記事一覧

「激辛の唐辛子」を食べて食道穿孔を起こした男性

激辛唐辛子の大食い大会に参加したサンフランシスコ在住の男性が、食道穿孔を生じたとの報告が、「The Journal of Emergency Medicine」オンライン版に9月29日掲載された。

 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校救急医学部のAnn Arens氏らの報告によると、この47歳の男性は、世界で最も辛い唐辛子の一種で、ハバネロの2倍以上の辛さをもつことで知られる「ブート・ジョロキア」を食べた後、激しい吐き気と嘔吐、さらには重度の腹痛と胸部痛が生じたため救急科を受診した。

 CTおよび胸部X線検査の結果、食道の周囲に空気が認められ、特発性の食道穿孔が示唆された。挿管を行い、直ちに手術をしたところ、食道に2.5cmの裂傷が認められ、その周辺には液体や食物残渣がみつかった。最終的に、患者は13日間にわたり栄養チューブを必要とし、退院には23日間を要した。

口の中のダイヤモンド?!

人工ダイヤモンド・・ジルコニア?!
女性にはアクセサリーとしてお馴染みです。
セラミックの一種であるジルコニアは歯科領域で目覚ましい
発達を遂げ、今までの金属材料の補綴物に取って代わりつつあります。

歯科で使用されるジルコニアは酸化ジルコニアのこと。
金属のジルコニウムの酸化物で白い粉末状のセラミックです。

ジルコニアのメリットは、金属アレルギーの心配がなく、
強度と靱性を持ち、耐久性、耐食性、耐熱性に非常に優れていること。
更に、美しく生体親和性も高い特徴があります。
金属の補綴物と違い、金属イオンの溶出がないため、
歯と歯茎の境界線が黒く見えることもなく、
歯肉を健全状態に保つことが可能です。

反対にデメリットは、費用が高く(自費)、製作日数がかかること。
しかし費用が高いといっても、一般的に使われているメタルボンドと比べても
技工料金はさほど変わらなくなってきています。
また、非常に硬いことも挙げられますが、こちらはメリットと表裏一体です。
硬いということは丈夫で強いということなのですが、
噛みしめる力が強い方の場合は、噛みあう相手の天然歯が
負けて摩耗してしまいます(マウスピースの使用推奨)。

ジルコニア自体は従来のセラミックに比べて透明感が劣り、
審美性に欠けるため、ジルコニアフレームにセラミックを
焼き付けたものを使用したり、また、スティニング(着色)することにより
フルジルコニアでも自然な色を出すこともできるようになってきています。
また、高い透過性を持つジルコニアブロックも出てきており、
前歯への使用も可能になってきています。

患者様の輝く笑顔のために、どんどん進化する歯科技工技術。
本当に素晴らしくてビックリです。

歯周病 男性は職業で発症の危険性に差 岡大病院

歯周病は歯を失う原因の第1位。発症の危険性は職業によって差があることを、岡山大病院が5年間の追跡調査で突き止めた。背景には職業柄の不規則な睡眠やストレスがあるようだ。11月8日は「いい歯の日」。研究者は「この結果を、歯と口の健康を考えるきっかけにしてもらえれば」と話す。

 歯周病は、口の中の細菌によって歯茎が炎症を起こし、最後には歯を支える骨が溶けてしまう病気だ。喫煙や歯磨き不足などが発症の危険性を高めることが分かっている。

 岡山大病院予防歯科の入江浩一郎講師らは、2001年4月から02年3月の間に名古屋市で歯科検診を受けた人で、その時点で(1)歯周病がない(2)歯が20本以上ある(3)職に就いている――という条件を満たす成人3390人を対象に、約5年後の状況を調べた。すると、男性の32%、女性の24%が歯周病になっていた。

 このデータを職業別に解析し、これまでの研究で歯の病変が少ないと報告されている「専門的・技術的」な職の人を基準として比較。その結果、男性では生産・労務、販売、運輸・通信の3分野で働く人が2・39~2・74倍、歯周病になりやすいことが分かった。女性では、職業別の差は出なかった。

