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酸蝕歯 酸性の物飲食後に水を

飲み物や食べ物に含まれる酸が、健康な歯を溶かしていく「酸蝕歯」。知らず知らずのうちに進行し、一度溶けた歯は元に戻らないという。ひどくなると知覚過敏になったり痛んだり。虫歯にもなりやすくなる。どうすれば防げるのだろう。
 スポーツをした直後や睡眠時には唾液が出にくい。運動後にスポーツドリンクを飲んだ後は、一口の水で中和しよう。寝る前にワインやビールを飲んだら、そのまま寝るのはよくない。うがいをしよう。歯を溶けにくくする、フッ素入り歯磨き剤やリン酸カルシウム入りのガムもお薦めだ。
 初期症状は、前歯がすけたり、色が茶色っぽくなったりする。エナメル質が溶け、象牙質が露出すると、知覚過敏や痛みの症状は出ることもある。すり減りがひどい場合は、マウスガードを作ったり、歯の表面を樹脂で薄くコーティングするなどの治療をする。

 ひょっとして酸蝕歯?
  ① □ 炭酸飲料やスポーツドリンクをよく飲む
  ② □ ワインが好き
  ③ □ ミカンやグレープフルーツなどかんきつ系の果物をよく食べる
  ④ □ げっぷや嘔吐(おうと)を繰り返す
  ⑤ □ よく歯ぎしりをする
  ⑥ □ 歯が平らになってきた
  ⑦ □ 前歯の先が茶色っぽくなってきた
  ⑧ □ 水がしみる

 ドクター田上の診断
  ①~③は酸性が強い飲み物や食べ物です。該当する人の口の中は、歯の表面が溶けやすい環境にあります。④によって逆流する胃液も強い酸性なので注意が必要。
  ⑤の場合、歯がすり減りやすく酸蝕歯が進行しやすくなります。⑥~⑧は、ある程度進んだ状態かもしれません。歯科医に診てもらうことを勧めます。
              朝日新聞 2011.4.18

猿人も遠方から花嫁か 歯の化石で分析

人類に近いチンパンジーやボノボ以外の霊長類には見られない行動で、人類は200万年以上前から、花嫁を迎えるような特性を持っていた可能性を示すという。

 研究グループは、南アフリカの洞窟で発見された約240万~170万年前の猿人のアウストラロピテクス・アフリカヌスと、パラントロプス・ロブストスの計19体の歯の化石を調査。

 化石に含まれる放射性ストロンチウムの同位体の割合を分析した結果、歯が小さく女性とみられる9体のうち、5体は数キロ~数十キロ以上離れた場所から移住してきたとみられるのに対し、男性は10体のうち1体だけだった。

 放射性ストロンチウムは岩石の中に含まれ、その土地の特徴によって、含まれる同位体の割合が微妙に異なる。歯のエナメル質は子どもの時に暮らした土地の特徴を保持しているとされ、エナメル質や周辺の土地の放射性ストロンチウムを比べることで初期人類の移動が推測できたという。

歯磨き二の次にせず

生命に関わる誤嚥性肺炎は、繁殖した口内の細菌が食べ物やだ液などと一緒に誤って気管にんのみ込まれ、肺に達することによって起きる。避難所生活の疲労が免疫力を下げ、重症化する危険度を押し上げる。もちろん歯周病や虫歯の発症、悪化を招かないためにも口の中のケアは大事だ。
 歯ブラシが手に入らない被災直後でも「手元にある物でできる限り食べかすと歯垢を取り除いて」と中尾部長は強調する。カーゼを指に巻いたり、ティッシュペーパーやタオルを湿らせるなどして歯の表面をふき、歯肉をマッサージする。
              北國新聞 2011.3.25

若い女性の歯退化 鶴見大教授ら学生調査、7-8割が親知らず欠如

鶴見大短期大学部(横浜市鶴見区)の後藤仁敏教授と田中宣子講師が、女子学生124人の歯型を調べた結果、若い女性のかむ力が弱くなり、親知らず(第3大臼歯)の退化が進んでいることが分かった。後藤教授は「乳児期にもっと固い食べ物をかむ習慣が必要」と指摘する。【網谷利一郎】

 対象は歯科衛生科で学ぶ学生で、18~20歳。咋春、上下のあごの石こう模型を採取し、歯の特徴を調べた。

 歯数は24~32本で平均28・2本。基本の32本は6人だった。上あごの親知らずの欠如が82・2%。その前の第2大臼歯も退化が進み、三角形に変形傾向が見られる。第1大臼歯への影響も出ている。下あごの親知らずの欠如は71・8%だった。

