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私立歯科大・歯学部、受験者全員合格校も

大幅な定員割れが問題になっている私立歯科大・歯学部で、今春も全国17校のうち10校が定員を満たさなかったことが、文部科学省の調査でわかった。

 半数を超える大学の定員割れは3年連続で、全体の競争倍率も1・52倍と低く、「大学によっては質的に一定レベルの入学者が確保できていない」との指摘も出ている。

 入試結果は、25日に開かれた同省の「歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」で報告された。それによると、私立の入試は一般、推薦などを含め、入学定員1825人(前年度比66人減)に対し、4393人(同75人増)が受験、合格した2896人(同72人減)のうち、1524人(同35人増)が入学した。

 昨春に比べて、定員割れした学校数は1校減。今春は、5大学で定員を削減したこともあり、全体の定員充足率も83・5%と5ポイント改善した。各校別にみると、最も充足率が低かったのは、奥羽大で25%。北海道医療大、神奈川歯科大、松本歯科大も充足率が6割を切った。国公立では、東北大だけが定員割れした。

 また、競争倍率が、十分に選抜機能が働くとされる2倍を下回った大学は14校に上った。6校が1・1倍以下とほぼ無競争に近い状態で、松本歯科大は81人の受験者全員が合格していた。

仮設歯科診療所 実効性ある運用確保を

日歯は5月11日(水)、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県歯の箱崎守男会長、宮城県歯の細谷仁憲会長、福島県歯の金子振会長とともに厚労大臣室を訪ね、5月2日(月)に成立した第一次補正予算における仮設歯科診療所の整備を実施するに当たり、建物を新たに建設せずに仮設歯科診療所とする場合、歯科診療に必要な設備や機材の整備が事業の対象となるよう配慮することなどを細川律夫厚労大臣に要望した。
            日歯広報 2011年(平成23年)5月15日

(佐賀)「歯10本以上で認知症予防効果」

75歳以上で身の回りのことを一人でできる人(自立高齢者)のうち、歯が10本以上残っている人の割合は、認知症の場合より2・2倍高いことが、県歯科医師会の調査でわかった。同会では、早めの口腔(こうくう)ケアが認知症予防に効果があるとみて、関係機関と連携して啓発を進めている。

 県歯科医師会は2008年から10年にかけて、県内の75-84歳の計682人(男性278人、女性404人)を対象にアンケートを実施。このうち、自立高齢者は587人で、認知症の人は95人。認知症のため自ら説明できない人には、介護者から聞き取りした。

 その結果、歯が10本以上残っている人は、自立高齢者が49・6%だったのに対し、認知症の人は半分以下の22・1%にとどまった。「硬いものがかめるか」という質問でも、「かめる」と答えたのは、自立高齢者が70%で、認知症の人は40%。自立高齢者の65・4%は入れ歯をしているが、認知症の人は35・8%と低かった。

 同会では、実際にそれぞれの口腔状態を調べたうえで、北九州市にある九州歯科大の柿木保明教授(摂食機能リハビリテーション学)にデータの分析を依頼。柿木教授は「要介護度が進んでいる人ほど、口腔機能が低下していた。認知症の進行とも因果関係があると推測される」との見解を示した。

 結果を踏まえ、歯科医でなくても、口の中の清潔度や病気などを確認できるチェックシートを1500部作成し、県内の保健所や介護施設などに配った。

 中心となって調査を進めた歯科医の服部信一さん(59)は「早期に虫歯や歯周病の治療を行ったり、入れ歯を入れたりして、かむ機能を維持すれば、認知症の予防をしたり進行を遅らせたりできる可能性がある。高齢者に歯の定期健診を受けることや早めのケアを促したい」と話している。
2011年5月22日 提供:読売新聞

北海道における摂食嚥下障害対策に関する現状

介護保険制度は、制度施工後見直しが行われ、高齢者の生活機能の低下を未然に防止し、生活機能を維持・向上させるための介護予防を推進するなど、高齢期もしくは保健福祉サービスのあり方も大きな転換期を迎えている。
 今回の介護保険制度の見直しにおいて、介護予防事業の推進が重視されているが、高齢者の生活機能の低下を予防する上で、「食事」に大きな関わりがあり、摂食嚥下機能の改善等を目指した「口腔機能の向上」が介護予防の新たなサービスとして位置づけることとなった。
 人は食事によって生命活動を維持している。その食物を取り込み、胃に送り込むための一連の流れ(経過)が摂食嚥下である。この食べる機能の障害すなわち摂食嚥下障害は、誤嚥性肺炎や窒息の危険、脱水や低栄養の危険をもたらすばかりでなく、人間の基本的な欲望である「食べる喜び」が奪われ、その人のQOL(Quality Of Life)が著しく低下する。
 高齢者の摂食・嚥下機能の低下は、低栄養の重要なリスク因子であり、ADL(Activites of Daily Living:日常生活動作)や認知機能との関連が指摘されているか、免疫能の低下による気道感染や肺炎等の感染症発症の危険因子となっており、医療、リハビリテーション、介護など、高齢者の住宅・施設でのケアにおいて大きな課題となっている。
 特に、脳卒中等の中途障害後に、摂食嚥下障害が数多く認められており、今後、患者の増加が推測される。
 しかし、摂食嚥下障害に関する医療技術の歴史は新しく、摂食嚥下機能の検査、診断、訓練を行える施設、専門家は少ないことに加え、摂食嚥下障害対策に取り組んでいる機関・施設等についての情報は、集約化されていない状況にある。

あなたの「歯ぎしり」をチェック!

