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歯科医院の倒産

日本全国にある歯医者、いわゆる歯科診療所は、2024年10月時点で6万6378施設あるとされており、これは、セブン−イレブンやローソン、ファミリーマートなどのコンビニの店舗数を合計した5万6149店(2026年2月時点)を上回っている。

 日本では1960年代から1980年代にかけて歯科医療を受ける人が増え、それに合わせて歯科大学や歯学部が次々と設立された。その結果、歯科医師の数も増えた。

 一昔前は虫歯の治療が中心だったが、現在では治療だけでなく、予防や審美へと歯科医療のニーズが広がっている。一般歯科のほか、矯正歯科や審美など、専門の分野にわかれて診療を行う歯科診療所も増えている。

 そうした患者のニーズが広がる中で、専門分野ごとに独立して開業する歯科医師が増え、歯科診療所の数は「コンビニより多い」と言われるほどになった。

 しかし、現在その歯科診療所が厳しい状況に置かれている。

 東京商工リサーチの調査によると、2025年度に倒産した(負債1000万円以上)歯科診療所と歯科技工所は合わせて39件にのぼり、前年度より56.0%増えた。これは、2006年度以降の20年間で最も多い数字だ。

■支援がなくなった

 この調査を担当した東京商工リサーチ情報本部経済研究室の箕浦百合花さんは、こう話す。

「倒産の内訳を見ると、39件のうち33件は個人企業でした。また、負債額で見ると、39件中24件が1000万円以上5000万円未満となっています」

 もともと歯科診療所や歯科技工所は、小規模な事業者が多い業界だ。今回倒産した39件のうち、個人企業ほかを含む資本金が1000万円未満の事業者は38件にのぼった。

「新型コロナの影響があった時期は、どの業界でも支援策、いわゆるゼロゼロ融資によって倒産が抑制されていました。歯科業界も同じで、歯科診療所の倒産件数は2022年度まで年度10件台後半で推移していました。しかし、その支援策が終了し、支援がなくなったことで、2023年度以降に倒産が増える結果になりました」

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