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中医協 診療報酬改定の整理案

中医協総会が10日、東京・永田町の全国都市会館で開かれ、これまでの議論を令和2年度診療報酬改定の基本方針に沿った形でまとめた「整理案」が示された。

 感染防止対策の研修をスタッフに受けさせることで歯科の基本診療料の評価を見直すなど、歯科に関して少なくとも20項目が盛り込まれた。

(歯科通信より)

納豆1日1パック、死亡率10%減 9万人を追跡調査

 納豆やみそなどの発酵性大豆食品をよく食べる人は、そうでない人と比べて10%死亡率が下がるという調査結果を、国立がん研究センターの研究チームがまとめた。

 チームは、国内の成人男女約9万人を1995年以降、平均15年間追跡調査した。食事内容を聞き、大豆食品や発酵性大豆食品を食べた量により五つのグループに分類。ほかの食品による影響や、降圧薬を使用しているかなどの影響を取り除いて分析した。

 発酵性大豆食品を最も多くとるグループ(1日におよそ50グラム)は、最も少ないグループと比べて男女ともに約10%死亡率が低かった。50グラムとは納豆1パック程度。食品別に見ると、女性では納豆やみそを多くとると、死亡リスクが下がる傾向が顕著だった。

朝日新聞デジタルselect

生活習慣病予防月間

毎年2月は全国生活習慣病予防月間です。
テーマとなっている「一無二少三多で生活習慣病予防」の意味は以下のとおり。
 一無(いちむ):無煙・禁煙の勧め
 二少(にしょう):少食・少酒の勧め
 三多(さんた):多動・多休・多接の勧め
「お役立ちツール」をリスクチェックや啓発に活かしてみてください。
▼生活習慣病予防お役立ちツール(日本生活習慣病予防協会)
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/j0sfndp03x04wdh38gfwW

公立・公的病院の再編統合

厚生労働省は各都道府県に対して、公立・公的病院の再編統合に向けた議論を
行うように求める通知を出しました。
議論の取りまとめ時期は「今夏にも改めて通知する」としています。
昨年9月に実名公表した公立・公的病院リストから、
7病院が除外されましたが、約20の病院を新たに追加して
再編統合の対象病院は440程度になるそうです。
追加病院は実名公表されていません。
今回除外されたのは以下の7病院です。
 社会福祉法人恩賜財団済生会支部東京都済生会中央病院(東京都)
 JA静岡厚生連遠州病院(静岡県)
 岩国市医療センター医師会病院(山口県)
 徳島県鳴門病院(徳島県)
 宗像医師会病院(福岡県)
 熊本市立熊本市民病院(熊本県)
 杵築市立山香病院(大分県)
除外理由は「前回リスト作成時のデータ入力ミス」としています。

第7次医療計画中間見直し 在宅歯科の推進

2018-2023年度を対象とする第7次医療計画の中間見直しが行われています。
その中で、厚労省は在宅歯科医療の体制構築を進めるための指標を追加する
案を提示しました。
指標例に追加するのは次の5点。
・ストラクチャー指標
「在宅歯科診療に関する連携拠点数」
「訪問口腔衛生指導を実施している診療所・病院数」
「在宅で活躍する栄養サポートチーム(NCT)と連携する歯科医療機関数」
・プロセス指標
「歯科衛生士を帯同した訪問歯科診療を受けた患者数」
「訪問口腔衛生指導を受けた患者数」
口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防など、全身の健康との関連が深いと
評価されたことによるものです。

▼医療計画の見直し等に関する検討会(厚生労働省)
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/j0sfldp03x04wdh38g0ec

▼参考:第7次医療計画中間見直し方針固まる(GemMed)
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/j0sfmdp03x04wdh38gHoS

