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加齢・飲食 黄ばむ要因

明るくさわやかな笑顔の決め手は口元からのぞく、輝く白い歯。生え始めの白い歯が、だんだん輝きを失い、黄ばんでしまう。
 加齢により、①エナメル質が薄くなる②象牙質がより黄色く変化する③エナメル質の内部に、唾液中のカルシウムやリンなどが堆積し象牙質が透けやすい構造になるといった変化が起きて、より黄色く見えるようになる。
 加齢による変化の次に多かったのは、飲食物のカスやたばこのヤニが歯の表面に付着することによる黄ばみだ。特に、色素の強いものに注意したい。代表的なのは、コーヒーや紅茶、ウーロン茶、赤ワインやカレーだ。
             読売新聞 2010.1.19

Oral Cancer →口腔がん

2002年のデータで、対10万人の口腔癌の率は、日本は2.5人以下と最も少なく、逆に10人以上の非常に発生率の高い国は、パキスタン、パプアニューギニア、南アフリカ、ボツワナ、オーストラリア
 インド、カンボジア、ネパール、バングラディシュ、カザフスタン、フランス、スペイン、ポルトガル、ドイツ、ハンガリー、ウクライナ、ベラルーシ、スロバキア、クロアチアなど、かなり広範囲にわたっている。
 日本と同様に口腔癌発癌率の低い国は、中国、ロシア、インドネシア、モンゴル、ブラジル、ペルー、チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、メキシコなど、そしてヨーロッパでは唯一といってよいと思われるがスウェーデンである。その他の国は中間である。

顎骨壊死、連携で予防をBP剤使用者の歯科治療後5学会が合同で見解

 骨粗しょう症などで「ビスフォスフォネート(BP)剤」の投与を受けた患者で、抜歯などの歯科治療後にあごの骨が壊死するケースが報告されている。海外では作用の強い注射薬での発生が大半だが、日本では経口薬での割合も高い。服用者が歯科診療を受けられないなどの問題も起きたことから、関係学会は合同で予防や対応に関する見解を作成。BP剤の休薬を検討すべきケースなどを挙げ、医療関係者の連携を訴えている。
 ▽経口薬が4割
 BP剤は、骨を吸収する破骨細胞の働きを阻害。骨粗しょう症には経口剤が、がんによる高カルシウム血症や骨転移には注射薬が広く使われている。顎骨壊死は注射薬の患者で初の症例が2003年に報告された。
 顎骨壊死は口内であごの骨が露出したまま治らなかったり、歯周炎や感染が広がって歯が抜けたりする。痛みやうみを伴うこともある。海外での発生頻度は注射薬で0・1~12%、経口薬では最も高い抜歯後のケースで0・09~0・34%と、ほとんどは注射薬だ。
 一方、日本口腔外科学会が08年、国内の約250施設に行ったアンケートでは、報告されたBP剤関連とみられる顎骨壊死263例の40%が経口薬関連だった。調査を担当した浦出雅裕・兵庫医大 歯科口腔外科主任教授は「日本では注射薬の認可時期が遅かったことや、日本人の口内の衛生状態がより悪いことなどが考えられるが、経口薬だから大丈夫とは必ずしも言い切れない」と話す。
 ▽細菌の侵入加速
 米田俊之・大阪大歯学部 教授(生化学)によると、顎骨壊死が起きるのはBP剤投与中や投与後に抜歯の処置を受けた人が大半。非常にまれだがインプラント治療後や義歯のずれがある人での報告もある。
 こうした歯科治療により、口内に700~800種類あるともいわれる常在菌が体内に侵入しやすくなる。「破骨細胞の働きを阻害するBP剤はこれを加速させたり、新しい血管ができるのを妨げたりして骨の代謝を鈍らせ、骨髄炎の症状が起きると推測される」と、米田教授。
 医療現場では「BP剤の有効性を無視し、歯科医が勝手に服用を中止させた」(整形外科医)「医師が処方した薬なのに(顎骨壊死の)治療を引き受けるのはわれわれ」(歯科医)などの声も聞かれ混乱が生じたため、日本骨代謝学会、日本骨粗鬆症学会、日本口腔外科学会、日本歯周病学会、日本歯科放射線学会は合同で、米田教授を委員長とする検討委員会を組織。
 BP剤投与中の患者が抜歯などの治療を受ける際の対応について、科学的根拠には不十分な点もあるとした上で、現時点での見解を作成した。
 ▽口内清掃が重要
 見解は、歯垢や歯石の除去など清掃で口内細菌を減らすことが最も重要だと強調。その上で、BP剤を注射薬で使うがん患者の場合は原則として投与を中断せず、抜歯などの「侵襲的治療」をできるだけ避けるとした。
 一方、経口薬の場合は投与期間が3年未満で、ステロイド剤の使用や糖尿病、喫煙などのリスク要因がない人は、休薬しなくてもよい。3年以上、または3年未満でもリスク要因がある人では、主治医と歯科医が骨粗しょう症治療中断のデメリットと歯科治療の必要性をよく相談し、可能なら3カ月程度の休薬が望ましいとした。
 浦出教授によると、顎骨壊死の治療は口内清掃や抗菌剤などで進行を遅らせるのが中心。有効な治療法が確立されているとはいえず、予防が何より大事。米田教授も「必要以上に心配することはないが、患者さんも日ごろから口の手入れに気を付け、BP剤投与を受けている人が歯科治療を受ける際は、『お薬手帳』などを携行して歯科医に伝えてほしい」としている。(共同通信 江頭建彦)(2010/01/12)

