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ビスホスホネート長期使用で非定型骨折リスクが上昇

経口ビスホスホネート製剤を5年以上投与すると大腿骨の非定型骨折リスクが上昇すること、ただしその絶対リスクは小さいことが、カナダSt. Michael’s HospitalのLaura Y. Park-Wyllie氏らが行った過去最大規模の研究で明らかになった。論文は、JAMA誌2011年2月23日号に掲載された。

 経口ビスホスホネートは、骨粗鬆症性骨折予防に広く用いられているが、近年、その長期使用が大腿骨の非定型骨折を増やす可能性が懸念されるようになった。著者らは、大腿骨転子下骨折または大腿骨骨幹部骨折のリスクと長期的なビスホスホネート使用の関係を調べるために、68歳以上の女性を対象に集団ベースのネステッドケースコントロール研究を実施した。
ビスホスホネートの投与期間は、患者1人1人のリスクと利益のバランスを考えて決定する必要がある。骨折リスクが高く、長期継続が必要な患者には、休薬期間を設けるなどの方法が有効である可能性があり、今後、リスクをより小さく、利益をより大きくする方法を明らかにする必要がある、と著者らは述べている。

私大歯学部人気回復なるか

増える口腔ケア需要…若い歯科医、飛躍の機会

 大学受験シーズンも終盤に入ったが、2010年度に17校のうち11校で定員割れした私立歯科大・歯学部は、学費引き下げや受験機会を増やすなどして定員確保に努めている。

 11年度の歯学部入学定員は国公立と私立を合わせて2482人。そのうち、私立は1825人と約7割を占める。

 私立の入学志願者数は07年度までほぼ1万人を超えていた。だが、10年度には半分の4914人まで落ち込んだ。志願者減の背景については「『コンビニよりも多い』などと歯科医師過剰のイメージが広まったうえ、不況で、学費が高い私立が敬遠された」(安井利一・日本私立歯科大学協会副会長)との見方がある。

 確かに歯科医師数は過去30年間で約5万人から約10万人に倍増した。歯科の診療報酬は長く据え置かれてきた上に、歯磨きの徹底や少子化で虫歯の患者も減っている。歯科医院の経営環境が以前よりも厳しくなっているのは間違いない。

 とはいえ、開業歯科医の平均年収は、まだ1400万円前後と高い水準にある。私立は学費が高いものの、歯科医師に定年はない。日本私立歯科大学協会によると、歯学部新卒者の就職率はほぼ100%で、求人倍率が7倍以上の歯学部もあるという。

 実態以上に歯学部人気が急低下したことには、歯科医師数の抑制を求め続けてきた日本歯科医師会も戸惑い気味だ。志願者数の落ち込みは将来、歯科医師の質の低下につながる恐れがあるからだ。同会の柳川忠広常務理事は「数が過剰なのは確かだが、今日明日に食べられないことはない。一部に赤字の歯科医院もあるが、どんな業界も同じ」と話す。

 一方、「過剰」と言うことに疑問を持つ開業歯科医もいる。東京・杉並区歯科医師会の高橋英登会長は「需要開拓の努力もせず、『減らせ』と言うのは甘え」と同業者にも手厳しい。

 高橋会長の医院は、週4日は午後11時まで、年末年始も元日以外は診療する。夜間の患者は日中忙しくて受診できない会社員が多く、年末年始は近県からも来院する。高齢患者には訪問歯科診療も行っている。

 高橋会長は、同歯科医師会の取り組みとして「歯科診療を充実させることで、医療費を減らせることを実証したい」と言う。近年、咀嚼(そしゃく)したり、のみこんだりする口腔(こうくう)機能と全身の健康との深い関連が分かってきたからだ。

命を守る、暮らしを守る口腔ケア”

主  催:北海道歯科医師会 共  催:北海道歯科衛生士会
 開催日時:平成23年3月19日(土)14:00~16:45
 開催場所:北海道歯科医師会館(札幌市中央区北1条東9丁目 ℡011-231-0945)
 対象者 :ケアマネージャ・介護施設職員・地域包括支援センター職員など在宅医療に関連する職種の方々・看護師・保健師・社会福祉士・介護福祉士・歯科医師・歯科衛生士

 演題・講師 【命を守る、暮らしを守る口腔ケア】
        菊谷 武 :日本歯科大学大学院生命歯学研究科 臨床口腔機能学 教授
              同大学付属病院 口腔介護・リハビリテーションセンター センター長
              東京医科大学兼任准教授 岡山大学・広島大学・九州歯科大学非常勤講師
       【在宅における口腔ケアの実際】
        木本恵美子 :医療法人渓仁会 札幌西円山病院 歯科衛生士

