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電話・オンラインでの初診料など

 ― 歯科診療にも適用 ―
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 新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえた時限的・特例的な対応として、歯科医師による電話等を用いた初診が可能となった。

 4月24日の中医協総会で承認されたもので、「歯科医師が(電話等で)診察可能と判断し診察及び処方等を行った場合」に初診料185点が算定できる。

歯科も初診オンラインへ コロナ感染防止で厚労省

厚生労働省は23日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う特例として、歯科でも初診からスマートフォンやパソコンを使ったオンライン診療を認める方針を固めた。院内での感染を防ぐ狙い。

 サービスの対価である診療報酬でオンラインの初診料は1850円で調整。このうち患者は1~3割の自己負担を支払う。24日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に提案する。

 医科では既に初診からのオンライン診療が始まっており、歯科でも対応が必要と判断した。オンライン診療で虫歯などを治療するのは難しいため、痛み止めを処方する場合などの活用が中心となりそうだ。

 歯科診療では、新型コロナウイルスの感染者だった場合、治療で歯を削る際にウイルスが飛散して院内感染するリスクがある。厚労省は、歯科医の判断で不急の治療を延期することや応急処置にとどめることを検討するよう都道府県や政令市などに6日付で通知している。

「病院が怖い」受診控えも コロナ拡大で診療に影響、持病悪化の懸念

新型コロナウイルス感染症に対応する病院だけでなく、さまざまな医療機関の日常的な診療に、感染拡大の影響が広がっている。緊急性の低い手術を延期したり、電話での再診に力を入れたりと、医療機関側は院内感染防止に必死だ。一方で、患者側には感染を恐れて受診をためらう動きが出ており、持病の悪化を懸念する声もある。

 「がんや痛みが強い場合など緊急性の高い手術はするが、それ以外の手術は延期を検討する」とするのは福岡市の急性期病院の60代院長。無症状でも感染者がいる可能性があり、手術時の感染を避けたいという。

 日本外科学会などは手術の実施時期を緊急度に応じて判断し、致命的な病気でなければ延期するよう促す提言を公表。院長は「院内感染が起こったら診療できなくなる。何としても防がないといけない」と話す。

 福岡県歯科医師会は緊急事態宣言に備えて4日、緊急性の低い診療は延期も検討するようにと各歯科医院に通知した。同会の川端貴美子専務理事は「高齢者の口腔(こうくう)ケアが誤嚥(ごえん)性肺炎を防ぐように、延期ができない診療もある。受診に迷ったら、かかりつけの歯科医に相談してほしい」と呼び掛ける。

歯周病菌の線毛 構造解明 長崎大などのグループ

歯周病をもたらす細菌の「線毛」の構造と形成の仕組みを解明したと、長崎大大学院医歯薬学総合研究科の庄子幹郎准教授、中山浩次名誉教授らのグループが14日付の国際科学雑誌ネイチャー・マイクロバイオロジー電子版に発表した。

 歯周病は、細菌によって歯茎が炎症し、悪化すると歯を支える骨が溶けて歯の喪失につながる病気。歯の表面に付着する歯垢(しこう)という「バイオフィルム」(微生物の集合体)に起因する。

 研究グループによると、バイオフィルムは、歯周病の原因菌が毛髪状に伸びる「線毛」を使って細菌同士を絡めて形成する。これを阻止できれば歯周病を防ぐことができるという。

 研究グループは、主要な病原細菌の一つ「ジンジバリス菌」が持つ特殊な「5型線毛」の構造や形成の仕組みを、X線結晶構造解析やクライオ電子顕微鏡解析などを用いて、原子レベルで明らかにした。

 研究者は他に、大阪大大学院理学研究科の今田勝巳教授、沖縄科学技術大学院大学のマティアス・ウォルフ准教授、柴田敏史博士。

 研究グループによると、歯周病は日本人が歯を失う原因のトップで、ジンジバリス菌は近年の研究で糖尿病や心疾患、膵(すい)がん、アルツハイマー病などさまざまな病気との関係が明らかになっている。庄子准教授は「最新の電子顕微鏡や新しい手法で5型線毛の構造が原子レベルで明らかになった。歯周病を防ぐため、線毛の形成を阻止するような薬剤の開発につなげていきたい」と話している。

女性スタッフ感染を鯖江の歯科医院公表

鯖江市の歯科医院は1日、スタッフの女性が新型コロナウイルスに感染したと明らかにした。3月31日から自主的に休診している。

 張り紙や予約患者への連絡などで周知している。

 同医院は、女性は手袋とマスクを着用し器具の準備や受け付けなどの業務を行っており、患者への直接の接触はないとしている。

 濃厚接触者の院長らスタッフに症状はないが、外出を控え自宅で健康観察を行っている。また、休診中に保健所の指導で消毒作業を実施する。安全が確認でき次第、診療を再開する予定。

口腔保健条例「オーラルフレイル」記載は8

47都道府県のうち歯科口腔保健推進条例を制定しているのは44(93.6%)で、「オーラルフレイル」の文言が盛り込められているのは8(18.2%)に留まっている。日歯が1月29日に開催した「都道府県歯科医師会地域保健・産業保健・介護保険担当理事連絡協議会」で示したアンケート結果速報値による。

 オーラルフレイルについては、条例の交付後に着目されたために記載が少ないと分析されている。今後、条例の見直しについて期待される。

(歯科通信より)

日歯・日歯連盟 マスク等の供給体制で要望

日本歯科医師会と日本歯科医師連盟は7日、「新型コロナウイルス国内感染拡大防止に関わる医療機関へのマスクおよび衛生製品供給体制の確立について(要望)」の文章を安倍総理と加藤厚労大臣に提出した。

 要望書では世界的な不安から衛生商品の品薄を指摘。「医療機関で、これらの商品が安定的に確保できないことによる、十分な衛生管理の不確実性は絶対に防がなくてはならない」として、マスク・衛生製品等の安定的供給の確立を求めた。

(歯科通信より)

オーラルフレイル

80歳で20本以上の歯を残すことを目標とした「8020運動」を、みなさんはご存じでしょうか。これは1989年に始まった国民運動です。当初はこの目標を達成した人は1割にも満たない状況でしたが、約30年後の2017年の調査では約5割以上の人が達成しています。歯を残すこができるようになった今、残った歯をどう使うか、つまり「口の機能」が注目され、その重要性を広めるために提案された概念が「オーラルフレイル」です。
 オーラルフレイルは、直訳すると「口の機能の虚弱」です。口に関するささいな衰えを放置したり、適切に対応しないままにしたりすると、口の機能の低下、食べる機能の障害、さらには心身の機能低下までつながる負の連鎖が生じてしまうことに対して警鐘を鳴らした概念です。
 こうしたオーラルフレイルの進行は、誰もが避けられない自然な衰え(老化)と違い、仲間との交流の減少などが原因で自身の口の健康への関心が薄れてしまうことなどと複合して生じる「不自然な衰え」です。早い段階かた適切に対応すれば回復できますが、放置すると老化に加え、さまざまな要因が口の機能低下などを悪化させてしまいます。
 多くの人は、加齢とともに低下する運動機能、栄養状態、生活能力を「齢のせい」とあきらめ、自ら活動範囲を狭めたり、噛みにくいものを避けたりしがちです。口まわりの”ささいな衰え”から始まる現象は、自覚しないまま悪循環に陥り、やがて食欲低下や低栄養にまで至ってしまいます。こうした問題を人ごとでなく”自分ごと”として、意識的に対処することが最も重要なポイントと言えます。

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