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うがい液で口腔癌の早期発見 剥離細胞を用いて検討、候補となるバイオマーカーを発見

第49回日本癌治療学会学術集会で、釘本琢磨氏(東京医科歯科大学
大学院医歯学総合研究科顎口腔外科学分野)は、「含嗽による剥離
細胞を用いた口腔癌検出法の開発」と題して発表を行った。口腔癌
の罹患数は、年間約7000人と推計され、他臓器の癌と同様に、進行
癌では生存率は低くなるため、早期発見・早期治療が重要である。
現在、わが国では各自治体を中心として、専門医による口腔癌検診
が実施されているが、一度に多くの対象者を検診することが困難で
ある。一方、広く検診が行われている癌では、自分で検体を採取す
る検診キットが個人で入手可能になり、高い検出率を示している。
そこで、専門医以外も利用できる簡便な検査法の開発を目指し、含
嗽により剥離する口腔粘膜細胞を用いた口腔癌検出法について検討
した。東京医科歯科大学歯学部附属病院において、口腔癌患者94人
(24歳から89歳、中央値62.5歳)、口腔白板症患者18人(31歳から
92歳、中央値61.5歳)、対照として歯周炎など癌を有さない患者お
よび健常者80人(35歳から88歳、中央値58.1歳)、計192人を対象
とした。リン酸緩衝溶液(PBS)10mLで20秒間強く含嗽した液を
回収して行われ、口腔癌性病変(口腔癌および口腔白板症)を検出
する場合、SCCA1がバイオマーカーの一つとして有用であるとの結
果が得られた。実用に耐え得る口腔癌検診キット開発のためには、
より感度の高いマーカーの探索とともに、より確実な腫瘍細胞回収
法の工夫が必要と考えられる。

保湿剤の使い方ひとつで口腔ケアが変わる!

「最初に保湿剤を口腔内全体に塗り、湿潤させましょう。これにより、粘膜に付
着した汚れや乾いた痰・舌苔なども取り除きやすくなります」
 こう書かれているのを読んで、Nさんはハッとしました。“保湿剤はケアの後
に塗るもの”と思い込んでいたからです。

 次の日、Nさんはさっそくガイドブックの手順どおりに栄子さんの口腔ケアを
スタート。そして粘膜ブラシで拭うと、痰がツルンと簡単に取れたのです。「今
までの苦労がウソみたい!」とNさんは目を丸くしました。
 最後にいつも通り保湿剤を塗布し、ケアが完了。ふと時計を見ると、いつもよ
り大幅に時間が短縮されていることに気づきました。この日以来、Nさんは毎日
この方法で口腔ケアをしています。

「保湿剤で汚れをふやかすなんて、目からウロコ。栄子さんも気持ちよさそうで、
ウトウトすることもあるんです。以前では考えられないですね」
 使うケア用品は同じでも、使い方ひとつで負担が減らせることを知ったNさん。
これからは積極的に情報を集め、よりよいケアを目指したいと考えています。

北海道・「がん対策推進条例」原案まとまる  アスベストや放射線の影響を指摘する条例は全国初

道は、4月施行を目指している「がん対策推進条例」の原案をまと
め、来年度に改定する「道がん対策推進計画」に具体的な経済支援
策を盛り込むことを検討しており、患者団体は踏み込んだ支援策を
求めている。道内では1977年以降、がんが死因のトップを占め、
2010年は死亡数の32.2%となる1万7828人ががんで亡くなっている。
2008年3月には道がん対策推進計画が策定され、がん検診受診率を
50%以上にすることなどを目標に掲げたものの、検診受診率は全国
平均よりも低く、胃や肺、腸等各がんの検診受診率は18.7~30.0%
に留まっている。この為、道は「計画だけでは不十分」と判断し、
条例の策定作業を進めてきた。道がん対策推進条例原案は「がん対
策を総合的に推進し、道民が心身ともに健康で心豊かな生活を送る
ことができる社会の実現に寄与すること」を目的に掲げ、道や保健
医療福祉関係者の責務のほか、教育関係者の責務も指摘。児童・生
徒ががんへの理解を深める為の教育推進を謳っている。また、前文
では「がんの要因にはアスベスト(石綿)などの化学物質との接触
や、放射線の被ばく等様々なものがある」と明記。道によると、ア
スベストや放射線の影響を指摘する条例は全国初だという。さらに、
他府県にはない「難治性がん対策の推進」や「後遺症対策の推進」
も盛り込んだ。

