記事一覧

受け口(反対咬合) 早期治療必要な場合も

Q遺伝的な要素が大きい反対咬合について詳しく教えてください。
 A大きく分けて三種類あります。上下の顎のバランスには問題が少なく前歯のみが反対にかんでいる歯性タイプ②上下に顎が前後にズレており、反対にかんでいる骨格性タイプ③筋肉のバランスが悪く反対にかんでいる機能性タイプです。

 Q反対咬合の中にもタイプがあるのですね。
 A歯の傾きのみが、反対になっているタイプや筋肉のバランスが悪いケースなどでは、治療も比較的急ぐ必要もありませんが、早期に治療が必要となるのは上顎と下顎の大きさのバランスが悪い骨格性タイプの場合です。特に遺伝的な要素がある反対咬合では、成長期に下顎の発育が著しく、早期に顎の骨を切らなければならない手術が必要となる可能性が高くなります。
  反対咬合の治療は、各タイプによって治療方法や開始時期が異なりますので、詳しくは専門医に相談して適切なアドバイスを受けてください。
                福島民友 2011.11.28

歯科医院での言葉の勘違い

印象・バイト・マージン 治療も順調に進み、いよいよ歯の型を取りました。歯科医師とスタッフとの会話が聞こえてきます。「この患者さんの印象良くないね」と言っています。ドキッとしますが、悪口ではありません。「印象」とは英語「impression」(名詞)の訳で、「ひとつの物質をもう一つの物質の表面上またはその内部へ押さえつける行為」の意味であり、歯型を取ることをそのまま「印象」と呼んでいます。この場合は患者さんのことではなく、歯型がうまく取れていないことを伝えたのでした。

 続いて、上下の噛み合わせを取りました。今度は「バイトはOKだね」と聞こえてきます。「アルバイトがやるのは心配」と思うかもしれませんが、「バイト」とは英語の「bite」(名詞)で、噛み合わせのことを指します。

 次の治療日、技工物が完成して歯科医師が試しに歯に合わせた後、電話口などで歯科技工士に「マージンが不足しているよ」と注文をつけています。「ここの歯医者は技工士からバックマージンを取っているのだろうか」と不審に感じるかも知れません。しかしこれも英語「marjin」(名詞)で、「辺縁、輪郭」の意味で使われています。つまり技工物が指示通りの形をしていないとクレームをつけたのです。

 明治初期、西洋歯科医学が導入されましたが、米国人歯科医師の影響が強かったため、英語の直訳や発音が臨床現場で使われた名残ではないかと考えられます。

永久歯生える時期 歯並び 注意深く観察必要

永久歯が生える時期は、乳歯の場合と同様にかなりの個人差があります。約1年の遅れはしばしば見られますが、特に問題はありません。乳歯に重度の虫歯や外傷などがあった場合には、永久歯が生えてくるのが遅れます。混合歯列期は、小学校入学から卒業するころまでの時期とも重なり、精神発達や知的発達など、あらゆる面でまさに大人への適応の時期ともいえます。みにくいアヒルの子時代(混合歯列期)を経てどのような成鳥(永久歯列期)となるのか楽しみです。
                福島民友 2011.11.25

永久歯生える時期 歯並び 注意深く観察必要

永久歯が生える時期は、乳歯の場合と同様にかなりの個人差があります。約1年の遅れはしばしば見られますが、特に問題はありません。乳歯に重度の虫歯や外傷などがあった場合には、永久歯が生えてくるのが遅れます。混合歯列期は、小学校入学から卒業するころまでの時期とも重なり、精神発達や知的発達など、あらゆる面でまさに大人への適応の時期ともいえます。みにくいアヒルの子時代(混合歯列期)を経てどのような成鳥(永久歯列期)となるのか楽しみです。
                福島民友 2011.11.25

