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こども歯みがき教室

 内容 講話、個別歯磨き指導
 日時 4月24日(月) 午前10時から
 場所 健康相談室(第二庁舎3階)
 対象 3歳以下の乳幼児と保護者
 定員 6組
 申込 健康推進課 ℡25-6315

受動喫煙は歯の健康も脅かす

歯科医師 原田尚也(北海道 65)

 公共の場での屋内全面禁煙を、と訴える社説「たばこ対策 五輪にともる黄信号」(17日)に同感である。私は歯科開業医だが、40年近く臨床を経験するなか、喫煙はもちろん受動喫煙が、口の中の健康に悪影響を及ぼす症例を多く見てきた。

 歯茎が黒くなっている小児患者は、親がヘビースモーカーという例が多い。副流煙に含まれるタールが沈着している可能性が強いと思われる。以前、真面目に治療に通ってくるのになかなか歯周病が改善せず、歯茎が黒い非喫煙の患者がおり、よく聞くと職場の同僚のほとんどが喫煙者だった、という例にも出合った。

 ニコチンは血管を収縮させ末梢(まっしょう)血液の循環量を減らし、細胞の新陳代謝を妨げることから歯周病を進行させる。喫煙者だけでなく、受動喫煙でも歯周病のリスクが高まることは、国立がん研究センターの疫学研究で明らかになっている。全身の健康状態に悪影響を及ぼすことは疑いの余地がない。

 国民の健康寿命を延ばしたいと考えるのであれば、禁煙のきっかけとして「たばこのない五輪」は良い機会になると思う。ぜひ「屋内全面禁煙」を目指して欲しい。2017年4月21日 (金)配信朝日新聞

たん吸引や栄養注入など必要…医療的ケア児受け入れ、8県の保育所でゼロ

たんの吸引や栄養注入などが日常的に必要な医療的ケア児の保育所での受け入れ状況について、厚生労働省が初の実態調査結果をまとめた。

 全国260か所に303人が通っていたが、8県ではゼロだった。受け入れ促進のため、同省は、ケアを担当する看護師を派遣するモデル事業を今年度始める。

 調査は昨年7月、全国の認可保育所と認定こども園を対象に実施。2015年度の受け入れ人数を調べた。受け入れの報告があった303人を都道府県別にみると、大阪(49人)、滋賀(35人)、千葉(23人)、東京(21人)の順で多かった。青森、福島、山梨、岡山、山口、徳島、佐賀、宮崎の各県は1人も受け入れていなかった。

 最多の大阪府では、大阪市など少なくとも8市町が、看護師の配置費用を補助するなどしている。同省も今年度のモデル事業で、看護師の派遣や保育士の研修受講でかかる費用などを補助し、体制作りを進める。

 幼稚園については調査が行われておらず、全体の状況はわかっていない。

 医療的ケア児の在宅医療に取り組む前田浩利・医療法人財団はるたか会理事長は、「保育所の利用を望む親子は各地にいる。看護師の配置だけでなく、緊急時に指示を出せる在宅診療医らと連携する仕組み作りも重要だ」と指摘している。

人口3割減の8808万人 65年推計、出生率1・44 1億人割れ53年、超高齢化 政府目標実現は困難

国立社会保障・人口問題研究所は10日、2065年の人口は8808万人とする「日本の将来推計人口」を公表した。15年から50年間で3割減となる。女性1人が生涯に産む子どもの推定人数「合計特殊出生率」は65年に1・44で、12年公表の前回推計(60年に1・35)から上方修正。近年の30~40代の出生率上昇を受けた。人口が1億人を割るのは53年とし、前回推計の48年より5年遅いが、政府が目標とする「60年に1億人程度」の実現は現状では困難で、少子化対策などの一層の充実が求められる。

 65年の65歳以上の割合(高齢化率)は38・4%で、15年の26・6%より増加。1人の高齢者を20~64歳の働き手1・2人(15年は2・1人)で支える計算となる。前回推計(65年に40・4%)に比べ進行はやや緩和されるものの「超高齢化」は不可避で、年金、医療保険などの社会保障制度改革も喫緊の課題となる。

 菅義偉官房長官は10日の記者会見で、「1億総活躍プラン」に掲げた子育て支援などの施策を推進すれば「合計特殊出生率や総人口の推計値はさらに上昇する」と発言。ただ識者からは「人口減少は楽観視する状況になく、抜本的な対策が必要」との指摘が出ている。

 推計人口は、国勢調査などを基におおむね5年ごとに公表。15年までの実績値などから、50年先までの出生率と死亡率について「高位」「中位」「低位」の3通りを設定し、それぞれを組み合わせて算定した。

 出生と死亡が共に「中位」で推移する標準的なケースでは、人口総数は15年の1億2709万人から53年に9924万人と1億人を割り込み、65年に8808万人まで減少する。