歯周病予防の新技術確立

ライオンは、歯周病菌の付着を抑える新技術を確立し、オーラルケア事業を加速する。食品添加物として知られるアルギン酸プロピレングリコール(APG)に、歯周病菌の歯肉に対する付着抑制効果があることを世界で初めて見い出した。従来の浸透殺菌に加え、新技術を組み合わせた製品を主力ブランドから今春に投入する。歯磨き全体ではシェア首位のライオン。だが、歯周病予防に限るとサンスターに次ぐ2番手に甘んじている。同社は、今回の革新的な技術を盛り込む大型品の投入で、歯周病分野でも首位奪取を狙う。
                 化学工業日報 2011.1.27

口腔がん 口内の傷治らぬとき要注意

口内の傷がいつまでも治らない場合、口腔がんの恐れがある。口腔がんは強い酒、喫煙とも関連し、高齢化とともに増えている。しかし、早期に発見、治療すれば治癒率は非常に高い。口腔がんは、最も多い舌がんと歯肉がんが大半を占め、他に頬粘膜がん、口底がん、口蓋部のがんなどがある。口内の傷は通常、約2週間で治る。患部に接する歯、入れ歯などによる刺激を除去しても変化がなければがんを疑う必要がある。
                   山陽新聞 2011.1.17

歯茎から血が出る

歯を磨いた時に歯茎から血が出る。この状況はかなりの確率で歯周病だと考えていい。30代から60代の約8割が歯周病にかかっているそうだ。歯周病やある程度まで痛みなどの症状がなく静かに進行しますが、放置すると歯を支える歯槽骨が溶け、歯が抜けてしまう。そうならないよう軽度のうちに治療を始めること。歯周病は早期発見早期治療が何より大事です。歯周炎に進むと、歯周ポケットと呼ばれるすき間が歯と歯茎の間にでき、歯周病菌が入り内部に炎症を起こす。この場合歯磨きの改善にプラスして歯石を取り、歯周ポケットの中のプラークを掃除する治療を行う。さらにポケットが深くなり歯のぐらつきを感じたら手術の必要も。
 歯周病の恐いところは、口の中の問題にとどまらず、プラークに含まれる多数の歯周病菌が歯周ポケットから体の中に入り血液で循環し、動脈硬化や心筋疾患をはじめとする循環器系の病気を引き起こすこと。さらに近年は口の中のガンの発生や認知症にも関係があるといわれています。歯周病は日々の正しい歯磨きでかなりコントロールできますから、努力しましょう。
                   クロワッサン 11.1月

認知症患者への歯科医療・口腔ケアセミナー

主  催:北海道歯科医師会 共  催:北海道歯科衛生士会
 開催日時:平成23年3月13日(日)10:00~12:30
 開催場所:北海道歯科医師会館(札幌市中央区北1条東9丁目)

 演題・講師:【認知症の特徴をふまえた食と口腔環境作り】
        東京歯科大学 オーラルメディシン・口腔外科学講座
        東京歯科大学 市川総合病院 
                 歯科・口腔外科 枝広 あや子先生
 対  象:道歯会員、道歯会員診療所に勤務する歯科衛生士、北海道歯科衛生士会員

口腔ケアががん治療の効果を上げる

がんの3大治療法とされる手術、抗がん剤、放射線治療は、確実に進歩している一方で、治療による副作用や合併症に苦しむ患者も多い。中でも、多くのがん医療現場で長らく適切なケアがなされて来なかったのが、口腔粘膜炎などの口腔合併症だ。ありふれた症状と軽く考えられがちだが、抗がん剤治療で40%、口腔がん、咽頭がんなど頭頸部領域の放射線治療えは100%発症する。重症化すると食事が摂れなくなり、全身状態が悪化したり、顎の骨の壊死を招いたり、感染が全身に広がって死に至る危険もある。
 高齢者や脳疾患の後遺症がある場合、麻酔中など意識の低下した状態では、嚥下力(飲み込む力)が弱くなり、誤嚥(食物や細菌を含む唾液が誤って気管に入ること)性の肺炎も起こしやすい。さらに術後は、麻酔や人工呼吸の影響で痰が増えて出しにくくなり、気管や肺に溜まると肺炎の原因となる。特に口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、甲状腺がんなどの頭頸部がんや食道がんのような体へのダメージの大きい手術では、高い確率で肺炎が起こる。これらのがんには喫煙や飲酒の習慣が影響している。日頃から口腔内が不衛生なことが、さらに肺炎のリスクを高めることになる。
                      テーミス 11.2月

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