 後藤教授は「人類の歯の退化予測」を新人・現代人段階(抜歯も含め32本)と未来型現代人段階(28本)に分類。調査では未来型が57・3%で、新人・現代人は12・1%、中間(29~31本)が24・2%だった。

 05年から女子学生の歯の調査を続ける後藤教授は「若い女性は、かむ力が年々弱くなっている。歯の退化を防ぐのは、人類史的な重要課題」。田中講師も「ソフトな食品が人気だが、乳児期にしっかりかむ習慣が大切。今年も歯型を調べ、データを積み上げたい」と意欲を示した。
2011年6月1日 提供:毎日新聞社

潤い保ち感染症予防 避難先での口腔ケア マッサージで唾液出す

東日本大震災では、多くの人が避難所や被災した自宅で生活している。避難生活で体調を崩さないためには、うがいや歯磨きなどの口腔ケアが欠かせない。感染症や口の中の細菌が肺に入ることで起きる誤嚥性肺炎を防ぐ効果があるためだ。被災地で口の中を清潔にする方法について、歯科衛生士らの話を基にまとめた。
 胃や鼻から栄養を吸収している場合も、口腔ケアは欠かせない。口に食べ物が入らなくても、汚れはたまるからだ。きれいにすることで「気持ちがすっきりし、気分がふさぎがちな被災生活のメンタルケアのみつながる」と強調する。
 口の中に潤いを与えるために、唾液を出すマッサージを勧める。顎の内側にある唾液腺を親指で指圧する方法で、唾液には自浄作用があるので、清潔さも保てる。食事前にやると、消化を助ける。
               日本農業新聞 2011.4.7

誤嚥性肺炎防止へ口腔ケア指導

東日本大震災の避難所で心配されている高齢者の体調管理。通常の介護でも重視される口腔ケアは、水や歯磨き粉が不足する生活の中で後回しにされがちだが、、怠ると口の中に細菌が発生し、誤嚥性肺炎を招くこともある。家庭で介護している人も、口腔ケアの基礎知識を知っておきたい。
 避難所には支援物資として飲料水は届いていたが、ショックや混乱から口の衛生を気に掛ける人はいなかった。東日本大震災でも、避難所では栄養面に重点を置いた支援が講じられているが、口腔ケアがどこまで徹底されているか不明だ。洗面所についても十分な数や広さがないとみられる。
 歯ブラシがない場合は、食後にうがいをすれば食べかすや舌への付着物を除去できる。水が限られる場合は、少量でできるだけうがいの回数を多くすることが大切だ。歯が少なく粘膜の露出が多い人は、歯ブラシの代わりに綿棒を使い、食べかすをなで取るようにしてもよい。義歯については、避難所では人目を気にして、汚れても外さない高齢者がいた。毎日の洗浄が難しい場合は、週2、3階でも構わないので水洗いを。水がなければティッシュなどで拭くだけでもいい。
               神戸新聞 2011.4.5

子どもの虫歯の少なさ、11年連続で全国トップ 新潟県「意識の高さ」胸張る

子どもの虫歯の少なさで00年から都道府県別で全国トップを続ける県は、10年の調査でも平均本数が0・75本(治療済みの歯も含む)と最少で、11年連続トップになった。一方、国は10年度までに全国平均を1本以下にする目標を掲げていたが、達成できなかった。06年に全国に先駆けて1本を切った県は、順調に減らしている。

 文部科学省が、永久歯のほぼ生えそろう12歳(中学1年生)を対象に毎年行っている調査によると、10年の全国平均は1・29本。1本を切ったのは新潟を含めて6県にとどまる。新潟は06年に0・99本になり、09年の0・80本からさらに減少した。県内の中学校で調査したところ、虫歯が1本もない生徒は64%に上るという。

 県は1981年から「虫歯半減10カ年運動」をスタート。当時は5・03本と全国平均5・9本をやや下回る程度だった。歯を強くするという、フッ素を含む水で口をすすぐフッ素洗口の教育現場での普及や、小中学校の検診で虫歯だけでなく、表面が白っぽくなるなど虫歯になる前の段階で歯科医受診を勧めるなど、予防に重点を置いてきた。

 08年には全国初の歯科保健推進条例を制定。県健康対策課は「長年の取り組みで予防の大切さが浸透し、県民の意識の高さが一番の要因ではないか」と胸を張る。
2011年5月27日 提供:毎日新聞社

水につけ置き歯ブラシ除菌

長野セラミックス(千曲市)は、歯ブラシに付着した細菌を除去するセラミックス製品を4月下旬に発売する。新開発の粒状のセラミックスボールと歯ブラシを一緒に水につけ置くことで除菌する。口腔衛生の意識が高い女性や高齢者らの需要を見込み、手軽な除菌商品として売り込む。
               信濃毎日新聞 2011.4.3

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