初マラソン参加で「血管年齢」が若返る? 半年のトレーニングで4歳の若返り効果

「マラソンに初挑戦する」を新年の抱負にしてみてはどうだろう。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の心血管科学研究所およびバーツ心臓センターの顧問であるCharlotte Manisty氏らによる新たな研究で、トレーニングを行って初マラソンを完走した人では、血圧と加齢に伴う大動脈の硬化の程度が改善したことが示された。これは、「血管年齢」が4歳若返ったことに相当するという。研究結果の詳細は「Journal of the American College of Cardiology」1月7日号に掲載された。

 この研究では、2016年と2017年のロンドンマラソンで初めてマラソンを完走した健康なランナー138人(男性49%)を追跡。ランナーは平均年齢が37歳(21~69歳)で、マラソンの6カ月前から、週に3回程度、1週間当たり6~13マイル(約10~21km)走るトレーニングを行った。研究チームはトレーニングの開始前とマラソン完走の2週間後に、ランナーの血圧と大動脈の硬化度を調べた。

 その結果、トレーニングを6カ月間続けたランナーでは、薬物療法に匹敵する血圧降下が認められ、心臓が収縮したときの収縮期血圧(上の血圧)が平均4mmHg、心臓が拡張したときの拡張期血圧(下の血圧)が平均3mmHg低下した。大動脈の硬化度にも改善が認められ、肺動脈分岐部の下行大動脈の伸展性(加圧時に膨張する血管の能力)は9%増加していた。Manisty氏らによると、この結果は、血管年齢が4歳ほど若返ったことに相当するという。さらに、こうした血管の健康効果は高齢者でより大きく、最も大きかったのはマラソンのタイムが遅い男性であったという。

 Manisty氏は、マラソンの完走という目標を設定することで運動を継続しやすくなり、健康な食生活や睡眠の質の向上といった生活習慣の改善にもつながると指摘した上で、「マラソンに限らず、どんなレベルの運動でも、目標をもって継続的に行うことが健康に有益だ」と話す。

 米ウィリアム・ボーモント病院のBarry Franklin氏によると、定期的な運動により心筋梗塞リスクは最大50%低減し得ることが、さまざまな研究で明らかにされている。それにもかかわらず、米国人の間では運動不足がますます蔓延しており、「テクノロジーの進歩により、われわれは慢性疾患リスクの増大という大きな代償を支払っている」と同氏は嘆く。

 米ハーバード大学医学大学院は、トレーニングを行う際の注意点として以下のことを挙げている。

運動レベルは、最初は緩やかなものとし、徐々にレベルを上げていくこと。
関節、骨、筋肉に痛みがないか注意すること。使い過ぎが痛みの原因である可能性もあるので、医師に診てもらうこと。
体調が悪いときや疲れがひどいときは休みを取ること。
天候に応じて適切な服装を選び、水分を十分に取ること。

自治体に働きかけ、病院嫌いな人もフレイル外来に呼び込む‐佐々尾航・道立羽幌病院副院長に聞く

――フレイル外来開設するにあたって、まず始めたことは何でしたか。
 自治体の協力が不可欠だと思いました。本来であれば、自治体などがフレイルの状態の人を発見して、医療機関と連携をすることが望ましいでしょう。なぜならば、病院にかかっている人の把握は病院ができますが、かかっていない人もいるため、そうした人が取りこぼされる可能性があるからです。

 だからまず、自治体の協力を仰げるように、近隣の自治体に現状や開設の目的を説明しに行きました。現在は、当院が主体となって羽幌町、苫前町、遠別町、初山別村と連携しながらフレイル外来を行っています。

 病気は、転倒して大腿骨骨折して寝たきりになって・・・と、階段上に悪くなっていくと思われがちですが、転倒するまでには、年齢とともに衰えている箇所があるなど、何かきっかけがあるわけです。そこで、転ばないようにするためには地域で何ができるかを考えて、介入することが必要だと思います。

――フレイル外来ではどのようなことを診るのでしょうか。
 フレイルには3つの要素があります。運動機能や筋肉量や口の機能の低下などの「身体的なもの」、閉じこもりや社会参加の欠如などの「社会的なもの」、うつ傾向や認知機能の低下など「精神的なもの」です。ですからそれらが総合評価できるようなものにしています。

