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口臭を減らせる、この一手【渡辺専門委員の「しあわせの歯科医療」】③

歯磨き、舌磨きをしてから口の臭い成分を計測
 次に歯磨きをしてから同じ検査をします。それでよくなれば、 歯垢など歯の汚れや残った食べカスが臭いの元だったということになります。良くなる人もいますが、多くの人はこの段階ではあまり改善しません。次に舌磨き用のブラシやヘラを使って舌を磨いてから測ります。舌には、はがれた粘膜や食物のカス、歯周病菌など様々な細菌が付着していて、これを 舌苔と言います。この舌磨きで、改善する人もいますが、向かい合って話をしていて臭いが気にならないレベルには下がらない人が多いそうです。

 「口臭の原因は、割合としては歯の汚れよりも、舌の汚れの方が大きいのですが、舌をブラシやヘラできれいに磨くのは意外と難しい」と中川さんは言います。その理由は舌の構造にあります。舌の表面は、鏡でよく見ると、極小の突起が無数に並んでいます。舌乳頭と言いますが、舌ブラシは後ろから手前に引いて使うことが多く、舌乳頭の片側はきれいにできても、周囲には細菌が残ってしまいます。また、耕すようにブラシで臭気物質を巻き上げるだけで、検査をすると臭気の数値が高くなることもあるそうです。