流産:妊娠中と授乳と「無関係」

 授乳をすると子宮が収縮し流産になるとして、明確な根拠がないまま国内の産科医療機関で中止を指導されることの多い妊娠中の授乳について、浜松市の産科医が、授乳は流産と無関係とする論文を日本産科婦人科学会の学会誌に発表した。
 石井第一産科婦人科クリニックの石井広重院長は、96~2000年に同院で第2子の妊娠が確認された20~34歳の女性のカルテをもとに分析。
 第1子が満期産(妊娠37週以上42週未満に出産)で流産の経験がない人で、授乳中だった110人と、授乳していなかった774人を比較。授乳群で流産は全体の7.3%に対し、授乳しない群は8.4%で、有意差はなかった。石井院長は「母乳育児は母子双方にメリットがあり、禁止すべきでない」話す。(12月6日/毎日新聞)

中国製技工物 発がん物質・ベリリウムを含有     TBSが特集 

日本に入ってくる中国製の歯科技工物から、日本では使用禁止の
有害金属が混入している実態が明らかにされた。TBSテレビが6日の
「報道特集NEXT」で放送したもので、含有されていた金属は、当時の
厚生省(現厚労省)が発がん性の高い金属であるとし、25年前に国内
での使用を禁止したベリリウム。同テレビ局が中国の歯科技工所4社
から取り寄せた歯科技工物のうち3社の技工物に同金属が1.2~1.9%
含まれていた。
 海外技工物の取り扱いを巡っては40を超える府県や市町村議会が
安全性を求める「意見書」を採択し、国に提出している。更に、全国の歯科技工士80人が歯科技工の海外委託の禁止や地位保全、損害賠
償を求めて法務省と厚労省を訴え、裁判となっている。一審、二審と
も海外技工には違法性や安全性に問題がないとする国が勝訴し、現在、最高裁で争われている。

「医療費」内容見極めて

医療費控除によって所得税還付の可能性があるのは、家族全員年間の医療費(実際の医療費から保険金などで補てんされる金額を引いた額)が10万円を超える納税者。ただし、収入から所定の控除を差し引いた年間の所得額が200万円未満の人は、医療費がその5%を超えれば、医療費控除を申請できる。
 例えば、収入が180万円の老齢厚生年金だけの65歳以上の高齢者の場合、120万円の公的年金控除を引いて、所得額は60万円となり、その5%である3万円を超えた医療費に税率をかけた税金が返ってくる。
 医療費は、納税者本人だけでなく、生計を同一にしている家族全員分をまとめればよく、仕送りで生活している学生や高齢者なども含まれる。
 控除の対象となる医療費は「診療や治療への対価で、一般に支出される水準を超えないもの」とされる。不妊治療や妊娠時の定期健診の費用、金やポーセレンを使った義歯の作製、インプラントによる歯科治療費などは対象だ。
               東京新聞 2010.1.14

新治療法「カリソルブ」 虫歯部分だけ溶かす

従来のドリルで削る方法は、振動や摩擦で発する熱が神経に伝わり、痛みを起こす。「カリソルブは、熱を発生せず、振動をほとんど与えないため、痛みを抑えられる。ドリルのように健康な歯まで削ることもない」とその特長を語る。
 歯の象牙質は、鉄筋コンクリートに例えると、鉄筋に当たるコラーゲンの繊維と、コンクリートに当たるカルシウムが組み合わさって頑夫にできている。
 カリソルブは、このうち、コラーゲンだけを溶かす作用がある。コラーゲンは通常、カルシウムに守られているが、虫歯の侵食でむき出しになったコラーゲンはカリソルブで溶ける。さらに、3種のアミノ酸を組み合わせることで、虫歯を溶かす効果を高めている。
 痛みを怖がる子供や、麻酔が使えない人、歯茎の根元に虫歯ができやすく、ドリルでは出血の危険もある年配の方にぴったり。
               読売新聞 2010.1.14

キシリトール 虫歯予防へ補助的に利用

世界各国で歯の健康のために「キシリトール」が有効であると薦められています。キシリトールは代替甘味料の一つでイチゴやホウレン草など日常で口にする食物にも微量に含まれていますが、多くはシラカバやカシなどの樹木から抽出される成分で、砂糖と同等の甘味を持っています。
 キシリトールの利用法としては、砂糖の代わりに使ったり、キリシトール入りのガムやあめ(ノンシュガー)を食べるといった方法があります。口の中にいるミュータンス菌はあらゆる糖を分解して酸を作ります。
 虫歯とは、その酸によって歯が溶けてしまっている状態をいいます。ところが、ミュータンス菌はキシリトールを分解できないため、酸を作れないのです。
 また、ミュータンス菌はキシリトールを吸収しているうちに他の糖を発酵させる力もなくなって発育しなくなり少なくなるのです。
 さらに長期期間(3ヶ月以上)繰り返しキシリトールを食べていると口の中の菌の種類が変わり、ミュータンス菌でありながら虫歯をつくる能力のない性格のミュータンス菌が増えるらしいのです。
 キシリトールはあくまで虫歯予防の補助的方法ですので、食後早めのブラッシングは大切です。また、一度に大量に取るとおなかが緩くなる作用があるので注意しましょう。
               福島民友 2010.1.8

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