がんや全身疾患 前兆の場合も 原因さまざま口内炎 ③

これらの病気は口内炎との区別が難しく、発見が遅れがちだ。山崎講師は、口内炎になった場合、次のように助言をしている。①舌や頬をかんだり、歯が欠けてとがっていたり、入れ歯が合わないなど、口の中を傷つける原因があるかを確認する。②それがなければ傷に触らないようにして1~2週間様子を見る。アフタ性やヘルペス性の口内炎は通常、その間によくなる。痛みがある場合はステロイド軟こうなどを試してもよいが、症状が悪化したらやめる。③治らなければ、歯科(口腔内科・口腔外科)、耳鼻咽喉科、皮膚科で受診を。
                北海道新聞 2012.1.4

がんや全身疾患 前兆の場合も 原因さまざま口内炎 ②

高齢者に多い「カンジダ性口内炎(口腔カンジダ症)」もステロイドは逆効果。舌にコケがついて白くなるタイプや、舌や口の中が真っ赤になるタイプがあり、「赤くなるタイプは痛みが強い」そう。原因は誰もが持っている常在菌のカンジダ菌。抗生物質などの長期服用、薬の副作用で唾液が減って口の中が乾いたり、汚れた入れ歯を使っていたりすると発症しやすい。治療には抗真菌剤を使う。

がんや全身疾患 前兆の場合も 原因さまざま口内炎 ①

口内炎の中で最も頻度が高いのが「再発性アフタ」で、一般的には「アフタ性口内炎」と呼ばれているタイプ。唇や舌、頬の内側などに、赤く縁取られた白い円形の潰瘍ができ、痛む。1~2週間で自然に治るが、再発を繰り返すので厄介だ。ありふれた疾患だが原因はよく分かっていない。放置しても治るが、痛みが強いときは炎症を抑えるステロイドの軟こうや貼付剤などがよく使われる。このため「口内炎にはステロイド」と思っている人も多いが、「口内炎のタイプによっては症状を悪化させることもある」と山崎鈎歯は注意を促す。ヘルペスウイルスが引き起こす「ヘルペス性口内炎」は口の中に小さな水ぶくれができて破れ、ただれたり、潰瘍となったりして痛む。アフタ性口内炎と見分けにくいが、こちらはステロイドではなく、抗ウイルス剤の軟こうや内服で治療する。
北海道新聞 2012.1.4

「お正月は家で家族と過ごしたい」 チームの連携が、患者さんの願いを叶えました

看護師Mさんと78歳の患者さんのエピソードをご紹介します。
 進さん(仮名)が入院したのは去年の8月。軽度の脳梗塞のため、意識がはっ
きりしない状態でした。Mさんをはじめとする看護チームが必要だと考えたのは、
意識回復の手助けとなる口腔ケア。Mさんはさっそく計画を立てました。
まずMさんは、使用する用品と手技を統一。誰が担当しても同じ口腔ケアを提
供できる体制を整えました。そして毎日、口腔内に刺激を与えるために氷で清掃
し、ブラシで頬粘膜のマッサージを行なったのです。

 すると次第に意識がはっきりし、入院から3ヶ月経った11月には少しずつ会
話もできるように。そんなある日、進さんはこう言いました。
「お正月は家で家族と過ごしたい」
 目に涙を浮かべる進さんを見て、なんとか実現させたいと思ったMさんたち。
さらに熱心に口腔ケアに取り組みました。そして大晦日と元旦の2日間、外泊の
許可が出たのです! 
 新年を自宅で迎えた進さんは「人生で最高のお正月だった」とMさんたちに深
々と頭を下げました。

「各自の判断で口腔ケアをしていたら、上手くいかなかったかもしれません」
 そう振り返るMさん。全員が同じケアをできたことはもちろんですが、他の看
護師も「お正月には自宅に帰れるように」という気持ちを持って連携できたこと
がプラスになったといいます。この出来事をきっかけに、看護師の口腔ケアへの
意識がより高まったそうです。

過去ログ