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CAD/CAM冠 第二大臼歯と第一大臼歯治療成績に「有意差なし」

保険適用外の第二大臼歯へのCAD/CAM冠の治療成績は、第一大臼歯への治療成績と同様だった。東北大学大学院歯学部研究科の原田章生 助教と江草 宏 教授らが、CAD/CAM冠を装着した362本の大臼歯について、最長4年間の経過を調査した結果によるもので、全ての奥歯に適用できる可能性が示唆された。

 研究では、装着された大臼歯CAD/CAM冠を対象にトラブル発生までの期間を、診療録を使って調査した結果、冠の装着部位による有意差は認められなかった。また、生活歯への適用は失活歯と比べリスクが高い可能性や、接着性レジンセメント以外のセメント使用がトラブル発生に関連する可能性も示唆された。

 研究チームは「CAD/CAM冠の保険適用範囲が今後全ての大臼歯に拡大されることを前向きに指示するもの」と述べている。

【歯科通信

歯科用貴金属告示価格 5月に緊急改定へ

 ウクライナ情勢下でのパラジウムなどの素材価格の急騰を鑑みて、歯科用貴金属の告示価格が5月に緊急改定される。13日の中医協総会で承認されたもので、「歯科鋳造用金銀パラジウム合金」は診療報酬改定時に1g 3,149円となったが、5月から3,413円となる。

 歯科用貴金属は、9品目全て4月改定時より公示価格が引き上げられることになる。総会では「ウクライナ情勢などの影響により、歯科用貴金属も過去に例を見ない急騰があった。歯科医療機関の負担が増大して、7月までの随時改定を待たずに何らかの対応を求める声が現場に多くあった」と説明。

 事務局から示された案については、「現場の声に沿うものとして賛同したい」とする一方で、現場が混乱しないよう周知の徹底を求めた。

【歯科通信】

長沼町で開業

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長沼町立病院の院長だった倉敏郎先生が、長沼町で開業されました。
胃瘻など消化器内科で著名な先生です。高校のクラスメートです。

歯科情報のデータベース化

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災害での身元特定、医療高度化に活用

コロナ禍、障害者の日常は? 県、動画をユーチューブで公開

県は、新型コロナウイルス禍における障害者の暮らしの苦労を紹介する動画を作成し、インターネット上で公開している。感染対策に取り組む「新しい生活様式」の導入で新たな不自由が出てきていると説明し、必要な支援の内容も示している。

 動画は約二十分間で、動画サイト「ユーチューブ」に投稿した。動画クリエーターで車いす利用者の寺田ユースケさんがガイド役として登場し、障害別に不自由が生じる事例を紹介している。

 視覚障害では、施設入り口などに置かれた消毒液の位置が分かりにくいことや、店員がおらず機械で会計する「セルフレジ」は使いづらいことなどを説明。聴覚障害では、マスク着用で口元が見えないと話し掛けられても気付きにくいこと、発達障害では感覚過敏でマスクを着用できない人もいることを示した。

 事例ごとに声掛けなどの対策も紹介した。寺田さんは動画で「感染対策は必要だがコミュニケーションの障害になっている。人との距離を保つことが求められる中で、見知らぬ人に手を貸すのは勇気がいるが、困っている人には声を掛けて」と求めた。

 動画は「静岡県『心と社会のバリアフリー』」というタイトルで、県障害福祉課のチャンネルに投稿されている。動画の序盤では、障害者差別解消法を解説している。

銀歯公定価格8%値上げ 5月、ロシア侵攻で高騰

 厚生労働省は13日、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、歯科の治療に使う銀歯の材料パラジウムの価格が高騰していることを受け、医療機関が銀歯を使った場合に受け取る「公定価格」を5月に緊急で約8%引き上げることを決めた。窓口負担3割の患者の場合、1カ所の銀歯治療につき数十~数百円程度の負担増につながるとみられる。

 同日の中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)で了承された。医療機関が仕入れる際の市場価格が急騰し、公定価格で採算が合わない事態が発生していた。

 5月の公定価格見直しで現在の1グラム当たり3149円を8・38%上げ、3413円とする。

 希少金属のパラジウムはロシアが主要産地で、ウクライナ侵攻により供給不安が高まった。

 医療機関は銀歯を使うほど赤字に陥るのに、公定価格の見直しは年4回(1、4、7、10月)で、価格変動に対応できていなかった。

ウクライナへの支援のための義援金募金のお願い

日本歯科医師会では、ロシアからの軍事侵攻を受けているウクライナ国民へ対する人道支援のため緊急に義援金を募っております。


 下記により受け付けておりますので、趣旨にご賛同いただける方の協力をよろしくお願いいたします。


○募金口座
銀 行 名:三菱UFJ銀行 市ヶ谷支店
口座番号:普通預金 0161631
口座名義:公益社団法人 日本歯科医師会 義援金口
シャ)ニホンシカイシカイ ギエンキングチ
*手数料は各自ご負担をお願いいたします。

○受付期間
令和4年3月16日(水)~令和4年4月28日(木)

○その他
*税務上の控除対象とはなりません。
*領収証が必要な場合は日本歯科医師会会計部門にお申し出ください。
 (TEL 03-3262-9324)
*現時点では日本赤十字社への寄附を予定しております。

虫歯治療にも侵攻の影響、銀歯材料の輸入元4割がロシア…歯科医院「治療費は上がるだろう」

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、価格高騰の波が埼玉県内の歯科医療にも押し寄せている。ロシアへの経済制裁などによる供給不安を背景に、値上がりしているのが希少金属のパラジウム。虫歯の治療で使われる銀歯の材料で、輸入元の約4割がロシアだ。

 取材に応じた県北部の歯科医院は、パラジウム合金の価格を日々確認して安い時に仕入れていたという。だが、男性院長(48)は「30グラムで5万円台だったのが8万円台になり、買い控えている」と話す。

 保険診療の報酬は定額で、材料費が膨らんでも歯科医院側の収入は変わらず、赤字を覚悟する必要がある。院長は今月から、銀合金の使用を患者に説明している。強度は落ちるが価格は3分の1で、パラジウム合金の在庫も温存できるからだ。

 高騰した価格を踏まえた診療報酬は7月に改定されるため、患者の窓口負担にも影響が及びそうだ。院長は「パラジウム合金を使った治療費は上がるだろう」と見込んでいる。

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