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扁平上皮がんの転移をTRIM29分子が制御 北大

北海道大学は11月2日、扁平上皮がんにおいてTRIM29と呼ばれる分子ががんの転移を制御するメカニズムを明らかにしたと発表した。この研究は同大大学院医学研究院皮膚科学教室の研究グループが行なったもので、研究成果は米国がん研究学会雑誌である「Cancer Research」に掲載された。

 TRIM29分子は皮膚・頭頸部などの正常の重層扁平上皮でケラチンの正確な分布を制御していると考えられる。一方、扁平上皮がんではTRIM29発現が低下しており、それがケラチンの分布の異常と細胞遊走・転移能の獲得に寄与していることが判明したとしている。

 今回の研究成果は、扁平上皮細胞における診断や予後予測のバイオマーカーとしての活用や、治療標的につながることが期待される。

(医療NEWS 11月6日より)

カンジダ菌などの増殖を持続的に抑制する義歯用粘膜治療材が承認

 北海道大学、広島大学および産業技術総合研究所は11月14日、新義歯用粘膜治療材「無機系抗菌剤CPC担持モンモリロナイト」を開発したと発表した。同製品は、10月9日付けで厚生労働大臣に製造承認された「塩化セチルピリジニウム(CPC)」の抗菌活性を利用し、CPCが徐放することで持続的な抗菌効果を発揮する。

 同製品のような口腔に薬剤が徐放するコンビネーション製品(薬物・機器組み合わせ製品)は日本で初めて。同製品の発売は、保険適用の手続きを経て、2019年春を予定している。

      (医療NEWS 11月16日より)

訪日外国人観光客患者等の受診状況等に関する調査について(協力依頼)

外国人観光客が急増する中で、2019年のラグビー・ワールドカップ、2020年にはオリンピック・パラリンピックを控え、医療通訳や医療費の不払い等の問題が危惧されています。

 そこで日本歯科医師会は、急増する訪日外国人客患者等への歯科医療提供体制の整備に向けて、その実態を把握することを目的として標記調査を実施することとします。

 今回の調査手法はWEBで行い、日本歯科医師会ホームページ・メンバーズルーム( https://www.jda.or.jp/member/)にログインの上、バナー「訪日外国人観光客患者等の受診状況等に関する調査」をクリックし、次のIDおよびパスワードでログインしご回答いただきます。

健口フェスタ:歯の大切さ訴え

「口から始めるスマイル人生」をテーマに第2回やまぐち健口(けんこう)フェスタが18日、山口市吉敷下東の県歯科医師会館で開かれ、多くの人でにぎわった。

 健康長寿につながる歯科保健医療の充実やかかりつけ歯科医の普及などを目的に、県歯科医師会が主催した。会場には、乳幼児期から老年期までの歯の手入れの仕方を紹介したノートなどが展示され、クイズ形式で歯の健康に関わる問題を考えるコーナーも。

 歯周病が原因となる口臭チェックや、飲み込む力に関係する舌圧測定の無料体験もあり、訪れた人が興味深そうに数値を確かめていた。歯科保健に関するポスターや習字のコンクールの優秀作品の表彰式もあり、歯の大切さを訴える作品が紹介された。

地図状舌って?

「べぇ~~~」と舌を出して、舌の表面を見てみてください。
表面が赤みのある円に近い形と、その周りが白く毛羽立った状態で、
地図のようにも見える場合、地図状舌かもしれません。

大人より子どもにみられることが多くあり、
遺伝、アレルギー、自律神経、舌への刺激(熱い食べ物や香辛料など)等々、
さまざま推察されますが、これといった原因は分かっていません。
しかし、口腔内細菌による炎症が原因との報告が多くあります。

痛みを感じるのは稀ですが、その場合は塗り薬での治療になります。
基本的には「お口の中を清潔にする」ということが大切なので、
歯磨きに合わせてうがい薬でのうがいをお勧めします。
うがい薬は炎症を抑えるものがいいので、
薬剤師や歯科医院で相談するといいかもしれません。

普段は舌を意識していない方、案外多いんじゃないかと思います。
舌はからだの健康を図るバロメーターでもあります。
是非、自分の舌も観察してみてください。

▼参考:原田浩之「地図状舌の治療」
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h067qzt0ytx5ktasuqp7d
 ※クリックするとPDFが開きます。

健保組合:生活習慣病重視 歯科予防後回し 医療費抑制の妨げに

全国の健康保険組合が、がんや糖尿病など中高年に多い病気の対策を優先させる一方、歯科を重く見ているのは1割未満――。そんな調査結果を東京大の研究ユニットがまとめた。歯科を重視すれば医療費全体の削減が見込まれるが、現実には後回しになっている実態が浮かんだ。

 東京大政策ビジョン研究センター・データヘルス研究ユニットが、健保のデータを集めた「データヘルス・ポータルサイト」にある「健康保険組合連合会」(健保連、約3000万人)の情報を基に分析した。2016年度の1363組合を調べたところ、がんの医療費抑制を重視していたのは513組合。糖尿病なども529組合だったが、歯科は128組合にとどまった。

 健保連によると、歯科の1人当たりの医療費は年間約1万7000円で、がん(約1万6000円)や糖尿病(約1万3000円)より高い。ブラッシングの徹底などの予防策を取れば、加入者自身が健康になるうえ、医療費全体の抑制にもつながるという。

風疹患者千人突破 昨年の12倍 大流行懸念 感染研

国立感染症研究所(感染研)は10月16日、今年になって報告された風疹患者数が1,103人になったと発表した。昨年1年間(93人)の約12倍に上っており、平成24~25年の前回の大流行に匹敵する規模への拡大が懸念される。流行はすでに40都道府県に及び、特に30~50代男性に多く、ワクチンの接種歴「なし」や「不明」が目立つ。

 風疹は妊娠初期の女性がかかると、赤ちゃんに難聴や心臓病などの障がいが起きる恐れがある。

 厚生労働省は今月2日、風疹の流行が続く東京、神奈川など5都県に対し、妊娠を希望する女性や妊婦の同居家族に、抗体検査を推進するよう通知。適切なワクチン接種の実施を呼びかけている。

(産経新聞 10月16日より)

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歯がない高齢者、長時間・短時間睡眠のリスクが1.4倍以上に-東北大

東北大学は10月5日、高齢者における歯の本数と睡眠時間の関係を明らかにした研究結果を発表した。研究成果は、「Sleep Medicine」電子版にて公開されている。

 解析に用いた2万548人のうち、歯が0本の人たちは短時間睡眠(4時間以下)が3.3%、長時間睡眠(10時間以上)が9.0%であったのに対し、歯が20本以上の人たちは、短時間睡眠が2.3%、長時間睡眠が2.8%と、短時間睡眠・長時間睡眠共に少ない傾向にあったという。さらに、歯の本数と睡眠時間についてU字型の関係性が存在することが判明。現在歯が20本以上の人に比較して、現在歯が0本の人たちは、短時間睡眠のリスクが1.4倍、または長時間睡眠のリスクが1.8倍であることが認められたという。また、残っている歯が1~9本の人たちでも同様の関連(短時間睡眠=1.3倍、長時間睡眠=1.5倍)がみられたとしている。

(医療NEWS 10月10日より)

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