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「口腔がん」の早期発見について

高齢化社会を迎える中、現在の日本国民の死因は「脳血管障害」や「心疾患」を抜いて「がん」が第1位となりました。「がん」は体のいずれの部位にも発生しますので、口腔にも発生することがあります。口腔にできた「がん」の総称を「口腔がん」と言いますが、その発生率は1~3%程度と決して多くはないためあまり聞き慣れないかもしれません。しかし、口腔は会話をしたり食事をしたりする際の非常に重要な臓器ですので、ひとたび「がん」に侵されると、時にはこれらの機能に大きな障害を残したり、顔の審美性が損なわれることがあります。そして最悪の場合は生命の危機にまで至ります。
                  北海道経済 3月号 №507

「歯の健康と免疫力」

 歯の健康を左右する免疫力。毎日の生活を見直してパワーアップさせよう

 【免疫力チェック】
  あなたの現在の免疫力を点検してみましょう。当てはまる項目にチェックを

  □風邪を引きやすく、1度ひくと長引く
  □口内炎ができやすい
  □虫歯でもないのに、歯がうずく感じがする
  □歯茎が腫れている
  □寝ても疲れが取れない
  □慢性的に睡眠不足だ
  □仕事はデスクワーク中心
  □移動は車や電車で、ほとんど歩かない
  □食事が不規則で、あまり野菜を食べない
  □早食いで、飲み込むように食べる
  □いつも何らかのストレスを感じている
  □不満を内に溜め込みやすい

 チェックが多いほど、免疫力が落ちているサイン。特に最初の3項目にチェックが入った人は、意識的に免疫力を高める生活を実践しましょう
                      オッジ 10.9月

がん治療を口から支える口腔ケア

 がん急性期医療から終末期医療までと題して講演会があります。
講師:静岡県立静岡がんセンター  大田洋二郎 先生
日時:平成23年3月5日 18:00~20:00
場所:大雪クリスタルホール大会議室
対象:保険医療福祉関係者
参加:無料
 上川中部地域歯科保健推進協議会事務局まで連絡してください
  0166-25-6315

かみ合わせの違和感 顎関節症 あごにだるさや痛み

顎(がく)関節症という病気を聞かれた方も多いと思います。あごにだるさを感じたり、疲れたりすることから始まり、そのだるさがひどくなってあごを動かす時に痛みを感じるようになります。また、口が途中までしか開けられなくなったり、カクカク、シャリシャリなどの雑音がしたりすることもあります。あごだけに限らず頭痛やめまい、耳鳴り、肩こりなどの症状を伴ったりするケースもあります。
 この原因にはいくつかありますが、常に上下の歯が触れている、頬づえ、睡眠中の歯ぎしり、くいしばりなどの癖が要因となり、それが積み重なって症状が出ます。また、抜けた歯をそのままにしておいて片側だけで噛んでいたり、合わない義歯を使用していると、顎関節や咀嚼(そしゃく)筋に過度の負担がかかります。精神的ストレスがあると筋が過剰に緊張したり、大口を開けるなど不自然な力が顎関節に加わると発症につながったりします。顎関節症は決して珍しい病気ではなく、日常生活のちょっとしたタイミングで起きてしまうことがあります。
                    福島民報 2011.1.24

おいしく食べるためには 口のリハビリ 食前体操

病気や障害、またその後遺症で寝込んでしまった時に、使わなくなった筋肉や神経は衰え機能が低下します。かむ機会が減ると、唾液の分泌も少なくなり、食べたり飲んだりする時の「誤嚥(ごえん)」の問題が起こったり、味覚やお口の衛生状態にも悪影響が出てきます。飲み込む力が弱っている人にとっても、準備体操はとても大切です。無理をせずに、個人個人のペースで行ってみてください。
 1.ゆったり腰を掛け深呼吸をしましょう(鼻から息を吸い口からゆっくり吐きます)。
 2.深呼吸をしながら首をゆっくりまわします。
 3.肩の上げ下ろしと、肩をゆっくりまわします。
 4.両手を上げて筋肉を伸ばしましょう(まひのある人は健康な側だけでも構いません)。
 5.口を閉じたまま頬を膨らませたり、唇を突き出したりしましょう。
 6.口を大きく開いて舌を出したり引っ込めたりしましょう。
 7.口を開いたまま舌を左右に出し口角を触りましょう。
 8.「パパパパ」「タタタタ」「カカカカ」「ララララ」とゆっくり発音しましょう。
 9.ゆっくり深呼吸をしてゴクンと飲み込むまね(実際に少し唾液を飲み込んでも構いません)を2~3回やってみましょう。
                    福島民報 2011.1.10