あなたの「歯ぎしり」や「噛み締め」をチェックするテストです。下記の項目に当てはまる場合は〆を。

 レッドゾーン
   □歯ぎしりをしていると、家族から指摘されたことがある
   □集中しているとき、緊張しているとき、無意識のうちに噛み締めていることが多い
   □歯科医院で「歯ぎしりや噛み締めをしていませんか?」と聞かれたことがある
   □事故やケガを除き、歯が割れた(折れた)ことがある
   □頬の内側の粘膜や舌の周辺に歯の跡がついている
   □歯がかなりすり減っている
   □肩こりがひどい
   □頭痛があることが多い

 イエローゾーン
   □詰め物がたびたびはずれる
   □犬歯やその前後の歯の先端が極端にすり減っている
   □朝起きたときに、口の周囲にこわばりがある
   □下あごの内側に、歯茎が硬く隆起しているところがある
   □歯の付け根がくぼんでいる
   □虫歯でもないのに、しみることがある(知覚過敏)
   □あごの関節に痛みがあったり、カクカク音がなる
   □エラが張っている
   □ストレスがたまりやすい

 判定
  レッドゾーンのチェック項目に〆印が3つ以上ある場合は、ほぼ「歯ぎしり」をしていると判断できます。また、レッドゾーンに〆印が1つ以上あり、イエローゾーンにもチェック印が3つ以上ある場合、歯ぎしりをしている可能性が高いでしょう。

骨再生で楽にインプラント

東京医科学研究所は31日、歯を失った後、衰えて小さくなった顎の歯槽骨を再生してインプラント治療を容易にする臨床研究を、近く実施すると発表した。従来は自分の腰や顎などの骨を移植していたが、実用化すれば患者の負担が軽くなる。
                  中日新聞 2011.4.1

胃ろう 利点と課題 患者の負担少なく、誤えん予防/取り外し難しく

口から食事をとれなくなった時、胃につながる管をつけ栄養補給する「胃ろう」。鼻から管を通す方法に比べ患者の負担が小さいといわれる一方、「一度つけたら外すのは難しい」との指摘もある。老親を介護する時、医師から胃ろうの取りつけを求められ、戸惑う家族は少なくない。胃ろうをつける時に知っておきたい背景や知識をまとめた。【有田浩子】

 広島市の学校講師の女性(51)の義父(80)は昨夏、脳の手術で入院し、鼻から管を入れて栄養をとり続けてきた。女性と義母(75)は、口から食べる訓練をしてほしいと医師に何度か頼んだが、「飲み込むときに誤って気管支に入ると肺炎になるおそれがある」として、断られた。

 その後、医師や看護師は「鼻から管を入れ続けているのは本人にとってつらい」などと、胃ろうを取りつけるように繰り返し勧めるようになった。ものを飲み込む「えん下」の機能を調べたところ、液体も固体も飲み込むことができた。しかし、病院側は「99回成功したとしても1回でも誤えんがあってはダメだ」と説明して、口から食べる訓練をしようとしなかった。

 義父は義母と2人暮らし。義母も体が弱く、退院しても自宅で義父の世話をするのは難しい。女性も当時は実父が入院して、義父の介護は不可能だった。病院からは早期の退院を求められ、「胃ろうにすれば退院後の施設の選択肢が広がる」との説明も受けた。結局、2月末に胃ろうを取りつけて、3月末に退院した。現在は、老人保健施設に入所している。

 胃ろうにしてからは、経鼻栄養の管がはずれないように固定されていた両手を動かすことができ、会話もできるようになった。女性は「選択は間違っていなかったと思う」と自分に言い聞かせているが「義父が口から食べたいと言い始めたら、どうしたらいいのか」と戸惑いも口にした。

歯周病菌 動脈硬化悪化の因果関係、遺伝子レベルで証明 新潟大

歯周病菌が動脈硬化を悪化させることの因果関係について、新潟大歯学部の山崎和久教授(歯周病学)の研究グループが、遺伝子レベルでの証明に成功した。19日(日本時間20日)の米科学誌プロスワン電子版に発表する。

 山崎教授らは実験用マウスに週2回、歯周病菌を投与。一定期間経過後に肝臓や血管の組織を調べたところ、動脈硬化のリスクを減らす善玉コレステロールを生み出す遺伝子の発現量が低下していたことが判明した。

 また、動脈硬化を起こしているマウスへ同様に菌の投与を約5カ月間行い、動脈の内側を調べたところ、菌を与えていないマウスでは病変の面積が6%だったのに対し、投与したものでは45%に拡大したという。

 山崎教授は「歯周病が動脈硬化を悪化させることはこれまでも統計調査などで明らかになっているが、遺伝子レベルで証明したのは世界初。歯周病の予防や治療で動脈硬化の発症が抑えられ、医療費の抑制にも結びつく」と話した。
2011年5月20日 提供:毎日新聞社

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