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生活困窮者支援の戦略策定 特例解消12年度から厚労省 基礎年金50%は消費税 「社会保障と税」

社会保障と税の一体改革で厚生労働省がまとめた社会保障制度改革案が4日、明らかになった。見直しが求められている生活保護制度では、生活困窮者対策と生活保護制度の見直しを総合的に行う「生活支援戦略」(仮称)を来年秋をめどに策定することを盛り込んだ。5日に開かれる厚労省の社会保障改革推進本部で正式決定する。

 年金制度では、本来より2・5%高い公的年金支給の「特例水準」を解消する措置を「来年度分から実施する」として、関連法案を2012年の通常国会に提出すると明記した。

 これまで「埋蔵金」などで確保されてきた基礎年金の国庫50%負担は、一体改革で税率が引き上げられる消費税の増収分で財源を確保するとした。

 医療が高額となるがん患者などの負担を軽減する「高額療養費制度」の拡充や後期高齢者医療制度の見直しなどは、12年の通常国会に向け、関係者と協議し、引き続き検討するとした。

 介護職員の給与水準の維持を目的とした、健康保険組合を持つ主に大企業の従業員の介護保険料引き上げについても、12年の通常国会法案提出に向け、引き続き検討するとしている。

 生活保護制度をめぐっては、受給者が205万人を超え過去最多となり、就労支援と連携した対策が求められていた。厚労省案では、生活困窮者の支援実施のために国の中期プランを策定し、生活自立支援サービスの体系化や民間非営利団体(NPO)の育成、多様な就労機会の創出などにも取り組むとしている。
共同通信社 12月5日(月) 配信

おいしい食事の大切さ=當瀬規嗣 真健康論

毎日の食事をきちんと取ることは、健康で暮らしていくための必要最低限の条件です。食事をきちんと取るためには、食事がおいしくなければなりません。おいしい食事とは、もちろん味が良いことです。

 味を識別するしくみを味覚といい、食物の成分に反応して、それが「食べるべきもの」であるか、「食べるのは避けるべきもの」なのかを判別します。舌の表面やのどの奥には、食べ物の成分に反応して味を識別する味蕾(みらい)と呼ばれる器官が並んでいます。これによって識別される味は甘み、塩味、うまみ、酸味、苦みの5種類と考えられます。

 このうち、甘みは3大栄養素である糖分、アミノ酸、脂肪から感じ取られる感覚です。また、うまみは主にアミノ酸から感じ取られるものです。塩味はこれまた体に必要なナトリウム(いわゆる塩分)やカリウムなどの電解質から感じ取られる感覚です。この三つの味は、体に必要なものを判別するためのものなのです。ですから人はこの三つの味を好みます。

 一方、酸味は食べ物が酸性となって感じます。酸っぱいものは、腐敗を意味するので、本来は警告の味です。苦みはお焦げや薬草などの味で、本来は「毒物」を示唆する味でした。なので、人は酸味と苦みを避ける傾向があります。

 論より証拠、赤ちゃんに酸っぱいものや苦いものを与えると、顔をしかめ拒絶します。ところが、大人になると酸味や苦みに慣れてきて、むしろそれを好むようになります。苦いコーヒーを飲んで「うまい」とつぶやくのです。

 甘い食べ物だからといって必ずしもおいしいとは限らないことは十分ご承知でしょう。これらのことは、味覚が五つの味の組み合わせだけで形作られるものではなく、その人の経験や感情などが強く影響するということを示しています。

 つまり「おいしさ」は、五つの味の判定を総合して、さらに記憶や経験、その時の体調などが影響した結果、感じ取られるものなのです。おいしさを感じられると、栄養素が来たと体が判定して消化吸収も盛んになります。単に三度の食事をするだけでなく、食事をおいしく食べられるということが、健康の基本です。
毎日新聞社 12月4日(日)

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