食べる幸せ いつまでも

野原先生は、大阪大歯学部付属病院で嚥下のリハビリを専門にしている。7年ほど前、知り合いの歯科医に「在宅診療を手伝って」と頼まれ、訪問診療を始めて驚いた。食べる力はあるのに、胃ろうで栄養をとっている人がたくさんいたからだ。患者の家族や訪問看護師は、誤嚥が怖くて胃ろうに頼っていた。当初は野原も、口から食べさせた担当患者がむせたり、肺炎を起こしたりするたびに落ち込んだ。だが、次第に「何でも食べられるようにしなければ」という思い込みから解き放たれていった。
 しかし嚥下の専門家はあまりにも少ない。大学で学ぶ機会はほとんどないからだ。医学と歯学の境界領域は、取り残されたままだった。そこで嚥下の訓練や誤嚥のリスク対応などを身につけた「嚥下トレーナー」を育成しようと、野原は小谷らと共にNPO法人を作った。歯科医、歯科衛生士らを対象にした研究会は、募集開始から1時間足らずで満員になる。これまでに数百人が修了した。野原は、認知症患者の家族が語った言葉が忘れられない。「話かけても返事はないけど、私の料理を食べてくれる」。食べることは、家族との大切なコミュニケーションの手段でもあるのだ。
             朝日新聞 2011.11.30
 

平成24年度診療報酬改定概要決まる

平成24年度診療報酬改定で中医協は10日に4月からの新たな診療報
酬点数を小宮山厚生労働大臣に答申した。その中で歯科は、算定
頻度が高い根管貼薬処置(1歯一回につき)の単根管、スケーリン
グ(3分の1顎につき)、う蝕歯即時充填形成(充形)がそれぞれ
6点、2点、6点引き上げられ、26点、60点、126点となった。歯科訪
問診療料1は20点引き上げ850点とし、歯科衛生士が歯科訪問診療へ
の補助時に算定できる「歯科訪問診療補助加算」を新設し、同一建
物居住者以外(一人)は110点、同一建物居住者(2人以上)は45点
とした。
日本歯科医師会が要望していた初・再診料への点数配分は行われな
かったが、歯の保存に資する技術や歯の修復治療関連技術、在宅歯
科診療に重点的に点数を配分。点数の包括化や引き下げたものがほ
とんどないのが特徴。

歯のエナメル質の元、iPS細胞使い作製成功

東北大学は10日、マウスのiPS細胞(新型万能細胞)を使って歯のエナメル質の元になる細胞を作り出すことに、同大大学院歯学研究科の福本敏教授らのグループが世界で初めて成功したと発表した。

 研究成果は、米国科学雑誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」電子版で紹介されている。

 福本教授らは、歯の元になるラットの歯原性上皮細胞とマウス由来のiPS細胞を混ぜて培養。iPS細胞をエナメル質を構成しているたんぱく質の一つ、アメロブラスチンを含む細胞に分化することができた。この細胞をエナメル質に変化させることができれば、歯の再生につながる可能性があるという。

 福本教授はすでにiPS細胞から歯の象牙質の元になる細胞を作り出すことに成功しており、「全身のどの細胞からも、歯を作り出せる可能性が高まった」としている。
読売新聞 2月11日(土) 配信

じょうぶな歯を育てる3つのポイント

ポイント1 噛むこと 生えかわりの時期はとても大事!よく「噛む」ことで、きれいな歯並びに!
 ちょっとした工夫でよく噛める子になる!
  ①食材を大きめに切りましょう
  ②噛む回数を5回ずつ増やす

ポイント2 歯磨き コツをつかんで親子で上手にブラッシング
 仕上げ磨き 3つのポイント
  ①6歳臼歯
  ②永久歯にかわったところ
  ③歯ブラシが届きにくいところ

ポイント3 食生活 強い歯にする生活習慣を心がけましょう!
 ダラダラ食べを防ぐルール
  ①時間を決めて食べる
  ②食べる前に手を洗う
  ③イスに座って食べる

歯周病がよくなる!

歯周病対策の基本は、ブラッシング、歯石除去、そして歯石を取った後のザラザラした歯の面を平らにすることだ。しかし、これに加えて非常に重要なことがある。「TCH(Tooth Contacting Habit)」=「上下の歯をつける癖」の改善だ。
 上下の歯をつけるといっても、噛み締める、食い縛る、というほど強いものではない。軽く触れているだけでも、上下の歯には圧がかかるのだが、本人が
気付いていない場合が大半だという。「パソコンの作業中や仕事に熱中しているときなどは特に、TCHが見られる。上下の歯を触れさせないということを無意識にできるようにすべきです」そのための一番いい方法は、「上下の歯を離す」「上下の歯をリラックスさせる」などと書いた紙を、パソコン周辺など目に付くところに貼っておくことだという。金もかからず、自分ですぐできる。やってみよう。
              日刊ゲンダイ 2011.12.13

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