 まず、道立羽幌病院では、要介護状態ではない方で、「体重減少、歩行速度低下、握力の低下、疲れやすい、活動性の低下」の5つのうち、1つ以上あてはまる方を外来受診の対象にしています。これは自己申告制で、これらに「自分はあてはまるかも」と思われた方は、お住まいの自治体の地域包括支援センター、または当院に申し込みをしてもらいます。要支援や要介護1までの方で、主治医が評価を希望される方も自院・近隣の他院を含めて受け入れています。

――フレイル外来の流れについて教えてください。
 外来受診の対象になった人には、問診票を記入してもらいます。問診票のチェックは、看護師や理学療法士など多職種で担当をしています。

 そのほか、身体の各パーツの筋肉量が計測できる身体測定や、ロコモ度テストを中心に運動機能を測定し、それぞれ評価をします。また、受診状況や内服薬の確認もここで行います。予防の対象ですので、ここまでの費用は無料で行われます。

 以降は保険診療で行われます。まず、1回目の医師の診察では、認知機能に関する問診と、事前に行われた身体測定や運動機能の結果および問診から得られた結果の説明をします。また、ポリファーマシー(多剤内服)は転倒のリスクがあるため、この点についても確認しています。薬剤数が多い方の場合は、その内服理由などを伺い、減薬の必要があれば時間をかけて説明しています。

 次に、それらを受けて検査や必要な指導を行います。検査は、血液検査を実施し、運動機能の低下があれば骨密度の検査、認知機能の低下があれば頭部MRIなどを実施します。指導には、低栄養やその危険があると考えられる場合は、栄養指導を行い、中等度以上の運動機能低下や軽度でも転倒リスクがある場合はロコトレ指導があります。

 その後、医師の2回目の診察を受け、初診後の検査結果の説明や、異常が認められた場合の治療方針の説明、今後の生活に関する指導をする流れになります。また、自治体にはこの結果を返し、介護予防に活かす、あるいは早期介入してもらえるようにしています。

――開設してからちょうど1年が経過しますが、結果など状況はいかがですか。
 開設当初は予約が取れないほど人気でしたが、現在は比較的落ち着きました。外来診察を受けた人数は、2018年度は23人、2019年度は9人(11月現在)で、合計32人です。

 2018年度分では23名中16名(70%)が、中等度以上運動機能が落ちていることがわかりました。骨密度検査で骨粗しょう症がわかった人は、新たに判明した方が4人、他院加療中だがさらに低下していることが判明した方が1人、認知症検査で軽度認知機能障害(MCI)が12人、認知症が2人でした。ポリファーマシーの方は14人(60%)でした。

慢性疾患がない平均余命が10年伸びる5つの生活習慣因子

米国で看護師健康調査(Nurses' Health Study)に参加した女性看護師7万3196人および医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study)に参加した男性医療従事者3万8366人を対象に、健康的な生活習慣と重大な慢性疾患(がん、心血管疾患、2型糖尿病)のない平均余命の関連を前向きコホート試験で検討。喫煙歴なし、BMI 18.5-24.9、中強度ないし強度の運動30分/日以上、食事の質の指数高スコア、適量の飲酒の5項目を低リスク生活習慣因子とした。

 50歳時の重大な慢性疾患のない平均余命は低リスク生活習慣因子を遵守していない女性23.7年、4項目以上遵守している女性34.4年、男性ではそれぞれ23.5年と31.1年だった。男性重度喫煙者(15本/日以上)、男性および女性の肥満者(BMI 30以上)では、50歳時の平均余命に占める重大な慢性疾患のない余命の割合が最も低かった(75%以下)。

【原文を読む】
Li Y, et al. Healthy lifestyle and life expectancy free of cancer, cardiovascular disease, and type 2 diabetes: prospective cohort study. BMJ. 2020 Jan 8. [Epub ahead of print]

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