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マイナカードによるオン資確認、2月は157万件

 厚生労働省の伊原和人 保険局長は3月17日の参院厚生労働委員会で、2月のマイナンバーカードによるオンライン資格確認の利用件数は157万件、昨年同月の利用件数は10万件だったとし「前年比で約16倍」と報告した。

 2月のオンライン資格確認の利用件数は、全体で9,000万件。このうちマイナカードによる確認の割合は1.7%となった。


【メディファクス】

高齢者の4割 口腔乾燥の自覚なし

「高齢者の4割が、唾液の量が少なくなっていることに気づいていない」- 岐阜県歯科医師会と県医師会、県薬剤師会、徳島大学大学院 医歯薬学研究部、日本赤十字豊田看護大学の研究グループが明らかにしたもので、「潜在的な口腔乾燥症(Latent xerostomia)」と名付け、注意喚起を促していこうとしている。

 この「潜在的な口腔乾燥症」と名付けたことにより、人々が唾液流量の低下を自覚するきっかけとなることに期待できるとし、口腔機能検査を積極的に取り入れる必要性について言及している。オンラインジャーナル「PLOS ONE」(3月3日)に掲載。

【歯科通信】

矯正歯科の意思決定支援AIツール

矯正歯科治療において抜歯は不可逆的な治療であり、最も重大で論争の的となる決定の1つである。一方、矯正歯科治療におけるこの種の判断は、「歯科医の経験に依存するところが大きい」という現実もある。米コネチカット大学の研究チームは、歯科医の意思決定を支援するAIモデルを開発している。

コネチカット大学の矯正歯科准教授であるMadhur Upadhyay氏らによって申請された特許によると、医学文献と専門家判断のネットワークを利用し、機械学習手法によって構築されたアルゴリズムは、矯正歯科医の評価に賛成か反対かを示し、もし否定的な結果であれば診断の不一致に至った原因を特定するため、歯科医に再考を促すというもの。

Upadhyay氏は「2人の矯正歯科医がいた場合、程度の差こそあれ、診断する患者の50%の部分は意見が一致しないだろう。皆が同じ文献を読んでいても、異なる解釈をしている。AIは文献の解釈を同化し、より正確な手法で解釈する作業を非常にうまくこなすことができる」と語った。

食べる速度が速い...「メタボ高リスク」です 福島県と医大分析

県と福島医大健康増進センターは28日、県民の生活習慣とメタボリックシンドロームとの関連についての解析で、「食べる速度が速い」「朝食を抜く」「毎日1合以上の飲酒」「習慣的な喫煙」がある人は、ない人に比べて5年後にメタボに該当するリスクが高まる傾向にあったと発表した。県は「食べ方の意識付けや、喫煙の健康影響などに関する普及啓発を進めていく」(健康づくり推進課)としている。

 解析は「県版健康データベース」事業の一環として、2015年度と20年度の特定健診データを活用。15年度に特定健診を受診しメタボに該当しなかった40~69歳のうち、20年度も特定健診を受診した9万9271人を調査した。「就寝2時間前の夕食」「運動習慣なし」など、八つの生活習慣の有無がメタボに関連するかを調べた。

 解析結果によると、対象者のうち11.5%が20年度にメタボに該当。リスクが高まる傾向が現れた四つの生活習慣の中でも特に喫煙による影響は大きく、喫煙がなければリスクを4.1%抑制できる結果になったという。

 県によると、先行研究では、特に食べる速度が速いことについてメタボや肥満との関連が示されているという。このため県は、食や禁煙方法などの各種啓発活動を通し、県民の健康指標改善を目指すとしている。

 このほか、特定健診を活用した特定保健指導の効果についても解析。指導を受けた人の体格指数(BMI)や胸囲といったメタボの構成因子が改善しやすいなど、個人への効果がみられるとの結果が出た。また、市町村別で分析した地域への効果については、指導の実施率との関連は見られなかったという。県は「県民の健康行動につながりやすい取り組みや環境整備を進めていく」としている。

尿中ビスフェノールA(bisphenol A:BPA)と自閉症症状について

Prenatal exposure to bisphenol A and autistic- and ADHD-related symptoms in children aged 2 and 5 years from the Odense Child Cohort.

Environ Health. 2021; 20: 24.

