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「要介護度改善」で報酬 サービスの質向上促す 「暮らしコンパス」自治体による介護施設支援

高齢者の要介護度を改善させた施設に"成功報酬"を支給する自治体が出ている。サービスの質の向上を促すとともに、職員の意欲を高めてもらうことが狙いだ。背景には、現在の介護報酬の仕組みが施設のこうした努力を反映しにくいことなどがある。

 ▽運動で改善

 「丁寧にやってくれるのが、ええのよ」。滋賀県近江八幡市のデイサービス施設「アシストケアクラブ近江八幡」に通う松山景子(まつやま・けいこ)さん(72)は、平行棒につかまって歩行訓練をしながら、笑顔をみせた。

 閑静な住宅街の一戸建て民家をリフォームし、広さは約100平方メートル。デイサービスは、カラオケや軽い体操、工作など施設によってさまざまなメニューが提供される。アシストケアクラブ近江八幡は筋力を高める器具を使った運動が中心だ。

 施設側が利用者一人一人に合った訓練の計画書を作成し、きめ細かくケアするのが特徴。午前、午後にそれぞれ8人を受け入れている。利用者はスタッフからアドバイスを受けて約3時間、体を動かす。松山さんは通い始めてから要介護度が1段階改善した。

 滋賀県は、要介護度の維持や改善につながる取り組みをした通所型の介護施設に対し、交付金を支給する制度を2012年度から開始。20施設を選び、定員一人につき月額1万円を1年間支給する。

 12年度に維持、改善の成果が最も挙がったのがアシストケアクラブ近江八幡だった。施設の責任者である青山剛(あおやま・たけし)さんは「人件費がかかるので、交付金はありがたい」と話す。

 ▽努力の評価を

 介護保険制度は、高齢者の身体の状態などに応じて介護の必要度を、軽い方から「要支援1、2」「要介護1~5」と計7段階に分ける。現在の介護報酬の仕組みでは、利用者の要介護度が重いほど介護の手間がかかるとの理由で、施設の報酬が上がる。関係者からは「要介護度が改善して高齢者の自立につながる取り組みをしても、報酬で評価されないのはおかしい」との声が強い。

 滋賀県のような取り組みは他の自治体にも広がる。東京都品川区は特別養護老人ホームなどを対象に、13年度から奨励金交付事業を開始した。担当者は「要介護度の改善は職員の努力の証拠」とした上で「費用は区の一般財源から捻出している。国が介護報酬で手当してくれるようになればいいのだが」と話す。

 ▽全国一律に慎重

 だが、厚労省は"成功報酬"を介護保険制度に取り入れ、全国一律で実施することには慎重だ。担当者は「施設が要介護度の改善しそうな人だけを受け入れるようになる懸念がある。改善だけを施設の質の評価基準とするのは課題が多い」と指摘する。

 岡山市は要介護度の改善だけでなく、職員研修の実施状況などの評価項目を決め、優良なデイサービス施設を財政的に支援する検討を始めた。同市はデイサービスなどを提供する施設が多いが、サービスの質にばらつきがあるとの危機感を持っている。

 政府が25年までに構築を目指す「地域包括ケアシステム」は、高齢になっても住み慣れた地域や住まいで暮らせることを目指す。できるだけ長く在宅で生活するためにもデイサービスの需要はさらに高まるとみられる。

 岡山市の担当者は「事業者のやる気につながる仕組みを作りたい。高齢者の要介護度が改善すれば、結果として介護サービスの利用が減り、介護にかかる費用を減らすことができるのではないか」と話している。

インフルエンザ猛威を振るう 田村厚労相も罹患

2月に入って流行が全国で本格化しているインフルエンザであるが、
3日には田村憲久厚生労働相が、厚労省内の診療室で、インフルエンザ
と診断された。8日に復帰するまで自宅安静となり、その間の公務は、
佐藤茂樹、土屋品子両厚労副大臣が務めた。同省人事課によると、同
日午前中に国会内の診療所で検査した際は陰性だったが、衆院予算委
員会終了後、省内診療室で再び検査したところ、陽性反応が出たとい
う。厚労相は、身を挺してインフルエンザの流行に警鐘をならしたか
たちとなったが「手洗い、マスクなどを含めて対策、予防はしっかり
していただければありがたい」と注意を呼び掛けていた。