 65年の内訳は「0~14歳」が898万人(10・2%)、生産年齢人口の「15~64歳」は4529万人(51・4%)、「65歳以上」は3381万人(38・4%)としている。平均寿命は15年の男性80・75歳、女性86・98歳から延び続け、65年に男性84・95歳、女性91・35歳。

 合計特殊出生率は、15年の1・45が、24年(1・42)に下げ止まり、65年には1・44に。ただ人口を維持する目安とされる2・07を下回る状況は続く。

 ※将来推計人口

 国勢調査や人口動態統計などのデータから将来の出生率や死亡率、入出国者数を仮定し、これらを基に、日本の総人口や年代構成がどう変化するかを50年後まで推計する。社会保障をはじめ、政府の政策や長期計画の基礎資料として使われる。国立社会保障・人口問題研究所が国勢調査に合わせて約5年ごとに見直しており、長期の合計特殊出生率、高齢化率、平均寿命の推計値などを発表。今後、都道府県別や市区町村別の推計も公表予定。

 ※合計特殊出生率

 15~49歳の女性の年齢別出生率を合計した数値で、「1人の女性が生涯に産む子どもの数」を推定する指標。1975年に2・00を割り込んでから低下傾向が続き、2005年には1・26と最低を記録した。最近は緩やかな上昇傾向にあり15年は1・45だった。人口の維持に必要とされる水準は2・07。安倍政権は、若い世代が希望通りの数の子どもを持てる「希望出生率1・8」を目標に掲げているが、少子化に歯止めがかからない状態は続いている。

歯の治療 障害者も気軽に

発達障害や身体障害を抱える人を治療する「みき歯科 三越通りクリニック」が、高松市丸の内にオープンした。障害者を積極的に受け入れる個人の歯科医院は香川では少なく、患者が受診をためらって治療が遅れるケースも多いという。院長(34)は「みんなが気軽に通えるクリニックにして、症状に合った診療を心がけたい」と意気込む。(福元淳也)

 「怖くないですよ。もう少し口を開いてくださいね」。19日、三木院長とスタッフは折れた前歯の治療に訪れた40歳代の女性に優しく声をかけ、差し歯用の歯型を取った。女性は高松市内の障害者福祉施設に入所しており、施設の看護師(58)は「丁寧に診察してもらえ、本人も喜んでいる。障害者を受け入れる歯科医院は少ないのでとても助かります」と喜んだ。

 クリニックのオープンは17日。院長は2009年4月~今年3月、高松市のかがわ総合リハビリテーションセンターで障害者の診察にあたった。
 専門医を志した原点は、過去に経験した自閉症の患者に対する治療。16歳くらいの少年が暴れて虫歯治療を拒絶したため、両腕をネットで拘束して、頭が動かないようスタッフに頭を押さえつけてもらいながら治療した。強烈な経験は夢にまで再現されて三木院長を苦しめ、「どうやったら気持ちよく診察してもらえるのか」と考えるようになったという。

 同センターに勤務しながら、香川大大学院で自閉症をはじめ、脳性マヒや脳血管障害など、症例ごとの対処法を学んだ。リラックスして口を開けてもらえるよう、手先から肘、肩、首をさする技術も身につけた。

 院長は「診察時には、患者やその家族とのコミュニケーションも心がけました」と振り返る。診察時に動けば口の中を大けがする危険性や、治療しなければかみ合わせがずれて顎関節症になったり、菌が血管に入り込んだりする可能性も丁寧に説明したという。歯磨きができなかった女児には、ブラシの使い方をパネルも用いて何度も指導し、習慣づけた。

 「患者の人格を尊重しながら診察できるようになった」と手応えを感じ、独立に踏み切った。

飲みやすさや味、高く評価 - 薬剤師のお薦めGE薬を調査 兵庫県健康福祉部健康局薬務課

兵庫県健康福祉部健康局薬務課が県内の薬局薬剤師を対象に実施した「薬剤師がお薦めするジェネリック医薬品(GE薬)」の調査結果がこのほどまとまった。飲みやすさや味などを評価する声が多く、3軒以上の薬局から評価された「お薦めGE薬」は合計で178品目に達した。同県薬務課はこの調査結果を、患者に応じた適切なGE薬を薬局などで選択する際の参考資料として役立ててもらい、GE薬の使用促進につなげたい考えだ。

 調査は昨年10、11月に実施。県内の2582薬局を対象に郵送で調査票を配布し、患者に人気があるGE薬、調剤しやすいGE薬など、薬剤師自身が薦めるGE薬を各薬局から最大10品目提示してもらった。小児用剤、OD錠、錠剤・カプセル剤、散剤・顆粒剤、液剤、貼付剤、軟膏剤・クリーム剤・ローション外用液剤、点眼剤・点鼻剤、坐剤、吸入剤など領域ごとに具体的な品目名を記入してもらい、その推奨理由も聞いた。821薬局から回答があった(回収率31.8%)