子どもの虫歯予防 嫌がっても仕上げ磨きを

子どもの口腔ケアは乳歯が生える前から必要だが、歯ブラシを使うのは乳歯が4本ほど生えてきた頃からで十分。汚れが落ちやすいナイロン製がお勧めだ。子どもは歯ブラシをかむ場合が多く、毛先が広がりやすい。早めに交換を。磨き残ししやすいのは、舌と接する下の奥歯の内側と、ほおに近い上の奥歯の外側。親の利き手側の奥歯は、のぞき込みにくく歯ブラシを歯に当てにくいので入念に磨きたい。奥歯の表面は溝深いため、歯ブラシの角度や向きを変え、毛先を溝に入れるように磨くといい。
                    新潟日報 2011.1.25

9割が「決断難しい」 栄養補給、中止経験も4割 認知症の末期患者で医師

認知症の末期で食事を取れなくなったお年寄りに対し、胃に穴を開ける「胃ろう」や点滴で水分と栄養を補給することについて、医師の約9割が取り組むかどうかの決断に難しさを感じ、始めた後も4割以上が途中でやめた経験があることが27日、日本老年医学会の調査で分かった。

 調査を担当した東大大学院の会田薫子(あいた・かおるこ)特任研究員(死生学)は「栄養補給の手段がありながら実施しないことに抵抗を覚えるのは自然な感情。補給するとかえって患者の苦痛が増したり、家族から『自然にみとりたい』と懇願されたりすることもある。どちらを選ぶか医師は悩んでいる」と分析している。

 今回の調査対象は、認知症末期患者への胃ろうや点滴による水分と栄養の補給。「方針を決める際にどの程度の困難を感じたか」の問いに「非常に感じた」が16%、「ある程度感じた」が46%、「少し困った」は27%で、約9割が何らかの抵抗を感じていた。「感じなかった」は6%。

 補給を始めた後、中止した経験は「なし」が53%、「あり」は44%。

 補給するかどうかの決定が困難な理由(複数回答)は「本人の意思が不明」(73%)が最も多く、「口から食べさせることによる肺炎や窒息の危険」(61%)、「家族の意思が統一されていない」(56%)の順。「補給を控えることの倫理的問題」(51%)、「補給に踏み切る判断基準」(45%)、「補給することに関する倫理的問題」(33%)のほか、「刑事面での問題」(23%)、「民事訴訟の懸念」(14%)と法的な問題を挙げた人もいた。

 中止を決めた理由(複数回答)は「下痢や肺炎を起こすなど医学的理由」(68%)に続き、「家族が中止を強く望んだ」(43%)、「継続は患者の苦痛を長引かせると判断した」(23%)など。

 昨年10~11月、学会の会員医師4506人に調査用紙を郵送し、1554人から有効回答を得た。医師の勤務先は病院や療養型医療施設、老人保健施設など。

がん治療で口腔ケアを 副作用で炎症 食事も困難に

がん治療によって起こる口腔粘膜炎などの口の中の合併症は、患者の生活の質(QOL)を大きく損なう。その症状を軽減するため、口腔ケアが注目されている。道内でも、がんの治療気管と歯科医とが連携する動きが出始めている。抗がん剤や放射線治療では、副作用として重い口腔粘膜炎の発症や唾液腺機能の衰えのため、口腔内が乾燥するなどの合併症が現れることが多い。
 抗がん剤で起こる口腔粘膜炎は通常、一時的なものだが、炎症による腫れや痛みは食事を困難にし、治療効果を下げ、患者のQOLも大きく損なわせる。口腔が乾燥すると唾液による自浄作用が失われるため歯垢がつきやすくなり、歯周病や虫歯を起こしやすくさせる。また、がんの治療中は免疫力が落ち、歯や入れ歯の汚れの中にいる細菌が原因で感染症を起こすこともある。
 こうした合併症は口腔内の状態が悪い人に起こりやすい。だが近年、がん治療の前に歯周病や虫歯の治療、歯石の除去などを行い、口腔内を清潔に保てば、口腔の合併症を軽減できることが明らかになってきた。がん手術の前に口腔ケアを行うことで、術後の感染や発熱を減らし、入院日数を短くすることができるとの報告もある。もちろん、治療中や治療後も歯磨きなどで口腔内を清潔に保つことが大切だ。
                 北海道新聞 2011.1.19

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