 入江さんは「歯周病リスクが高い職種では、定期的な歯科検診が重要でしょう」と話す。女性は職業にかかわらず、口の衛生に関心が高いため差が出なかったとみている。

 成果は10月26日、日本疫学会の英文誌「ジャーナル・オブ・エピデミオロジー」電子版に掲載された。

歯周病原因菌、食道がんと関連 熊本大

歯周病の原因菌の一つ「フソバクテリウム」と食道がんに関連があることが分かったと、熊本大大学院生命科学研究部の馬場秀夫教授(消化器外科)らが発表した。馬場教授は「フソバクテリウムを詳しく研究すると、がん治療薬の開発につながるのではないか」と話している。

 馬場教授によると、フソバクテリウムは人間の口腔[こうくう]内に常在する細菌の一種。最近の研究で、大腸がんから高頻度で検出されることが分かったため、大腸より口腔に近い食道がんとの関連を調べた。

 熊大で手術した325人の食道がん患者から切除したがん組織を調べたところ、23%にあたる74人からフソバクテリウムを検出。がん周囲の正常な組織では、ほとんど検出されなかった。

 食道がんの影響に着目した5年後の患者の生存率は、フソバクテリウム未検出の患者は75%だったが、検出された患者では59%と低かった。

 また、フソバクテリウムを検出したがんを調べたところ、炎症を引き起こすタンパク質の一種「ケモカイン」に関連する遺伝子が働いていることが判明。馬場教授は、フソバクテリウムがケモカインを介して食道がんの進行に関与したとみている。

 馬場教授は「フソバクテリウムと食道がんの因果関係を完全に確かめたわけではないが、関連が分かった。今後の研究に期待したい」と話している。

アルコールと歯周病

喫煙と歯周病が大変関係深いことは前回お話をしましたが、
同じ嗜好品、アルコールと歯周病はどうでしょう?

様々な研究がなされていて、ラットを使った実験では、
水を摂取させたときに比べて、アルコールは歯を支える骨が著しく吸収し、
歯肉の炎症性細胞の数が多くなっていたといった報告があります。
近年、多くの病気の発症と進行に直接影響することが明らかになってきた
活性酸素がアルコール摂取による歯周病の発症と進行に
関与するのではないかと研究され、結果、アルコールを摂取した
ラットの歯肉で活性酸素が多く作られ、抗酸化力が下がっていたことが
分かったそうです。
▼参考資料
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/f0r7u2v0nq54s85j90tqc

しかし現時点でアルコールと歯周病の直接的な関係は
まだ、はっきりとはしていません。
アルコールを過剰に、また継続的に摂取することにより、
口腔環境の悪化に伴い口腔乾燥や衛生状態の低下が見られ、
それらが一番の原因と考えられます。

またアルコールに含まれる乳酸には肉を柔らかくする作用があります。
歯肉も肉ですので、柔らかくなる可能性があります。

アルコール摂取後はうがいをするなどして口の乾燥を防いだり、
口腔内が酸性に傾かないように気を付けましょう。

ノーベル賞

ボブ・ディラン氏への文学賞の授与が話題になっているノーベル賞。日本人
では東京工業大学の大隅良典栄誉教授が「オートファジーの仕組みの解明」に
よって生理学・医学賞に選ばれました。日本人の受賞は3年連続で25人目(米
国籍を含む)。昨年、一昨年が複数名の受賞だっただけに「今年は一人だけ?」
と贅沢な疑問を感じた人も多かったのではないかと思います。

 もうひとつの大きな表彰の話題は、フランスで最も栄誉ある勲章とされるレ
ジオン・ドヌール勲章をコメディアンで映画監督の北野武氏が受章したことです。
 レジオン・ドヌール勲章はナポレオンが1802年に創設したものですので、
1895年創設されたノーベル賞と比べてはるかに長い歴史があります。
 レジオン・ドヌール勲章は外国人でも、元首、首相、政府の構成員、外交官、
実業家、フランスに来訪した芸術家、その他フランスの利益に貢献した人物に
も授与され、日本人はこれまでにおよそ700人が受章したということです。
 例えば、最高位の「グランクロワ」は皇族の方や初代総理大臣の伊藤博文、
2等の「グラントフィシエ」は元総理大臣の中曽根康弘氏やトヨタ自動車名誉会
長で日本経済団体連合会名誉会長の豊田章一郎氏、3等の「コマンドゥール」は
ソニー創業者の盛田昭夫氏や元東京都知事の舛添要一氏、4等の「オフィシエ」
はトヨタ自動車社長の豊田章男氏や今回の北野武氏、5等の「シュヴァリエ」は
建築家の安藤忠雄氏や宇宙飛行士の向井千秋氏が受章しています。
 北野氏は以前にもフランス芸術文化勲章等を受章しており、いかにフランス
で愛されているかが窺えます。

