですから、閉経後は骨粗しょう症に注意すべきなのです。歯を支える歯槽骨も例外ではなく、閉経後の歯槽骨の骨量低下も、歯周病を進ませる原因に。歯槽骨が溶けてなくなってしまう歯周病にとって、骨の質はとても重要です。もうひとつ、更年期に口臭トラブルが増える原因は、唾液の分泌量が落ちること。さらに、ストレスでも唾液は減少。リラックス時の約3割減るといわれています。唾液には、多くの洗浄・抗菌成分や傷の修復成分などがあって、常に口の中の清潔を保っています。その唾液が減ることで、菌が繁殖しやすくなるのです。ただし、唾液の分泌量の低下(ドライマウス)は、シェーグレン症候群の可能性もありますので、気になる場合は医師に相談しましょう。このように、更年期にはエストロゲンが減ることで、口臭が強まり、歯周病のリスクも上がります。更年期はお肌ケアだけでなく、口の中のエイジングケアも必要です。

更年期特有の口臭がエストロゲンと密接なわけ

口臭の原因には、大きく分けて4つあります。①口の中のトラブル ②全身的な病気 ③食事などによるもの ④生理的なものです。③や④は病気ではなく、人間である以上、ある程度におってあたりまえといえる、治療の必要のない口臭です。②は、鼻・のどの病気(蓄膿症など)、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病など。これらの病気によってもにおうことがありますので、注意が必要です。けれども、更年期世代の女性に最も多いのは、①の口の中のトラブル。口臭原因の90%を占めています。歯周病、虫歯、そして唾液の減少がその多くの原因です。なかでも、更年期に女性ホルモン(エストロゲン)が坂道を転げ落ちるように減少してしまうことで、リスクが上がるのが、”歯周病”と”唾液量の減少”なのです。まず、歯周病について。なぜ、エストロゲンが減ることで歯周病にかかりやすくなるのでしょうか?エストロゲンには、炎症を抑える働きがあります。このエストロゲンが少なくなる閉経後には閉経前の2倍近く、歯ぐきの炎症成分(サイトカインや酵素など)が多く産生されてしまい、歯周病が悪くなりやすくなるのです。

40歳以上は2割が重症

歯周病は35歳を過ぎて40歳に差し掛かる頃から患者が急増する。厚生労働省が6年に1度実施している歯科疾患実態調査の結果によれば、歯肉に所見のある人(歯肉炎~歯周炎)の割合は8割程度でほぼ横ばいで推移しており、歯周疾患者は特に増加傾向にあるわけではない。ただし、高齢化に伴って重症者が多くなる傾向があり、40歳以上では2割近くが重症と言われる。慢性の歯周炎からじわじわと悪化していくのが歯周病の一般的なパターンだが、まれに30歳以下で急激に進行する侵襲性の歯周炎があり、このタイプにかかると2年ほどで歯が抜け落ちてしまう場合もある。高校生も歯磨き習慣が徹底しているとは言えず、歯肉炎の若者が増えているので要注意だ。男女別では、男性が2倍以上歯周病になりやすい。背景には、忙しいので歯磨きにかける時間がない、仕事が抜けられず歯医者に行っている時間がないといった生活習慣上の問題がある。グラグラと動くのがはっきりわかるようになってから、やっと医療機関を訪れるのは圧倒的に男性が多い。女性の場合は、妊娠期にホルモンの影響で歯肉炎の症状が出やすくなる。妊婦の歯周病が、早産や低体重児の出産にもかかわっていることも明らかになっている。また、更年期に入ると歯茎が腫れたり出血しやすくなり、骨粗鬆症の影響で骨がもろくなって歯周病が悪化するとされる。
             エコノミスト 2011.5.17

歯科の通院、3人に1人が「途中でやめた」- 理由は「面倒になった」が半数

歯科医院への通院を3人に1人が途中でやめたことがある―。日本私立歯科大学協会が実施した意識調査でこんな結果が出た。やめた理由を尋ねたところ、「面倒になった」が約半数で最も多かった。

 調査は今年6月6-8日、全国の10-70歳代の男女1000人を対象に実施し、全員から回答を得た。

 それによると、歯科医院に通ったことがないと回答した33人を除く967人のうち、歯科医院への通院を途中でやめた経験がある人は35.1%だった。
 年齢別に見ると、「30-39歳」が41.5%で最も多く、これに「40-49歳」(41.0%)、「20-29歳」(39.7%)などと続いた。一方、「16-19歳」は22.7%で、他の年齢層より少なかった。
 途中でやめた経験がある人にその理由(複数回答)を尋ねたところ、「面倒になった」が46.9%と約半数を占めた。以下は、「通院の時間が取れなくなった」(35.1%)、「通院の必要を感じなくなった」(25.1%)、「歯科医師やスタッフとの相性が合わなかった」(19.8%)、「経済的理由」(11.2%)などの順だった。