 調査の結果、合計1074品目の「お薦めGE薬」がリストアップされた。このうち3軒以上の薬局から評価を得たのは178品目。その内訳は、小児用剤18品目、錠剤、カプセル剤、散剤、液剤などの内服薬116品目、外用薬44品目となっていた。

 最も多くの支持を集めたのは帝國製薬の「ビーソフテンローション0.3%」(先発品:ヒルドイドローション0.3%)。「使用感がさらっとして使いやすい」「化粧水のようなタイプで夏場には最適」「スプレータイプなので広範囲に塗りやすい」など、塗り心地の良さを136薬局が評価した。

 同じ先発品については日医工の「ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%『日医工』」も「逆さまにして背中等にも噴霧可能」など、容器の工夫が25薬局から支持された。

 先発品にはない剤形や大きさが38薬局から評価されたのは、持田製薬の「バラシクロビル粒状錠500mg『モチダ』」(先発品:バルトレックス錠500)。「粒が小さく高齢者が服用しやすい」「粒が小さくゲル化するので飲み込みやすい」などの声が上がった。

 点眼剤では千寿製薬の「ティアバランス点眼液0.1%」(先発品:ヒアレイン点眼液0.1%)が、「容器が柔らかくさしやすい」などと容器の工夫が10薬局から評価された。同じ先発品については、日本点眼薬研究所の「ヒアルロン酸ナトリウムPF点眼液0.1%『日点』」も防腐剤を含まないことが18薬局から支持を集めた。

 小児用剤では、高田製薬の「クラリスロマイシンDS小児用10%『タカタ』」(先発品:クラリスドライシロップ10%小児用)が好評で、「苦みが少ない」「バナナ味」など味の良さが94薬局から高い評価を受けた。同社の他の複数の小児用剤も同様の理由で評価を獲得している。

 貼付剤では、大石膏盛堂の「パテルテープ20」(先発品:モーラステープ20mg)の使用感の良さが、「先発品と変わらない貼り心地」など14薬局から評価を受けた。

 日医工の「バルプロ酸ナトリウムシロップ5%『日医工』」(先発品:デパケンシロップ5%)は「量り間違いによる飲み間違いが減少する」「1回分使い切り個包装」など、包装の工夫が17薬局から評価された。キョーリンリメディオの「モンテルカスト錠10mg『KM』」(先発品:キプレス錠10mg)など、オーソライズドジェネリックであり先発品との価格差が大きい品目も、薬剤師から支持を集めた。

 このほか全体的に、錠剤表面の印字や割線、OD錠の欠けにくさ、独自の剤形、嚥下困難患者の服用のしやすさなどを評価する声が上がった。

 これらの調査結果について同県薬務課長の四方浩人氏は「全体を通じて、飲みやすさや味の良さを評価する声が多かった」と話す。結果は既に県内の薬局などにフィードバックした。最適なGE薬を選択する際の参考資料として役立ててもらい、使用促進を図りたいとしている。

歯周病予防、無料で検診 大洗町

大洗町は本年度から、一定の年齢に達した町民を対象に、歯周病検診を無料で実施する事業に乗り出す。心疾患などのリスクを高めるとされる歯周病を予防することで、将来の医療費を軽減するとともに、町民の健康意識を高めるのが狙い。本年度当初予算には約61万円を盛り込んだ。

 町健康増進課によると、対象となるのは、本年度中に40、50、60、70歳を迎える町民。対象者には、6月をめどに案内を郵送する予定で、町が指定した歯科医院で検診してもらう。

 町の担当者は「歯周病は口腔(こうくう)内だけでなく、心筋梗塞など他の病気への影響も指摘されている。検診を通して健康全般に気を使っていただければ」と話している。

歯にレンズ埋め移植手術、視力回復 シドニーの眼科病院

自分の歯にレンズを埋め込み、移植して視力を回復――。こんな珍しい手術が、オーストラリア・シドニーの眼科病院で行われた。手術を受けた2人は、ほとんど物が見えない状態から視力が回復したという。地元紙サンデーテレグラフが16日、伝えた。

 同紙によると、手術は、角膜の障害が原因で視力を失った人たちが対象。豪南東部ゴールバーン在住の男性、ジョン・イングスさん(72)と北東部ケアンズの女性レオニー・ガレットさん(50)の2人が受けた。

 手術では、最初に2人の歯を抜いて穴を開け、プラスチック製のレンズを埋め込んだ。その歯をほおの内側に縫い付け、3カ月ほどして歯が、抜かれる前のように自ら組織を作ることができるようになった時点で眼球に移植。自分の歯を使うため、移植に伴う拒絶反応は起こらず、2人の視力は復活した。

 イングスさんは「手術前には、もう何も見えなくなってしまうのだろうと思っていた」と同紙に語った。同種の手術は南半球では初めて。欧米では手術例があり、主治医の2人は、2004年以降に数件の手術が行われたドイツで学んだ。09年には米国での初めての手術が報道されている。

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