歯科概算医療費、初の2.8兆円台を評価

日本歯科医師会の堀 憲郎 会長は9月29日、厚生労働省が公表した2015年度の概算医療費動向で、歯科概算医療費が前年度比1.35%増となる2.8兆円だったことについて「2.83兆円で初めて2.8兆円を突破した。超高齢社会の歯科界のあるべき姿に関して、エビデンスをもって国民にアピールしてきたことが理解されてきた」と評価した。

 概算医療費の総額は約41.5兆円で、診療種類別で医科入院16.4兆円(前年度比1.9%増)、医科入院外14.2兆円(3.3%増)、歯科2.8兆円(1.4%増)、調剤7. 9兆円(9.4%増)となった。

 堀 会長は会見で、歯科概算医療費が2.8兆円を超えたことに関して「歯科は01年度から10年間、2.5兆円で横ばいと言わざるを得ない時期が統いた」と振り返り、歯科界全体で危機感を持って必要な対策を取ってきたことが今回の数字に表れたと評価した。 (メディファクス)

食道癌予後不良に腸内・口内細菌関与

熊本大学大学院生命科学研究部の馬場秀夫教授の研究グループは、腸内や口腔内に生息する細菌「フソバクテリウム」が、食道がんの予後の不良に関与することを突き止めた。患者のがん組織を調査し、DNAの解析など行い、同細菌が多く存在すると、炎症性たんぱく質に関連する遺伝子群が変動することが分かった。ヨーグルトや乳酸菌飲料などのプロバイオティクスス(腸内に良い影響を与える微生物)や腸内環境を整える機能性素材を摂取し、腸内細菌叢(フローラ)バランスを改善することが予後を良好に保つ一つの対策として可能性が考えられる。

 研究グループは、熊本大学医学部附属病院で手術を受けた食道がん患者325人の承諾を得て、切除されたがん組織と非がん組織(正常組織)からDNAを抽出。遺伝子の定量を調べられるリアルタイムPCR法を用いて組織内のフソバクテリウムを検出したところ、がん組織からは正常組織よりも有意に多くの同細菌のDNAが検出された。がん組織から同細菌が検出された患者は、325人中74人で、約23%を占めていた。

 がん組織から同細菌が検出された患者と検出されなかった患者の2グループに分け、手術後の生存期間を比較。その結果、同細菌が検出された患者グループは、検出されなかった患者グループに対し、有意に生存期間が短かったことが分かった。

 次に、同細菌陽性と陰性の食道がんから抽出したRNAを用いて、遺伝子解析による遺伝子の変動を調査。同細菌陽性患者では、炎症を促すたんぱく質(炎症性サイトカイン)に関連する一連の遺伝子群が変動していることを確認できたとしている。これらデータを詳細解析すると、「CCL20」や「CXCL7」といった白血球の輸送に関するたんぱく質(ケモカイン)の遺伝子の量が増加していることが分かった。

 今回の研究から口腔常在菌である同細菌がケモカインを介して、食道がんの進展に関与している可能性が示唆された。同細菌は腸内フローラにおいて優位な存在ではないが、大腸がん組織から高頻度で検出され、大腸がんの進展に影響を与えている可能性のあることが報告されている。

 口腔に近い食道のがんでも悪影響にかかわるとみられ、同細菌の詳細な解析と役割を解明することで新たな対応法が探究できる。その一つとして考えられるのが腸内フローラの改善。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉細菌を増やすことが予後の状況改善に導く可能性がある。

過去ログ