 一方、歯科医院数が増えることについての考え(同)を1000人全員に尋ねたところ、「新しい技術や設備を持った歯科医院が増えるのは歓迎だ」が46.8%で最も多かった。
 このほか、「近くで評判の良い歯科医院を選べるので有難い」(42.0%)など歓迎する意見の割合が高い一方、「乱立すると質の悪い歯科医院も増えるので歓迎できない」(19.1%)、「過当競争でサービスの質が下がるので歓迎できない」(8.2%)との意見もあった。

虫歯になりにくい糖を

子どもは、甘い物が大好きです。あればあるだけ食べてしまいます。歯科医としては、どうしても甘い物に警戒警報を出さざるを得ませんが、とはいっても全ての甘い物がいけないわけではありません。特に虫歯になりやすい食べ物は、砂糖の入っているお菓子やジュース類です。ところで、虫歯を予防することを考えると、おやつは「お菓子の時間」ではなく「間食の時間」というふうに考えた方がいいと思います。おにぎり、ホットケーキ、パン、果物などにジュースや乳酸飲料ではなく、牛乳や麦茶などを飲みものとして添えるのが良いでしょう。そのとき大事なことは、朝、昼、晩の三度の食事に影響を与えない量にすることと、だらだら食べさせないようにすることです。一番虫歯になりやすいのは、小学校を卒業するくらいまでです。経験から言えば、その時期に虫歯にならなければ、大人になっても虫歯で苦労することが少ないように思います。
            福島民報 2011.7.4

電動歯ブラシ 歯磨き粉変える必要

「手軽」「短時間で磨ける」と電動歯ブラシの使用者が増えている。しかし、手による歯磨きより楽そうだからといって、いいかげんな使い方をすると、かえって歯によくないこともある。電動歯ブラシで強くこすりすぎると、歯の表面のエナメル質が傷ついたり、歯の根元を刺激して、知覚過敏などを起こすこともあるという。
            南日本新聞 2011.6.21

アンチエイジング(5)ちょきちょき 顔トレ

東京都内の喫茶店。40代から60代の女性約10人が集まっていた。この日、喫茶店は貸し切り。「表情筋エクササイズ」、別名「顔トレ」の講習会が行われるためだ。教えるのは、歯科医の宝田恭子さん。

 顔トレとは、顔のトレーニング。足や腕の筋肉は使わないと衰える。顔も同じだ。皮膚の下の表情筋という様々な筋肉を使わないと、支える力が弱まり、しわやたるみを招く。筋肉を鍛えて、少しでも防止しようというのが顔トレだ。

 しわの中でも嫌われるのが、鼻の両脇から唇の両端に伸びる「法令線」。このしわが深くなるほど、年をとった印象を与える。顔トレ最大のテーマでもある。

 グミキャンディーが参加者に配られた。よし、よくかんで口の周りの筋肉を鍛えよう。早速口に入れると、宝田さんからくぎを刺された。「いつも同じ場所でかむと、そこの法令線が深く長くなります」。そうか、気をつけないといけない。

 次いで、ちょきちょきトレーニング。年とともに顔の輪郭がぼやけ、二重あごのようになっていく。それをすっきりさせる。

 人さし指と中指であごの線をはさみ、ちょきちょきと指を動かし、耳のところまでさすり上げる。参加者が一斉にちょきちょきを始めた。皆真剣だ。事情を知らないと、「一体何やっているんだ」と不思議に思いそうな光景ではあるが……。

 1年前から参加した50代の女性は「顔がたるむのは仕方ないとあきらめていました。それが少し収まったのでうれしい」と話す。

 目指す自分に向かって努力あるのみ。やる気が伝わってきた。

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 アンチエイジングは、豊かさの指標とも言われる。医療の進歩で寿命が延び、食べ物に事欠かない社会になったからこそ、この言葉が生まれた。そうでなければ、老化を気にする前に寿命がつきかねない。

 政治も経済も問題山積で不安だらけの今の日本。アンチエイジング熱は、まだゆとりがあることを示しているのかもしれない。

 取材の過程で何度か聞いた。アンチエイジングで重要なのは、食の豊かさを享受しないこと、つまりカロリー制限だそうだ。

 鶴見大歯学部付属病院でアンチエイジング外来を担当する斎藤一郎教授はこう話す。「食糧が少ない時期は子孫を残しにくい。このため、食糧が手に入る時期まで寿命を延ばそうという生命力が働く、という説があります」

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