初診料120円増了承 消費税8%で4月から 中医協、再診30円上げ

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は5日、総会を開き、2014年度の診療報酬改定で、病院や診療所に支払う初診料を120円増の2820円とし、再診料は30円増の720円にする厚労省の案を了承した。

 4月に消費税率が8%に引き上げられるのに伴う措置。患者はこのうち原則1~3割を窓口で負担する。治療の"基本料金"が値上げになり、影響は幅広い層に及ぶ。

 増税で医療機関は薬や機器の仕入れコストが増えるが、収入に当たる診療報酬は非課税。患者に直接転嫁できないため、初・再診料を引き上げる。入院基本料も2%程度増額する。

 歯科では初診料を160円増の2340円、再診料を30円増の450円とする。調剤基本料は現在、400円と240円の場合があるが、いずれも10円引き上げる。

 これまでの中医協の議論では、日本医師会などが厚労省案を支持する一方、負担が増える健康保険組合などが増額幅の圧縮を求め反発してきた。このため、この日の総会で有識者ら「公益委員」が厚労省案で対応すべきだと裁定した。

 診療報酬改定では、消費税増税対応として1・36%分を引き上げると決まっている。約5600億円に相当し、うち約2600億円を初・再診料などの引き上げに回す。

第14回 ケアカフェあさひかわ

日時:2月13日(木)18:30~20:30
場所:旭川市市民活動交流センター ココデ
テーマ:音

第65回在宅ケアを育む会 定例会

日時:平成26年2月12日 午後7時~8時45分
場所:旭川市市民活動交流センター ココデ旭川 2階 会議研修室
演題:あなたの知らないディサービス

入居者ら18人感染性胃腸炎 3人入院、北海道・旭川

北海道旭川市は6日、市内のグループホームで、入居者や職員計18人が嘔吐(おうと)や下痢などの症状を訴え、うち2人から感染性胃腸炎の原因となるサポウイルスを検出したと発表した。18人のうち80、90代の入居者3人が入院したが、1人はすでに退院し、他の2人も快方に向かっている。

 市によると、1月27日から今月2日にかけて発症した。発症に時間差があることから、食中毒ではないとみられる。

食物繊維でリスク減 「医療新世紀」

穀類、野菜、果物、海藻に豊富な食物繊維の摂取量が多いほど心血管疾患のリスクは低いとの研究結果を英リーズ大のチームが英医学誌BMJに発表した。

 チームはこれらの病気と食物繊維の関係を最低3年間追跡調査した研究で、1990年から2013年にかけ発表された論文22本を解析した。この中には日本発の論文も含まれている。

 その結果、食物繊維の摂取が1日当たり7グラム増えると、病気のリスクが9%低くなるという関係が明らかになった。

 食物繊維のタイプ別に分析すると、穀類や野菜などに多く含まれる不溶性食物繊維でリスクとの関連が強くみられた。

レモン食べると肥満防止効果、中性脂肪を抑制

田中教授は、レモンが多用される地中海料理を食べる人たちに肥満や循環器疾患が少ないとする欧米の医学論文に着目。遺伝子配列がヒトと似ている熱帯魚のゼブラフィッシュを複数のグループに分け、エリオシトリンを加えた餌などをそれぞれ4週間投与して肥満との関係を調べた。

 通常の餌を与えたゼブラフィッシュでは、血液1デシ・リットル当たりの中性脂肪が平均約400ミリ・グラムだったが、高脂肪の餌を与えたゼブラフィッシュは同約600ミリ・グラムとなった。

 一方、高脂肪の餌にエリオシトリンを混ぜて与えた場合は、同約400ミリ・グラムに抑えられた。

 ヒトの肝細胞を使った実験でも、エリオシトリンが脂肪の蓄積を抑制することや、細胞内でエネルギーを作るミトコンドリアが活性化されることも確認された。読売新聞 2014年2月4日(火) 配信

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