 Hansenらは、デンマーク・オーデンセ市の児童コホートを用いて、胎児の母胎内でのBPA暴露と出生後の精神症状について調査しました。対象は、2010-12年に妊娠16週前に妊娠の診断を受けた女性のうち、研究への同意が得られた2874例で、妊娠26-34週の尿中BPA濃度を測定しました。

 出生児の精神症状は、2歳時と5歳時に子どもの行動チェックリスト(Child Behavior Checklist:CBCL)を用いて評価しました。CBCLにはDSMの自閉症の診断基準に関連する13の質問項目があり、各質問に「0:当てはまらない、1:やや当てはまる、2:当てはまる」で回答するため、自閉症得点として0-26点の点数が付けられます。

 その結果、658例から尿検体と2歳時のCBCL回答が得られ、427例から尿検体と5歳時のCBCL回答が得られました。尿検体の85.3%からBPAが検出され、中央値は1.2ng/mLでした。妊娠中の母親の尿中BPA濃度によって対象児を3群に分けると、尿中BPA濃度が最も高い上位1/3のグループは、最も低い下位1/3のグループに比べ、5歳時の自閉症得点が23%高くなりましたが、P=0.07で、傾向は見られたものの有意差は認められませんでした。また、BPA濃度上位1/3のグループは、下位1/3のグループと比べ、自閉症得点の上位1/4に入るリスクが1.80倍高くなりました(P=0.06)。

世界の自閉症の推定有病率は1.5%

近年、うつ病やADHDだけでなく、自閉症も増加しています。2009年に報告された米国カリフォルニア州の自閉症有病率を調査した研究によれば、出生1万件当たりの5歳までの累積自閉症診断率は、1990年出生では6.2(0.062%)でしたが、2001年出生では42.5(0.425%)となり、上昇傾向にあるといいます1)。

 2012年に報告された自閉症と広汎性発達障害の系統的レビューでは、世界各国の報告から算出した自閉症スペクトラム障害の有病率は中央値で1万人当たり62例(0.62%)とされています2)。この系統的レビューには、2008年にKawamuraらが報告した愛知県豊田市のデータ3)が組み入れられており、日本は1万人当たり181例(1.81%)と世界の有病率の中央値よりも高くなっています。

 2018年に報告された米国のデータでは、11州で2012年の自閉症有病率を調査したところ、1000人当たり14.5例(1.45%)であったと報告されています4)。現在は、少なくとも先進国での自閉症有病率は1.5%5)と考えられています。

 知的障害、自閉症、ADHDの増加には、児の出生時の父母の高齢化(『第13回 ADHDの実数としての増加とその生物学的機序』参照)以外にも、さまざまな生物学的要因が関与しています。その中の一つとして、今回は自閉症の増加とビスフェノール類の関係について考えてみたいと思います。

返戻に含まれたメッセージ

返戻は、「理由が明確になり、納得できるものであれば査定しませんよ」というメッセージを含んでいます。審査委員も臨床医ですので、必ずしも査定することを目標としているのではありませんし、適切な保険診療は査定したくないのが本音です。つまり、返戻とは審査委員が垂らした“蜘蛛の糸”のようなものなのです。

 私が審査することが多い外科の症例で、「なぜそのような手術術式を選択したのですか?」「なぜそのような診療材料を使用したのですか?」などと返戻をすることがあります。質問に対して適切な回答を返していただければ、査定しないで済みます。適切なご回答をいただけることもありますが、手術記録や退院サマリーをそのまま送り返してくるのみの医療機関もあります。まるで「返戻のコメントは面倒くさいので、審査委員も医者なら、これを読んで判断してよ」と丸投げされているような気になります。

 自分も審査に関わる以前は、返戻は面倒くさいと思っていたような気がしますが、審査委員からすれば、救うために垂らした蜘蛛の糸なのです。ぜひ、その糸を切ってしまわないような対応をお願いします。

歯の健康づくりの司令塔に 大分県が「口腔保健支援センター」新設へ

県は新年度、県庁内に「県口腔(こうくう)保健支援センター」を新設し、県民の歯の健康に力を入れていく。大分は12歳の虫歯の数が全国で2番目に多く、20歳以上の定期的な歯科健診受診率も低水準にとどまっている。全世代に応じた対策を強化し、他の病気の誘発を防いで健康づくりにつなげたい考えだ。

 センターは県庁別館4階の健康づくり支援課に設ける。現在歯科医師1人が在籍しており、歯科衛生士1人を増やすことで国が定めた設立要件を満たす。歯科保健の人材を育成し、保健所や市町村への指導・助言の役割を担う。

 妊婦に歯周病があると早産や低体重児出産のリスクが高まるため、県内全ての歯科医院で適切な治療や健診を受けられるように研修会で徹底を図る。医療関係者向けの対応マニュアルも作成する。

 1歳前後の子どもの保護者向けには出前講座を企画し、早期の虫歯予防を意識付ける。事業所経営者の研修会も実施し、成人の歯科健診受診率を高めていく。

 県内の12歳の虫歯率(2021年度)は42・7%で、1人当たりの虫歯は1・2本。ともに沖縄に次いで多い。県の調査(16年度)では20歳以上の定期歯科健診受診率は26・5%で、目標の70%を大きく下回る。

 広瀬勝貞知事は10日の県議会本会議で「センターが核となって、市町村や歯科医師会、歯科衛生士会と連携し、全世代の歯の健康づくりを推進していく」と述べた。今吉次郎氏(自民)の一般質問に対する答弁。

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